死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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どうも黒い死神です!

珍しく2日連続で投稿できました!

それでは本編どうぞ!




第14話

咲夜side

 

瑠奈さんからの話を受け終わり俺たちはバイト先に向かっていた

 

「そういえば柏は?」

 

柏は確か今井とどっか出かけると言っていた気がする

 

「何か今井とどっか出かけると言ってたぞ。何処に行ったかは知らん」

 

「でも今日Roseliaいたよな?大丈夫か?」

 

「そこら辺はしっかり説明してあるだろ。でないと後で死ぬからな」

 

「あの2人か...」

 

「そういうことだ。問題は柏がな...」

 

「どうした?」

 

「いや、この前俺がRoseliaと話してたとき彼奴が急に殺気を放ちやがって...俺でも寒気がしたわ」

 

「あの野郎...」

 

「奏斗?何怒ってんの?」

 

「ちょっと後で説教が必要みたいだ」

 

「ハ?」

 

奏斗が柏に説教?意味が分からん

 

「今日の晩御飯どうすんの?昨日鍋持って帰ろうとしたらお前らに止められて何も無いんだけど」

 

「あれは俺関係なくね?2人がくだらんことで喧嘩するからだろう」

 

「キムチ鍋...」

 

「ハァ...帰り寄ってけ。キムチ鍋だけ少しやる」

 

「アザーッス!」

 

全く、こいつも料理できるんだから自分でやればいいのに

 

「週末になれば給料貰えるからそれまで何とかしないと」

 

「最悪瑠奈さんに頼んでみるか?あの人ならもしかしたらくれるかも」

 

「そうだな。明日聞いてみるか」

 

そうでもしないと今月どころか今週分も賄えるか危ないところだもんな...金が欲しい

 

「おっ見えてきた。さて、やりますか」

 

「あの人見た目によらず人使い荒そうなんだよな」

 

「まぁまぁ、そういうこと言わないの」

 

「こんにちは〜神道です」

 

「妹尾で〜す。こんにちは」

 

「おっ2人とも来たね!早速着替えて来て!2人にはスタジオの準備をしてもらうから!」

 

いきなり面倒なの来たよ。やっぱ人使い荒いじゃん

 

「了解で〜す」

 

「スタジオの準備って何やるんですか?」

 

「基本はマイクや楽器のセッティングかな?できればチューニングもやって欲しいな」

 

「意外と簡単ですね」

 

「君たちにとってはそうだろうけど、私なんか最初は本当に慣れるのに時間かかったんだから」

 

「まぁ人それぞれでしょう。じゃあ俺たちは準備してきますね」

 

「は〜い」

 

奏斗side

 

俺は着替えを済ませまりなさんのいる第1スタジオに向かった。第1スタジオのセッティングと言われたが場所が分からん

 

「咲夜、第1スタジオって何処だ?」

 

「目の前にあるじゃねえか」

 

「あっホントだ。全然気付かんかった」

 

「お前確か昨日は外だったんだっけ?幾ら何でもそれは酷い」

 

「悪かったな。此処って誰が使うんだ?」

 

「Afterglowだ。第2スタジオでRoseliaが使うことになってる」

 

「へぇー。じゃあ行ってくるわ、受付よろぴく」

 

「さっさと行け」

 

咲夜って物覚えいいよな。彼奴のスペックの高さを考えたら当然か。中学では定期テスト全て学年1位だったし...俺か?残念だが全部学年2位だ

 

「まりなさん、よろしくお願いします」

 

「おっ来た。じゃあ早速、琉太君はAfterglowの練習見てあげてるんでしょ?」

 

「そうですけど、誰から聞いたんですか?」

 

「翔君だよ。面倒見ることになってるからできることを教えてあげてくれって」

 

彼奴、余計な真似してくれやがって...

 

「Afterglowの楽器の位置なら大体覚えてますけど」

 

「そうなの?じゃあドラムとキーボード、マイクの準備お願いね!ギターとベースは自分で持ってるから大丈夫だよ」

 

「分かりました」

 

「頑張ってね!私は翔君のところ行ってくるから」

 

そう言ってスタジオを出て行くまりなさん。チューニングもやって欲しいと言われたけど俺の得意な楽器はギターなのだ。勿論全部できるけど、ドラムは1番苦手であまり期待できない

 

「華蓮さんがいればなぁ...」

 

ブツブツ言いながらも作業を進めていく。10分ほどでチューニングも全て終わった

 

「戻るか」

 

スタジオを出ると同じく咲夜も出てきた

 

「えっもう終わったの?」

 

俺より遅くに説明受けたくせに同じタイミングで出てくるとかどうなってんの?

