死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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どうも黒い死神です!

紗夜も日菜も出なかった...

それではどうぞ!


第12話

モカside

 

今日はしょ〜君と一緒にパンを買いに行く日。まさか同じクラスにパン好きの同志がいたなんてねぇ〜。現在の時刻は6時40分。約束は7時だけど早く来すぎちゃったよ〜。何というか...早くしょ〜君に会いたい感じ?しょ〜君と話すと楽しいしカッコイイし...ってこれってあたしがしょ〜君のこと好きみたいじゃない?

 

10分ほどしてから

 

「お〜い青葉!」

 

しょ〜君が約束の公園にやって来た

 

「お〜しょ〜君、おっはよ〜」

 

「おはよう青葉。悪りぃ、待たせたか?」

 

「10分くらいかな〜?あたしが早く来すぎただけだから大丈夫だよ〜」

 

「そっそんな早く来たのか...」

 

「それより揃ったから行こうよ〜。この1秒1秒が大事なんだから〜」

 

「分かった。案内頼むぞ」

 

「任せなさ〜い」

 

いざ、山吹ベーカリーへしゅっぱ〜つ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

やった〜1番だ〜!これで好きなものとれる〜

 

「すげえな...1番じゃねえか」

 

「いや〜早く来た甲斐がありましたな〜。モカちゃんに感謝するのだ〜」

 

「あぁ。ありがとな」

 

開店まで20分くらいあるけどどうしよっかな〜?

 

「ねぇしょ〜君」

 

「ん?どうした青葉」

 

「しょ〜君はあたしのこと名前で呼ばないの〜?」

 

「何ていうか...慣れないんだよな。今まで人と関わるのが嫌いでな」

 

へぇ〜意外

 

「じゃあさ、試しに名前で呼んでみてよ〜」

 

「モッモカ?」

 

「オッケ〜。しょ〜君もこれから名前で呼んでね〜」

 

「...分かった。あっスマホ鳴ってるわ。ちょっと電話してくるな」

 

「りょ〜かい」

 

そう言ってしょ〜君は少し離れたとこまで走ってた。誰かと電話してるけど、な〜んか顔が険しいな〜

 

「ねぇねぇ君!ちょっといいかな?」

 

「?」

 

後ろから声をかけられて振り向くと柄の悪い男の人が3人いた

 

「君今1人?良かったら近くの喫茶店でお茶しない?あっ学校までには間に合わせるからさ!」

 

今時ナンパってよくあるもんだな〜。断ろうとしたけどうまく声が出せない

 

...怖い。助けて、しょ〜君...

 

「あの〜少しいいっすかね?」

 

「あ?」

 

タイミング良くしょ〜君が戻ってきた

 

「誰だお前?」

 

「いえ、その子は俺の連れでね。会話が聞こえたので声をかけたんですよ」

 

「ふーん、で?用件は何?」

 

「そいつとはこれから此処のパン屋で一緒にパンを買う予定があるのでナンパなら他を当たってください」

 

「てめえこの子と予定あんのか。じゃあてめえをぶっ飛ばせばいい話だ!」

 

リーダーみたいな人が急にしょ〜君に殴りかかる。それなのにしょ〜君は避ける素振りも見せない

 

「しょ〜君!」

 

「ハァ...待ってろ。すぐに終わらせてやる」

 

しょ〜君が1言言うとしょ〜君に殴りかかった人が急に倒れた

 

「「なっ!?」」

 

「え?」

 

何が起こったのか全く分からなかった。しょ〜君は特に動いてないのに不良は白目を向いて倒れているのだから

 

「さて、どっちから来る?」

 

「アァ!?てめえ1人倒したからって調子乗ってんじゃねえぞ!」

 

「あっ悪りぃ。言い方変えるわ」

 

そのあと急にしょ〜君の目付きが変わって

 

 

 

 

「どっちから死ぬ?」

 

その声のトーンに寒気を覚えた

 

「てってめえ舐めやがって!」

 

不良2人は同時にしょ〜君に襲いかかる。でもしょ〜君は簡単によけて片方の顎に回し蹴りを放った。脳が揺れたのかすぐに気絶した

 

「まったく...折角モカが此処につれて来てくれて上機嫌だったっつうのに電話相手は最悪だし面倒なことになってるし。とりあえず邪魔だから死んでくれない?」

 

呑気に喋りながら相手の頭を掴んで思いっきり地面に叩きつけた

 

「がはっ!」

 

そしてそのまま倒れた人の手の指をつま先で持ち上げるとそれを踏みつけた。辺りに鈍い音が響く

 

「イッ!?ギャアアアア!」

 

