パック「お待たせ、ツバキそれじゃあパック先生の魔法講座の始まりだよ!」
ツバキ「ノリノリだな…よろしくだけど」
パック「と言ってもすぐに終わるんだけどね、ツバキの剣は持ち主のマナの属性を反映して属性持ちの剣になる、ツバキは雷だから雷属性の剣ってことになるんだ」
ツバキ「ほー…」
パック「それじゃ剣を抜いてみて」
ツバキ「分かった」
俺はゆっくりと剣を抜き、左手で握る。
パック「基本はイメージで昨日と一緒、違うのは手を伝うイメージ。手を伝ってマナが剣に行き届くイメージでね」
ツバキ「…分かった」
俺はマナを解放し、全身に行き通らせた…。
俺の体の周囲でバチッ…バチッ…バチッ…と音がしてるのがわかった。
パック「よし…次はそれを剣に」
ツバキ「フーっ…よし」
俺は慎重にマナを剣に行き届かせた。
すると俺の黒い剣は赤色の筋が通り、刃の周辺には真紅の雷が音を立ててまとわりついていた。
ツバキ「できた…」
パック「流石ツバキだ、とても人間とは思えないね」
ツバキ「褒めてんのか?」
パック「半分くらいかな…」
ツバキ「さいでっか…」
パック「じゃあ、剣のマナをキープしたままオドからマナを解放して全身に行き通らせて終了だよ」
ツバキ「多少、思いっきりやっても?」
パック「程々にね…」
ラム「壊すから空でやってちょうだい」
ツバキ「分かった…」
ツバキ「スーッ…ハーっ…」
俺は深呼吸をし、マナを最大限解放した。
ツバキ「はぁぁぁぁっ!!!!!!」
周囲には衝撃波が走り、雷の嵐が吹き荒れる。
俺自身も赤い雷が体表周辺に走り、目は赤くなっていた。
鳥は逃げさり魔獣は釘付けに。
パック「これは…たまげたね」
ラム「……っ…」
パック「大丈夫、彼は信じるに値するよ」
ラム「そうですね大精霊様、たしかにこの強さは信頼に値します」
ツバキ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
ツバキ「くっそ…少しやりすぎた」
肩で息をする程ではないが少しだけ疲れてしまった。
パック「やっぱり制御が苦手みたいだね」
ツバキ「かもな…」
ラム「ツバキ、夕飯の支度はラムがやるから気分転換にエミリア様を迎えに行ってちょうだい」
ツバキ「え?なんで、というか出来…失礼しましたお任せします」
ラムの強烈な殺意に俺は縮こまった。
ラム「ほらさっさと行きなさい、じゃなきゃ夜ツバキが寝るまで毒舌を吐き続けるわよ」
ツバキ「なんだそれ逆に寝れねえ!」
ラム「吐き続かれたい?」
ラムさんの小悪魔的要素に俺は…
ツバキ「いってきまぁぁぁぁす!!!!」
俺は猛ダッシュで駆け出した。
パック「仲いいね君たち」
ラム「こき使ってるだけですよ」
パック「でもこき使ってるだけなのにあそこまで気にするのは何でかな?」
ラム「こき使ってるだけですから…」
白狼「あれ?ツバキは?」
パック「あぁ…それならさっき向こうに猛ダッシュでリアを迎えに行ったよ」
白狼「私をおいてくんじゃないわよぉぉぉぉぉ!!!!!」
白狼は小さな体からは想像もできないスピードでツバキを追いかけた。
ラム「そう言えば…レム、どこに行ったのかしら」
パック「僕は見てないよ」
ラム「…いえ、まさか」
パック「どうしたの?」
ラム「いえなんでもありません…」
この時のラムの予感は当たっていた、この後に起きる事を知っているのは当の首謀者レムひとりなのだから。
ツバキ「あれ…こんなとこ通る?」
あの後しばらく進んでいるのだがどこかで道を間違えたのか変なところへ出てきてしまっていた。どう見ても村へと通じているとは思えない森の中の道を進んできたのだがやはり違ったようだ。
白狼「ちょっと?迷った?」
ツバキ「分かんねえ…けど多分迷った」
白狼「探知で人を探せない?」
ツバキ「ん…やってみる」
俺は探知を開始した、すると周辺に人が1人いる事が分かった。
ツバキ「こっちに人がいるからその人に森から抜ける方法を聞いてみよう」
白狼「ラムって子に殺されないといいわね…」
ツバキ「はっ!?」
そう…考えてみればエミリアを迎えに行けず勝手に迷って遅れたとなれば慈悲なんかない全力オーガパンチが飛んでくる。
ツバキ「うぉぉぉ…帰りたくねぇ…」
白狼「はーい、行くわよ」
ツバキ「随分と楽しそうですねぇ!?」
ツバキ「さっき探知した時は…ここのはずだけどなぁ…」
白狼「移動したのかしら…でもそれほど時間は経ってないし」
ツバキ「はてさて…どうしたもんかな」
白狼「もう一度探知を仕掛けてみれば?」
ツバキ「そうするか…」
探知をすると先程よりも強い気配が猛スピードでこちらへ向かってくるのを感じそれはあっという間に俺の目視できる範囲内に来た。
