僕のヒーローアカデミア ─とある男の物語─(仮)   作:楽園の主

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週一更新になったみたいになってますがそんなことありません。
気が乗ってるだけです。油断せぬよう読まれている方にお願いします。はい。


第22話 ─対決─

「ステージを乾かして次の対決!!」

 

轟によって発生させられた氷塊を溶かし、さらにそれによって濡れたステージを乾かした後。

本戦は着々と進んでいた。

 

「その液でなんでも溶かすぜアシッドガール!ヒーロー科!芦戸三奈!

 

VS

 

スパーキングキリングボーイ!上鳴電気!!」

「負っけないよ!」

「俺こそ負けねぇ!」

 

例の如く、選手紹介。

方やクラスに一人はいる元気な娘。

方や容姿のいい女性を食事に誘ったり遊んだり、挙句の果てにはナンパまでする男。なお、成功率はお察しの様。

 

「なぁ芦戸。体育祭、終わったらお茶でもどうよ?俺でよければ、"慰める"よ」

「え?」

「多分この勝負…一瞬で、終わっから」

 

ニヤリ、と笑いつつ上鳴はそう言った。

そのあとSTARTの合図が出され、上鳴は行動する。

 

「無差別放電!130万ボルト!!」

 

開始位置はそこまで遠くなく、彼の電撃が届く程度の距離だった。

対する芦戸は後ろに下がり、放電を回避。

さらに手から酸を上鳴へと投げた。

 

「あっぶねぇ!」

「勝利宣言は早いんじゃない?上鳴!」

 

酸による攻撃も、上鳴による電気も、お互い当たれば手痛いダメージを受ける。

そのまま一撃ダウンも有り得るものだ。

お互いがお互いのレンジを気にし、距離をとったまま睨み合った。

上鳴はとしては、芦戸の酸は人には使いにくい"個性"のはずであり、きっと肉弾戦を挑んでくると考えられる。

彼の放電の距離に深く入れば高確率で放電を当てられる。しかし連発は出来ない。

充電切れは即負けを意味するからだ。

仕掛けてきてくれた方が彼的には有難い。

対する芦戸としては、上鳴の"個性"は射程距離に入ればどの方向にいても攻撃を喰らう可能性が高い。

放電を誘発させて充電切れにすれば彼女の勝ち。

上鳴の"個性"はものを作るタイプでは無いため、彼女自身の"個性"、酸にはほとんど頼れない。

強いて言うなら滑るトラップを作れるというところ。

しかしそれは注意しないと彼女の足場も減らすということにもなる。

両者睨み合い。先に破ったのは───

 

「上鳴突っ込んだァ!」

 

上鳴だった。

場外がある試合である以上、攻撃範囲の広い"個性"を持つ上鳴が迫ることは芦戸の動ける場が少なくなることを意味する。

向かえば"個性"による攻撃、避ければ場外、という状況を作り出そうとしたわけだ。

 

(右でも左でも少しづつ追い込めば角だ!)

 

そう考えながら上鳴は走る。

しかし。

 

「芦戸も突っ込んだぞォ!?あぶねぇんじゃないかァ!?」

 

芦戸は予想に合わず、突っ込んできた。

上鳴は予想外のそれに一瞬怯む。

すかさず彼女は薄めたであろう酸を彼に放った。

 

「あぶッ!?」

 

それを間一髪、上鳴は躱す。

芦戸は、彼の目線が酸に集中したその隙に、接近した。

上鳴はそれに放電で応じる。しかしそれを芦戸は大きく後ろへ跳び、ギリギリで躱す。

その瞬間に上鳴の足元へと酸を放つ。

決して早くはなかったが、足を捉え、上鳴は体勢を崩した。

そこへ芦戸は接近する。

 

(今やるしかねぇ!!)