「うるせえよ、近所迷惑だろうが。だんだん人が並び始めてんだよ。2度とモカに近づくな。次は殺す」

 

「すっすみませんでしたー!」

 

残りの2人の頭を持って引きずり走り去っていった

 

「ふぅ、モカ!大丈夫か!?」

 

「しょ〜君が助けてくれたからへ〜き〜」

 

本当はそんなことないけどね〜

 

「足、震えてんぞ?」

 

「!」

 

しょ〜君って観察力あるね〜。こんな細かい動きに気付いちゃうもん

 

「怖かったよな。大丈夫、もう俺がいるから。生憎、俺は人の感情が読めない。モカが何を思っているのか俺には分からないけど、我慢する必要はないと思うぞ?」

 

あたしはしょ〜君にしがみついちゃった。しょ〜君の言葉に安心してしまった

 

「じょ〜ぐん...怖かった」

 

「あぁ。それにしてもモカって泣くのな。普段から呑気な口調だからイメージと違うわ」

 

「...」

 

あたしは無言でしょ〜君に目潰しをした。よけられたけど

 

「うおっ!?おい!いきなり何すんだよ!?」

 

「...しょ〜君のバカ〜」

 

「?」

 

しょ〜君って鈍感だよね〜。さっきの言葉といい絶対無意識だよね〜

 

「まぁいいや。そろそろ店開くみたいだし準備しとけよ」

 

「は〜い」

 

咲夜side

 

山吹ベーカリーに着いたら店の前には誰もいなかった。どうやら1番乗りみたいだ。後でオススメでも聞いておこう

 

「すげえな...1番じゃねえか」

 

「いや〜早く来た甲斐がありましたな〜。モカ誰もちゃんに感謝するのだ〜」

 

「あぁ。ありがとな」

 

口調はこんなに呑気なのに何故がムカつかない

 

「ねぇしょ〜君」

 

「ん?どうした青葉?」

 

「しょ〜君はあたしのこと名前で呼ばないの〜?」

 

またそれか。今まで人を嫌って親しくしようとしなかったので名字で呼ぶことが多かったから慣れていないのだ

 

「何ていうか...慣れないんだよな。今まで人と関わるのが嫌いでな」

 

「じゃあさ、試しに名前で呼んでみてよ」

 

「モッモカ?」

 

「オッケ〜。しょ〜君もこれから名前で呼んでね〜」

 

どうやらご満悦の様だ。そのとき、俺のスマホが鳴っていることに気が付いた

 

「...分かった。あっスマホ鳴ってるわ。ちょっと電話してくるな」

 

「りょ〜かい」

 

話の内容を聞かれないために少しモカから離れる

 

「もしもし?」

 

『咲夜か。久しいな』

 

「黙れクソジジイ。こっちは今からパン買うんだよ。何の用だ?」

 

()()が刑務所から脱獄したという情報が入った」

 

「何?本当か?」

 

『恐らく間違いないだろう...奏斗にはもう言ってある。そっちで調べておけ』

 

「チッ。狙いは俺か」

 

『だろうな。もし貴様の周りに被害が及べば...』

 

 

 

『貴様は消す』

 

「分かってんだよ。用件は済んだか?とっとと失せろ」

 

『ふん。死にたくなきゃ早く調べることだな』

 

やっと切れた。クソッ折角いい気分だったのにあのジジイのせいでめちゃくちゃだ。電話も終わったのでモカのところへ戻ると彼女はナンパされていた。...何故俺はナンパの現場に鉢合わせることが多いのだろうか?この前の白鷺の件もそうだし...さっさと助けとくか

 

「あの〜少しいいっすかね?」

 

「あ?」

 

「誰だお前?」

 

「いえ、その子は俺の連れでね。会話が聞こえたので声をかけたんですよ」

 

「ふ〜ん、で?用件は何?」

 

「そいつとはこれから此処のパン屋で一緒にパンを買う予定があるのでナンパなら他を当たってください」

 

「てめえこの子と予定あんのか。じゃあてめえをぶっ飛ばせばいい話だ!」

 

リーダーみたいな男が殴りかかってくる。動きは遅いし狙いは単調だしバカだよね...

 

「しょ〜君!」

 

モカが俺に向かって叫んでくるが問題無いのでひとまず安心させておこうか

 

「ハァ...待ってろ。すぐに終わらせてやる」

 

俺は男の首に素早く手刀を放った。結構軽くやったが一瞬で倒れた。...弱!