白狼「ツバキ!」
明らかな敵意を持って迫ってくる人影に俺は戦闘態勢に入った。
人影が見えると思ったらそこから鉄球が飛んできた。
ツバキ「っ…いきなりかよ!」
俺は剣に魔力を集中させ、鉄球を弾く。
すると鉄球はまるでなにかに引っ張られるように人影の元へ戻って行った。
ツバキ「……っ!なんで…お前が」
白狼「私の予感は正しかった…やっぱり彼女は…」
ツバキ「なんでだ…なんでだレム!」
俺は岩の上から俺を見下ろしている青髪メイドにそういった。
レム「………」
レムは何も言わずに再び鉄球を飛ばしてくる。
ツバキ「っ…らぁぁ!!!」
俺はそれを力任せに剣で弾く。
ギィーンと腕に振動が響いて俺は顔を顰める。
レム「理由くらい自分で分かってるんじゃないですか?」
鉄球を繰り出しながらレムは俺に話しかける。
ツバキ「はぁ?」
レム「白々しい!とぼけないでください!」
一際鋭くレムが鉄球を繰り出し、剣で受け止め俺は吹っ飛ばされた。
ツバキ「…はぁっ…はぁっ…」
レム「殺す気でやってください、いつまで芝居を続ける気ですか死にたいんですか?」
ツバキ「出来れば生きたいかな…。あ、でもラムに殺され…」
言い終わる前にレムが鉄球を繰り出してきた。
ツバキ「……っ!、くそっ!」
ギリギリ肌を掠めたがなんとか避けた。
レム「……このまま大人しく殺されてくれればレムとしては都合がいいです、ですからそのままでも構いません」
ツバキ「……そうかよ…」
ツバキ(あー…くそ、しんどい。さすがに本気出さないと一発でも当たれば致命傷だからな…、最悪…殺すしか)
ラムにとってレムはたった一人の妹だから。
ツバキ「……っ!」
ツバキ(何考えてんだ、自分より他人を優先するなんて。いい、どうせ一度亡くした命だ、ここで死んだ所で…)
ツバキ「とはいえ…そう簡単に死ぬ気は…」
俺は全身に魔力を半分程集中させる。
ツバキ「…ねぇよ!」
黄色い雷が体にまとわりつく。
ツバキ「……行くぜ」
俺はほぼ瞬間移動に等しい速度でレムの背後に回り込んだ、それでもレムは反応し鉄球をこちらへ繰り出した。
ツバキ「しぃっ!」
ツバキ「ぐっ…らぁっ!」
体にほとんどダイレクトで当たったが勢いが足りなかったため多少痛いレベルで済んだ。当たった勢いで回転しレムへ迫る。レムは鉄球を盾にして俺の攻撃を防いだ。鋼同士がぶつかり火花が散る。互いに弾けたが…。
ツバキ「ここだ!」
レム「っ!」
レムが はその場で武器を取り直すことを選んだが俺はそのまま地面に突き刺し、レムに迫る。左手に魔力を集中させるとバリバリっ…と延々音を立てながら黄色い雷から青い雷へと変わる。
レム「なっ…」
ツバキ「はぁぁぁぁっ!!!!!!」
平手で迫る俺の中にラムのあの言葉がフラッシュバックした。
ラムにとってレムはたった一人の妹だから。
俺はその一撃をレムに当てることが出来ず、レムの頭部の左側の虚空を切った。
レムはその隙を逃さず俺に今度こそ、渾身の力を込めた鉄球を猛スピードで繰り出し俺は背中からそれをモロに食らい最後にバキバキと骨が折れる音を聴きながら俺は意識を失った。
ツバキ「…………っ…」
生きてる…その感触が不思議だった、あの状況生きていたとしてもレムがトドメを刺したはずだ。警戒しながらも俺は瞼を開けた。
ラム「………!ツキ…起きたのね…」
ツバキ「ラム?」
俺の目の前には見慣れた無表情のピンク髪メイドがいた。
ここで俺は自分の後頭部の感触に気づいた、柔らかい感触…これは。
ツバキ「もしかしなくても…膝枕?」
ラム「それ以外何があるというの」
落ち着け、相手はラムだ。きっとなにかあるに違いない。
ラム「死にかけのツキを硬い地面に放置する程ラムは鬼じゃないわ」
ツバキ「優しいのな…」
ラム「ラムが優しいのはいつもの事でしょう?」
ツバキ「……ソウデス…がぁぁぁ!?」
傷を負った腹部に容赦なくラムの拳が炸裂する。
ラム「…間が気に入らなかったわ」
ツバキ「理由説明どうも…お前は怪我人だろうがなんだろうがいつも容赦がない…すみませんでした」
ラム「エミリア様を放置しておいてよくその態度が出来るわね」
ツバキ「あ……」
ラム「全く、泣きそうな顔で帰ってきたわよ」
ツバキ「パックに殺される」
ラム「今回に関しては大精霊様も大目に見るそうよ」
ツバキ「そうか…良かった」
ラム「傷は治したから明後日から働いて貰うわよ」
ツバキ「ブラック!」
ラム「むしろ一日休みを貰えるだけ有難いと思いなさい」
ツバキ「ここに居ると休暇の重みが実感出来るな…」
ラム「そう、だからこそ日々の仕事に全力で取り組みなさい」
ツバキ「そうだな…(お前にだけは言われたくねぇ!)」
