魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第4話 健太side

戦闘BGM「36strings nocturne」--龍が如く5--

 

「みふゆ達を救え!」

 

 

壮介と別れた俺達は階段を上がり最上階へ向かった。

 

 

健太「最上階!」

 

鶴乃「ここだよ!健太君!」

 

健太「ああ!」

 

最上階にある部屋のどこかにみふゆさんがいる可能性があるとみて皆で手分けして部屋を探す。

 

フェリシア「あっ、そうだそうだ!この部屋のどれかだぞ!」

 

悠太「どれかだと分からんぞ!狂犬!」

 

フェリシア「目隠しされてたんだから分からねぇよ!」

 

悠太「むっ...、それは仕方ない...。」

 

すると今度は両サイドから羽根達が挟撃を仕掛けてきた。そして何人かの羽根が一ヶ所のドアを守りに入った。

 

悠太「これは探すまでもなかったな。」

 

十六夜「七海!健太!お前達が中に入れ!ここは我々で押さえる!」

 

フェリシア「白いねーちゃんと赤いにーちゃんは任せたぞ!」

 

やちよ「ありがとう!」

 

白羽根「くっ!先へは行かせん!」

 

健太「邪魔だぁ!」

 

白羽根「ぐほぁ!?」

 

強烈な右フックを食らった羽根は後ろに吹っ飛ぶ。そして悠太さんが俺達に話す。

 

悠太「急げ二人とも!!」

 

健太「どうしたんすか!?」

 

悠太「話は後だ!早く梓と藤村と月咲達を!」

 

やちよ「笛姉妹も......!?分かったわ!健太君!」

 

健太「ああ!」

 

羽根達が必死に守っていた扉を蹴破り、さらに奥に続く廊下を駆け抜け、みふゆさん達のいる部屋に到着した。

 

健太「ここか!おらァ!」バン!

 

やちよ「みふゆ!通君!...っ!?」

 

健太「なっ......!?」

 

扉を開け中に入ると確かにみふゆさん達がいた。だが倒れた状態だった。

 

健太「どういう事だ...?四人揃って倒れているとは......。」

 

俺は部屋を見渡したが、誰かと争ったかの形跡は一切なかった。

 

健太「(争った形跡はない......。)」

 

やちよ「みふゆ...?通君...?」

 

通・みふゆ「.........」

 

やちよ「......ねぇ、みふゆ、通君...?......っ!?ちょっと!目を開けなさいよ!どうして......。」

 

健太「何でなんだ......?......んっ?」

 

俺はふと藤村のポケットから写真がはみ出ていた。俺はそれを持ち、表を向ける。

 

健太「......えっ!?」

 

やちよ「どうしたの......?」

 

健太「......どうして...、藤村が両親と俺と由美が写った写真を持っているんだ...!?」

 

藤村が持っていたのは両親を前、小さい頃の俺と由美が写った写真だった。すると扉が開き、フェリシア達が入ってきた。

 

フェリシア「皆ぶっ潰したぜ!白いねーちゃんと赤いにーちゃんは!?」

 

フェリシアは二人の姿を見て唖然とした。

 

フェリシア「気絶してんのか?」

 

やちよ「............死んでる......。」

 

フェリシア「はっ......?」

 

続いて鶴乃姉さんと十六夜さんと悠太さんも入ってきた。

 

鶴乃「はぁっ...はぁっ...、ウソ、だよね......。じゃあ天音姉妹も!?」

 

鶴乃姉さんは二人の息と脈を確認したが2つ共ないことに気づく。

 

鶴乃「息と脈が...ない......。」

 

フェリシア「なんだよ...、あいつらが殺したのかよ...。白いねーちゃん達仲間だったのにあいつらが!」

 

悠太「お前達落ち着け!」

 

十六夜「しっかり歩け!」

 

白羽根「ぐっ!?うぅ...!?」

 

すると悠太さんが威喝し、十六夜さんが羽根を引きずって入ってきた。

 

悠太「ソウルジェムと肉体が一定距離から外れたら駄目みたいだ。石ころひとつが我々の命なのは本当みたいだな...。」

 

やちよ「じゃあ近づけば......!」

 

悠太「ああ、生き返るはずだろう...。」

 

やちよ「っ!!」

 

白羽根「ぐぅっ!?」

 

やちよ「ソウルジェムの場所を吐きなさい!」

 

