魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者 作:unknown505
ももこ「よっこらしょっと....。」
健太「スゥ....スゥ.....」
やちよ「ふふ、今見ると健太君の寝顔ってかわいいわね。」
壮介「そして斬新ですね。」
みかづき荘に戻った俺達は健太をソファーに寝かせて少し他愛な話をしていた。するとフェリシアがあることを言った。
フェリシア「なぁ金髪のねーちゃん。一つ聞いても良いか?」
ももこ「ん?どうしたんだ?」
フェリシア「健太はどうして右手だけ黒い手袋をしてるんだ?」
ももこ「あっ、それは....」
壮介「確かに....、何でだろうか...?」
いろは「どうしてなんでしょうか....?」
鶴乃「よし!手袋を剥いでこっそり見ちゃおうよ!フェリシア!」
フェリシア「オッケーだ!!」
やちよ「コラ、二人とも!」
さな「だ、ダメですよ!」
俊「怒られちゃいますよ!?」
鶴乃「大丈夫大丈夫!」
フェリシア「ちょっとだけだ!」
フェリシアと鶴乃さんそう言って健太の手袋をはずしていく。そして露になった時二人は驚いた顔をした。
フェリシア「えっ?」
鶴乃「これって....。」
やちよ「一体どうしたの?」
壮介「何かあったのか?」
皆が気になって健太の腕を見にきた。それを見た俺も驚いた。
壮介「っ!?」
いろは「えっ?これ....」
さな「俊君....。」
俊「うん、これって「義手」ですね....。」
ももこ「あちゃー、バレちゃったか....。」
やちよ「どういう事なの?」
ももこ「健太には口止めされてたんだ。自分で話すからってさ。」
壮介「けど、なんで健太は義手だって事を言わなかったんですか?」
ももこ「実は、健太が自分の片腕が義手を言わなかったのは過去が原因なんだ。」
全員「健太//さん//の、過去....?」
ももこ「うん、今からそれを話すよ。」
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ーーももこsideーー
ー過去 十咎ももこ 小学2年ー
あたしがまだ小さい時、おっちゃんが小さい男の子を連れて帰って来た。その男の子が今の高坂健太だ。
ももこ「お帰りおっちゃん!....あれ?その男の子は?」
宗雄「こいつは少し訳ありでな、今日から預かる事にしたんだ。」
健太「えっ...と、はじめまして...高坂健太、です...。」
昔の健太は今みたいな性格じゃなく、引っ込み思案でおとなしい子供だったんだ。そしてこの日を境にあたしは健太と話始め、次第に健太もあたしやおっちゃんに心を開くようになっていったよ。でも、そんなある日...。
--とある公園--
健太「それー!」
ももこ「あはは!ずいぶん早くなったな!」
健太「でもまだまだだyっあ!?」
ももこ「あっ、ボールが飛んでっちゃった...。取ってくるよ!」
健太「うん!」
名前は忘れてしまったけど、公園で健太と一緒にボール遊びをしていたんだ。健太が投げたボールが公園の外に飛び出して、それであたしがボールを取りに行ったんだ。そしたら...。
ももこ「あった!早く健太のもtプー!!...え?」
気がつかなかったあたしがボールを取りに行ったときに目の前から車が迫って来ていたんだ。あたしはその瞬間死を覚悟したよ。でも、そしたら...。
健太「お姉ちゃん!危ない!!」
そう言って健太がダッシュで走って来てあたしを突き飛ばしたんだ。そして同時に爆発したような音が響き渡った。あたしはすぐに起き上がって健太を見に行った。けど、健太はあたしを庇って突っ込んできた車に轢かれ、右腕は轢かれた際の衝撃でボロボロになっていてとても立ち上がれる様子じゃあなかった。あたしは急いで救急車を呼んで健太と一緒に病院に行った。
--新西大学病院--
健太はそのまま手術室に運ばれ、あたしは椅子に座って健太の無事を泣きながら祈るばかりだった。すると誰かがこっちに走ってくる音が聞こえ、振り向くとおっちゃんが走って来ていた。
ももこ「あっ、おっちゃん...。」
宗雄「はぁ...はぁ....、ももこ何があった...?」
あたしはおっちゃんに観たことを全て伝えた。おっちゃんはずっとあたしが話しているときは静かに聞いてくれた。そしてあたしが話終わると静かに口を開いた。
宗雄「なるほど...、やはり奴の言ったことは嘘だったか...。」
