ももこ「....気分が悪いな。人って熱が入りすぎるとああなるのか......。」
かえで「ももこちゃんだってアイドルの話をしてる時はそうだよ...。」
ももこ「かえでが家庭菜園の話で盛り上がる時...?」
かえで「それはそうかも......。」
健太「価値観一つで人の視野ってのは狭くなるもんだよ。」
ももこ「身に染みるよ......。」
レナ「で、どうするの?3人を探しに行くの?」
やちよ「みんな移動しているから居場所が掴めないのが難点ね...。でも二葉さんは姿を消して気配も消せるからいろはを奪還すれば脱出出来るわね。」
壮介「それに、万が一羽根達に見つかったとしても俊がいるし大丈夫でしょう。あいつはどちらかといえば補助系の攻撃が多いだろうし。」
悠太「俺達が行けば返って逆に目立つな...。しかし、どうも腑に落ちん。」
十六夜「むっ、悠太もか。」
悠太「お前もか、十六夜。」
ももこ「あたしもだよ。」
やちよ「私と健太君もね。」
健太「みふゆさんの事だろ?」
悠太「やはり皆同じだったか...。」
健太「ああ、こんな事態だってのにみふゆの姿を羽根が見てないんだ。現に郁姉だって見てないらしいからな...。」
やちよ「そして通君の姿もないのよ...。違和感を覚えるわよ......。」
レナ「もしかしたら藤村さんもみふゆさんもマギウスと一緒に隠れて何かしてるかも知れないじゃない。」
かえで「うんうん、ワルプルギスの夜が来るまで隠れてるかも知れないもんね。」
レナ「珍しく気が合うわね。」
かえで「そうだね!」
十六夜「梓と藤村は羽根の親玉、いわゆる現場のトップだ。それが何の指示も無しに静かにしているのは解せん。」
悠太「籠城を決め込んで勝てると見込んでたとしても、梓や藤村が羽根を放っておくとは思えん...。」
みふゆ「それに二人は羽根に対して責任を感じていたわ...。自分だけ隠れて救われようなんて考えるはずはないわ。」
かえで「だって...レナちゃん......。」
レナ「えっ...、まっ、まぁそう言われればそうかも知れないけど......。」
フェリシア「じゃあ捕まってんじゃねーか?」
悠太・十六夜「むっ...?」
やちよ・ももこ「えっ...?」
壮介「それは......」
フェリシア「なっ、何だよ!思った事言っただけだろ!?」
健太「いや、あながち間違いじゃないかもしれない......。」
フェリシア「ぉ?」
やちよ「えぇ...、鶴乃の時は通君とみふゆは陰で協力してきたし...。」
壮介「ああ、捕まっててもおかしくはないな。」
フェリシア「やったー!鶴乃、白いねーちゃんと赤いにーちゃん捕まってるってよ!!」
鶴乃「いや素直に喜べないよぉ!」
フェリシア「何でだよ!」
健太「逆に喜ぶ方がおかしいだろ!?考えてみろ、捕まってるという事はマギウスに危害加えられててもおかしく無いんだぞ!」
フェリシア「あっ...、ホントだ!ダメじゃねぇか!」
鶴乃「でもそういうことなら場所は絞れたかも知れないよ!」
壮介「鶴乃さん、分かるんですか?」
鶴乃「うん、洗脳された時に放り込まれた部屋ならこの鶴乃脳が鮮明に覚えているから!そこにいれは間違いなし!みふゆ奪還成功だよ!」
やちよ「さすが鶴乃ね!それでどこにいるの?」
鶴乃「多分、この建物の最上階。」
健太「ちっ...、こいつぁ大変だな...」
フェリシア「んなもん天井に穴開けてどーんて行けば良いだろ!俺に任せとけ!」
健太「フェリシア!それは止めとけ!」
フェリシア「行くぞ!ドッカーーーん!!」
フェリシアのハンマーで天井に穴が空き、中に突入する。
フェリシア「よし!穴が空い......った!!誰だよ叩いたの!」
健太「いや、これは......っ!?」
すると空いた穴から大量のウワサが現れ、一斉に俺達を取り囲んだ。
壮介「嘘だろ!?ウワサ!?って事はこの建物事態がウワサって事か!?」
悠太「なるほど、壊せば壊すだけウワサが出てくるという事か。狂犬、余計な事をしてくれたな...。俺達が侵入しているのは他の羽根にも伝わっているはずだ。早急に倒して進むぞ!」
健太「ああ!」
「最上階へ向かえ!」
健太「まずは周辺のウワサを倒す!おらぁ!」
俺はスウェイを巧みに使いウワサの攻撃を交わしていく。このウワサは熊みたいな形してんな...。
