ーー健太sideーー
調整屋を出た頃には夜になっており、視界も少し悪くなって来た。だが止まるわけにはいかず、このまま大東に入る。大東に入ってすぐにやちよさん達を探す。するとやちよさん達が白羽根や黒羽根達と交戦しながら逃げている様子が見えた。
健太「あれは...、やちよさん達か?すぐに追いかけねぇと...!」
そう思い、すぐにやちよさん達が逃げている方へ向かった。
ーー住宅街ーー
やちよさん達を追っているといつの間にか住宅街に入り込んでいた。だが音が激しいためかすぐにやちよさん達が戦っている場所がわかった。
健太「......あっちか!」
近づくにつれて音がかなり大きくなってきているためこっちで正解みたいだな。そして壁からこっそり見るとやちよさん、十六夜さん、悠太さんが多くの羽根と交戦していた。
健太「今なら不意討ちでいけるか......?」
そう思って油断した黒羽根の背後に回り、一気に畳み掛ける!
健太「オラァ!」ドガッ!
黒羽根「ぐはっ!?」ドサッ!
やちよ「健太君!」
十六夜「君は...!」
悠太「健太...、なぜここに?」
健太「調整屋で少し不安がしましてね、だから念のためと思って来たらこれっすよ。手伝いますぜ!」
やちよ「助かるわ!このまま一気にn「何の音だ!?」っ!?」
健太「って思ってたら人が!」
十六夜「不味いな。一旦変身解除だ!」
悠太「わかった。」
一般人の声が聞こえたためすぐに皆は変身を解く。そして白羽根や黒羽根のやつらも撤退していった。
悠太「どうやらやつらも一般人を巻き込む事はないみたいだな。」
健太「そうっすね......。」
一般人「なになに?なんかあったの?」
十六夜「いや、あまり気にするな。」
やちよ「気にしないで、幻聴だと思うわ。」
一般人「いや、でもさっき確かに......って七海やちよ!?雑誌で見たことあるぞ!」
健太「(こいつ、やちよさんのファンか!)」
悠太「(面倒くさいのに捕まったな。)」
やちよ「(あぁ...、変なのに捕まってしまったわ...。)」
一般人はやちよさんを見ると驚いた顔をした。大方やちよさんのファンだろうな......。そしてしばらくサインくれ要求が激しかったために一般人と押し問答が繰り広げられた。そして一般人の後ろからまた一般人が近づいてきた。
一般人2「こらぁ!タケぇ!どこほっつき歩いてやがんだ!仕事しろ!」
一般人改めタケ「仕事なんてどうでもいいっすよ!それより今目の前に大スターが!」
一般人2改め月咲父「知るかんなこと!!ったく、月咲もどこかにいなくなるしよ...。」
タケ「おやっさんがこきつかうから嫌気がさして出ていったんすよ!」
二人の言葉の中に月咲という言葉が発せられ、四人はすぐに悟った。
やちよ「今、言ったわよね......」
健太「えぇ...、間違いなく言いましたね...。この看板に偽りはないみたいです。」
悠太「天音...、竹工房...。」
悠太さんはふと思った事を月咲の父に聞いた。
悠太「すいません、少し宜しいでしょうか?」
月咲父「あ?あぁ、どうした?」
悠太「月咲達は戻られてないのですか?」
月咲父「月咲の友達か...、ここ数日戻ってないんだ...。もし見かけたら怒ってねぇから戻って来いって伝えてくれ。」
悠太「分かりました、伝えておきます。」
そう伝え、この場を後にする。
ーー繁華街ーー
十六夜「ウワサの可能性が上がったか。」
悠太「あぁ。」
健太「しかし、分からねぇ...。そこまでして神浜の魔法少年少女達を殲滅したいか......。」
やちよ「エネルギーを得るためとなれば話は繋がるけど、ドッペルを出させる訳でもないしただ攻撃を加えて私達を消そうとしている...。邪魔なのは分かるけどメリットもあるとは思えないわ。」
健太「えぇ、ですが今はそれを推し量る材料がないし彼女達の目的が不明である以上は自分達を食い止める事しか出来ないみたいです......。」
悠太「そうだな、そのためにはうわさを消していかないとな...。」
十六夜「いっそ羽根達の心を読んでみるか、それの方が手っ取り早いだろう。」
やちよ「それなら移動しましょう。魔法少年少女が多い所なら羽根も多くいるはずよ。」
やちよさんの言葉で俺達は大東からビルの多い市内に入る。するとやちよさんの言った通りさほど歩いてもいないところで羽根の一人を見つけた。
悠太「やはり東を抜けると数が増えるみたいだな。」
やちよ「目論通りね。」
健太「あっ、羽根がどっかに行くみたいっすよ。」
十六夜「大方魔法少年か魔法少女を見つけたんだろう。後を追うぞ。」
羽根にバレないように隠れながら慎重に羽根を追っていく。やがて追っていると羽根と交戦している魔法少年と魔法少女を発見した。
少年「うわっとあぶね!てりゃ!」ドガッ!