ももこ「嘘?」
宗雄「ああ、飛び出した事は本当だが事故を起こした運転手は狙って飛び出したと言っていたがももこの話が信憑性が高い...というか経験した本人が目の前にいるわけだから嘘をつくはすがないよな。」
ももこ「おっちゃん...。」
宗雄「安心しろ、疑ってる訳じゃない。...ん、手術が終わったみたいだ。」
すると手術室のランプが消え、中からお医者さんが出てきた。けどどうも浮かない顔をしていた...。
ももこ「お医者さん!健太はどうなったなんですか!?」
医者「手術は成功しました。健太君の命に別状はありません。」
ももこ「良かったぁ...。」
医者「ですが...」
宗雄「ん?まだ何かあるのか?」
医者「健太君の右腕がほとんど面影がありません...。我々の独断にはなりましたが健太君の命も考え、右腕を切除しました...。」
ももこ「え!?右腕を切除!?」
宗雄「......」
医者「はい...、実は手術をしたとき健太君の右腕は壊死状態でした。このまま放置すれば血液の循環に乱れが起き、いずれ心臓や内臓にも悪影響を及ぼすという事で右腕を切除しました。」
宗雄「...そうですか、ありがとうございます。」
ももこ「おっちゃん!どうしてありがとうございますなんだよ!?右腕が使えなくなったら健太はどうなるんだよ!?」
宗雄「...確かにももこのいう通り、右腕が無くなれば日常生活にも支障は出る。酷な事を言うが自分の命と置き換えればとてもとは言いがたいが少なからずマシだとは思う。これは俺のエゴだがな。」
ももこ「......」
宗雄「先生、健太の命を救っていただきありがとうございます。」
お医者さんとお辞儀をしておっちゃんとあたしは健太の病室に入った。入るとベッドの上で眠っている健太の姿があった。けどその姿はあまり良いものではなかった。
ももこ「健太......。」
宗雄「......」
その姿は、体のほとんどが包帯まみれになっていてさらには右腕が無くなっていた。あたしはそのときから毎日欠かさず健太の様子を見に行ったんだ。それで 1ヶ月位立った時......。
--1ヶ月後--
あたしはいつものように健太の病室の扉を開けた。すると誰かと話している声が聞こえ、健太のベッドに近づくと看護師さんと話している健太がいた。
ももこ「健太!?起きてたのか!?」
健太「あっ、お姉ちゃん。来てくれたんだ!」
健太は看護師さんと話を終えてあたしと会話をした。
ももこ「健太、大丈夫か?」
健太「うん、もう大丈夫だよ。幸い右腕以外は大した傷はないから3ヶ月ちょっとで退院できるみたい。」
ももこ「そうか...。」
この時健太は静かに左手で本を読んでいた。片腕がないからきついのかと思っていた...。
ももこ「あっ、あのさ、......ごめん。」
健太「えっ?どうして謝るの?」
ももこ「だって......、あたしのせいで健太がこんな目になっちゃったからさ...。」
健太「大丈夫だよお姉ちゃん。お姉ちゃんがそこまで気に病む必要はないよ。それに腕が無くなっても全て何も出来ないわけじゃないしさ。」
ももこ「健太......。」
健太に言われたあたしは健太に対する今までの罪悪感を消し去り、健太が頑張ってる分あたしも頑張らないと......、そう思ってあたしは健太に付きっきりで介護もした。そんなときあたしはある提案を健太に投げ掛ける。
ももこ「あのさ...、義手をつけてみないか?」
健太「義手かぁ...。」
ももこ「強要はしないけど...どうかな?」
健太「......わかった。」
ももこ「いいのか......?」
健太「うん、義手をつけることで僕もなにか変われるかも知れないから。それにこれは僕個人の事だけど過去の事をいつまでも引きずってちゃいけないしね。」
健太はそう言って静かに窓の方を見た。そこには健太と同じで片腕がない女の子が外で遊んでいた。女の子は健太と目が合うと笑顔で手を振って健太も手を振った。
ももこ「あの子は?」
健太「あの子も僕と同じで片腕がないんだ。ただなくなり方が全く違うんだ。」
ももこ「え?どういう事なんだ?」
健太「......あの子は後先が無いみたいなんだ。」
ももこ「後先が、ない...?」
健太「うん...、彼女は元々生まれつきで片腕があまり動かない病気にかかってて、ある日学校で授業中に片腕が痛みだしたと思ったら気を失って気がついたら病院にいたんだって話してたよ。」
ももこ「そうなんだ...。」
