魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第17話 前編

健太「くっ....!鶴乃姉さん....!!」

 

ウワサにされてしまった鶴乃姉さんを見て俺は絶対に助け出すと誓う。

 

鶴乃「ここはね!皆でワイワイするよりものーんびりする所なんだよ。何にも考えないで悩みから解放されるってとっても幸せでしょ?三人はもちろん特別だから開園前だけどゆっくりしていいよ!」

 

いろは「さっきの感覚....、やっぱりうわさのせいだったんですね....。」

 

やちよ「こんなのが普通の人に入れば1日たりとも生きる気力すらなくすかも知れないわ....。」

 

健太「.....つ、鶴乃姉さん!!」

 

鶴乃「ほよ?ゆっくりしてていいんだよ?」

 

健太「俺達は、ゆっくりしに来た訳じゃない....、姉さん、ここを出ましょう!」

 

いろは「そうだよ!一緒に帰ろう!」

 

俺はウワサと化した鶴乃姉さんに帰るように説得をしてみた。心の中では無理だとはわかっていた。そして案の定....。

 

鶴乃「う~ん、私はいいかな~?」

 

こういう答えだった....、やはりウワサの影響で前の性格から大きく変わってしまったみたいだな....。

 

やちよ「あなたの家は万々歳でしょ、それに私達はチームの一員なんだから。」

 

鶴乃「ううん、私は帰らない...。」

 

やちよさんも説得を試みるが、やはり帰らないの一点ばりだった。

 

鶴乃「だってね、私にとってここは楽しくて一番安心出来る場所だから。」

 

健太「だが、このままじゃ鶴乃姉さんは皆を殺してしまうんだぞ!!」

 

いろは「絶対に引っ張ってでも連れて返ります!」

 

鶴乃「いろはちゃん....、やちよ...、健太君....。そっか、わかったよ....。」

 

やちよ「鶴乃...。」

 

鶴乃「三人とも邪魔するんだ、この遊園地の運営を邪魔するんだ。」

 

健太「何?」

 

いろは「え?」

 

鶴乃「それなら、黙ってないよ。ししょーにもいろはちゃんにも、健太君にもおとなしくしてもらうから!」

 

鶴乃姉さんがそう言うとどこからともなく大量のウワサの使い魔が現れた。やはり戦わなきゃならないのか....!

 

 

「VS ウワサの鶴乃」

 

鶴乃「皆!三人を押さえて!」

 

健太「来るぞ!」

 

いろは・やちよ「はい!//ええ!」

 

俺達は使い魔の攻撃に備え、攻撃を防ぐ準備をする。そしてそのときが来た瞬間、またあの感覚に襲われる。

 

三人「っ!?」

 

健太「くぅ....またか!!がぁあ!?」

 

いろは「うぁあ!?」

 

やちよ「くぅう!?」

 

健太「くそ!絶対に気を抜くな!」チャキ!

 

俺はすぐに反撃に出るためウワサを迎撃する。だがその瞬間攻撃の気配を感じすぐにかわす。

 

鶴乃「もぉー、おとなしくしててよぉ~!」

 

健太「そう言われてはいそうですかなんて言うわけ無いだろうが!」

 

俺は槍を鶴乃姉さんに向け、おっちゃんの所で編み出した新技を披露する。

 

健太「喰らえ!「スパイラルソイルファイヤー」!!」

 

槍を地面に突き刺し、自分の前に思い切り地面を抉って土の破片と炎を混ぜ合わせ龍の如く相手に当てる技である。鶴乃姉さんも負けじと言わんばかり、技を繰り出してくる。

 

鶴乃「私も負けないよ!「炎扇斬舞」!」

 

龍と化した炎と土の渦と姉さんが編み出す火球が相殺し、爆発する。その影響で、かなりの煙幕が現れる。

 

健太「(くそっ...、姉さんめ、わざと当てやがったな...!)」

 

回りが煙に包まれ、視界が取れない以上あまり身動きも出来ない。だからこそ、不意討ちを仕掛けてこられる可能性も高い。そして案の定....。

 

健太「ぐぉあ!?くそっ!頭がフラつく....!オラァ!」

 

どうにか不意討ちを仕掛けて来た使い魔をぶっ潰し、いろはとやちよさんの安否を確認するが、いろは達もかなり押されてきたみたいだな....。そして鶴乃姉さんが煽るように話して来た。

 

鶴乃「ほらほら三人とも、そんなにカッカしちゃダメだよ。オープンするまでのんびりお喋りでもしてよーよ!」

 

健太「んなもん、ダメに決まってんだろうが....!」

 

鶴乃「そんな怖い顔しないでよ健太君。....あっ、そうだ!これオープンしたら出そうと思ってるメニューなんだ!皆、持って来てー!」

 

鶴乃姉さんの指示でウワサ達がどこかに行き、何かの本みたいな物を持って再び戻ってきた。あれが姉さんの言ったメニューとやらか...?

