死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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どうも黒い死神です

BLAVE JEWELゲットだぜ!買いに行くたびに売り切れとか運悪すぎでしょ...

それでは本編どうぞ!


第13話

沙綾side

 

朝起きて店の準備をしていると店の外で誰かの叫び声が聞こえた。急いで見に行くと高校生くらいの男子が男の人の手の指を踏みつけて折っているところだった

 

うわ〜痛そう...何もあそこまでしなくてもって隣にいるのってもしかしてモカ?

 

男子高校生の隣にはうちの店の常連である青葉モカがいた。モカの彼氏さんかな?羽丘は共学になったらしいからありえなくはないけど...まさかモカに限ってそれはねぇ...

 

指を折られた男の人は横で倒れてた別の人を掴んで逃げていった。後で何があったか聞いておこうかな

 

「沙綾〜準備できたか?」

 

後ろからお父さんが声をかけてくる

 

「あっうん!こっちは大丈夫だよ!」

 

「5分後に店が開くから頼むぞ!」

 

「うん!」

 

さて、今日も頑張りますか!

 

5分後

 

「いざ、山吹ベーカリーへレッツゴ〜」

 

1番乗りでモカがやって来た

 

「そんなに焦らんともパンは逃げん」

 

後ろからさっきの男の子も入ってくる

 

「いらっしゃいませ〜。おはようモカ。それと...CIRCLEのスタッフさん?」

 

よく見ると、高校生の子は昨日CIRCLEで受付をしていた人だった

 

「貴女は昨日の...ナンダッケ?ポピ?」

 

どうやら私たちのバイト名が分かっていないらしい。ちょっとショックだけど、此処は丁寧に挨拶しておこう

 

「さ〜や〜おっはよ〜」

 

「Poppin’Partyのドラム担当、山吹沙綾です。よろしくね、えっと...」

 

「神道翔だ。よろしく」

 

「こちらこそ」

 

「あれ〜?2人とも知り合い〜?」

 

「昨日練習でCIRCLEに行ったとき受付してた人だよ。モカこそ知り合いなの?」

 

「同じクラスなのだ〜。しょ〜君彼処でバイトしてるの?」

 

「金が無いんだよ...稼ぎが良かったし楽器扱いは慣れてるから」

 

「ふ〜ん」

 

慣れてるってことは神道君って楽器やってるのかな?

 

「ねぇ、此処のオススメって何?」

 

「う〜ん、やっぱりチョココロネかな?あとはカレーパンとか塩パンとか...」

 

「いろいろあんのな。じゃあ、そのオススメください」

 

「敬語じゃなくていいよ。同じ学年だから」

 

「分かった」

 

「お会計600円になりまーす」

 

「安いな。昼飯此処で買うか」

 

「ありがとね。はい、これお釣り!」

 

「サンキュー」

 

「モカちゃんはこれね〜」

 

モカが私たちの間に割って入って大量のパンを持ってきた

 

「うおっ。お前こんなに買ってんのかよ」

 

「モカはこんなんだよ」

 

「ふっふっふ〜」

 

「そういえば時間ある?私この後此処出て学校行くから一緒に行かない?」

 

「俺は構わんが」

 

「モカちゃんもい〜よ〜」

 

「じゃあ決まり!ちょっと待ってて!」

 

私は急いで学校に行く準備をする。一緒に行くって決まったときモカが残念そうにしてたけど、これは確定かな?

 

「どうしたモカ?浮かない顔して」

 

「な〜んでもな〜い」

 

神道君にも気付かれてるし...でも彼人の気持ちに疎そう...

 

3分後

 

「お待たせ!それじゃあ行こっか!」

 

「山吹さんって学校どこ?」

 

「私は花咲川だよ。羽丘は共学になったんだよね?私たちは女子校のままなんだ」

 

「俺らの代からなったせいで男子は俺ともう1人しかいないけどな」

 

「それは...ちょっと肩身が狭そうだね」

 

私だったらそんなの耐えられない

 

「ねぇ早く行こうよ〜」

 

「はいはい分かってるよ」

 

「そういえばさっき店の外で叫び声が聞こえたんだけど、何があったの?」

 

「あぁ、ちょっとモカがナンパされててな。俺はその前に電話してて相手が最悪だったのとその件でイライラしてたからナンパ野郎をボコしといた」

 

「神道君強いね」

 

「親に護身術習ってたからな」

 

「しょ〜君カッコイ〜」

 

「ねぇモカ」

 

私は小声でモカに話しかける

 