白羽根「誰が...言うものか......!ここまで我々の夢を邪魔をした代償だ!」

 

やちよ「あなた...!」

 

やちよさんが槍を振るう瞬間、振り下ろされる手を止める。

 

健太「............」

 

やちよ「健太......君......?」

 

健太「やちよさん、こいつは、言葉で言っても駄目っすよ。」

 

やちよ「でも...!」

 

健太「俺が、やります...。」

 

俺はやちよさんを止めた後、羽根に近づく。

 

健太「......」

 

白羽根「なんだ...、俺は吐かんぞ...!」

 

健太「ああ...、知ってるさ。お前みたいな奴を見るのは初めてじゃないからな。ただ、てめぇは状況がわかってないみたいだ。今からしっかり「教育」してやる。」

 

白羽根「はっ...?...ぐぅっ!?」

 

俺は羽根の胸ぐらを掴み、顔面を殴る。

 

白羽根「うわぁっ!?このやrぐぅっ!?」

 

俺はただ、ただ、奴を殴る。

 

白羽根「うわぁっ!?ひっ、ヒィイイイイイ!」

 

顔が血みどろになった羽根は地面を這いつくばるように俺から距離を取るがそうはさせん。

 

白羽根「ヒィイイ!!ぐぅっ!ぐほぁ!がぁっ!?」

 

健太「...吐けよコラ。」

 

白羽根「あっ、ああああ!?」

 

健太「ソウルジェムの場所を吐けっつってんだろうが!!!」

 

白羽根「ぎゃあああ!た、助け...、助けてぇ...!!」

 

健太「まだ「教育」は終わってねぇよコラ。何逃げようとしてんだよ。」

 

悠太「おい健太、もう寄せ。」

 

健太「甘いっすよ悠太さん。こういう奴は本当に死ぬ一歩手前まで追い詰めねぇと...。」

 

悠太さんの制止を振り切り、俺はただ、ただ殴り続けた。

 

やちよ「健太君!もうやめて!十分よ!」

 

鶴乃「その羽根が死んじゃうよ!」

 

フェリシア「あっ...あぁ...。」

 

十六夜「......」

 

健太「おらぁ、おらァァ、おらァァァ!!」

 

白羽根「ぐふっ!」

 

フェリシア「......めろ。」

 

健太「まだ吐かねぇか。」

 

俺はまだ吐かない羽根を見てゴミを見るような目で羽根を威圧する。そして止めの一撃が入る寸前、フェリシアが大声で止める。

 

フェリシア「もう止めろぉぉ!!!」

 

健太「っ!?」

 

俺はその瞬間、羽根の顔を掠めヒビが入る勢いで床に打ち付けた。

 

健太「......」

 

悠太さんは何も言わず、俺の肩に手を起き、一言言った。

 

悠太「......トラウマか。」

 

健太「......はい。」

 

悠太「ならお前は下がれ。汚れ役は俺に任せろ。十六夜、頼む。」

 

十六夜「わかった。」

 

十六夜さんは俺を担ぎ、退かせると悠太さんが羽根の心を覗いた。

 

悠太「ふん...、なるほど。いろはの体が連れていかれるならその命もまた同じようだな。」

 

やちよ「それはつまり...。」

 

悠太「ソウルジェムもいろは自身も同時に運ばれている。行き先はエントランスの方だ。」

 

鶴乃「たぶん一階にあるはずだよ。降りよう!」

 

やちよ「その前に...。」

 

健太「......」

 

フェリシア「......大丈夫か健太?」

 

健太「あっ、ああ...、何とかな。」

 

悠太「...両親の死がトラウマになっているのか...。」

 

健太「...それもあります。けど俺があれだけ怒り狂ってしまった理由のひとつとして、仲間と「兄弟」が傷ついた事っす。」

 

悠太「兄弟?」

 

俺は怒り狂う前、あることが頭によぎっていた。なぜ藤村が俺の家族の写真を持っていたのか、そして初めて会ったときは俺を知っていたような素振りを見せた事、そして俺のお袋の旧名が「藤村」であった事。それがひとつの結点としてそれを悟った。

 

健太「えぇ、藤村通が...、俺の「実の兄」かも知れないって......。」

 

悠太「......何?」

 

十六夜「藤村が......」

 

やちよ「健太君の......」

 

鶴乃「実の兄......!?」

 

