~?side~
とある草原の中、俺はかつての部下達と睨み合っていた。
「.........」
黒羽根1「これ以上の抵抗はよせ。うわさを消した所で何のためにもならない。」
「ほぅ....、何のためとは面白い....。これは俺の勝手な八つ当たりだ。」
黒羽根2「理解してください、「悠太」さん....。」
そう、俺、「宇佐美悠太」はマギウスに寝返ったかつての部下と対峙していた。そしてやつらは面白い事を言い出した。
黒羽根2「月咲さん達と同じように私達と共にマギウスに....。」
悠太「ふ、失笑レベルの愚問だ。むしろ俺は腸が煮え繰り返っているんだ。あまり舐めたことをきくt...、ん?悪い、電話だ。」
俺はポケットからスマホを取り出し発信主を見る。ももこからか。ずいぶん久しぶりだな....。俺はボタンを押して電話にでる。
ももこ『おっす!久しぶり!』
悠太「何だももこか.....、一体どうした?」
ももこ『明日少し話したいことがあるんだ。悠太君。』
悠太「ほぅ、話したいこと?」
俺が話している時に奴等は待ちきれなかったのか攻撃を仕掛けてきた。
悠太「....ももこ、悪い、少し聞き取りにくいかもしれんが許してくれ。」
そう言って電話を片手に右手から暗器「メタルブレード」を裾から振り下ろして奴等を叩き伏せる。
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黒羽根1「う、うぅ....。」
黒羽根2「くっ.....、こんな束になっても勝てないとは....、これが....「東の恐竜」の力か....。」
悠太「そうか、西の方は何も収穫なしか。そっちも大変だな。.....あぁ、今は魔女も増えて争っている場合じゃないからな、是非とも情報を共有しながら協力しよう。......明日はお前の義弟も来るのか。こっちは「十六夜」も連れてくる。......わかった。あぁ、あぁ、それじゃ。」
ももこにそう言って電話を切る。かつての敵達との共闘か....。
「流石東の恐竜やなぁ、悠太。」
悠太「.....藤村か。」
俺は先ほどから気配を感じ、敢えて呼ばないようにしていた。すると藤村の方から現れてくれた。
通「久しぶりやのぉ、元気にしとったか?」
悠太「ふん、お前に心配されるほど落ちちゃあいない。」
通「そやなぁ、こいつらのやられ具合見てよぉ分かったわ。」
悠太「んで、何しに来たんだ?」
通「んなもん決まっとるやろ。お前を勧誘しに来たんや。」
悠太「....」
通「まぁ答えは分かっとる。せやけど理由はもうひとつあるんや。」
悠太「....俺とのドンパチか。」
すぐに奴の考えている事がわかった。やはり藤村は正真の狂犬だ。勧誘そっちのけで俺と戦いたいとは.....。
通「そや、悠太の戦い見とったらウズウズしてのぉ~、たまらんでぇ~。」
悠太「マギウスに属してもその牙は落ちてないみたいだな。「西の狂犬」よぉ。」
通「へ、懐かしいのぉ、せやけどにこれ以上のおしゃべりはなしや。」
悠太「あぁ、マギウスに属したてめぇの牙が抜けてないか恐竜が確かめてやる。」
通「ほな、遠慮なしに行くでぇ....、悠太ぁぁぁぁぁぁ!!」
悠太「来やがれ、狂犬!!」
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ー健太sideー
やちよ「どう?悠太は来るの?」
ももこ「もちろん快諾してくれたよ。戦いながら電話をしてたから向こうで手を焼いてるかもな....。」
健太・いろは「戦いながら.....!?」
やちよ「相変わらずやることが度肝を抜かれるわ....。」
俺はその悠太さんの行動に驚いてしまった。まさか電話しながら戦ってたとは....。やちよさんの言う通り肝を抜かれちまうな....。
いろは「相変わらずって、昔からなんですね....。」
やちよ「そうね、彼は昔から強いわよ。下手したら私を越えるくらいの強さを誇るわ。」
健太「まじかよ....。」