 

「「なっ!?」」

 

「え?」

 

他の男はもちろん、モカまでもが驚いている。何が起こったのか分かっていないのだろう

 

「さて、どっちから来る?」

 

俺はで少し低めの声で言い放った

 

「アァ!?てめえ1人倒したからって調子のんじゃねえぞ!」

 

「あっ悪りぃ。言い方変えるわ」

 

 

 

 

「どっちから死ぬ?」

 

「てってめえ舐めやがって!」

 

今度は2人同時に襲いかかって来る。1人は得意の回し蹴りで顎を蹴って気絶させる。もう1人は...骨折っとくか

 

「まったく...折角モカが此処につれて来てくれて上機嫌だったっつうのに電話相手は最悪だし面倒なことになってるし。とりあえず邪魔だから死んでくれない?」

 

頭を掴んで思いっきり地面に叩きつけた。そして手の指をつま先で持ち上げるとそれを踏みつけた。鈍い音が響く

 

「イッ!?ギャアアアア!」

 

痛みのあまり男が叫ぶ。今は朝だし俺たちの他に並んでるから非常にやめてほしい

 

「うるせえよ、近所迷惑だろうが。だんだん人が並び始めてんだよ。2度とモカに近づくな。次は殺す」

 

「すっすみませんでしたー!」

 

唯一意識があるため、他の2人の頭を掴んで引きずり逃げて行った。かわいそう

 

「ふぅ、モカ!大丈夫か!?」

 

「しょ〜君が助けてくれたからへ〜き〜」

 

口ではそう言っているが、足がかすかに震えている

 

「足、震えてんぞ?」

 

「!」

 

「怖かったよな。大丈夫、もう俺がいるから。生憎、俺は人の感情が読めない。モカが何を思っているのか俺には分からないけど、我慢する必要はないと思うぞ?」

 

モカは泣きながら俺にしがみついてきた

 

「じょ〜ぐん...怖かった」

 

「あぁ。それにしてもモカって泣くのな。普段から呑気な口調だからイメージと違うわ」

 

その瞬間モカが俺の目に目潰しを食らわせてきた。ギリギリでよけたけど

 

「うおっ!?おい!いきなり何すんだよ!」

 

正直、俺が今まで殺りあってきた奴らよりも速いんだけど...マジでビビった

 

「しょ〜君のバカ〜」

 

終いにはモカに罵倒されるし...一体何なのさ

 

「まぁいいや。そろそろ店開くみたいだし準備しとけよ」

 

「は〜い」

 

モカside

 

しょ〜君に助けられてから5分後やっと山吹ベーカリーが開店したよ〜。1番乗りだからなんでも取れる〜

 

「いざ、山吹ベーカリーへレッツゴ〜」

 

「そんなに焦らんともパンは逃げん」

 

「いらっしゃいませ〜。おはようモカ。それと...CIRCLEのスタッフさん?」

 

「貴女は昨日の...ナンダッケ?ポピ?」

 

「さ〜や〜おっはよ〜」

 

「Poppin’Partyのドラム担当、山吹沙綾です。よろしくね、えっと...」

 

「神道翔だ。よろしく」

 

「こちらこそ」

 

「あれ〜?2人とも知り合い〜?」

 

「昨日練習でCIRCLEに行ったとき受付してた人だよ。モカこそ知り合いなの?」

 

「同じクラスなのだ〜。しょ〜君彼処でバイトしてるの?」

 

「金が無いんだよ...稼ぎが良かったし楽器扱いは慣れてるから」

 

「ふ〜ん」

 

しょ〜君って貧乏なんだね〜

 

「ねぇ、此処のオススメって何?」

 

「う〜ん、やっぱりチョココロネかな?あとはカレーパンとか塩パンとか...」

 

「いろいろあんのな。じゃあ、そのオススメください」

 

「敬語じゃなくていいよ。同じ学年だから」

 

「分かった」

 

「お会計600円になりまーす」

 

「安いな。昼飯此処で買うか」

 

「ありがとね。はい、これお釣り!」

 

「サンキュー」

 

「モカちゃんはこれね〜」

 

何となく2人の間に割って入る

 

「うおっ。お前こんなに買ってんのかよ」

 

「モカはこんなんだよ」

 

「ふっふっふ〜」

 

パンがいっぱい〜幸せ〜

 

「そういえば時間ある?私この後此処出て学校行くから一緒に行かない?」

 

「俺は構わんが」

 

「モカちゃんもい〜よ〜」

 

「じゃあ決まり!ちょっと待ってて!」

 

さ〜やも一緒か〜。折角しょ〜君と2人きりだったのにな〜

 

「どうしたモカ?浮かない顔して」

 

「な〜んでもな〜い」

 

あたしは店を出てさ〜やを待った。後でからかわれることも知らずに




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