フェリシア「えぇぇぇぇぇ!!!???」

 

健太「まだ確定した訳じゃないんでわからない......。だが、その可能性もあるんす。」

 

悠太「それで、あれだけ怒り狂ったという訳か。」

 

健太「えぇ、けど、さっきの話が本当なら階段を降りていれば時間がかかっちまう...。先に壮介達を向かわせといて良かったぜ。」

 

悠太「そう心配しなくて良いだろう。一戦交える覚悟さえあればいい。」

 

やちよ「何か策でもあるの?」

 

悠太「策も何も簡単だ。この窓を突き破って飛び降りればいい。問題はウワサだがな。」

 

健太「ふっ、大胆だが良い作戦っすね。」

 

悠太「気に入ってもらえて何よりだ。」

 

健太「よっしゃ!ならここから飛び降りて一気にエントランスへ向かうぞ!」

 

フェリシア「よーし!白いねーちゃんと健太の兄貴を生き返らせるぜ!!」

 

俺達はそれぞれの人を抱え、窓に向けて全力で走り出す。待ってろよ四人共!すぐに目を覚まさせてやるよ!

 

健太「皆!準備はいいか!?」

 

悠太・十六夜「ああ!」

 

鶴乃「こっちも大丈夫だよ!」

 

フェリシア「いつでもいけるぜ!!」

 

やちよ「私も大丈夫よ!」

 

健太「よっしゃ!なら行くぜ!......全員飛べぇ!!」

 

俺の指示で皆が一斉に勢いをつけて、一気に窓に向けて全力で走り出し、地上に向けて飛び降りる。

 

健太・悠太「うぉおおおおおお!!!!」

 

鶴乃・フェリシア「うぉらあああ!!」

 

やちよ・十六夜「はぁああああああ!!!!」

 

雄叫びを上げながら体は正直に下に落ちる。

 

悠太「全員の衝撃を押さえる!「土術・地壊沈下」!」

 

悠太さんの術で全員は何とか無事にフェントホープの入り口に落ちた。

 

健太「ふぅ...、悠太さんナイスです!」

 

悠太「いくら魔法少年少女とはいえ、地面の衝撃は体に伝わって怪我しかねないからな。当然の事だ。」

 

やちよ「でも助かったわ。ありg...っ!?来るわよ!」

 

健太「ん!?来やがったな!熊野郎!!」

 

悠太「わざわざ落ちてまで追いかけて来るとは、よほど俺達を潰したいようだな。」

 

十六夜「我々はそんな程度では潰れないことをウワサ共にはきちんと知って貰わなければな!!」

 

健太「かかってこいや!」

 

 

戦闘BGM「hear this in the game」--龍が如く3--

 

「VS フェントホープのウワサ」60体

 

 

 

まず先におぶっていた藤村達を安全な場所に持たれかけ、戦闘態勢に入る。

 

健太「オラァ!!」

 

槍を振るう度にまた起き上がって攻撃を仕掛けてくるため、今までのウワサよりなかなかタフみたいだ...。

 

健太「ちぃ...!なかなかやりますねこいつら!」

 

悠太「ああ。健太、いけるか?」

 

健太「えぇもちろん!こんな所でくたばってたら藤村に真実聞けませんからね!」

 

悠太「ふっ、なら心配はいらんな。来るぞ!」

 

健太「連携で行きましょう!」

 

悠太「おう!ふん!」

 

悠太さんは飛び出してきたウワサにぶっ指し俺の方に向いた。

 

悠太「こいつを斜め上に飛ばす!更に追い討ちをかけて回りの雑魚を吹き飛ばせ!」

 

健太「了解!オラァ!!」

 

指示に従って悠太さんは斜め上に飛ばし、俺は更に連続で切りつけ地面に叩き落とす。

 

健太「オラオラオラオラオラァ!!」

 

叩き落とし、更に回りにいたウワサ達にもダメージを当てる。

 

健太「食らいやがれ!「飛燕・深紅破走突」!!」

 

槍を回転させて、斜め下から地面を抉りとるように衝撃波を発動し更に体を回転させながら槍を振り回して地面に突き刺し、更に片手で振り回して一気に蹴散らす技だ。その技で一気にウワサが吹き飛んだ。

 

健太「よし!ウワサ共を蹴散らせたぜ!」

 

悠太「後はあいつらだな。」

 

