~やちよside~
「やちよ.....」
「七海先輩....」
「やちよさん....」
彼女たちはかつての戦友だった....。けど今の子は違う...ただの協力関係....。ただの助手、ただの副助手、ただの弟子....。あのまま放っておいてもいいの?あの子達は知ることになるわよ?
やちよ「....(一応調べておこう。記憶ミュージアムについて....)」
~健太side~
灯花「少しはリラックス出来た?あんまり落ち込まれると私もやりづらいよ....」
鶴乃「いろはちゃんも大丈夫?」
いろは「はい、大丈夫です...。悲しんでいられないしとりあえず今は講義に集中します....。」
灯花「納得してくれるなら良かったよ。それじゃみんなも大丈夫かな~?」
健太「ああ、早くしてくれ。」
フェリシア「じっと座ってるのもだりーし早くしてくれよな。」
壮介「俺も大丈夫だ。」
鶴乃「私も大丈夫だよ。聞く準備は出来たよ。」
俊「自分も良いです。」
さな「はい、いつでも....。」
灯花「うん!それじゃ始めようか。今回の講義の内容は、(魔法少年と魔法少女の真実)!マギウスの翼にいる人なら知っているウソでもないあるがままのお話だよ!しっかり聞いてね!」
全員「.......」
俺達は灯花から様々な事を聞かされた。一つはソウルジェムについてだ。
内容は、あるところに5人の魔法少年少女がいた。AさんBさんCさんDさんEさんは中が良く、魔女を狩っていたらしい。ある日、苦戦した5人は日を改めて再挑戦した。だが、5人は窮地に立たされた。魔女が持つ圧倒的な力を前に5人は敗北寸前までに追い込まれたらしい。そしてCさんは立ちあがり単騎で魔女に突撃した。おかげで魔女はかなりの打撃を味わい、止めはAさんにより仕留めることができたらしい。だがCさんは死亡した。体にはどこにも傷らしき物はなかったと言うことだ。灯花は話を終えて皆に質問する。
灯花「さて、それはどうしてでしょうか?」
いろは「問題形式なんだ....。」
灯花「一応考えてはほしいからねー」
壮介「どういう事だ?体は無傷なんだろ....?」
フェリシア「毒を食らったとか?」
灯花「ブブー」
いろは「じゃあ息が出来なくなった....?」
灯花「残念」
俺はしばらく考え込んで答えを言い出す。
健太「体は無傷で、毒も状態異常になるものは食らってないって事は....、ソウルジェムか....?」
灯花「あ、正解だよ!さすが見滝原の炎龍さんだねー!」
鶴乃「ソウルジェム....?どういう事....?」
灯花「つまりね....」
灯花は再び話を始める。聞くと、その死んだCさんの側には砕けたソウルジェムがあった。そして4人は初めて気がついた、ソウルジェムは自分達の命そのものだと....。
灯花「というのが正解でした!」
さな「このソウルジェムが....私の命....?」
灯花「実感はないよねー」
さな「はい、全然ないです....。」
俊「自分も驚きです....、こんな小さい玉が僕達の命なんて....。」
灯花「じゃあ二人とも、ソウルジェムを貸して。」
さな「え、はい。」
俊「ど、どうぞ。」
さなと俊は灯花にソウルジェムを渡す。灯花は受け取った瞬間、ソウルジェムを地面に落とす。そして地面に落ちると同時にさなと俊は一瞬だが苦しむ。
さな「あぐっ!」
俊「ぐぅっ!?」
いろは「さなちゃん!」
壮介「俊君!」
灯花「ごめんね、でもこれでわかったでしょ?こうやってちょっと衝撃を浴びせただけで痛みが来るんだよ。」
俊「はい...、確かにソウルジェムが自分の命という事は分かりました....。ですが、魔力を使うという事は...。」
灯花「そう!良く分かったねお兄さん!魔力を使うということは、自分の命を削ってるという事。そういうの感じたことない?」
健太「命をけずる....か。そういや、俺もあるな...。」
灯花「それはバッテリー切れみたいな証だよ。」
健太「おいおいマジかよ....、それってつまり...。」
灯花「そう、ソウルジェムは自分の命を具現化させて固形化したものなんだよ。まさにバッテリーを内部から外部に変換した感じ。」
壮介「それじゃあ、魔女が良く落とすグリーフシードは....。」
灯花「うん、本来ならクリーナーかもしれないけど充電器みたいな感じだよ。ソウルジェムは使えば使うほど穢れが溜まっていって、グリーフシードを使えば元に戻る充電器だよ。」
健太「(なるほどな....灯花の言ってることが事実なら俺達は常日頃から常人なら死んでいる戦いを繰り返して来てたのか....)」
いろは「だからやちよさんがあんなにあわてて....。」
灯花「そのあわてていたことが物語の続きでわかるよー。」
~やちよside~
やちよ「そう、これが記憶ミュージアムの場所なのね。」
レナ「一応これで全部です...。」
かえで「参考になりましたか?」
やちよ「ええ、場所が分かれば充分よ。ありがとう。」
レナ「あの、ご馳走ありがとうございます!」
やちよ「良いの良いの、教えてもらうならこのくらいしないとね。」
私はそう言って店の外に出て記憶ミュージアムに向かう。その道中、ももこに止められる。
ももこ「待ってやちよさん....」
やちよ「何、ももこ....早く言ってくれる?」
ももこ「何だよその言い方!って違う違う...、あたし、レナとかえでに伝えるよ....。」
やちよ「.....そう、あの時の事を伝えるのね....。」
ももこ「ああ、あたしの知ってる事は洗いざらい話すつもりさ。」
やちよ「....くれぐれも気をつけてね...。」
ももこ「もちろんさ...、後健太にあったら伝えてくれないかな?」
やちよ「何を?」
ももこ「私、健太にウソついてた....って...。」
やちよ「...私からは伝えられないわ。」
ももこ「え....?」
やちよ「それは、健太君の前で話しなさい、あの子は人から伝えられるのは嫌いな子よ。貴方は小さい時から一緒何でしょ?」
ももこ「それは、そうだけどさ....」
やちよ「大丈夫よ、健太君なら貴方の言いたいことわかってくれるはずよ。」
ももこ「やちよ....。」
やちよ「それじゃあ行ってくるわ。」
私はももこにそう言って記憶ミュージアムに向かう。私はももこを見直したわ。あの子もついに魔法少女の真実を話すのね.....。