 

鶴乃「ほらほら!これどうかな!」

 

俺達は鶴乃姉さんのメニューに目を当てる。そしてそのメニューは、かつてみかづき荘で8人で食べたすき焼きの写真だった。

 

健太「これは....俺のマグカップ。」

 

いろは「私のマグカップも....。」

 

やちよ「私のも....。それに、どうして、遊園地で鍋なの....?」

 

鶴乃「だって、のんびりと言えば鍋じゃない?」

 

健太「へっ、なかなかだ....。これじゃあまるで...。」

 

いろは「みかづき荘ですね....。」

 

やちよ「そうね....。ふぅ...、のんびりしてちゃダメね。」

 

健太「ええ、外見じゃあ嫌がってる素振りを見せてるが、心の中で本来の鶴乃姉さんと、ウワサの姉さんが戦ってる。きっと本心は助けて欲しいんだと思います。」

 

いろは「はい、それに、外のみんなも長くは持ちません。」

 

健太「ああ、やることは一つしかない....。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM「黄金魂」--湘南乃風--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろは「鶴乃ちゃんを....。」

 

やちよ「鶴乃を....。」

 

健太「鶴乃姉さんを....、呪いを振り撒くような存在何かにさせねぇ!!」

 

いろは「必ずお家に帰します!」

 

鶴乃「ダメだよ!それじゃあうわさと違うよぉ!」

 

健太「いいんだよ!元からそのつもりだ!だいたい何だその姿はよぉ!?鶴乃姉さん、あんたは何だ!?最強無敵の魔法少女じゃねぇのか!?こんなことしてる場合じゃないだろうが!!」

 

やちよ「最強になんてなれない!偉業なんか果たせないはずよ!!」

 

いろは「それに、もし鶴乃ちゃんが魔女化になるのを知って不安なら皆で一緒に考えよう!それがチームだよ!」

 

健太「そうだ!それに幸せを掴む答えは、マギウスだけに限った事じゃねぇし、他にあるはずだ!」

 

俺達は絶対に鶴乃姉さんを元に戻すため、強硬手段を使う。俺達の気持ちを鶴乃姉さんにぶつけるがそれでも姉さんはここに居座る気でいる。

 

鶴乃「消させない、やっと見つけたんだから!私が安心出来る場所を!」

 

それに呼応するように使い魔達もヒートアップしていた。そして俺はおっちゃんから教わった言葉を鶴乃姉さんにぶつける。

 

健太「「自分が苦労して手に入れた幸せと他人の不幸から得た幸せ、本当に求めているのはどちらか」ってのをおっちゃんから教わったんだ。姉さん、あんたのやっている事はその言葉の後者になる。それでもここを守りたいんなら!全力で!全身全霊で!本気で!俺達を倒してみろ!最強の魔法少女、由比鶴乃ぉぉ!!!」

 

鶴乃「言われなくてもそのつもりだよ!!やぁああああああああ!!」

 

健太「はぁああああああああ!!!!」

 

俺は鶴乃姉さんに敢えてヒートアップさせるように言う。実は一度、鶴乃姉さんとはガチで戦ってみたいと思っていた。それに答えるように姉さんもマジになり、義姉弟対決になる。絶対に鶴乃姉さんを救ってやる!鶴乃姉さんと激戦を繰り広げ、俺達三人は莫大な魔力を消費を覚悟で鶴乃姉さんに渾身の一撃を決めた。だが、鶴乃姉さんはその場に倒れてはいたが、ウワサは剥がれていなかった....。

 

健太「くっ.....やちよさん、どういうわけっすか!?」

 

やちよ「.....みふゆが嘘をついたとも考えられないし....。」

 

いろは「という事は....、私達が鶴乃ちゃんと心が通じ合ってないって事でしょうか...。」

 

健太「もしそうだとしたら、俺達は鶴乃姉さんの苦しみを何も理解してないことになっちまう....。」

 

