僕のヒーローアカデミア ─とある男の物語─(仮)   作:楽園の主

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私の推しキャラはって聞かれると困ります。
どうしてかって?箱推しだからです。





第9話 ー未知との遭遇ー

 

「敵ンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入ってくるなんてアホすぎるぞ!?」

 

敵が続々と出てくる中、一人の生徒がそう行った。

先生もプロのヒーローがたくさん集う雄英高校。

そこに侵入してくるというのは、火にいる夏の虫のようなもの。

しかし、侵入者用センサーが反応していない。もちろん、ない訳では無い。

反応しないということは、数多くの敵の中にはセンサーを妨害出来るような"個性"を持つ者がいるということ。

校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間帯。

そこに現れたということは何らかの理由があって用意周到に画策された奇襲ということだ。

相澤先生の指示により、13号先生は避難開始、学校に連絡を試す。

センサーの妨害が頭にある敵、電波系"個性"が邪魔している可能性はあるが、それでもだ。

上鳴も"個性"使用によりコスチュームの通信機で通信ができる。

2人が連絡を試し始めた。

 

「先生は!?一人で戦うんですか!?」

 

相澤先生、つまりヒーロー イレイザーヘッドの基本戦術は敵の"個性"を消しての捕縛。

奇襲からの短期決戦が得意であり、いくら"個性"を消せるとは言っても多人数との正面戦は向いていないはずだ。

緑谷が、そう相澤先生に言った。ヒーロー好きであるが故の、知識からの予測。

 

「一芸だけではヒーローは務まらん」

 

13号先生に生徒を頼むよう言った後、ヒーローコスチュームにある特殊なゴーグルを付け、入口付近から噴水がある場所へと、階段の上を飛んで敵達へと突っ込んでいった。

 

「射撃隊用ォ意!!」

 

彼ら、敵達は13号先生とオールマイトがここにいると思っていた。

ところが今自分たちと相対するは見知らぬ先生。

誰かはわからないが、ひとりで突っ込んでくるとは大間抜けだ。

そう思い、遠距離攻撃のできる"個性"を持つ者達が飛び込んできた相澤先生を狙う。

的は一つ、真っ直ぐに飛び込んできた者を撃ち抜くだけ、とても簡単なはずだった。

しかし、彼らの"個性"は発動することはなかった。

そのことに疑問を持った、その隙に。

相澤先生は近づき、遠距離攻撃のできる敵たち3人を捕縛武器で縛り、それらの頭を思い切りぶつけて気絶させた。

 

「馬鹿野郎!!あいつは見ただけで"個性"を消すイレイザーヘッドだ!!」

 

ヒーローの情報を持つのであろう、1人の敵がそう大きな声で言った。

 

「消すぅ〜?へっへっへ!俺ら見てぇな異形型も消してくれるのかなぁ!?」

 

腕が四本あり、まるで岩のような、鎧だろうか、鱗だろうか。それに体が覆われた大男が相澤の元へと走っていく。

 

「いや無理だ。発動系や変形系に限る」

 

そう答えつつ、素早く懐に入り、顔を殴打する。

彼らのような、異形型"個性"の特徴や旨みというのは一般的に近接格闘で発揮されることが多い。

故に、相澤先生は既にその辺の対策はしていたのだ。

殴打された敵はそのまま後ろへと体を勢いのままに倒されていく。

その間、相澤先生は殴った方とは逆の腕から捕縛用武器を敵の足に巻き、後ろから来た敵の攻撃を避ける。

そして、捕縛用武器を足に巻かれた敵を投げつけ、複数の敵を行動不能にした。

肉弾戦も強く、その上ゴーグルで目線を隠されては誰が"個性"を消されているか分からない。

集団戦においてはそのお陰で敵らの連携が遅れを取っていた。

 

「嫌だな…プロヒーロー…有象無象じゃ歯が立たない…」

 