 

今一度、上鳴は全力で放電した。避けられないように、強力で、広範囲に。

芦戸はそれを察知していたのか、早めに大きく下がった。

しかし、範囲からは逃れられず、放電を受け、前のめりに倒れ込んだ。

上鳴はそれきりで放電しきったのか、うぇいとひとつ呟いた。

 

「く、うぅ…キクぅ…」

 

そう言いながら芦戸は体に力を入れ、なんとか立ち上がった。

 

「芦戸直撃!!でもあれか?遠かったからダメージ少なかったか?立ち上がったァ!!」

 

大きく歓声が上がる。

 

「私も焦ったよ、やってくれるねほんと。まだ痺れてるし!」

 

そう言いながらゆっくりと上鳴の元へと向かう。

 

「うぇ、うぇうぇうぇい」

 

おろおろとする上鳴。思考能力が大きく低下しているせいか、焦るばかりで行動を起こせていない。

そこへ、芦戸の拳がゴッ、と上鳴の顎を掠める。

そのまま上鳴は倒れた。

 

「私の勝ち、だね!」

 

その一撃は上鳴の意識を刈り取るに至らないものの、彼はこの状態になってしまえば行動を起こせないのも事実。

現に今、地に倒れながらもうぇい、と一言言うだけだ。

それを見て審判のミッドナイトは言う。

 

「2回戦進出!芦戸さん!」

 

結果、数分も立たないうちに試合は終わってしまった。

観客の中にいるプロヒーローたちは口々に評価を呟く。

 

「酸をだすあの娘…運動神経はいいな」

「だが、"個性"に関しては未熟、まだまだ使い方はある」

「機転は効くし考えられてもいるが"個性"をもっと活用出来ればいいのだが…」

「上鳴くんはなー。焦ったのが良くないなー」

「冷静に手を詰めていけば強力なのは上鳴くんだったのにね」

「焦ったら放電、それも余力を見れていない、というのがなぁ」

 

なんていったのが届く声の1部だ。

この試合を観客席で見ていた緑谷はノートを取り出し、ペンを走らせる。

 

ブツブツ「上鳴くんの"個性"は強力だ。範囲内に入れば一撃でやられるし、回避は困難。誘発させるにしても追い込まれちゃいけないし…芦戸さんの酸は足を滑らせるトラップって使い方もあるから足場が十分に確保できない可能性もあるし芦戸さん本来の身体能力はかなり高いしセンスもあるから素の状態じゃなるべく戦いたくないよなー…2人の更なる"個性"の使い方としては───」ブツブツ

 

小さな声で呟きながら一心不乱にノートにペンを走らせる様はまるで何かを呪っているようであった。

それに気づいた麗日と香月は話しかけた。

 

「試合終わってすぐなのに次見越してもう対策立ててんだ?」

「真面目だな」

 

2人に話しかけられてハッと気付いたように左右の2人を交互に見ながら言う。

 

「ああ!いや!?一応…ていうかコレはもう趣味というか…」

 

緑谷はせっかくA組以外の"個性"を見れる機会でもあるし、対策を立てる以外の理由でも"個性"をノートにまとめているのだ。

 

「あ、そうそう!A組のみんなのもちょこちょこまとめてるんだ!麗日さんの"無重力"に、香月くんのも!」

 

ぱっ、と2人に見せられたノートにはびっしりと文字が敷き詰められたように書かれていた。

圧巻、と言ったふうに麗日は言葉を失って驚いていた。

どちらかと言えばなんといえばいいのか分からない、のだろうが。

 

「…なんだ、書く量多くないか?」

「香月くんの"個性"は謎が多いから考察も捗って…」

 

緑谷に近づき、ノートを覗き込む香月。

 

「デクくん、会った時から凄いけど…体育祭で改めてやっぱ、やるなって感じだ」

 

麗日は困ったようにそう笑う。

違和感を感じたが何故かは分からないのだろう、緑谷の頭には疑問符が浮かび上がっていた。

そんな中、次の試合が始まる。

 

「ザ・中堅って感じ!?ヒーロー科!飯田天哉!!

 

VS!