すると鶴乃姉さんが起き上がってきて恨めしげに俺達を睨んで話す。

 

鶴乃「ったぁ...、本当に怒るよ三人とも....、いろはちゃんもやちよも健太君も無理しなくていいよ....、連れて帰ろうなんて思わなくていいよ...。放っておいてよ...。」

 

健太「姉さん....。」

 

鶴乃「それに、今のでわかったけどやっぱり私の帰る場所はみかづき荘じゃない....、ここなんだよ....。」

 

姉さんは顔を落とし、また顔をあげると目が虚ろになっていた。その顔を見るとやちよさんは驚いた。

 

やちよ「っ!?」

 

健太「どうしたんすか....?」

 

やちよ「その顔...、一年前と同じ....。という事は、あの時気が抜けていたんじゃなくて安心していたという事なの....?」

 

健太「.....」

 

俺はその時、浩介さんが言っていた事を思い出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今までで一番安心出来る場所を見つけた」って言ってたよ....。ただ、その時の鶴乃はいつもの元気な顔じゃなかったんだ....。まるで「緊張が解けて眠たげな表情」だったよ....。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

健太「(あの目を見て俺はわかった....、推測だが鶴乃姉さんは一年前に何かしらの件であの目をやちよさんに見せていた...、そして今になってまたあの目を見せたという事は、恐らく溜め込んだものが解放されて安心していたのかもな...。それに、メルさんが亡くなってから薄々感づいていたが自分を責めながらも我慢していたんだろう....。それだけじゃなく、様々な場面で出くわした時も、鶴乃姉さんは笑顔を崩さずに気を張っていたんだな....。)」

 

やちよ「間違ってた......、鶴乃は辛かったんだ...。」

 

健太「ああ、俺達が理解しなくちゃいけなかったのは最強を目指す鶴乃姉さんじゃねぇ....、何があっても笑顔だが、どこかで傷がついている、そんな鶴乃だったという事か....。」

 

いろは「私も、鶴乃ちゃんの事を全然分かってませんでした....。」

 

健太「俺達はずっと鶴乃姉さんの明るさに頼りっぱなしだったんだな....。」

 

鶴乃姉さんに対し、今までずっと頼りっぱなしになっていたことを実感した。

 

健太「すまない鶴乃姉さん、俺はずっとあんたを頼ってばっかだった....。あんたと初めて会ったみかづき荘からずっと....。」

 

いろは「私も、鶴乃ちゃんの事理解してるようで全然してなかった....。」

 

やちよ「鶴乃、私が言えた立場じゃない事は分かってる。けどそれでもあなたに帰って来て欲しい....!」

 

鶴乃「.....。」

 

健太「こらぁ俺のワガママになっちまうが、俺もあんたには戻って来て欲しい。それはいろはだって思ってるはずだ...。これからもあんたを頼ってしまうかもしれん....。だが鶴乃姉さんも俺に頼って、我慢せず、強がらず、気を張らなくてもいい。だから、俺に力にならせて欲しい!!だからもう一度一からやり直しだ。誰か一人が突っ走らず抱え込んで我慢しないよう皆が手を取り合える、そんなチームにしてみせる!俺達があんたに甘えた分、俺達にいっぱい甘えてくれ!鶴乃姉さん!!」

 

鶴乃「健太君....、やちよ....、いろはちゃん....、ありがとう....!けど、もう私は助からない....。私はウワサの一部だもん....。いくら三人の言葉に心が揺らいでもウワサの責務を全うするしかないんだ....。」

 

健太「姉さん.....。」

 

姉さんがそう言うとまたウワサが現れた。ウワサも姉さんを守ろうと必死みたいだ。それに俺は姉さんに刃を向けるつもりもない。だから俺は一か八かの賭けに出てみる。

 

健太「.....」スッ

 

いろは「えっ....?健太さん?」

 

やちよ「健太君....?」

 

俺は槍も向けず、ただ姉さんに近づこうとした。だがやはりウワサの使い魔はそれを許すはずもなく、攻撃を仕掛けてくる。

 

健太「ぐぅっ....!」

 

鶴乃「健太君....。」

 

健太「はぁ、はぁ、はぁ.....。」スッ

 

吹き飛ばされたがすぐに起きあがりまた鶴乃姉さんに近づく。やはり使い魔は攻撃の手を緩めようとしない。それでも俺は鶴乃姉さんに近づく。

 

健太「かぁっ....!!」

 

やちよ「健太君!!ダメよ!」

 

鶴乃「そうだよ健太君!!これ以上私に近づいたら健太君が....、死んじゃうよ....!」

 

健太「くぅ....」ペッ!