すると結界が解け、中庭に戻った。

 

やちよ「これで全部ね!早くももこ達と合流しましょう!」

 

通「ぅ...」

 

悠太「っ!?ちょっと待て!藤村が目を覚ました!」

 

みふゆ「んぅ...」

 

鶴乃「えっ、みふゆ!?」

 

フェリシア「白いねーちゃん!赤いにーちゃんも!」

 

月咲「はっ......」

 

月夜「あれ...、私は...。」

 

健太「四人共目を覚ました!!」

 

やちよ「もしかして飛び降りたから?」

 

十六夜「そうだろう。飛び降りた時に一気にソウルジェムとの距離が縮まったからだろうな。」

 

やちよ「みふゆ、通君、私よ。分かる?」

 

みふゆ「やっちゃん...?それに、健太君も...?」

 

健太「ああ、久しぶり。大丈夫か二人とも。」

 

通「ああなんとかな。もしかして、お前らワシらのこと...」

 

月咲「助けてくれたの...?」

 

健太「ああ。」

 

月夜「申し訳ありません...、あれだけ刃向かったのに...。」

 

悠太「ふっ、もう昔の事だ。気にするな。」

 

十六夜「二人とも、動けるか?」

 

月夜「はい、ありがとうございます。本当に申し訳ありません......。」

 

健太「立てるか?」

 

通「っ...、すまんのぅ...。」

 

鶴乃「良かったぁ、皆無事でホッとしたよぉ。みふゆもみかづき荘に復帰だね。そして藤村君も!ふんふん!」

 

通「なんや...、ワシらがマギウスと反目しとったん気付いとったんかいな......。」

 

鶴乃「そりゃあ、私達を助けてくれたんだもん!」

 

月夜「みふゆさんと藤村さんが一番気にしてくれたのに...。」

 

月咲「こんな仕打ち許せない......!」

 

みふゆ「あっ、皆さん、詳しい経緯は後です!マギウスが大変な事を......!」

 

健太「ワルプルギスの夜を神浜に呼んだって話だろ?」

 

みふゆ「っ!?知っていたんですね......。」

 

健太「ああ、マギウスのガキ共が既にワルプルギスの夜を呼びやがったんだ。羽根を利用してこっちを撹乱させてる間にな。」

 

通「なんやと!?...くそっ!既に呼んどったんか......!!」

 

月咲「ワルプルギスの夜って、藤村さん...。」

 

月夜「どういう事でございますか...?」

 

通「......イブの孵化のためのエネルギーを取らせるために最悪の魔女を呼び寄せたんや......。お前ら羽根を利用してな......。」

 

月夜「そんな...!?」

 

月咲「こんなのひどいよ...!」

 

悠太「......なぁ、藤村。一つ良いか?」

 

通「んっ?何や?」

 

悠太「健太がお前に話したい事があるみたいだ。皆がいるこの場でな。」

 

通「話やと?」

 

健太「......」

 

通「......話すんならはよしてくれ。」

 

健太「......藤村さんは...、俺の......」

 

通「......」

 

健太「......「兄貴」なのか...?」

 

通「っ!?」

 

月夜「健太さんの...」

 

月咲「お兄ちゃんが...」

 

月夜・月咲「藤村さん!?」

 

鶴乃「そうだよ!健太君のお兄さんが藤村君なのかも聞かなきゃいけないんだよ!!」

 

フェリシア「おい赤いにーちゃん!本当に健太の兄貴なのか!?」

 

悠太「どうなんだ?俺はお前に弟がいたなんて聞いた覚えもない。正直に教えてくれ。」

 

やちよ「藤村君...」

 

俺は正直、迷っていた。仮に違うとなれば、なぜ俺達家族の写真を持っていたのか。そう思えば尚更緊張してしまう...。そして藤村が口を開く。答えは俺の考えを覆すものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通「......正解や。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やちよ「正解...!?」

 

悠太「という事は...。」

 

通「ああ、紛れもなく、ワシは健太の血の繋がった兄貴や。」

 

健太「......」

 

みふゆ「ようやくですね、藤村君。」

 

通「ああ、ようやくやな。」

 

鶴乃「ようやくって、みふゆは知ってたの?」

 

みふゆ「はい、藤村君から健太君が弟だって事も聞いてます。」

 