 

サポートアイテムでフル装備!サポート科!発目 明!!」

 

ヒーロー科と対決するのがサポート科。

今までにあまりない展開なのだろう、観客席はどのような試合になるのか、とざわめいていた。

さらに、もう1つ観客達が気になることがあった。

それにプレゼントマイクも気が付いた。

 

「あれ?飯田もサポートアイテムフル装備じゃねぇか!?」

 

サポートアイテムが許されるのはサポート科と、ヒーロー科や普通科なら事前に申請しておく必要がある。

申請が許可されるのは、"個性"の関係上装備しなければならない人達。

飯田はサポートアイテムの申請はしていないし、必要な訳でもない。

にも関わらず装備をしているのには理由があった。

 

「彼女のスポーツマンシップに心打たれたのです!」

 

彼の話によると、対戦相手の発目はサポート科でありながら「ここまで来た以上対等だと思うし対等に戦いたい」と飯田にサポートアイテムの提供をしたのだと言う。

その気概を無下にしては行けないと思った飯田は了承、装備するに至ったのだ。

審判は双方が合意ならば許容範囲内であるとし、さらに青臭いからという理由でそれを許可。

飯田はサポートアイテムを装備した状態で戦闘を行うこととなった。

その話は観客席にも届く。その時、ふと、緑谷は疑問に思った。

 

「…発目さんってそんなこと言う人かな…?」

「…あー…もしかしてそういうことか?」

 

香月に関しては何かに気づいたようである。

そんな彼らを尻目に、試合開始の合図が入った。

 

「START!!」

 

それとともに飯田は発目に走りよる。その瞬間、声が響いた。

 

「素晴らしい加速じゃないですか飯田くん!」

 

マイクを通されているのだろう、観客たち全員に届くような音の大きさだった。

 

「は?」

「普段よりも足が軽く上がりませんか!?それもそのハズ!そのレッグパーツが着用者の動きをフォローしているのです!!」

 

発目は飯田が装備しているサポートアイテムの説明をし始めた。

その間も、着実に飯田は彼女へと近づいていく。

 

「そして私は"油圧式アタッチメントバー"で回避もらくらく!!」

 

彼女の背中から2本のバーが出てきて回避を手助けした。

彼女は"個性"を発動し、観客席を見渡す。

発目明。"個性"ズーム。

視界を双眼鏡のようにズームさせることが出来る。

本気を出せば5km先のものまでくっきり見えるのだと言う。

 

「どういうつもりだ!」

 

飯田はそう言いながら方向転換。

 

「飯田くん鮮やかな方向転換!それも私の作った"オートバランサー"があってこそですね!!」

 

瞬間、彼女は"個性"を発動して目当ての観客を探す。

VIP席、その1部。

 

(サポート会社!…よし、食いついてる!)

 

その後もアイテム解説付きの鬼ごっこは10分ほど続けられた。

そして───

 

「ふー…全て余すことなく見て頂けました…もう思い残すことはありません!」

「発目さん場外!飯田くん2回戦進出!!」

 

発目は全てのサポートアイテムの説明を終えたのか、満足した様子で自ら場外へと歩を進めた。

 

「騙したなあああ!!!」

 

そう。発目はスポーツマンシップでサポートアイテムを飯田に提供をした訳では無い。

ただ全てのサポートアイテムを解説するために彼を利用したのだ。

飯田は真面目である。故に耳障りのいいことを言って乗せたのだ。

発目はあけすけなだけでなく、目的のためなら手段を選ばない人間でもあった。

 

「よーし行くか」

「っし…そろそろ控え室行ってくるね」

 

香月は席を立ち、それを追うようにそう言いながら麗日は立った。

麗日は控え室へ向かうためである。

なお、香月は控え室へ行かずそのまま向かうようだ。

そして少しして。2人が入場した。

 

「さァここも見所だぜ!?

後ろに生えるは第3の手足ィ!その尾は相手を捕えるかァ!?ヒーロー科!尾白 猿尾!!

 

VS

 

謎多き男!その"個性"は未だに全貌が見えず!今度はいいのを見せてくれよ!?ヒーロー科!香月 玲!!」

 

2人は障害物競走、騎馬戦とここまで目立った活躍をしていなかったからかどう言った戦いになるのかとざわめく。

 

「さっきは味方だったけど、全力で来いよ。香月」

「全力。ふむ、全力、ねぇ…ま、楽しもうぜ?」

 

注目の戦いが始まる───





こんなのでいいのかしら。趣味書きだからいっか。ははっ
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