第1話
俺がチームのリーダーになってやる! やちよさんが急に冷たくなり出してやちよさんの苦しむ真実を知ったあの日、俺はそう誓った。だが.....。
~過去 記憶ミュージアム~~
健太「俺は許せねぇんだよ....、俺がキレる前にさっさと仲間を返しやがれぇ!!」
灯花「くふっ、いーや!それじゃあね環いろは、高坂健太、ベテランさん。それじゃあ最強さん達はついてきてね!」
~現在~
奴等の姑息なやり方によって鶴乃姉さん、フェリシア、さな、壮介、俊が洗脳され連れていかれた....。
健太「何とかして皆の洗脳を解かねぇと....、そしてまたみかづき荘でチームを再結成するんだ....!」
ーー「第7章 覚醒」ーー
やちよ「さて、キッチンは片付いたけど健太君といろはの方はどんな感じ?」
健太「ほぼ終わりましたぜ!」
いろは「床もとてもピカピカになりましたよ!」
やちよ「すごいわね...、床がこんなにきれいになるなんて....。」
健太「へへ、皆が帰ってきた時に気持ちよく迎え入れたいもんですので本気になりましたよ!」
やちよ「そう、掃除は魔除けみたいなものだからね。」
健太「ええ、そうっすね....。」
俺はやちよさんと話ながらあるものを気にしていた。
健太「(全員が無事に帰ってきたら「こいつ」をやちよさんに渡さないとな.....。)」
「こいつ」とは「桜のコースター」の事だ。本当なら今頃渡せていたはずだが、今度は再結成の証としてやちよさんに渡すことにしよう....。
やちよ「それにしても、悩みの種が多すぎるわね....。」
健太「ああ、俺の友達の捜索にいろはの記憶の事....、多くがまだ未解決だからなぁ...。」
いろは「はい....。あのヘリポートの件で仲良くなった鹿目ちゃんにメールを送ったんですが....、全然返信が来ないです....。」
健太「ちぃ....、もしかしたら向こうでも何か面倒ごとが起きてるかも知れねぇな....。」
やちよ「いろいろ大変ね....。」
いろは「....鶴乃ちゃん達、どこにいるんだろう....?」
健太「.......そうだ、やちよさん達が今まで消してきたウワサを並べれば何か分かるんじゃないか?」
いろは「あ、もしかしたら.....!」
やちよ「ウワサを並べれば分かるの?」
健太「やってみるしかないっすよ、んじゃ地図広げますね。」
俺はテーブルに地図を広げ、今まで消してきたウワサの場所にバッテン印をつけていった。
健太「.......」
いろは「健太さん、どうですか?」
健太「うーん....、ウワサを並べれば何か引っ掛かると思ったんだが....。」
やちよ「そうね....、鶴乃達がいそうな所、もしくはマギウスの拠点、そこから見えるのは....。」
健太「......何もないっすよ....。」
やちよ「そうよね....、何にも規則性が無いもの....。それに私達が倒したウワサもほんの一部かも知れないわ。」
健太「だが他に方法はないしな....、くそ....記憶ミュージアムのウワサぶっ潰したんだから洗脳解けて帰って来ねぇかなぁ....。」
いろは「でも、敵の中心部で洗脳が解けたらもっとヤバい事になると思います....。」
健太「確かに.....奴等はウワサを利用して洗脳してくるからな....。」
やちよ「今はまだゆっくり策を考えましょう。明日は鶴乃の家によるって用事もあるし。」
健太「そうっすね。んじゃ夜も遅いんで先に風呂入らせてもらって良いですか?」
やちよ「ええ、私は先に入ったから良いわよ。」
健太「ありがとうございます。」
俺はそのまま歩いて風呂場に入り、ゆっくり湯に浸かりながら策を考える。
健太「......親父、あんたならこの状況、どうするんだろうな.....?」
俺は既にこの世にいない血の通った父親に独り言のように話しかける。無論既にこの世にいないため言葉も帰って来ない。風呂を上がり、リビングに向かうといろはが何かの本を開いたまま眠っていた。
健太「....いろは、んなとこで寝てたら風邪引くz.....何だこれ?」
俺はいろはの横にあった本を静かにとる。これは本というよりファイルだな....。名前には「神浜うわさファイル」と記載されていた。
健太「.....中を拝借させてもらおう。」
中を調べると様々な場所の写真やうわさの詳細が綺麗に丁寧な字で細かく記載されていた。恐らくこれはやちよさんのものだな。しかも倒したうわさまであるのか....。
健太「(まさかやちよさんの家にこんなものがあるなんてな、いろはも何かを調べようとしていたのかもな....。)いろは、起きろ。」
いろは「....健太さん?」
健太「いろは、お前ファイル開いたままねてたぞ?」
いろは「!?ご、ごめんなさい!」
健太「きっと疲れてんだろう....、いろはも風呂入ってゆっくり寝ときな。動けなくなったら明日に支障が出るかも知れねぇしな。」
いろは「はい、そうですね。」
いろははそう言って風呂場に向かって行った。俺はリビングの電気を消して静かに外に出る。
健太「......」
俺は近くにあった長めの木の棒を拾って槍の棒術を鍛える事にする。
健太「(俺はおちおち寝てられねぇんだ....!鶴乃姉さん達を助けるまで、絶対にな!!)」
俺は心の奥底に誓い、棒術をひたすら鍛えた。