 

「月島...まりなさんが来た頃にはもう終わらせといた。丁度俺の苦手なギターがなかったからな」

 

羨ましすぎるわ!何それ!?俺なんかドラムのチューニングで5分かかったんだけど!

 

「5分で苦手なドラムを終わらせるのは頭おかしいと思うけど」

 

「心を読まないでくれるか?怖い」

 

「琉太君も終わったの!?2人とも速すぎ!」

 

「それはこいつに言ってくださいよ...」

 

「じゃあ2人で受付してくれる?今日は予約してるバンド2つだけだから来たら休憩していいよ」

 

「「分かりました」」

 

基本此処ではスタジオの準備と予約したバンドの受付が終わったら特にやることはないらしい...売り上げの計算などは全部まりなさんがやってくれるとのこと

 

「それにしても俺たちに合ったバイトがあって良かったわ」

 

「あぁ、そこに関しては感謝しなきゃな」

 

「こんにちはー!Afterglowですってエェ!?」

 

「おっひまりじゃん。さっき振りだな」

 

「なんで此処にいるの!?」

 

「見ての通りバイトだ。ほらこれ鍵、スタジオの準備は大体終わってる。後は自分たちで調整しな」

 

「ありがとね!」

 

「失礼しまーす。あれ?翔と琉太じゃん!お前らなんで此処に?」

 

「詳しくはひまりから聞け。つぐみはいないのか?」

 

「つぐみは生徒会の仕事で遅れるって」

 

「バンドと生徒会とかイカれてんな」

 

「よ、モカ。さっき振り」

 

「...」プイ

 

咲夜がモカに挨拶するとモカはそっぽを向いてスタジオに行ってしまった

 

「あれ?」

 

これには咲夜も予想外らしい

 

「モカ、さっきから元気なくて...何か知らない?」

 

蘭に聞かれるが俺は全く知らない

 

「俺は知らないけど、翔は知ってるか?」

 

「心当たりがなくは無いけど...」

 

「ちょっと、それどういうこと?」

 

「落ち着け蘭。いやな、朝モカとパン買いに行ったとき不良にナンパされてな。一応俺が助けてやったけどまだ気にしてるのかも。あと、トラックに轢かれかけた」

 

「そんな...」

 

「それが理由かは俺も分からない。練習には琉太も向かわせるから様子見だ」

 

「分かった」

 

「他のメンバーにも伝えておく。蘭は準備してこい」

 

「うん、お願いね」

 

「受付はRoseliaだけだ。お前は行ってこい」

 

「助かる」

 

折角練習を見ることになったんだ。やるからにはしっかりやりたい

 

「巴、ひまりちょっと来い」

 

「ん?どうした?」

 

「何かあったの?」

 

俺はモカの状態を2人に説明した

 

「それで元気がなかったのか...」

 

「それが理由かは分からない。けど、気にかけてやってくれ」

 

「分かった!ここはリーダーとしての腕の見せ所だね!」

 

「いまだにひまりがリーダーというのが理解できないんだが」

 

「ちょっとそれどういう意味!?」

 

「まぁまぁ」

 

「ほら行くぞ」

 

ひまりがリーダーという時点で先が心配だ...

 

モカside

 

「ストップ!モカ、また同じミスだぞ」

 

何故か今日は気が乗らない。あたしのせいで練習が止まりっぱなしだ

 

「ごめん...」

 

「モカ、さっきから元気無いけど何があったの?」

 

「それは...」

 

今1番聞かれたくないことを、1番聞かれたくない蘭に聞かれてしまった

 

「朝の件は翔から聞いている。もしそれが原因なら詳しく聞かせて欲しい」

 

言えるはずがない。朝から2回も助けられてしょ〜君に面倒だと思われ嫌われたのではないかと怖くなってるなんて言えない

 

「ごめん!遅くなっちゃった...みんな?どうしたの?」

 

生徒会の仕事を終え、つぐがやってきた

 

「実は...」

 

 

 

 

「そっか、それで元気がなかったんだね。モカちゃん、できれば話して欲しいな」

 