「ん〜?何?」

 

「モカって神道君のこと好きなの?」

 

その言葉でモカの身体が硬直した。図星だね

 

「さっさ〜やの言ってる意味が分からないな〜」

 

「だって私と神道君が話してたとき間に入ってパンを持ってきたでしょ?あれ、嫉妬したからでしょ」

 

「うっ」

 

「他にも3人で学校行くって決まったときちょっと残念そうにしてたけど?」

 

「うっ」

 

「それに助けられたとき彼にしがみついてなかったっけ?まぁあれは怖かったからかもしれないけど」

 

「//////」

 

お〜モカが赤面してる!珍しいところが見れたし今日はこの辺にしておこっか

 

「あはは!安心して。彼は取らないから」

 

「俺を取らないってどういうこと?」

 

「ひゃっ!?もう!おどかさないでよ!」

 

「すっすまん...」

 

「今のは...何でもないよ」

 

「そっそうか。それよりあれどうする?」

 

神道君が指差した方向には身体を固まらせてショートしてるモカがいた

 

「モッモカ!?大丈夫!?」

 

「う〜」

 

「今にも倒れそうだな。熱あんのか?」

 

「これはちょっと恥ずかしくてなってるだけだよ!ごめんね、からかいすぎた」

 

「?」

 

やっぱり彼は人の気持ちに疎い。鈍感でよかった

 

「じゃあ私此処までだから2人ともじゃあね!モカ、頑張りなよ!」

 

「あっちょっと待て!これなんとかしろ!」

 

「頼んだよ!」

 

これは逃げるが勝ちというものだ。私はモカの幸せを少し祈って走って行った

 

モカside

 

さ〜やのせいで変にしょ〜君を意識しちゃう...あたしやっぱりしょ〜君のこと好きなのかな?

 

「モカ、大丈夫か?熱あるなら家まで送るぞ?」

 

「ううん、大丈夫〜」

 

「そうか。無理はするなよ」

 

そうやって気を使ってくるからまた意識しちゃう...きっとこれからも続くのだろう

 

「しょ〜君のたらし」

 

「はい?何それどういう意味?」

 

どうやら無意識で言っているらしい。意識的にならまだしも、無意識でというのはたちが悪い

 

「ふ〜んだ」

 

「そんなに拗ねなくても...」

 

「しょ〜君のバ〜カ」

 

「ハァ...」

 

「パン1つやるからそれで勘弁してくれ」

 

「2つで許してあげる〜」

 

「いや、流石に俺の昼飯がなくなるから...」

 

「ちぇっ。仕方ないな〜」

 

「フゥ」

 

自分の想いを自覚するとこんなにもドキドキしちゃうもんだね〜。いつかは告白したいな〜

 

「しょ〜君行っくよ〜!」

 

「あっおい待て!」

 

「きゃっ!」

 

あたしが歩道を渡ろうと走り出した瞬間しょ〜君がいきなり引っ張って抱きしめてきた。そしてさっきまであたしがいた所にはトラックが猛スピードで走り去っていた

 

「っ!」

 

「あの野郎...信号くらい守れやアホが。モカ、怪我はないな?」

 

「うっうん...」

 

1日に2回も助けられるなんて、あたしカッコ悪

 

「今回はモカには非はないが急に走り出すとああいったことがたまにある。次から気をつけろ」

 

「うん」

 

「まぁそこまで気に病む必要ないし、学校行くか。早く行かないと姉さんに怒られるし」

 

「姉さんって祐奈先生のこと?」

 

「あぁ。昔バンドやってたとき姉さんもやってたんだよ」

 

「へ〜」

 

そういえばしょ〜君はバンドをやっていたんだった。しょ〜君が練習に来れないのは残念だな〜

 

「さっ話はここまで、早く行くぞ」

 

「は〜い」

 

咲夜side

 

朝から災難に遭ってばかりだがなんとか学校についた

 

「HRには間に合ったな。少し急ぐぞ」

 

今日は体育があったな...男子はどうすんのかな?