 

吹き飛ばされた時に口を切ってしまい、血が出てそれを吐き出し、息を整える。

 

健太「姉さん....、俺は....、死なないっすよ....。」

 

鶴乃「えっ....?」

 

健太「俺も、不思議とあんたの過去にそっくりなんだ。昔の俺は、こんな血気盛んじゃなく、内気で本当に信用している人以外には決して歩み寄ろうとしなかった...。そういう男だったんすよ。だからよくいじめの対象になってね、喧嘩も弱かった俺がかなうはずもなくずっと苛めっ子にへらへら笑顔を向け続けた。そして学校からももこの姉貴に会うたび心配されたけど、姉貴には心配させたくないって思ってずっといじめにあってることを隠し続けていたんだ。そしてあの日....。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

ー過去 十咎ももこ宅 高坂健太 小学3年ー

 

健太「ただいま....。」

 

ももこ「あ、おかえrって健太!またボロボロじゃん!何かあったの!?」

 

健太「ううん...、大丈夫だよももこお姉ちゃん。転んだだけだから....。」

 

あの日、学校から帰ってくるといつものように姉貴がボロボロになっている俺の姿を見て心配してくれた。その時は夏休みに入る前だったから半袖半ズボンで学校に行ってたから怪我してる所とかすぐに分かってしまう。多分聞こえていたのか、奥の部屋からおっちゃんが出てきた。

 

宗雄「どうしたももkってまたボロボロだな健太。」

 

ももこ「おっちゃん、健太また怪我してるんだよ。これいじめにかかってるのかなぁ?」

 

健太「大丈夫だよ、僕はドジだからすぐに転んじゃうんだ....。」

 

宗雄「....。」

 

健太「さぁ、勉強勉強!」

 

宗雄「....待て」

 

健太「ん?」

 

そう言って俺はリビングに向かおうとするとおっちゃんに引き留められた。

 

宗雄「....」

 

健太「おっちゃん、どうしたの?」

 

宗雄「.....何があったかは言わない。だがお前が言える範囲で起こってる事を話してくれ。」

 

健太「えっ?」

 

宗雄「今のお前の顔と目が、死んでるんだ。」

 

健太「.....。」

 

宗雄「俺は血は繋がっていないが、これでも父親変わりだ。やれることは何だってしてやる...。だから、もう無理しなくて良い。」

 

健太「.....おっちゃん、ほんとに僕、無理しなくて良いの....?」

 

宗雄「ああ、安心しろ。もう無理しなくて良い。」

 

健太「.....うっ、うぅっ....、うわぁあああああ....!」

 

宗雄「....よく堪えたな。もう気を張らなくてもいい。」

 

俺はこの時、ようやく自分の中にある物を全部おっちゃんに話した。おっちゃんはそれを静かに聞いてくれた。やはり、おっちゃんは凄く優しく、そして何よりも強いというカリスマを見せられた。この事がきっかけで俺はこの先から徐々に強くなっていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー現在ーー

 

健太「だから、もうこれ以上あんたが抱え込むことなんてないんだ。俺は絶対にあんたを助ける....。絶対にな!!」

 

鶴乃「健太君....、さすがだね。私も君みたいに転機が来る日を待った事もあったけど、やっぱりダメだったみたい。ししょー、ありがとうございました。最期は私が見送るよ。」

 

やちよ「鶴乃....」

 

いろは「鶴乃ちゃん....。」

 

「そんな事させっかよぉ!」

 

「そうですよ!一緒に帰りましょう!」

 

「一緒に帰って皆で美味しいものたくさん食べましょう!」

 

「あんたは一人じゃない!絶対に釣れて帰る!」

 

するとフェリシアとさな、俊に壮介が駆けつけてきた。突然の事に驚きを隠しきれない。

 

やちよ「あなたたち....。」

 

いろは「フェリシアちゃん!さなちゃん!」

 

健太「俊に壮介!」

 

壮介「やちよさん、話は全て聞かせて貰いました。」

 

健太「お前ら、あいつらはどうなったんだ?」

 

俊「大丈夫です!今宇佐美さんが藤村さんを倒して、久之と巧さんと吉信さんを相手にしてくれています!」

 

さな「レナさんとかえでさんが援護に回ってくれています!」

 

フェリシア「あの十六夜ってやつも援護してくれてるぞ!」

 

ーー悠太sideーー

 

戦闘BGM「welcome to mirrors」--マギアレコード--

 

「VS マギウス五大老幹部 龍ヶ崎巧」

「VS マギウス五大老幹部 中川久之」

「VS マギウス五大老幹部 伊藤吉信」

 

 

 

悠太「うらぁあああ!!」ドガッ!