黒羽根「ぐがっ!?」ドサッ!
少女「ありゃりゃ?これって二度目の対面?」
少年「いや、よくみたら全くの別人だわ。オラ!」ガッ!
黒羽根「うぅ......、ゥアア!!」
少年「うぉっと!!」
少女「もー!会話も出来ないんじゃ話にならないよ!どうしよ勝也君?」
少年改め勝也「まっ、それほどこいつらも暇なんだろうな。とはいえ数が多くて話にはならないな。ってそんな場合じゃなさそうだ。あやか、気を抜くなよ?」
健太「その通りだ!」ザシュッ!
黒羽根「ぐはっ!?」ドサッ!
悠太「ここは俺達が持つ!はぁっ!!」
黒羽根「がぁあ!?」
少女改めあやか「ぬぉ!?正義のヒーロー!?」
勝也「こりゃたまげた!まさか援軍がくるとは!感謝するぜ!」
健太「おぅ!お安い御用だ!ここは俺達に任せて早く調整屋へ!」
あやか「調整屋......!」
勝也「さっきちょうど他の魔法少年少女から連絡が来てな、移動してた最中だったんだ!」
やちよ「そう、それなら早く!」
勝也「だが、俺達が調整屋に行く前にこいつらを片付けてからにするわ!」
悠太「何を言っている、お前達は狙われてるんだ!早く!」
あやか「大丈夫大丈夫!100回くらい死んでもいけるって!それに6人いれば容易いもんでしょ!」
健太「わかった。だが調整屋に行く前に怪我だけはするなよ!?」
勝也「上等!行くぜぇぇ!!」
戦闘BGM「extermination」--龍が如く5より--
「VS マギウス構成員 黒羽根15人」
健太「オラっ!はぁっ!」
勝也「数だけはいっちょ前に揃えて来やがって......!」
健太「しかもさらにタフになってやがるから尚更倒れねぇんだよこいつら!てりゃ!」ドガッ!
黒羽根「ぐふっ!?」
悠太「ふん!」
黒羽根「ぐはっ!?」
あやか「うー!こうなったら一気に片付けるよ勝也君!」
勝也「わかった!皆!離れて!」
十六夜「了解した!」
十六夜さんの指示で一度離れて勝也とあやかが互いに手を繋ぎ二人が手を上げると上空に光の弓矢が現れる。
勝也「このまま一気に!」
あやか「行くよ!せーの!」
勝也・あやか「食らえ!「マジカルグレイブ」!!」
二人が手を下ろすと一気に光の弓矢が降り注ぎ、回りにいた黒羽根達をどんどん倒していく。
勝也「皆さん!今がチャンスです!」
健太「よし!ナイスカバーだ勝也!」
勝也の言葉で弱った羽根をどんどん倒していく。そして羽根の一人が逃走するが悠太さんと十六夜さんは見逃さなかった。
悠太「逃がすか!」
十六夜「逃がさんぞ!」
健太「二人共!すぐに追います!」
悠太・十六夜「わかった!/うむ!」
やちよ「二人共、大丈夫?」
勝也「大丈夫だ。問題ない。」
あやか「手応えなくてびっくりしたよ~。」
健太「かなり消耗してるな...、グリーフシードは......。」
勝也「しっかりあるぜ!」
健太「そうか、それなら大丈夫だな。それじゃ俺達はさっきの二人を追いかけるよ。」
あやか「そっちは四人で大丈夫?」
やちよ「えぇ、大丈夫よ。今起きてる事態を彼女達に聞くだけだから。」
健太「ビルのヘリポートに向かったみたいです。」
やちよ「なら早く行きましょう!」
健太「えぇ、んじゃまた後でな!」
俺は勝也とあやかに話、ヘリポートへ向かう。そしてさらに困難な事態が発生するのをこの時はまだ知らなかった...。