主犯格だろうか。たくさんの手を装飾のように上半身の至る所に付けた男が遠方でそう呟いた。その呟きは誰にも届かない。

 

「すごい…!多対1こそ先生の得意分野だったんだ…!」

 

その模様を見た緑谷がそう呟いた。

分析している場合ではない、早く避難しなければならないと飯田は緑谷に言う。

それを聞いた緑谷は走り出そうとした、が、それは止まった。いや、一人の男に止められた。

香月が敵を見たまま、立ち止まっていたのだ。

緑谷は香月に近寄る。すると。

 

「…」

 

冷たい表情で、敵たちを見ていた。

並々ならぬ恨みでもあるのだろうか。

 

「香月君、行かないと」

 

返事することは無かったが、彼は振り返って出口へと向かい始めた。

皆がドアへと向かう。しかし。

 

「させませんよ」

 

ドアと13号先生と生徒らの間に、まるで爆発したかのように黒い霧が発生する。

相澤先生の一瞬の瞬きの隙に、"個性"を発動したのだ。

 

「始めまして、我々は敵連合。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたのは

 

平和の象徴 オールマイトに 息絶えて頂きたい

 

と思ってのことでして」

 

瞬間、皆に戦慄が走る。

この国のNo.1ヒーローを、殺すと。そう言ったのだ。

しかし、この場にオールマイトはいない。

敵達も、生徒も、その理由は知らない。何か、変更があったのだろうか。

 

「私の役目はこれ」

 

そう言いつつ霧を広げていき、生徒達全員を覆っていこうとした。

13号先生も戦闘態勢に入った。ブラックホールの"個性"で霧を吸い込むつもりだ。

だがそれよりも早く、2人、駆け出した男達がいた。爆豪と切島だ。

下方中心を爆豪が爆破、上方を薙ぎ払うように硬化した腕で切島が切り裂く。

しかしその攻撃は空振りに終わる。

体を捉えきれていなかったようで、黒い霧が霧散しただけだった。

 

「その前に俺らにやられることは考えてなかったか!?」

 

しかし、2人はまだ戦うつもりだ。

戦いながら突破口を見つけ、倒す。生徒であろうとも、ここはヒーロー科。

目の前にいる敵にただやられるだけの彼らではない。

 

「危ない危ない…そう、生徒といえど優秀な金の卵」

 

また霧が収縮していき、怪しい目が浮かび上がった。

 

「切島!爆豪!!それは悪手だ!!」

「ダメだどきなさい!二人共!」

 

13号先生の言葉に二人は振り返る。

彼はブラックホールで目の前の敵の霧を吸い込むつもりでいた。

しかし、目の前に生徒である2人が立ちはだかってしまった。

故に、彼は"個性"を発動できない。二人を塵にする可能性もあるからだ。

そしてその二人が敵から意識を離した。

その瞬間、黒い霧は爆発したかのように急速に広がり、生徒達を包んだ。

パワーのある者のや機動力のある者は近くの生徒を掴んで共に回避、中央付近にいる人や機動力がないものはその霧に飲まれた。

 

「皆!!」

 

緑谷は自分が霧に飲まれつつも皆の身を案じた。

しかし、その声は届いたのか、届かなかったのか。返事は一つも聞こえなかった。

流れる黒。途中、緑谷は体に浮遊感を覚えた。

 

「あぁぁあ!?水難んん!?」

 

黒が晴れた時には、落下していた。目の前には深い水。

突然のことで今いるところがどこかということしか分からず、ザボ、と水難事故を模した場所に落ちてしまった。

 

(ワープ、黒いヤツの"個性"!?オールマイトを殺す!?何がどうなって…)

 

まずは体勢を立て直し、どこが上か、どこが下かを認識する。

そして、水面に上がろうとしたその時、何かがそこにいた。

 

「キタキタ!」

「ボガァァ!?(敵!?)」

 