 

久之「うぉわ!?」

 

巧「ちぃ....、強すぎだろおい!?」

 

悠太「大の男が三人係できてもこの程度か?それでよく幹部なんか務まるな...。顔を洗って出直してきたらどうだ?」

 

吉信「流石は、東の恐竜と恐れられただけはありますね....。生半可に挑んではいけませんよ!」

 

久之「んなこたぁ分かってますよ!それに灯花たちも危うくなってきてるんじゃないか!?」

 

巧「確かに、あっちにも援軍が来ちまったが仕方ない。今はこっちを優先するぞ!」

 

吉信「あっちはたかだか二人、すぐにやられるのがおちでしょう....。」

 

十六夜「果たしてそうかな?はぁあ!」ズガン!

 

久之「んっ!?ぐはぁああ!?」

 

巧「久之!!」

 

十六夜「これでダブルスになったな。協力するぞ、悠太。」

 

悠太「ふっ、感謝する。」

 

巧「....悠太は俺が仕留める。吉信は銀髪の女を頼む。」

 

吉信「了解しました、任されましょう。」

 

十六夜「来るぞ!悠太!」

 

悠太「ああ!」

 

悠太・巧「うらぁああああああああ!!!!」ガキィン!

 

吉信・十六夜「はぁあああああああ!!!!」ガキィン!

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

援護に来てくれたフェリシア達は必死で説得を試みる。

 

フェリシア「おい!鶴乃!今度は俺達が助けてやるからな!」

 

鶴乃「無理だよ、フェリシア...。三人でもダメだったもん....。」

 

フェリシア「ダメじゃねぇ!俺も、鶴乃の事理解するから!」

 

俊「僕達も絶対に迷惑はかけません!だから!戻って来て下さい!」

 

鶴乃「.....」

 

フェリシア「オレの宿題だってもう見てくれなくて良いし今度は俺が鶴乃の宿題を見るから!だから帰ろーぜ!」

 

鶴乃「ふふっ、無理だよ。」

 

フェリシア「無理じゃねーよ....、オレ、もう誰かがいなくなるのは嫌なんだよぉー!!」

 

フェリシアはそう言って鶴乃に掴みかかるがすぐにさなと壮介が止めに入る。

 

さな「ステイです!フェリシアさん!」

 

壮介「止めろフェリシア!」

 

フェリシア「なんだよ二人共!止めるなよ!一発ぶん殴って目ぇ覚まさせてやるんだ!」

 

壮介「殴った所で目は覚めない!だったら俺達七人で力を合わせるんだ!」

 

俊「なら、僕の魔力をフェリシアさんに....!」

 

俊はフェリシアに手をかざし、魔力をフェリシアに移す。それに続いて皆も魔力をフェリシアに移した。

 

やちよ「そうね、七人の力なら....。」

 

さな「私もフェリシアさんに....。」

 

いろは「私も....。」

 

壮介「フェリシアちゃん....。」

 

健太「....フェリシア、頼むぞ....、鶴乃姉さんの目を覚ましてやってくれ....!」

 

フェリシアに誓うように俺も魔力をフェリシアに移す。それに答えるようにフェリシアが頷く。

 

フェリシア「わかった....、やってやる!オレ達の思いがつまったこのハンマーでぶっ叩いてやる!」

 

健太「万々歳のテレビだって叩けば直るから、鶴乃姉さんも叩けば直るさ!」

 

鶴乃「ひどいなぁ....健太君、フェリシア。でも、思い切り叩いてよ。なんだかミョウトウがクウシンサイ先生を助けるみたいだね!」

 

健太「そうだ!弟子だって先生を助けられる。それは姉弟だって同じだ!血は繋がっていないが血だけが全てじゃねぇ、心や思いさえ繋がってればそれでいい。鶴乃姉さんは俺にとって、ももこの姉貴に負けない大切な姉弟だ!」

 

俺は鶴乃姉さんに対し、自分の思いを全て鶴乃姉さんにぶつける。そして鶴乃姉さんに皆が様々な攻撃を仕掛ける。

 