悠太「ふん!せいやぁ!」
壮介「雷の槍を食らえ!!」
健太「ていゃあ!!......ん?」
すると別の方から誰かが走ってくる音が聞こえた。
「こっちから音が聞こえたぞ!」
「侵入者の仕業かも知れん!他の羽根にも声を掛けろ!」
健太「羽根の動きが早い...、急いで階段を登って逃げるぞ!」
危険を察知した俺はすぐに皆に逃げるよう言い放ち、階段を昇る。
~フェントホープ 3階~
十六夜「......何とか撒けたみたいだな。」
フェリシア「どうして俺達がいるって分かったんだよ......!?」
健太「んなデカイ音たてたら嫌でも気付くっての!!」
壮介「それで鶴乃さん、このまま昇ればいいんですか?」
鶴乃「うん、部屋から見える景色は結構高かったしね。」
ももこ「それじゃ!上まで一気に上がりますか!」
やちよ「っ!?待って!」
健太「どうしたやちよさん?」
やちよ「向こうの羽根達の様子が慌ただしいわ。」
悠太「狂犬が天井をぶち抜いたからだろう。」
フェリシア「ガウガウ」
健太「少し静かにしてくれ。聞いてみる。」
俺は羽根の声が聞こえるように耳を澄ます。
白羽根「地下通路から応援要請だ。」
黒羽根「ですが、こっちの方角から高坂健太達が来るって...」
白羽根「逃げたのは環いろは、二葉さなに染谷俊もいる。逃がす訳にはいかない。」
黒羽根「確かに、そっちの方が優先ですね......。」
羽根達の話を聞いて少し安堵した。
健太「いろは...!」
ももこ「あいつらについていけばいろはちゃんが見つかるな。」
壮介「だが、なぜさなちゃんと俊が見つかったんだ?」
レナ「さぁね...、でも、かなりヤバイ状況じゃない......?こっちはさなの消える能力に頼ってきた訳だし......。」
健太「ああ......、ん?」
黒羽根「いたぞ!階段に潜んでやがる!」
白羽根「全員こっちに集まれ!高坂健太達を捕らえるぞ!」
やちよ「こっちはこっちで......!」
白羽根「っ!......あっちはあっちで他の仲間がやってくれる。俺達は急いで環いろは達を追うぞ!」
黒羽根「はい!」
健太「くそっ......!どうすりゃ...!?......ん?」
俺はあるものに目をつけた。そう、「達磨」だ。ちょうど階段の端側に置かれてるため忘れがちになってしまいそうな位置に置いてあった。
健太「......閃いた!壮介!手ぇ貸せ!」
壮介「なっ、なんだ!?」
健太「この達磨を階段の正面まで運ぶぞ!」
壮介「何をする気なんだ?」
健太「見てりゃ分かるさ!」
俺は壮介に協力を呼び、達磨を運ぶ。そして階段の正面に置いた。
やちよ「健太君、何をする気なの?」
健太「達磨を蹴って階段から登ってくる羽根達を一網打尽にするんですよ!」
壮介「なるほど、そう言うことか...!」
ももこ「でも、あいつらがそう簡単に引っ掛かるかなぁ...?」
健太「まぁ見てなって。......おらぁ!」ドガッ!
蹴られた衝撃で達磨は階段を転げ落ちていく。そして効果があった。
白羽根「高坂健太はこの先だ!急げ!」
黒羽根「あっ、あの!」
白羽根「どうした?」
黒羽根「何か、音がしないですか?」
白羽根「音?...何か、転がって来てるな。まぁいい、お前達進むぞ。ん?どうした?」
黒羽根「リーダー!後ろぉ!」
白羽根「あ?後rぐほぉっ!?」
黒羽根「きゃあああ!?」
黒羽根「なんだ!?達磨ぁ!?うわぁあああ!?」
羽根「ギャア! ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ! ナンデダルマガァ!?」
達磨はどんどん上がってきた羽根を巻き込んで1階の壁で止まった。
健太「......効果ありだな。」
壮介「達磨であんなことまで出来るんだなぁ......。」
健太「ああ、姉貴達はいろは達に向かった羽根達を追いかけてくれ!壮介も頼む!俺達はこのまま上がってみふゆさんの救助にむかう!」
ももこ「あいよ!」
壮介「任せろ!」
レナ「いつでもいいわよ!!」
かえで「私も!!」
壮介「合流地点はどうする!?」
健太「とりあえず1階で頼む!細かい場所は羽根から搾り取って聞き出す!」
壮介「了解!」
姉貴達はこのままいろは達を追った羽根達についていき、俺達はこのまま更に階段を上がってみふゆさんを探す。無事でいてくれみふゆさん!