ももこ「まぁ、何はともあれ約束は着けた事だし、早く寝ないと明日がまずいんじゃないか?」
やちよ「え?.....もうこんな時間なのね。というか明日にしたの?」
ももこ「あぁ、早いうちに悠太君と協力して明後日の備えをつけないとって思ったからさ。それに....。」
健太「ん?.....あらまぁ....。」
壮介「3人共寝てるな....」
姉貴の目線の先にはフェリシアとさなと俊が睡魔に負けてしまった姿があった。
フェリシア「くぴー.....くぴー.....。」
さな「すぅ....すぅ....」
俊「むにゃむにゃ........」
ももこ「三人とも寝てるから。」
やちよ「まぁそうよね....。」
壮介「んじゃ3人ともを部屋に運びます。」
健太「俺も手伝うぜ。」
壮介「サンキュー、ならたのm....っ!?」
健太「壮介どうした!?」
壮介「まずいな....、フェリシアちゃんのソウルジェムが濁ってらぁ....!」
ももこ「ほんとだ!俊とさなのソウルジェムも!」
健太「姉貴!」
ももこ「ああ!いくつか回収してあるよ!」
そう言って姉貴はポケットから3つのグリーフシードを三人のソウルジェムに当てると濁りが一瞬で消えた。
健太「ふぃ~、焦ったぜ....。」
ももこ「気づかなかったらヤバかったね。」
壮介「寝てる間にドッペルなんか出たらみかづき荘が崩壊するな....。」
健太「.....フェリシア達も苦労してたんだろう。」
壮介「だな....、んじゃ改めて運ぶとしますか。」
健太「おぅ。」
フェリシア達を運んで、少しだけやちよさん達と話をしたあと、姉貴を家まで送っている。話をしながら帰るその最中に俺の「右腕」の事が出た。
ももこ「なぁ、健太。」
健太「ん?どうした?」
ももこ「その右腕の事は、やちよさん達に言ったのか?」
健太「.....まだ言ってねぇな。だがいずれ言おうと思ってる。」
俺はこの「右腕」にある秘密を持っている。この秘密を知っているのは、俺と姉貴と宗雄のおっちゃんだけだ。その秘密が何なのかはまだ他の人達には伝えられていない。というより、伝えないといった方が正しい。
ももこ「今じゃないのか?」
健太「ああ、今この右腕の事を話せば恐らく、鶴乃姉さんどころじゃなくなるからな。」
ももこ「でも....」
健太「まぁ姉貴の理屈は分かるさ。今話した方が後々すっきりしてより動きやすくなる。そうだろ?」
ももこ「ああ....。」
健太「まぁ確かにそうだ。だが俺にとったらそれは逆に毒になっちまうんだ。」
ももこ「何でなんだ?」
健太「......実はというとな、フェリシアの事もあるんだ。」
ももこ「フェリシアの事?」
健太「ああ....、どうやらあいつは、俺の事を好いてるみたいなんだ....。」
ももこ「........ええええ!!?」
健太「姉貴!声でけぇ!!」
ももこ「ご、ごめん....、それで何で好いてるってわかったんだ?」
健太「夜中にトイレに行った際にフェリシアの部屋の電気がついててな。その時に、フェリシアがこう言ってたんだ。」
ももこ「何て言ってたんだ?」
健太「「健太....、好きだぜ....、」ってな。」
ももこ「まじかよ....!」
健太「ああ、あまりにもドストレート過ぎてひっくり返りそうになったんだ。」
ももこ「そうだったのか....、確かにあまりにも直球だなぁ、ハハハ......。」
健太「だろ?だからこそ、姉貴にも今の段階では黙ってて欲しい。頼めるか?」
ももこ「.....わかった。」
健太「ありがとう、「ももこ姉ちゃん」。」
ももこ「え?今何て.....?」
健太「ほらほら、そうこうしてる内に家についたぜ。」
ももこ「あ、本当だ。」
話している内に姉貴の家についた。姉貴は俺の話に夢中で気づかなかったみたいだ。
健太「ほんじゃ、俺は帰るぜ、また明日な。」
俺はそう言って姉貴と別れる。明日で鶴乃姉さんの居所が分かるかもしれない。そのためにおちおち寝てらんねぇ....!!