魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

89 / 209
第4話 壮介side

戦闘BGM「cristmas night raid」--龍が如く5--

 

 

「羽根を追え!」

 

 

 

黒羽根「.........」

 

壮介「はぁっ、はぁっ、はぁっ......!ようやく追い付いたぜ......!」

 

レナ「どこに行くつもりか聞き出してやらないと!」

 

かえで「あと、いろはちゃんの事も!」

 

ももこ「連れて行ってどうするつもりだ......。」

 

俺達は健太達と分かれ、いろはちゃんの行方を知るために羽根を追いかけていた。

 

白羽根「ちぃっ...、二手に分かれたようだな。他のチームはどんな状況だ?」

 

黒羽根「ソウルジェムを運んでいるチームは距離を取るため別館を通って迂回しています。」

 

白羽根「問題は本体だな......。」

 

黒羽根「はい、二葉さなと染谷俊を追跡中と先ほどの連絡で言っていました。」

 

白羽根「目安としては地下牢を抜けてきた所を食い止めたい。」

 

黒羽根「では、ここは黒羽根の我々がやつらを止めてみせます。」

 

白羽根「すまん、任せたぞ。」

 

ももこ「まずい、あいつが行ってしまう!」

 

レナ「早く行かないと!」

 

黒羽根1「そうはさせないわ!」

 

黒羽根2「ここで時間を稼がせて貰う!」

 

壮介「......俺達を倒すと言わなかったのは褒めてやる。実力差はわかってるみたいだからなぁ!」

 

かえで「皆、羽根の子から話を聞くのはどうかな?」

 

ももこ「それもそうだな。」

 

俺達は一気に駆け出しやつらをたたく。だがなかなかしぶとい......!

 

壮介「せいやぁ!!」

 

ももこ「おらぁ!!」

 

羽根「がぁっ!?まだだ!」

 

壮介「うぉっ!?このやろう!!」

 

そのあとも暫く激戦が続いたが何とか撃破することに成功した。

 

 

 

 

 

 

 

~数分後~

 

 

壮介「だぁあくそ!見失った!!」

 

かえで「あの羽根、結局口を割らなかったね......。」

 

レナ「裏切られたのに......。」

 

ももこ「さっきの白羽根と違って全てを捨ててる奴だっているさ。」

 

レナ「でも、どうすんのよ......。」

 

壮介「とりあえず降りるしかないだろ。」

 

階段を降りて2階の廊下を走っているとさっきの白羽根こと健太の知り合いの郁美さんが阻んだ。

 

ももこ「うわさをすれば郁美さんかよ......。」

 

レナ「どいて!先に行った羽根を追わないといけないのよ!」

 

郁美「ここは、私が...!」

 

かえで「えっ?さっきは教えてくれたのに......。」

 

壮介「理解したはずだろ?マギウスを信じた所で後で苦しむのは自分たちだ。自分の未来を潰す可能性に手を伸ばし続ける気か?健太が悲しむぞ。」

 

郁美「っ!」

 

壮介「見滝原で初めて会った時、あいつは、根っからの悪じゃなかった。純粋で人を簡単に信じまう所やすぐに突起して魔女やうわさに返り討ちにあっちまう。あいつは本当に良い意味でバカだよ。逆に言えばバカじゃなけりゃそんな行動なんて出来ないんだ。」

 

 

 

 

 

壮介「お前が高坂健太か?」

 

健太「ああそうだ!お前らは何者だ?」

 

壮介「俺は風見野第三中学校3年生「長崎壮介」だ。」

 

 

 

 

俺は初めて会った時の事を思い出して語る。

 

壮介「そして誰よりも人を思いやるんだ。自分の事そっちのけでな。」

 

郁美「......」

 

壮介「あいつは、あんたがちゃんと自分の気持ちを持って欲しかったんだろうし何よりも家族として信じてきたあんたがここまで落ちぶれている姿なんてみたくもないだろうよ。」

 

郁美「......」

 

壮介「健太があんたに対して「恩に切る」って言った時の健太の顔、悲しそうな顔してたぜ。」

 