健太「...だから、あの時、みかづき荘で会ったとき、まるで知っていたような素振りを見せたのは...。」

 

みふゆ「はい...、黙っていてすみません。」

 

健太「.........」

 

通「すまんのぅ健太...。」

 

健太「......なんで...。」

 

通「ん...?」

 

健太「なんで...、謝るんだよ...。」

 

通「そらぁ...、お前に黙っとった事の謝罪や...。」

 

健太「そんな謝罪なんて......、いらねぇよ!!」

 

通「っ!?」

 

俺は、兄貴に対して怒っていた訳じゃない。そう、嬉し泣きをしていた。昔から兄弟は由美だけかと思っていた。だがこうして俺の一番上に兄貴がいたことに対して嬉しかった。

 

通「お前...、泣いとんのか...。」

 

健太「そうだよ!俺は嬉しいんだよ!なのに気付きもしないで謝りやがってコンチクショウ!!」

 

みふゆ「藤村君...」

 

通「...ワシも、こうやってお前と話すことは何よりも嬉しいんや。弟やかつての仲間と一緒に話せることがな...。」

 

やちよ「藤村君...。」

 

悠太「藤村......。」

 

通「ワシは健太を含め、みっちゃんや鶴ちゃん、悠太達にも多大な迷惑かけてしもうた......。やから、今からけじめつけさせてくれへんか?」

 

健太「けじめ...?」

 

すると兄貴を初めみふゆさんと天音姉妹が皆に頭を下げた。

 

全員「っ!?」

 

通「ワシらも一緒に戦わせてほしいんや!」

 

みふゆ「もちろん、私達もただでとは言いません!」

 

鶴乃「本当...に...?」

 

通「もちろんや!ワシは絶対に嘘はつかん!」

 

みふゆ「はい!お願いします!」

 

鶴乃「ふぅぅ...、ふっ、ふぅぅぅぅぅぅぅん!!」

 

通「っ!?鶴ちゃん!?」

 

みふゆ「鶴乃さん!?」

 

鶴乃「お帰り藤村君!みふゆ~!!」

 

鶴乃姉さんは泣きながら二人に抱きついて後ろに倒れる。

 

通「ひひひっ!しっかり戻ったで!」

 

みふゆ「ただいまです!」

 

健太「......駄目だ、もう耐えられねぇ...。」

 

通「健太、もう我慢せんでええで。ワシの胸でしっかり泣いてすっきりしぃや。」

 

健太「くっ...、うぅ...、うぅぅぅぅぅぅ......!!」

 

通「ほんまにすまんことしたなぁ......。」

 

健太「全くだ......!バカ兄貴......。」

 

やちよ「......ぐす...、これから戦うのに泣いたら藤村君とみふゆが困るわ...。」

 

みふゆ「ふふっ、そういうやっちゃんだって。」

 

やちよ「まだ...、まだ、泣かないわ...。」

 

通「はぁ...、相変わらず強がりやなぁやっちゃんは。」

 

やちよ「だって...っ!?」

 

すると兄貴が立ち上がって前からやちよさんを抱き締めた。

 

通「今だけ、泣いたらええ。無理して溜め込んだらあかんからな。」

 

やちよ「......ふっ...うぅぅぅ......!」

 

通「前のホワイトデーの時は、すまんかった...。もうお前とみっちゃんは一人にはさせん。信じてくれるか...?」

 

やちよ「もちろん...、信じるわよ...、バカぁ......!」

 

通「へっ、感謝、するで...。」

 

健太「皆、仲直りだな...。」

 

みふゆ「はい、健太さん、ありがとうございます。」

 

月夜「他の羽根に関してはどうするつもりですか?」

 

通「もちろん解放を叶えてやりたい、これは変わらん。やけどマギウスをのさばらしにすることも出来ん。マギウスをコントロール出来りゃ構わんと思っとったがハンドルが利かんようになってしもた。このままやと魔法少年少女達の未来にも暗雲が漂ってまうわ。二人はどないする?」

 

月夜「もちろん手伝うでございます!」

 

月咲「解放されても未来がなければ意味がないもん!それに...。」

 

悠太「......ん?」

 

月咲「許してくれるなら、もう一度悠太さんの元で一緒に戦いたい......。」

 

通「もちろん...のぉ?悠太?」

 

悠太「ふっ、俺は構わないぞ?」

 

月咲「っ!ありがとうございます!」

 

