健太「・・・・・・ぅ・・・くっ・・・」
マミ「あっ・・・!健太君!」
龍二「健太!」
健太「・・・その声は、龍二とマミか・・・。俺は、一体・・・」
夜になり健太が目を覚ましたのはマミの自宅で、上裸で眠っており腹には包帯が巻かれていた。
龍二「ほむらがお前を担いで来てな、最初はびっくりしたぞ。」
マミ「ついさっき近くの銀行で強盗があったってニュースがやってたからまさかとは思ったけど・・・」
健太「そうか、ほむらが・・・明日学校行ったら礼を言わないとな・・・痛てて・・・。」
マミ「健太君まだ動いちゃ駄目よ、あくまで応急処置だから。」
健太「ぐっ・・・」
龍二「それと、健太・・・」
健太「・・・?」
龍二「お前、魔法少年になったんだな・・・。」
マミ「えっ・・・!」
健太「・・・あぁ、俺もキュゥべえと契約をして魔法少年になった、が・・・」
龍二・マミ「「?」」
健太「なった実感が・・・ねぇんだ・・・。」
龍二「最初はそんなもんだ。お前の首元を触ってみろ。」
健太「?・・・ってなんだこの宝石・・・?」
マミ「それが「ソウルジェム」私達が変身するときに使ってた物よ。」
そうして健太が首元を触ると首元に炎の形をしたネックレス状の宝石がぶら下がっていた。
健太「これがソウルジェムなのか・・・。」
龍二「そうだ、それを握って自身の脳内に変身と語りかけろ。そうすれば変身できる。」
健太「分かった。」
そうして健太は自身のソウルジェムを優しく握り、目を瞑って脳内に語りかける。
健太「(・・・俺は、出来る・・・。俺は・・・)」
その瞬間、健太のソウルジェムが光り、その光が健太の身体を包む。
健太「うぉっ!!」
その光が包みやがて光が消え、中から健太が現れるが、健太の服装が明確に変わった。
健太「これが、俺の魔法少年の姿か・・・!」
健太の姿は、和洋が混ざった特殊な服装になっていた。
龍二「ほう、お前らしい感じだな。」
マミ「似合ってるわよ健太君!」
健太「そうか、ありがとう。・・・そういややけに背中が重いような・・・」
マミ「あら?健太君の背中にあるのが武器かしら。」
健太「えっ?・・・これは、槍か。」
背中が重いと感じた健太は背中に手を向けると槍を担いでいた為それを取る。
マミ「健太君はその感じからして、接近タイプみたいね。」
龍二「だろうな、お前の持つ槍からも魔力を感じる。実際戦ってみると分かるかも知れんな。」
健太「いや俺は仮に戦うとしても魔女だけだぞ!?」
マミ「健太君。」
健太「は、はいっ!?」
マミ「魔法少年少女はね、魔女以外にも魔法少年少女達と戦わなければいけない状況になる時があるのよ。」
健太「えっ?それは、どういう事だ・・・?」
龍二「そうだな、俺達魔法少年少女のソウルジェムは魔力を使えば使うほど穢れという物が溜まっていく。それを浄化するためには「グリーフシード」という物が必要になるんだ。」
健太「グリーフシードって、さっきの魔女を倒した時に出てきた宝石か?」
龍二「そうだ、あれを使わなければ最悪、死ぬ可能性があるんだ。だからそれを確保するためにはその魔女が出てくる場所をいち早く特定する必要があるんだ。」
健太「それは分かった。でもそれと魔法少年少女達と戦わなきゃならない理由が繋がんのか?」
龍二「明確に繋がる。というのもそのグリーフシードは必ず1個しか出ないんだ。」
健太「はっ!?1個!?少なすぎだろ!」
マミ「そう、その少なさが原因で魔法少年少女同士の取り合いになるのよ。」
健太「マジか、魔女だけじゃなくて魔法少年少女にも警戒しなきゃならないなんてな・・・」
龍二「だから魔法少年少女には「テリトリー」を設けている。因みにだが見滝原ではここが俺とマミが魔女を狩るテリトリーになっている。」
健太「テリトリーまで決めてあんのか・・・。だが、そのテリトリーを設けたからって守らないやつもいるだろ?」
龍二「あぁ、だからこそここのテリトリーは俺が警備している。入ってくる奴がいれば殺しはしないが、多少の痛い目には合ってもらうことになる。」
健太「それは、忠告ありでなのか?」
龍二「しっかり忠告した上で来るんであれば痛い目に合う。俺もそこまで冷酷ではないからな。」
健太「そうか、魔法少年少女の生活も大変なんだな・・・。」
マミ「生きるか死ぬかの瀬戸際だからね。それに私達は絶対に一般人に知られたらいけない存在なのよ。」
健太「だろうな、多分こんな話を他人にした所で、鼻で笑われちまうのがオチか。」
龍二「とにかく、魔法少年になったお前を俺達は歓迎するぞ。」
マミ「これからもよろしくね健太君!」
健太「・・・・・・あぁ!よろしくな二人共!」
そう言って龍二、マミは健太が魔法少年になった事を歓迎し、健太は魔法少年として新たな道を歩むことになる。
第1章「出会い」完