郁美「......」

 

壮介「......いつまでうつ向いてんだよ......。しっかり自分の気持ち持てよ!!」

 

郁美「っ!?」

 

壮介「さっき話して理解したはずだろうが!?マギウスなんざ上っ面の理論に過ぎねぇんだよ!健太はな、あんたがこの先マギウスに従ってていつか自分の身を滅ぼすんじゃないかって心配してんだよ。なのに、なんでこんな下らない事で意地を張ろうとするんだよ!?そんなに健太を悲しませたいのか!?あぁ!?」

 

ももこ「...壮介君、もうその辺に...、レナとかえでが怖がってる。」

 

壮介「はぁ......、すんません、ももこさん。言い過ぎました。」

 

ももこ「いや、大丈夫だ。あたしも壮介君と同じだよ。」

 

郁美「......分からない。もう、何のために戦っていたのかどうかも......。」

 

四人「......」

 

郁美「自分のためだったはずなのに......、マギウスを信用していなくとも解放を信じていればって、そう思っていたのに......。私は自分の未来を自分で潰しているなんて言われて、何が正しいのか...もう...。」

 

かえで「......それなら、一緒に考えようよ......!誰かに任せたりするんじゃなくて私達と一緒に魔法少年少女達の未来を考えよう。」

 

ももこ「そうだね。今度は一緒に言葉を交わして決めようよ。」

 

レナ「その代わり、あんたも自分の意見行ってもらうけどね。」

 

壮介「あんたも悩んでんなら俺達がいくらでも話しに乗ってやるよ。魔法少年少女同士なんだ。悩みはいくらだって聞くさ。」

 

郁美「......けど、でも、もし私が諦めて解放が実現しなくなったら...、そうじゃなくても友達やケンちゃんが魔女になんてなったら......私...私......。」

 

壮介「あまり自分を追い詰めるな。少なからず神浜なら大丈夫だ。」

 

郁美「でも、ケンちゃんも私の大切な家族だし、その友達は私の事を理解してくれる数少ない......。魔女になってしまったら、耐えられない......!うぅ......!うぅあああ!!」

 

四人「っ!?」

 

すると郁美さんの後ろから巨大な輪型のドッペルが現れた。

 

壮介「マジかよ!?ここでドッペル!?」

 

レナ「ここでドッペルとか...、ももこのバッドタイミングが......。」

 

かえで「どんどん差が開いちゃうよぉ......!」

 

ももこ「ヘリポートでのタイミングが良すぎたのかもな......。」

 

壮介「ある意味健太がこの場にいなくて良かったぜ......。とにかくドッペルを倒しましょう!」

 

 

戦闘BGM「i believe in you」--龍が如く5--

 

「VS マギウス幹部 牧野郁美」

 

 

俺達が臨戦態勢に入ると後ろの輪型のドッペルは叩きつけるような攻撃を仕掛けてきた。無論俺達はそれをかわす。

 

壮介「あっぶねっ!」

 

ももこ「うわっと!」

 

攻撃を受けた床は大きなヒビが出来ていた。それを見た俺達は冷や汗を流した。

 

かえで「レっ、レナちゃん......。」

 

レナ「これは早く倒さないといけないわね......。壮介!ももこ!悠長にしてる場合じゃないわ!」

 

壮介「ああ!」

 

ももこ「わかってる!」

 

俺はすぐに間合いを取ってマギア「ライジングストーム」を浴びせる。

 

壮介「マギア!「ライジングストーム」!!」

 

郁美「ああァああ!?」

 

どうやらダイレクトに当たったようだ。俺の技は電撃の技を重視しているため今の「ライジングストーム」は広範囲攻撃と共に敵を麻痺させる効果がある。

 

壮介「よし!これで動きが止まるはず......っ!?」

 

動きが止まったと思いきや後ろからドッペルが襲いかかってきた。

 

壮介「あっぶねっ!?」

 

ももこ「壮介君!郁美さんを攻撃してもどうにもならない!」

 