 

「おっ翔じゃん。遅かったな」

 

教室に入ると奏斗が声をかけてきた

 

「まぁいろいろあってな。それより琉太、放課後話がある。姉さんも混ぜてのだ」

 

「分かった」

 

「あっ翔君いた!パンは買えた?」

 

「あぁ、お陰様でな」

 

「モカ遅刻しなかったか?」

 

「遅刻どころか約束の20分前に来てたらしい」

 

「へ〜。珍しいな」

 

「ともちんひど〜い」

 

「お前な...アタシがどれだけお前を起こしに行って遅刻したと思ってんだ」

 

「覚えてな〜い」

 

「この野郎...」

 

巴とモカが言い合いをしてるが口ではモカが最強だろう

 

「まぁまぁ2人ともそこまでにね」

 

すかさずつぐみが止めにかかる。こいつがいい感じでストッパーになってるな

 

「なぁ奏斗、モカに口で勝てる奴っていんのかな?」

 

「さあな。というか咲夜、モカは名前呼びなんだな」

 

「まぁ同い年だし裏で名字ってなんか怠く感じてきてな」

 

「Roseliaは?」

 

「あいつらはちょっと別だ。今井がちょっと苦手だ」

 

「あのギャルみたいなベースの人か?確かにお前は苦手かもな」

 

「それよりお前はバイトどうする?俺は行くけど」

 

「俺も行くぞ。今日はAfterglowが予約で入ってたから、休憩時間で練習に付き合うよ」

 

「なるほどな。俺もそうするか」

 

「Roseliaに曲でも作ってやったらどうだ?Xaharの作詞、作曲はお前担当だったろ」

 

「疲れるし嫌だ。あの時は徹夜で初めての頃なんかそれが1週間続いたんだぞ?」

 

「それでその後何も食わずに丸1日寝たもんな」

 

「だから嫌だ。そろそろHR始まるし席ついとくか」

 

「そうだな」

 

この後HRや午前の授業を終え昼休みになったときモカにパンを2つ盗られたのは別の話

 

奏斗side

 

午後の授業や帰りのHRを終えて俺たちは3人で教室に残っていた

 

「外には誰もいないな?聞かれたらまずい」

 

「えぇ、大丈夫よ。防音加工してあるから」

 

「何でもありですか...」

 

「細かいことは気にしないの。それより本題としましょう。()()が脱獄したのは聞いてるわね?」

 

「あぁ。今朝電話で聞いた」

 

「俺も同じく」

 

「突然のことでお爺様たちも混乱してる。人数やメンバーもあまり把握できてない。でも目的はおそらく...」

 

「俺たち...いや、俺への復讐か」

 

「でしょうね。流石の咲夜でも彼奴らを1人で相手するのは危険すぎる。奏斗君は咲夜と行動してくれるかしら」

 

「了解」

 

「私もできる限り咲夜の側にいたいんだけど...」

 

「お困りの様ね?」

 

「瑠奈さん?」

 

教室に此処の理事長である瑠奈さんが入ってきた

 

「兄さんには頼んどいたから、華蓮も暫くは咲夜や柏と暮らしなさい」

 

「瑠奈さん...何から何まですみません」

 

「いいのよこれくらい」

 

華蓮さんが咲夜と暮らすなら安心だろう

 

「じゃあ今日はここまでにしましょう。咲夜と奏斗君はバイトでしょ?行って来なさい」

 

「何で俺らがバイトしてるのを?」

 

「私の情報網を舐めないことね」

 

ここまで知られてると最早全て知られている気がして怖い

 

「なら俺たちは行ってきます」

 

「私も仕事が少し残ってるので」

 

「華蓮は少し残ってくれる?」

 

「?分かりました」

 

「じゃあな」

 

「えぇ、気を付けてね」

 

「また明日」

 

これからの生活は少し気を付けなきゃな...

 

俺たちはバイト先であるCiRCLEに向かった

 

華蓮side

 

2人がバイトに行った後、私は理事長室に連れていかれた

 

「瑠奈さん、話とは?」

 

「華蓮はまだあのこと気にしてるの?」

 

「あのこととは?」

 

「咲夜の件よ」

 

「っ!...はい」

 

「そう。あれは貴女のせいじゃない、そこまで気にしなくても」

 

「私が悪いんです!私が咲夜を見捨てたから...助けようとしなかったから」

 

そう、悪いのは全部私だ。自分の保身を優先して咲夜が目の前で酷い目にあってるのにそれを止めようとしなかった

 

「貴女がそこまで感じてるのなら今度はしっかり守ってあげなさい」

 

「分かっています」

 

「でもこれだけは言わせて。咲夜が貴女を恨んでるとは限らないから」

 

「え?」

 

言ってる意味が分からない。咲夜が私を恨んでない?そんなはずない

 

「話はそれだけよ。咲夜をお願いね」

 

「分かりました」

 

私は瑠奈さんの言葉の意味を考えながら仕事に戻った

 




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