健太「よし!それじゃあ皆でエントランスn...ん?」

 

フェリシア「おっ、おい!入り口から羽根がたくさん出てきたぞ!?」

 

すると大勢の羽根がエントランスから現れ、一瞬にして俺達を囲んだ。

 

通「くっ、あっさり囲まれてしもたか!?」

 

悠太「どうする!?」

 

健太「......俺に秘策がある。」

 

悠太「秘策だと...?」

 

健太「ああ、俺には、ある秘策を持ってる。この状況を打破する術が...!」

 

そう言って俺が皆の前に出る。

 

やちよ「健太君?」

 

通「お前...、どないする気なんや...?」

 

健太「...兄貴とみふゆさんと天音姉妹はまともに俺の戦いを見てなかったよな?」

 

みふゆ「はい...、でもそれが何か関係があるんですか?」

 

健太「いや、特に関係はないさ。ただ、これで心置きなく戦えるんだからさ......。」

 

月咲「どういう事なの...?」

 

健太「まぁ見てな、今に分かるぜ。」

 

BGM「自分を信じろ」--ドラゴンボール超--

 

そう言って俺は両手を握り、体全体に自身の魔力を流すように力を溜める。

 

健太「はぁああああああああああああ!!」

 

かつて、ただの泣き虫で情弱だった俺は今、自分自身で己の限界を超える一歩手前の状態だ。数多の戦いを経験したからこそ分かる。そう、超化(スーパーモード)の上を行く新たな形態に上がる。

 

やちよ「す...、すごい魔力...!!」

 

みふゆ「一体、何が起きるんでしょうか!?」

 

通「わっ、分からへん...!やけど、一つ分かるんが...、健太は強ぅなりよった事が...!」

 

悠太「数多の戦いが、健太にとってかなりの成果になったんだろう...。にしても、凄まじい魔力だ...。」

 

月咲「つ、月夜ちゃん...!」

 

月夜「はい...!何だか凄く大きな魔力を感じとれるでございます!!」

 

健太「俺は、かつて、ただの泣き虫で情弱だった。だが、今はこうして、仲間もいるし兄弟の再会も果たすことが出来た......。俺は皆に感謝している...!だから絶対にこんなところでくたばることなんざ出来やしねぇんだ!うぉらあああああああああ!!!」

 

そう言って俺は自身の貯めた力を最大の力で放出する。そしてその放出した力が再び俺の体に入り込み、俺の体の回りから魔力が現れた。そう、これはおっちゃんとの修行で得ることが出来た形態。本来、この形態になれる魔法少年少女は100万分の1の確率でしか慣れない形態である。その形態の名は.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超青化(スーパーブルーモード)である......!!

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

やちよ「健太君の髪が......!?」

 

みふゆ「青くなった......!?」

 

通「それだけやない...!なんかさっきより大人しゅうなったような......?」

 

悠太「まさか...!?あの形態は......!?」

 

十六夜「知っているのか?」

 

悠太「ああ、あの形態は、特定の魔法少年少女がある限界を超え、強く、そして穏やかになり冷静に戦えるようになった姿だ...!あの形態は超青化(スーパーブルーモード)と言われている...!」

 

十六夜「それは、強くなったって事なのか......?」

 

悠太「そうだ。強さと穏やかな心が併せ持つ事で、自身の魔力をコントロール出来るようになった...。そしてスーパーブルーモードになれる魔法少年少女の確率は100万分の1程度なんだ...!」

 

全員「100万分の1!?」

 

通「つまり、その100万分の1で健太が選ばれたんか...!?」

 

悠太「ああ、更に言えば健太自身が経験してきた今までの戦いが健太自身を強く育て上げたという事が大きな原因だな。」

 

月夜「すっ、すごいでございます......!!」

 

月咲「健太さんって何者なの......!?」

 

健太「俺か?ふっ、俺は皆を守るただの中学生だよ。」

 

悠太「健太、俺達のサポートはどうする?」

 

健太「要らねぇですよ。こいつらは数だけですから皆の手を煩わせる訳にはいかないんでね。」

 

通「無理、するんやないで。」

 

健太「わかってるさ。さぁ!かかってこい羽根共ぉ!!」

 

俺は力を振り絞って羽根の大軍に突っ込む。今、最強の高坂健太と羽根の大軍の決戦の幕が上がる!


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