壮介「ちぃっ!やっぱドッペルを狙う他ないか......!」

 

かえで「でもどうやって動きを止めるの?」

 

レナ「うまく気を反らすしか......。」

 

壮介「......(ドッペル...、ソウルジェム...、気を反らす......。)っ!閃いた!」

 

レナ「何か策でも見つかったの?」

 

壮介「ああ、ドッペルに同等のダメージを与えるにはこっちもドッペルを出すしかない!」

 

三人「......えぇっ!?」

 

壮介「......何か勘違いしてそうだから言うけどドッペル出すのは俺だけだ。」

 

ももこ「いやそれはわかってるけども!」

 

レナ「あんた自分の身が危うくなるわよ!」

 

かえで「今出すのはよくないよ!」

 

壮介「大丈夫だ。自分の身に危険が出ればすぐに引っ込める。三人は俺が郁美さんのドッペルと戦っている間に後ろにまわってくれ。」

 

ももこ「その言葉、信じるよ!」

 

壮介「ありがとう!さぁ行くぜ!出てこい!俺のドッペル!!」

 

 

戦闘BGM「make you free」--龍が如く0--

 

 

俺のソウルジェムから出てきたドッペルは勇ましいもので槍を持っていた右腕ごと龍に変化し右半身が雷が走っている状態だった。

 

壮介「おぉ...、こいつはすげぇな...。」

 

どうやらドッペルは俺とは違う意識を持っていた。そして郁美さんのドッペルを見ると明らかにお互いのドッペルが興奮状態になった。どうやら相手方は俺のドッペル以外に眼中はないって事か。ある程度ダメージを与えてから三人に指示を送ろう。

 

壮介「よし、行くぜ俺のドッペル!」

 

「グルァアアア!!」

 

ドッペルが吠えたと同時に右腕を前にだすと凄まじい勢いで郁美さんのドッペルに体当たりする。そして体に電撃を身に付けて今よりもかなり強い勢いでまた体当たりをした。

 

壮介「いけぇ!!」

 

凄まじい勢いで攻撃を受けた郁美さんのドッペルはかなり疲労した。俺は左手で合図を送る。

 

壮介「今だ!」

 

ももこ「OKだ!レナ!かえで!行くぞ!」

 

レナ「任せて!」

 

かえで「うん!」

 

ももこ「たぁあああ!!」

 

レナ・かえで「やぁああああ!!」

 

ももこさん達の連携で郁美さんのドッペルは完全に消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッペルが消滅した後、俺もドッペルを引くと郁美さんが倒れていた。そっと持ち上げて壁に持たれかけた。

 

郁美「......」

 

壮介「...大丈夫か?」

 

郁美「......結局、マギウスを信じてしまえば...、解放をこのまま信じて進めば......、私達はまた自分の運命に絡めとられてしまうんだね......。」

 

壮介「ああ、きっとそうなると思う...。」

 

郁美「......はぁ、少しだけ、目が覚めた気がするよ。ごめんなさい......。」

 

壮介「謝るんなら俺達じゃなく健太にな。あいつ、今でもあんたの事を心配してるかもしれないしな。それにお互い無事なら良いんだ。全部事が終わったら話そうぜ。そんときは健太も込みでな。」

 

そう言って俺達は行こうとすると突然声がかかる。

 

郁美「待って!」

 

レナ「ちょっと!まだあるの!?急いでるんだけど!」

 

郁美「今、羽根達のテレパシーで環いろはを確保してるって......!」

 

レナ「なっ!?なら尚更早く急がないと!!」

 

郁美「今から追いかけてもさっきの羽根には追い付けない。」

 

かえで「ぇえ!?」

 

ももこ「じゃあどうすれば......!?」

 

郁美「......私がこの階の床を壊します。下に一気に行けば環いろはをさらった羽根と鉢合わせになるかも知れない!」

 

壮介「だが、この建物自体ウワサで作られてる。」

 

郁美「ウワサの相手は私がする。」

 

壮介「......良いのか?」

 

郁美「うん、貴方達の肩を持つって決めたから......。だから行って。」

 