フェリシア「これからもオレ達を頼れよ鶴乃ぉー!!」

 

フェリシアが止めといわんばかりに強烈なハンマーを鶴乃姉さんにぶつける。だが鶴乃姉さんにダメージがなかった....。

 

 

やちよ「鶴乃にダメージがない....、どうして....?」

 

健太「....んっ?やちよさん、鶴乃姉さんから何か漏れて....。」

 

すると鶴乃姉さんから白い光が漏れだし、俺達を包んだ。突然の事に驚きを隠せなかった。だがその光の正体がすぐにわかった。

 

健太「こいつは....。」

 

そう、光の正体は鶴乃姉さんが溜め込んでいた気持ちだった。みふゆさんが気を使って姉さんに話す。その時の鶴乃姉さんは「もっと頑張らなきゃ」という気持ちだった。自分が頼りないから本当の事を言ってもらえないと思い、自分に負担をかけていたんだな....。その後には鶴乃姉さんが抱え込んでいたものが解放されるように流れていく。そして最後には俺と会話した時の話が流れてきた。

ーーーーーーーーーーーー

ー過去ー

 

鶴乃「健太君はどうして神浜に来たんだっけ?」

 

健太「ん?クラスメイトの捜索っすよ。」

 

鶴乃「あ、そういえばそうだったね。すっかり忘れてたよ。」

 

健太「まぁ、クラスメイトの捜索も視野に入れて、いろはの妹のういちゃんの捜索も協力してるんすよ。」

 

鶴乃「ほえ~」

 

健太「俺ははじめていろはからういの事を聞かされた時、この子も、俺と一緒なのかって思ったんす。そして俺と何より違うのは、確信はないけどういちゃんは生きているということなんすよ。だから、俺の二の舞にはさせんと思って協力してる。ただそれだけっすよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー現在ー

 

 

健太「.....」

 

いろは「健太さん....」

 

健太「気にすんな、これは俺の勝手な行動だからさ。」

 

壮介「だが、いろはと一緒って事は...。」

 

健太「ああ、俺にも妹はいた。だが小さい時に俺の両親が魔女に殺されて、それ以来妹は行方不明になっちまったんだ。生きてるのか、死んでるのかすら分からん。」

 

六人「.....」

 

健太「だから俺は誓ったんだ。俺が守りたいと思ったものは絶対に守りきるってな。この身が滅びようともな。だからいろはから話を聞いた時は、勝手だけど俺の二の舞にはさせないとな。」

 

この際、俺の過去を話した。マミの事はいろは達に話していたが、妹の事は壮介も初めて聞いた。

 

壮介「健太、両親が死んだ時は何時なんだ?」

 

健太「うろ覚えだが、小1位の時かなぁ....。」

 

六人「小1のときから.....!?」

 

いろは「その時に...、宗雄さんに保護されてからももこさんと一緒だったんですか?」

 

健太「そういう事だな。」

 

やちよ「だからあんなにももこと仲が良かったのね....。」

 

健太「だから俺は前のみかづき荘を見た時は意地でも元に戻したいって思ったんです。」

 

フェリシア「だからあんなに必死になってたのか....。」

 

壮介「......鶴乃さん、今度は俺達があんたを助ける。どんな事があろうとな。」

 

さな「鶴乃さん、今度は私にお返しをさせてください....。」

 

俊「僕も、少なからずですが鶴乃さんをサポートします。だからもう抱え込まなくて大丈夫です....!」

 

フェリシア「いちいち心配しなくても大丈夫だよ!オレだってもう店の戦力だからさ!」

 

やちよ「鶴乃、ずっと無理させちゃってごめんね....!」

 

いろは「私、鶴乃ちゃんに頼ってもらえるように頑張るから!」

 

健太「鶴乃姉さんが安心して頼ってくれる、そんなリーダーになって見せるさ!」

 

皆がそれぞれの思いを話し最後に七人全員であの言葉を話す。

 

七人「皆で一緒に取り合おう」

 

俺達がそう言うと白い光は再び鶴乃姉さんに入り、元の姿に戻った。そして側に駆け寄り、やちよさんが話す。

 

やちよ「鶴乃、大丈夫?」

 

鶴乃「.....」

 

さな「鶴乃さん....!」

 

いろは「鶴乃ちゃん....!」

 

フェリシア「起きろぉ!うりゃりゃ!」

 

