さて、俺が新しい世界に生まれ落ちてもう二ヶ月がたった。
前世、と言って良いのか分からんが、とにかく前世で聞いたことだが、赤ちゃんの頃は驚きの連続で時間が過ぎるのがあっという間だそうだ。精神年齢28歳の俺をもってしても、この摂理には抗えないらしい。
いやね? ほら、俺ってばいつまでも少年の頃の気持ちを忘れない男だからさぁ? おいそこ! 息子さんも少年のようですねって言うな!
「あら~、お漏らししちゃったの?すぐ変えますからね~」
「あうあ!」
ありがとうママン! 愛してるぜ!
ゴホンゴホン、話を戻そう。本来大人な精神をした俺が、なぜ毎日があっという間なのか。訳を話そうじゃないか。どうやら俺、個性に目覚めてしまったらしい。
今、俺の目の前で静かにたたずむ金色の武装のようなものを体中に着けた大男こそ、俺の個性!
そう、とんでもないパワーと、圧倒的な能力を持ったスタンド、『
俺の心の声に答えるようにジョジョ立ちを決めるザ・ワールド。すごい肉体美だ。ボディビルダーが自分の筋肉を恥じて一周回ってデブになってしまうぐらい美しい。
話が変わるが俺は、ジョジョの中でも特に好きなキャラクターが3人いる。説明しよう!
常に冷静沈着! だがその内に秘めるのは火傷しそうな激熱ハート! 圧倒的パワーでねじ伏せろ!
空条 承太郎!!
口から出るのはまず皮肉! ワガママでちょっぴりお茶目なところも魅力的! 誇り高き漫画家!
岸辺 露伴!!
そして...生まれながらの悪! 恐怖すら抱くカリスマと、目が離せないその色気! 一生ついていきます!
ディオ・ブランドー!!
と言うわけだ。おれはこの3人が大好きだ。ホモって言うな!
そしてもちろん、それぞれが持つスタンドも好きだ。
俺に発現した個性、ザ・ワールドは3人の内、ディオ、正確に言えばDIOが持っていたスタンド。このスタンドを一言で表すなら、全てをぶっちぎりで超越したスタンドだ。ジョジョ最強のスタンドと目されるスター・プラチナに競り合うパワーと、時間停止と言うシンプルかつ超強力な能力! たまんねえな、おい!
このスタンドが初めて発現した時は、そりゃあもう驚いたね。今でもテンションの昂りが戻らない。時々興奮のあまりギャン泣きしてしまうぐらいに、俺は嬉しい! ヒャッホウ!
ところで、ジョジョのあるキャラクター、ジャン・ピエール・ポルナレフが持つスタンド、『
もしかしてだが、俺の精神が大人だからか?
スタンドの強さは精神の強さ。俺の大人な、オ・ト・ナな精神がザ・ワールドを今の姿にしているのかもしれないな。大人だからなぁ、俺!
「あらあら~、今度はおっきい方出ちゃったの~? もう一度オムツ変えましょうね~」
「あう! あいあい!」
フッ
どうやら俺のお腹はユルユルらしい。
ママンがオムツを変えてくれている間に、俺はザ・ワールドの能力をもう一度試す。以前試した時は、時が止まった時間が一瞬だったのでよくわからないまま疲れで寝てしまったのだ。だが、確かにあの時、全てが静止して見えた。
いくぞ!ザ・ワールド!
ブウーーーーン!
と、心の中で格好いい効果音を出す。あの音良いよね。
さて、能力を使うように命令したんだけど、今日もよく分からなかった。なんとな~く「あ、止まってる?」とは思うんだけど...
めっちゃ疲れるし。DIOは首の傷が治るにつれて停止時間が長くなっていったが、俺はどうなんだろう。
...分からん。だが、俺は諦めんぞ! 必ず9秒の間、時を止めて見せる!
将来の夢は、「貴様見ているな!」と言うことです!
「ただいま~」
玄関の方から、扉を開ける音と疲れたような声が聞こえる。パパンが帰ってきたらしい。
「お帰りなさい。どうだった?」
「上手く行きそうだよ。これも、君の愛情こもったお弁当のお蔭かな!」
「も~! アナタったら! 誉めても猫の手しか出ないわよ!」
相も変わらずのイチャイチャっぷりだ。俺もいつか幸せな家庭を築きたいもんだ。
俺を優しく育ててくれるママン、
そして、たまにしか会えないパパン、
最後に、この俺、
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