健太「まぁ、多分だけどお互いに何か引かれるものがあったのかも知れないからあの子みたいに今をしっかり充実しないとね。それに僕も義手をつけようか迷ってたんだ。だから今、決心がついたよ。」
ももこ「でも、おっちゃんから聞いたけど、義手をつけるためには神経を繋がないといけないらしい。だから、健太の体が痛みに耐えられるか......。」
健太「お姉ちゃん、大丈夫。僕はそこまでやわじゃないよ。」
ももこ「健太...。」
健太「それに、僕はいつかお姉ちゃんみたいに強くなりたいって思ってたしこれは神様が僕に与えた試練だと思うんだ。だからお姉ちゃんがそんなに気をやむ必要はないよ。」
その言葉を言った健太の目は真っ直ぐ、そして凛々しく輝いていた。健太は本当に覚悟を決めたんだとあたしは思った。だからあたしは必要な事以外は何も言わず。おっちゃんにこの事を話し、健太の片腕に義手をつける事を決行した。そしてその10日後、健太は手術で片腕に義手がついていた。その後はリハビリをして無事退院することが出来た。
ーー退院の日ーー
健太とおっちゃんと一緒に病院を出てしばらくすると健太があたしに話しかけてきた。
健太「なぁお姉ちゃn...、いや、姉貴。」
ももこ「...え?どうしたんだ?」
健太「今までの僕はずっと内気で、弱々しかったけど、今日を持って、俺は変わる。」
宗雄「いきなりどうしたんだ?」
健太「おっちゃん、俺、一人でどこかで住んでみようと思うんだ。」
ももこ「いや、待て待て待て!いくらなんでも一人って!?」
宗雄「なぜそう思ったんだ?」
健太「俺は、今までずっとおっちゃんや姉貴に頼りっぱなしだった...。だから俺は亡くなった両親の遺した遺産を使って暮らしてみようと思ったんだ。」
宗雄「...場所は?」
健太「...見滝原って所だよ。」
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ー現在ー
ー壮介sideー
ももこ「っていうのが健太の過去さ。」
俺は健太の過去を聞いて、こう思った。あいつは、小学生の頃からずっと一人で戦っていたんだな...。
俊「ももこさん、健太さんが見滝原に行くって言った時は寂しくなかったんですか?」
ももこ「そりゃあもちろん寂しかったよ。だって弟が神浜からいなくなるんだから寂しいに決まってるよ。」
やちよ「もしかして、健太君はわざと自分から辛い道に進んでいるのかも知れないわ...。」
フェリシア「どういう事だ?」
やちよ「よく考えてみて、健太君は小さい時に妹さんを失って、今もなお行方不明なのよ?それにしても健太君は自分でみかづき荘のリーダーだって話していたから私たちを守るために...。」
いろは「...やちよさんの言った事はあってるかもしれません...。」
鶴乃「いろはちゃん、どういう事なの?」
いろは「実は、健太さんが毎晩皆が寝静まった後に一人で裏庭で汗水流して木製の槍を振り回してたのを見たんです...。」
さな「じゃあ、鶴乃さんを助けるまでずっと寝ないで特訓に専念してたんですか!?」
壮介「フェリシアちゃんとさなちゃんを休ませるよりも先に健太を休ませるべきだったか...。」
鶴乃「健太君...、私のために...。」
壮介「......いろはちゃん、後で健太が特訓してた裏庭に案内してくれるかな?」
いろは「あ、はい。」
壮介「(健太......、お前がそこまでして無理をする理由は何なんだ?)」
俊「健太さんは...、妹さんを失ってるからこそみかづき荘という幸せを守りたいんじゃないですか?」
ももこ「...多分それが正解かもな...、健太は血の繋がりのないおっちゃんに男手ひとつで育てられたから、あたしややちよさんに鶴乃っていう存在とあった事で幸せの実感を得られたんだと思うよ。」
壮介「なるほど、健太...。お前はやっぱり俺が見てきた男の中で一番だぜ...。」
フェリシア「......健太、カッけぇぞ...////」
鶴乃「フェリシア?」
フェリシア「うぇ!?な、なんでもねぇよ!とにかくもう遅いし寝ようぜ!」
壮介「ん?...もう11時か。」
気がつけばもうすっかり深夜になっていた。明日に備えて皆はそれぞれの部屋に戻り、就寝に着く準備をした。その後俺はいろはちゃんに裏庭に連れていってもらい一回り見ていろはも就寝した。明日は多分派手にやるかもしれん。念には念を入れておくか......。
第7章 完