水の中でも自由性が高く行動できる"個性"なのだろう、海洋生物のような体をした敵が目の前にいたのだ。

黒い霧を纏う敵の"個性"はおそらくワープ、敵達をあらかじめ訓練場所各所に多数配置、その場所へと生徒を散り散りに飛ばしたのだろう。

散らして、嬲り、殺す。それが目的ーーー

 

「オメーに恨みはないけど!サイナラ!!」

 

大きな口を開き、緑谷に襲いかかろうとした。

その時、目の前の敵とは違う存在が近づいてきて敵の顔を横から両足の打撃。

片腕に峰田実を抱えた蛙吹梅雨だ。

 

「緑谷ちゃん」

 

蛙吹は舌を伸ばして緑谷を掴んだ後、敵を蹴って勢いよく水面へと上がっていった。

蛙吹梅雨。"個性"蛙。蛙っぽいことならだいたい出来る。

ザパ、と水面に上がり舌で掴んでいた緑谷を優しく、船の上に乗せた。

ここは水難訓練の場所。中央には大きな船が浮かんでいるのだ。

次に峰田を船にあげようとしたその時、彼は堪らずだろうか、声を上げた。

 

「カエルの割になかなかどうして…おっぱいが…くぅ…」

 

その言葉にかあっと顔が赤くなる蛙吹。

舌で峰田を掴み、先程よりもかなり強く船の上に叩きつける。船の床と峰田がぶち当たり、大きな音を立てた。

その後、船の側面をぺたぺたと昇り、船の上に蛙吹は乗る。

 

「ありがとう、蛙吹さん…」

「梅雨ちゃんと呼んで。しかし大変なことになったわね」

 

カリキュラムが奴らに割れていたということは。

単純に考えれば先日のマスコミ騒動は敵連合が仕組んだことだと考えられる。

虎視眈々と準備をしていたのだ。この日この時の為に。

それに、確信を持ったように峰田は言った。

 

「でもよ、でもよでもよ!!オールマイトを倒すなんて出来っこねぇさ!!オールマイトが来たらあんな奴らなんてケチョンケチョンだぜ!!」

 

こちらにはオールマイトがいる。だから大丈夫だと主張する彼に、疑問を蛙吹は投げかける。

 

「…殺せる算段があるから、連中こんな無茶をしているんじゃないの?」

 

その言葉に、峰田は押し黙る。

 

「そこまでできる連中に嬲り殺すと言われたのよ?オールマイトが来るまで持ちこたえられるかしら?オールマイトが来たとして、無事に済むのかしら」

 

峰田の希望的観測を蛙吹は絶望的観測で返した。どちらも正しい。

しかし、峰田は蛙吹の言葉を確かに、と思ってしまった。

彼の顔が青ざめる。

 

「んのやろォ!!殺してやる!!」

 

次々と水面から水中に特化しているだろう敵達が顔を出し始めた。

その数、多数。両腕の指では数え切れないほどであった。

 

「奴らにはオールマイトを倒す算段がある…多分、その通りだ…それ以外考えられない…!」

 

ブツブツ、と独り言を言いながら考え始める緑谷。

なぜ殺したいのか?1人で平和の象徴だと言われるほど大きな存在だから?それとも敵…悪への抑止力になったから?

考えても、答えは出てこない。彼ら敵たちに聞けるわけでもない。

今、緑谷が考えていることは「敵が襲撃してきた理由」。

しかし、プロヒーローは敵と戦う時、わざわざ敵がそうしている理由を考えるだろうか。答えは否、だ。

敵がそこにいる。市民の、皆の、自分の命が危ない。だから敵を倒すのだ。

 

(理由なんて…知るか!)

「奴らに…オールマイトを倒す術があるんなら…」

 

今、すべきことは。

考えることでも、ただ逃げるだけのことでもない。

 

「戦って…それを阻止すること!!」

 

今、雄英高校ヒーロー科の生徒たちと、敵連合の戦いが始まる───





後書きとか前書きって書くことなければ書かなくてもいいのでは?
なんてことを思い始めた今日この頃。
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