鶴乃「うわぁあ!頭揺れるから!」

 

俊「無事に目が覚めたみたいですね!」

 

壮介「鶴乃さん、大丈夫ですか?」

 

鶴乃「うん、大丈夫。ごめんね皆。迷惑かけちゃって....。」

 

健太「大丈夫っすよ。鶴乃姉さんが考えていた事は色々わかったから。」

 

鶴乃「いやぁ、色々見られちゃうと恥ずかしいね。顔から火が出そうだよ。....あっ!早くしないと朝にオープンしちゃうよ!」

 

俊「はい、後はここのボスのうわささえ撃破できれば....!」

 

壮介「そういえばウワサはどこに....?」

 

健太「......」

 

いろは「健太さnっ!?」

 

フェリシア「おい!健太!後ろ!!」

 

さな「健太さん!!」

 

鶴乃「ダメぇぇーー!!」

 

壮介「健太!避けろぉ!」

 

ウワサは背後を取って俺に奇襲を仕掛けてくる。そして奴は俺の胸を貫いた........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「うらぁあああああああああああああ!!!!」ドガァッ!!

 

かに思ったが俺はすぐに拳を握り力を入れて後ろに向くと同時にウワサ顔面?に強烈な打撃を浴びせる!それに対し七人は驚愕した。

 

五人「えぇえええええ!!!???」

 

俊「うっ、嘘ぉ.....!?」

 

壮介「まっ、まじかよ....!?」

 

健太「はぁ、はぁ、俺ぁ今....、すげぇイライラしてんだよ使い魔共.....。喧嘩売るんならタイミング見て来いや....。」

 

俺は使い魔に対し、ドスの聞いた声を浴びせ、ヤクザ顔負けの顔を使い魔に向ける。それが聞いたのか大元のウワサや使い魔達が後退りしていた。

 

健太「手加減はしねぇ....。」

 

俺は両手を握り自分自身を集中させ、魔力を還元し、気に変え体に魔力が張り付く。

 

健太「はぁああああああああ......!!」

 

そして徐々にその気は黄色くなり、ついにその時がくる....!!

 

健太「うぉあああああああああ!!!!」

 

仲間を守りたい気持ちがそれに呼応するように魔力が気に変わり、力に変わる。そして俺はおっちゃんと修行の成果が出たと感じた。

 

健太「かかって来いよ使い魔共、てめえらなんざ素手で十分だ。」

 

今の姿は髪が逆立って金髪になり、力と自身が溢れ出てくる。おっちゃんから聞いたがこの姿は......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超(スーパー)モードだと....!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「仲間に手ぇ上げた分1000億倍にしてお返ししてやるぜ!!」

 

壮介sideー

 

BGM「カカロットVSブロリー」--ドラゴンボール超--

 

 

 

いろは「健太さんの髪型が変わった....!?」

 

さな「それだけじゃないです....!」

 

俊「健太さんの魔力が変化して守るようになってます....!」

 

やちよ「魔法少女を七年やってたけど、こんな芸当が出来る子を見るのは初めてよ....!」

 

フェリシア「健太....、かっけーぞ!!」

 

壮介「もしかしたら、仲間を守りたいという思いが強くなり、健太を覚醒させたのかも知れない....。」

 

鶴乃「健太君....!」

 

壮介「(それだけじゃなく、健太の過去の行動が知らないうちに健太自身を強くさせたんだ....!)」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ーー健太sideーー

 

戦闘BGM「カカロットVSブロリー」-ドラゴンボール超-

 

「VS キレーションランドのウワサ」

 

健太「はぁああああ!!」

 

俺はこの変身で得た能力がたくさんある。ひとつは飛べるようになった事だ。そのおかげで使い魔の攻撃を容易く避けることが出来た。

 

健太「ははは!どした!?こんな程度か?終わりならボスの所まで行かせてもらうぜ!」

 

俺は飛行能力を身につけ奴等の猛攻を掻い潜り、すぐにウワサの元にたどり着く。

 

健太「....そう簡単にくたばってくれるなよ?」

 

そう言って俺は炎戦の構えを取る。ウワサも攻撃体勢をとり攻撃を仕掛けてくる。

 

健太「.....」

 

そしてもうひとつ身につけた能力は予測回避や敵の行動パターンを読める事が出来るようになった。

 

健太「遅い遅い!!洗脳することしか脳がないのか?」

 

ウワサの使い魔もやけになったのか俺にガンガン遠距離攻撃を仕掛けてくるが無論今の俺には効かない!

