No.4 進歩
ザ・ワールドにふさわしい男になると決意したはいいものの、具体的に何をするかがまだ決まらない。ザ・ワールドが発現してから、ほぼ毎日時を止めてはいるが、止まった時間が延びた気配が一切無い。
DIOのような才能が無いのだろう。一年とたたずに9秒も時を止めたDIO様を尊敬します。
これからは、先輩のDIOを様付けでよぼう。そうしよう。
「う~、うぇう!」
「あらあら、どうしたの?どこか痛い?」
大丈夫だよ、ママン。安心して! ちょっと自分の才能の無さに苛ついただけさ!
でも、きっと誇れる息子になって見せるから!
0歳で親孝行を約束する俺の偉さよ。誉めてくれてもいいんだぜ?
◇◆◇
ふい~。今日も時間を止めては見たものの、やはり成長していない。だんだん不安になってきた。
駄目だ駄目だ! ポジティブシンキングだ。DIO様はこんなところで立ち止まったりしない。俺が立ち止まるわけにはいかない。
何か...何か無いのか? 俺の成長したところは......ハッ!
そうだ! 俺、以前と比べてそこまで疲れていない!これはれっきとした進歩だ!進歩に違いない!進歩のはずだ! 進歩だと思う! 進歩...だよ...ね? え、進歩じゃないの?
まずい。進歩がゲシュタルト崩壊して段々ち○ぽになってきた...!
これ以上は危険だ!
ふぅ...
おふざけもここまでにして、真面目に将来の事を考えよう。
まずは職業。これはヒーローで決まりだろう。折角のザ・ワールドなのに、使わなきゃ失礼ってもんだ。ヴィランの方がDIO様っぽいが、それだとMr.物理的ウェザー・リポートにプッチンされる。
次に鍛練方法だ。ジョジョ3部でエンヤ婆が、出来ると思えば出来る。大切なのはそう思える精神力だ。的なことを言っていたのを覚えている。つまりは修造論だ。諦めんなよぉ!
これはなんとかなりそうだが、問題は最後だ。ズバリ! DIO様のロールプレイをするか否か。
え? 下らない? いやいやいや、そんな事ねぇから。超重要よ、これ。
みんなも知っているとは思うが、ジョジョには無数の名言がある。以前も言ったが(※2話参照)俺としては珍しいことに1つだけ目標と言うか、夢があった。そう。
「貴様、見ているな?」
この台詞をいつかは言ってみたい。勿論かっこよく言うのだ。その為には普段からかっこいいキャラでなくてはいけない。もし普通の俺が言った場合、スベった後、俺の心に深く消えない傷が出来る。
そんなのは嫌だ!
と言うことで、DIO様のロールプレイをやってみたいんだけど、出来る気がしない。
それに、俺自身を認めてくれたザ・ワールドに、DIO様の様に振る舞えば、失望されるかもしれん。
そっちの方が嫌だ!
悩む。
「う~」
「あら、またそんな声出して。今日は機嫌が悪いのかしら...」
「ふ~む...折角の休日だし、皆でお出掛けってのはどうだい?」
「まあ! それは良い考えだわ! 流石アナタ、素敵よ!」
「え~、困っちゃうなぁ。アハハ。でも、君の方が素敵だよ!」
「もう! 孝之さんったら!」
「アハハ」
「ウフフ」
...誰か、コーヒーを持ってきてくれ。堪えられん。
◇◆◇
はぁ、二人のラブラブっぷりにはうんざりだ。末長くお幸せにしやがれ、こんちくしょう!
久しぶりの外は、やっぱり見慣れなかった。厳つい角や、ケモミミ、カタツムリのように伸びた目に、翼、どう見ても人間じゃ無いやつもいて、まるで異世界。まあ、俺の個性はスタンドだから、恐ろしい見た目にはならないだろう。
恐ろしいと言えば、DIO様は吸血鬼だ。なのに息子のジョルノは太陽とか大丈夫なんだよなぁ。吸血鬼の特徴を引き継いでないんだ。吸血鬼って普通はそんなもんなのか?
......ん?
あ! ま、まずい! ボールを取りに公園から出てきた少年が、近づいてくる車に気付いていない!
このままでは前世の俺の最後みたいになってしまう!
「あううぅ...!」
うおおお...!
「ど、どうしたの?さだくん、大丈夫!?」
「あ・あーうお!」
ザ・ワールド!
ブゥーーーーン
一瞬、この世のすべてが静止する。
距離は5メートルと少し。止まった時間は0.1秒ほどだが、その程度、ザ・ワールドなら一瞬であの少年にたどり着く!
行けえぇ! ザ・ワールド!
時が動き始めた。車のクラクションが鳴り響き、それに気付いた少年がとっさに体を庇おうとして、ザ・ワールドが少年を抱えて公園の方に飛び込んだ。
「うわああぁぁ!? ......あれ?」
ふぅぅぅ......
なんとか間に合った。少年はまだ混乱している。そりゃそうだ。他の子供たちや、見ていた保護者などが慌てて駆け寄り少年に怪我はないか聞いている。ちゃんと見とけよ。事故死した俺が言える立場じゃ無いけど。
「今、もしかしてさだくんが何かしたの?」
「ま、まさか! この子はまだ0歳だよ?」
「え、えぇ。そうよね!」
いや、俺がやりました。ま、分からないだろう。ダイジョブダイジョブ。
誰も気付いていないとは言え、人助けは気持ちの良いものだった。ザ・ワールドも心なしか表情が明るい気がする。
うん、やっぱり俺、ヒーローになりたい。この個性なら、俺の手が届かなくてもザ・ワールドの手が届く。時を止めれば、危険な場所でも切り抜けられる。
ありがとう、名前も知らない少年よ! 君のおかげで自分の進むべき道が見えた。
そうと決まればザ・ワールドの操作練習だ!
そう言えば、俺って今日ザ・ワールドを二回使った...?
そうだ、そうだよ! 俺、ちn、あー違う違う。進歩できたよ!
前書きが調子に乗ってしまい、大変見苦しい姿を見せてしまったことを、ここに深く謝罪申し上げます。もし、今後もこのような醜態をさらすような事があれば、即座に10点評価と感s(ry
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