やちよ「はい、ココア」
フェリシア「おぉー、あったけー。」
俊・さな「ありがとうございます。」
壮介「すんません、いただきます。」
フェリシア「あち、ふーふー」
さな「チョビ....チョビ....」
俊「コク....コク....」
フェリシア「ふぃ~、うまいぃ~。」
さな「はい、ホッとします。」
壮介「温かい飲み物を飲むと少し落ち着くよな。」
俊「はい。」
あのあと俺達は壮介と俊とフェリシアとさなを取り戻し一度みかづき荘に戻った。あと一人、鶴乃姉さんを助け出すための情報を教えてもらうためだ。壮介達が落ち着いた所で、情報を教えてもらう。
健太「さっそくなんだが....、四人ともはどうやって奴等から抜け出してきたんだ?」
いろは「鶴乃ちゃんは一緒じゃないの?」
壮介「........」
やちよ「....なんだか、ばつが悪そうね。壮介君、鶴乃に何があったの?」
壮介「......すんません、やちよさん。鶴乃さんは途中でどこかに連れてかれて音信不通なんです....。」
やちよ「連れていかれた....?」
いろは「そんな....。」
健太「マジかよ....。」
やちよ「みふゆ....、あの子、鶴乃に手をかけたの....?それなら、私は断じて許すことは出来ないわ。」
「残念だがそれは違うな。」
全員「!?」
俺達は突然声がした方に顔を向ける。すると、開いていた窓の壁にもたれ掛かっている人影が見えた。
健太「お前は....、龍二!?」
龍二「久しぶりだな、健太。」
その人影の正体こそ、俺のかつての盟友、松井龍二本人だった。俺は奴の顔を見た瞬間、怒りに燃えた。
健太「龍二....、てめぇ.....!!」
ー壮介sideー
龍二「そうカッカするな、俺はそいつらの様子を見に来ただけだ。」
健太「ふざけるな....!「洗脳しに来た」の間違いだろうが!!」
俺はある意味驚愕してしまった。只でさえ混ぜるな危険だというのに....。まさか龍二本人が直々に来るなんて.....。
壮介「....まさか龍二が直接みかづき荘に来るとは....。予想外だったな.....。」
いろは「そ、壮介さん....、あの人、健太さんの知り合い何ですか....?」
壮介「....あぁ、知り合いというより、親友だよ。「元」だがな。」
やちよ「でも、親友なのに、どうして....あんなに険悪なの....?」
壮介「....あの黒いロングコートを来た少年、松井龍二が黒羽根や白羽根、更にはあの藤村通、梓みふゆさんなどの幹部を束ねる、マギウスのトップなんです....。」
やちよ「....!?まさかあの子が....!?」
壮介「やちよさん、何か知ってるんですか?」
やちよ「ええ....、彼とは一度会ったことがあるの....。」
いろは「どこでなんですか!?」
やちよ「みふゆに連れていかれた時よ。」
さな「それって、みふゆさんが家に来た時ですか?」
やちよ「ええ、私は最初、「マギウス総司令会長」と言われて何となく偉い感じはしていたけど、帽子を取ればあそこまで変わるものなのね....。」
壮介「帽子をかぶってたんですか?」
やちよ「そうよ、そして私が貴方達に無愛想になってしまった原因でもあるのよ....。」
壮介「.....そう言うことだったんすね。深入りはしませんが彼に何かを吹き込まれたという事ですね?」
やちよ「ええ、でもどうして今になって....?」
さな「実は....」
フェリシア「俺達、あのにーちゃんと白髪のねーちゃんに助けてもらったんだ。」
俊「それで、さっきの時も僕たちが紛れ込めるように手配してくれたんです。」
やちよ「....もしかして、彼がここに来た理由も関係しているの?」
いろは「壮介さん、詳しく教えてください!」
ー健太sideー
健太「........」
龍二「....いつまで睨んでいるつもりだ?」
健太「睨むに決まってんだろうが、何平気面して土足で上がってんだ.....!?」
龍二「.....別に足を着けてはいないが....、まぁいい。」
健太「んだと?」
龍二「俺がどうしてここへ来たか、知りたいんだろう....?」
健太「当たり前だ....!!それに、何でフェリシア達を解放したんだ....?」
龍二「わかった、なら聞かせてやるよ。」
ーー龍二説明中ーー
健太「.....そう言うことか....。」
龍二「これでわかったか?俺は嘘はついていない。そしてマミを洗脳させたのも俺の指示でやってはいない。」
健太「.....確かに、お前やみふゆさん、藤村さんのおかげでフェリシア達が洗脳を解いてくれた事は感謝する....。だが俺はお前に対して疑問がある。」
龍二「何だ?」
健太「お前は、どっちの味方なんだ?」
龍二「......」
健太「はっきり言ってお前のやってる行為はマギウスにとっては裏切りに近いんだ。何故....?」
龍二「.....俺は、奴等のやり方は余り好きじゃねぇさ。」
健太「え?」
龍二「奴等は洗脳だの、勧誘だの....、俺は奴等のそのやり方に少し嫌気が差してな、それに、俺は椅子にふんぞり返って座ってらんねぇんだ。」
健太「だから、俺達に助け船を出したという事か?」
龍二「まぁ、実質そうだな。そして奴等は飛んでもない計画を企てている.....。お前らにはそれを妨害してやれ。」
健太「その計画が、鶴乃姉さんを使って大量殺人を起こす計画か....。」
龍二「奴等ははっきり言ってクズ以下だ。お前らも仲間が人を殺して刑務所送りになる姿を見るのは嫌だろう?」
健太「ああ、だが何故奴等はそこまでして....。」
龍二「それは俺でもわからん。だからこそ、巻き込まれない内にフェリシア達を逃がしたんだ。」
健太「そう言うことだったのか.....。」
龍二「話はここまでだ。さすがに戻らないとまずい。あばよ健太。次に会うときは敵同士だ。」
健太「!?待て龍二!!」
俺は奴が窓から飛び降り、あわてて下の方を見ると既に龍二の姿はなかった。
健太「龍二.....。」