 

健太「オラオラオラオラ!!」ダガダガダガダガ!!

 

束になってかかって来た使い魔達を吹き飛ばし、最後の一匹を仕留める。だが突然光の矢が飛んで来たため、交わし、矢が使い魔にささり、消える。

 

健太「いろは!?」

 

いろは「私達も協力します!」

 

壮介「お前だけ獲物は取らさんぜ?」

 

フェリシア「健太だけ独り占めは許さないぞ!!」

 

やちよ「私達はチームだもの!」

 

さな「皆で協力して戦いましょう!」

 

俊「ウワサを倒してみかづき荘に帰りましょう!」

 

鶴乃「皆でまたのんびりみかづき荘で過ごそうよ!」

 

健太「.....へっ、だな!皆で協力してぶっ潰すぞ!」

 

上空からの気弾攻撃をくり出し、いろは達は下から援護攻撃をしてくれている。そしてしばらくするとウワサはそろそろ限界なのか苦しい声を上げた。俺はそれを逃さず地上に降り、両手の魔力を流す。そしていろは達もそれに答え、フェリシアの時みたいに魔力を流してくれている。

 

健太「はぁああああああああ.....!!!!」

 

両手に溜まっている気弾は徐々に大きくなり、やがて俺達8人分の魔力が溜まって巨大な玉になった。

 

健太「これが俺達の仲間の絆だ!」

 

そして俺達は両手を下に降ろしウワサにぶつける。ウワサもバリアを張り、気弾はバリアに当たる。俺達も負けじと押し返す。

 

健太「まだだ!!」

 

壮介「皆!みかづき荘の絆を見せるんだ!」

 

全員「はぁああああああああああ!!!!!!」

 

俺達は最大の魔力を振り絞り押し返す。やがてウワサのバリアは壊れ、気弾がウワサを包みこむと同時に大爆発を起こす。そして煙は晴れウワサがいた場所には何もない事を確認し超(スーパー)モードの変身を解く。

 

健太「ふぅっ.....。」

 

さな「これで、終わりですよね....?」

 

健太「ああ、後は結界が消えるだけだ。」

 

鶴乃「.....皆、ごmガバッ!.....え?」

 

壮介「健太...。」

 

健太「.....」ギュウ...

 

鶴乃「健太君....?」

 

健太「.....俺は、あんなに強がってるけど、本当はすげぇ怖かった....。また、俺の前から大切な人間が居なくなっちまう事が....。初めてウワサに洗脳されたあんたを見たとき、俺は、自分の無力さに怒りが沸いて出てきた....。けど、またこうして、いつもの姉さんを見ることが出来て良かった.....!」

 

鶴乃「健太君....。」

 

健太「だが、幸か不幸か、あんたの事を深く知れたから、皆も自分を見つめ直すことが出来た。」

 

俊「僕が言えた事じゃありませんけど、こんな事になったのはマギウスのせいだと思いますし....。」

 

鶴乃「うん....」

 

壮介「だから、また新しく八人で一緒に手を取り合って頑張っていきましょう。」

 

いろは「そして、魔女っていう魔法少年少女の運命とこれから皆でどうやって向き合うのか、その答えを皆で見つけよう!」

 

健太「マギウスの求めてる物とは違う新しい答えをな。」

 

俺がそう言うと皆は頷き、賛同してくれた。そしてフェリシアはある提案を話す。

 

フェリシア「よーし!じゃああれやろうぜ!」

 

さな「あれ....ですか....?」

 

壮介・俊・健太「ああ.....、あれか。//あれだな。//あれですね。」

 

フェリシア「おう!あの手を重ねるやつ!」

 

鶴乃「おっ!確かに再結成感あるね!じゃあ皆!手を出して!はい!健太君から一言!」

 

健太「えっ?」

 

鶴乃「だってリーダーなんでしょ?」

 

健太「あ、まぁ、いや、そうだが....。」

 

鶴乃「ふんふん!」

 

健太「じ、じゃあ....」

 

俺は思い切り息を吸って吐く。そして大きな声で

 

健太「チームみかづき荘ー!!頑張るぞー!」

 

全員「おーー!!!」

 

こうして俺達は再びチームみかづき荘を再結成し新たな道へ進む。開いた結界に皆で入り元の場所に戻る。悠太さんや姉貴達を助けるため、絶対に負けられねぇ!!


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