ラム「ラムは日々の仕事に全力で取り組んでいるわ、失礼ね」
ツバキ「心を読むな!あと嘘つけ!」
思わず体を上げると背中とか体の色んな所から激痛が走った。
ツバキ「あ…れ、こんな…酷い怪我したっけ」
ラム「マナ慣れをしていないのに無闇に力を出すからよ、次回以降は心配ないけど今回は我慢しなさい」
ツバキ「そいえば…白狼どこいった?」
ラム「ツキの応急処置だけして、屋敷に戻ったわ。あの状態で力を出して疲れていたようだったから」
ツバキ「あいつ、心配してるだろうな」
ラム「どうせ死なないわよと言っていたわ」
ツバキ「あいつほんとに俺の精霊なんだよね!?」
ラム「そうじゃないなら何になるの」
ツバキ「ペット?」
ラム「殺されればいいのに」
ツバキ「ひっど…というか、もう既にころされかけてんだよなぁ…」
ラム「なにより…今後これ以上の無茶は慎むこと?いいわね?」
ツバキ「いやでも今回に関しては…いえなんでもございません大人しくしてますさせてください」
ラム「……ラムも…多少の心配はしたのだから責任を持ちなさい」
ツバキ「……!そっか…心配されてんのかぁ」
ラム「なんで泣くのよ、らしくないわね」
ツバキ「へ?泣いてる?誰が?」
ラム「ツキの目から見てラムは泣いてる?」
ツバキ「泣いてないけども」
ラム「だったら泣いてるのは?」
ツバキ「俺?なん…でだ?」
ラム「ラムが知ってたら聞かない」
ツバキ「ですよね…あれ?なんで止まらない?」
不意にラムが俺を抱き寄せた。
ラム「昔ね…レムが泣き止まない時はこうして泣き止ませたの、だからツキに効果があると思って」
ツバキ「それで俺に効果があるとは限らんだろうに…まだ止まんねえし」
ラム「なら…止まるまでこうしてて上げる。ラムはいつだって正しいってことをツキに解らせるために」
ツバキ「そうかよ…なら遠慮なく」
そうさせてくれたラムの身体はとても暖かった。
ラム「…レム」
レム「姉様…」
ラム「見たでしょう?この泣き虫は私達と何も変わらない、こんな奴が私たちを殺せるなら私たちふたりはあの時死んでいたわ」
レム「………」
ラム「レム…あの時の事はあなたのせいではないわ、ラムは角なしだけれどそれで妹の命ひとつ救えたなら本望よ」
レム「はい…そうですね」
ラム「分かればいいのよ…それにしても」
レム「…はい」
ラム「憎たらしい程健やかな寝顔ね」
レム「はい…そうですね」
リゼロ風次回予告のコーナー
諸事情によりメンバーを変更してお送りします。
ツバキ「えっと…諸事情って?」
ロズワール「ほんとならわたしじゃあなくレムが出る予定だったのだけれどねぇ…、本編であんな感じだからって事で私が出張ってきたってことなのだーよぉ」
ツバキ「それでロズワール出てきたのか…」
ロズワール「今回はTwitterとやらで、質問が来ていたらしいねぇ?」
ツバキ「議題があるってこれか?なになに?…スバル出さないとキツくないですか…か痛いところをついてくるな…」
ロズワール「おやおや?きついのかい?」
ツバキ「中の人召喚!」
中の人「どうも中の人です、あのね正直エミリアの立ち位置が定まらないのでスバルを登場させようかと思います、ですが…原作とは真反対にそこそこ強い系にして行こうと思ってます。力としてはあれです
闇の力を使いこなす的なやつにしていこうと思います。それでもスバル登場カモンという方はコメントにて駄目という人もコメントにてお知らせください」
ツバキ「なげえ…というか次回予告で毎回登場させるって選択肢は?」
中の人「それもありですね、選択肢としてはそれもコメントにてお知らせください」
ツバキ「選択肢としてはこんな感じかな?」
1.上記のようなそこそこ強いスバルを登場させる
2.スバルを登場させない
3.次回予告のレギュラー的な立ち位置で登場させる
ツバキ「面倒臭いと思うから番号だけでもいいのでよろしくです」
ロズワール「それでぇは次回」
異世界生活四日目、水色メイドと和解
ツバキ「まじで気まずい…どうしよ」
ロズワール「それじゃ私は仕事に戻るーね」
中の人「くっそぉ!フリーダムゥ!」
ツバキ「それ途中から主人公剥奪された虚しいやつや!」
では次回!
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お酒タイム ラム編
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お酒タイム レム編
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作らずにfateはよ