レナ「本当に良いの?引き返せないわよ?」

 

郁美「うん。」

 

レナ「......はぁ、じゃあ一発風穴空けてやるわ。」

 

かえで「私も手伝う!」

 

レナ「それじゃ、やるわよかえで!」

 

かえで・レナ「やぁああああああ!!」

 

かえでとレナは思い切り床に打撃を与え、そこからウワサが現れると郁美さんが攻撃を仕掛けた。

 

郁美「はっ!!今のうちに!早く!」

 

壮介「すまない!助かる!」

 

そう言って穴の開いた場所に飛び込む。そしてあと一枚床があった。

 

壮介「ちぃっ!まだ床があんのか!!」

 

レナ「壮介!ももこ!行って!」

 

かえで「ここはレナちゃんと相手するから!」

 

ももこ「ふっ、かえでも強くなったな!」

 

かえで「皆と一緒に戦ってきたもん。」

 

レナ「なに感傷に浸ってんのよ!ほーら、時間がないんだから!」

 

かえで「ラスト一枚!」

 

レナ「はぁああ!」

 

壮介「よし!ももこさん!早く!」

 

ももこ「二人とも!任せた!」

 

今度はレナとかえでが残り、ウワサの迎撃に入る。そして床を抜けて羽根の通り道になる場所に入った。

 

ももこ「よっと!」壮介「ふん!」

 

壮介「ようやくっすね。」

 

ももこ「ああ、郁美さんの話が本当ならこの辺りを通るはずだ。」

 

壮介「えぇ、警戒しときましょう。......っ!?」

 

すると突如地鳴りが発生し、俺とももこさんは突然の事に対応出来なかった。

 

ももこ「うわわわわ!なんだよこれ!!」

 

壮介「凄まじい揺れだ...!ももこさん!壁に寄って!」

 

地鳴りは止む気配がなく、咄嗟に壁に寄り付いた。そんな時、ある魔力反応が二人の頭をよぎる。

 

壮介「なんだこの凄まじい魔力反応は......!?」

 

ももこ「これは...、健太の魔力!?」

 

壮介「一体、外で何が...?......ん?」

 

ももこ「あれは...!」

 

すると羽根達が覚束無い足取りでこっちに向かってきた。

 

壮介「ビンゴですね。」

 

ももこ「ああ。」

 

黒羽根「貴方達は...。」

 

ももこ「悪いな、いろはちゃんを返してもらう!」

 

黒羽根「無理やり降りてきたのか......!」

 

いろは「ももこさん!壮介さん!」

 

壮介「やっほー、久しぶりだな。すぐに終わるよ!」

 

俺はすぐに間合いに入り、フルスイングで男の黒羽根にパンチを当てる。

 

黒羽根「ぐほぁ!?」

 

黒羽根は流れに逆らわずにそのまま吹き飛ばされた。ももこさんの方も終わったみたいだ。

 

ももこ「これで終わりだぁ!!」

 

黒羽根「ああ!?」

 

ももこ「いろはちゃん!無事か!?」

 

いろは「はい、ありがとうございます。」

 

壮介「見た所、怪我とかはないみたいだ。良かった...。っていうかなぜ変身してないんだ?」

 

いろは「実は、マギウスにソウルジェムを取られちゃったんです......。」

 

ももこ「まじかよ!?」

 

壮介「犯人の居場所は......って聞くのは野暮だったわ。」

 

するといろはちゃんのソウルジェムを取ったかも知れない白羽根が入り口のドアを開けて中に入ってきた。

 

白羽根「十咎ももこ...長崎壮介...、ここまで辿り着いていたのか...。」

 

壮介「いろはちゃん、ソウルジェムを取ったのは、あいつか?」

 

いろは「そうです!あの人が私のソウルジェムを持ってます!」

 

壮介「やはりそうか!」

 

黒羽根「はやく先へ!せめてソウルジェムを...!!」

 

壮介「くそ!まずい!」

 

距離があり、到底間に合わない!ここに誰かおりてきてくれれば......!!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。