「なぁモカ、お前にとってアタシたちは何なんだ?」

 

急にともちんが意味の分からないことを聞いてきた

 

「え?」

 

「モカにとってアタシたちはその程度なのか?悩みの1つも相談できない程の存在なのか?」

 

そんなはずない。みんなは大切な幼馴染だ。でもそれとこれとは訳が違う

 

「モカ、みんな心配してるんだ。1人で抱え込んでも自分が苦しむだけだ。幼馴染を、Afterglowを信じて話してやれ」

 

「...分かった」

 

あたしは全部話した。しょ〜君に恋してることも全部

 

「そっか...そういうことだったんだ」

 

「それなら問題なさそうだな」

 

「え?それって...」

 

「彼奴は、翔は嫌いなやつとは絶対に関わらない。学校でも話しかけてただろ?さっきもそうだ。受付で話しかけてたじゃねえか。彼奴はモカのことを嫌ってねえよ」

 

そっか。しょ〜君あたしのこと嫌ってなかったんだ

 

「それにしてもモカが翔君のことをね〜」

 

「ひっひまりちゃん!今それは...」

 

「//////」

 

「あははは!中学の頃から彼奴はモテモテだったからな!早くしないと他の人に取られるぞ?」

 

「!?」

 

「モカ、驚きすぎ」

 

それだけは嫌だ。しょ〜君はあたしが貰う

 

「さて、モカの悩みも解決したことだし練習再開しようぜ!」

 

「そうだな。じゃあつぐみ来たから最初から合わせてやってみろ」

 

「了解!モカ、準備はいい?」

 

「オッケ〜」

 

「やるよ、私たちの()()()()()!」

 

咲夜side

 

奏斗たちがスタジオへ行ってから10分くらいして氷川がやってきた

 

「こんにちは翔さん。妹さんに怒られたのに今日もバイトですか?」

 

「花梨には許可貰ったんで、これ鍵です」

 

「ありがとうございます」

 

「あっいたいたー!紗夜!翔!」

 

げっ今井来たよ...ついでに柏も

 

「何だかお兄様、明らかに嫌そうな顔してません?」

 

「...そんなことはない」

 

「何ですか今の間は!?」

 

「2人が一緒とは珍しいですね」

 

「ベースの弦が切れかかってたから花梨にオススメ教えて貰ったんだ!張り替えも終わってるから問題ないよ!」

 

2人で出かけたのはそれが理由か

 

「そうですか。ではいつも以上の音を期待してます」

 

「そっそれはまだ慣れてないから...」

 

「あと3人か」

 

「あこと燐子はもうすぐ着くって連絡入ってたけど」

 

「みんなお待たせ」

 

「あっ友希那!みんな今来たばっかだよ!」

 

「こんにちは」

 

「花梨もいたのね。あとはあこと燐子ね?」

 

「スミマセーン!遅れましたか!?」

 

「ハァ、ハァ...ごめんなさい」

 

「予約の時間には間に合ってるから一応問題ないわ」

 

「全員揃ったことだしそろそろ行きましょう」

 

「はい!妾の闇の力...えっと...」

 

あこって中二病なところあるよな

 

「お兄様はどうしますか?」

 

「Roselia来たら休憩していいって言われてるし俺も行く」

 

「なら今日が初めてね、私たちの練習に翔が来るのは」

 

「そういうことになりますね。お待たせしました」

 

「できればマネージャーになってくれると嬉しいのだけど...」

 

俺にその資格があれば考えてもよかったんだがな

 

「そうだよ!花梨がいてくれるだけで凄く練習良くなるのに翔が来てくれればもう最高じゃん!」

 

「リサさんが風邪でも引いたら行きますね」

 

「ちょっと!?アタシへの扱い酷くない!?」

 

「気の所為ですよ」

 

「ほら、早く行くわよ」

 

「あっ待ってよ〜」

 

「あ〜疲れた」

 

「まだ始まってませんよ?」

 

「今井と話すと疲れるんだよ。何だよあのコミュ力...」

 

あのテンションについて行けるとしたらそいつのコミュ力は異次元だ

 

「まぁいいや、行くぞ」

 

いよいよRoseliaの練習か...俺は密かに楽しみに思いながらスタジオに入った




読了ありがとうございました!

中々イヴと花音が出せないよ...

評価や感想お待ちしております!


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