死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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どうも黒い死神です!今回から第二章の始まりです

それでは本編どうぞ!


第二章 新たな道
第21話


咲夜side

 

Roseliaのマネージャーになってから1ヶ月が経ち、俺は今までより何倍も楽しい日々を送っていたのだが...

 

何故か今日は芸能事務所に来ていた

 

「何でこんなことに...白鷺の野郎マジで覚えとけよ」

 

俺が此処に来た理由は白鷺に緊急の呼び出しを喰らったからだ。松原から連絡先を教えてもらったらしく、夜中に電話された

 

「とりあえず中入るか...面倒なことになってなきゃいいが」

 

本来今日は湊に買い物に誘われてそっちに行くつもりだったんだがな

 

「すみません。白鷺さんに呼ばれて来た神道ですが」

 

「神道さんですね?中に入るならこの名札をお持ちください」

 

「分かりました」

 

白鷺からは事務所のロビーに来いと指示されている。言われた通りロビーに行ってみるとそこには呑気に珈琲を飲む白鷺の姿があった

 

「来たわね。待ってたわよ」

 

「あの、そろそろ用件教えてくれませんかね?わざわざ別の用をキャンセルしてまで来たんですよ?」

 

「ごめんなさい。でも、貴方にしか頼めないことなの」

 

どこまで俺を信じてるのやら...もう少し疑え

 

「...分かりました」

 

「ありがとう。ついて来て、状況を見れば貴方なら分かるわ」

 

何だろう。物凄く嫌な予感がする。今すぐ帰りたい

 

白鷺に言われて彼女の後をついて行く。そして連れて来られたのは会議室と書かれた部屋だった

 

「失礼します。連れて来ました」

 

中には氷川の妹と若宮、知らない2人がいた。面子の集まりからしてパスパレのメンバーだろう

 

心なしか若宮の顔が暗い

 

「あっ翔君!久し振り!」

 

氷川妹が急に抱きついてきた。いやいや、あんたアイドルだろう。しかも何気に力強いから痛いんだけど

 

「あの、痛いんで離れてもらっていいですか?」

 

「ごめんね!ほら、座って」

 

適当に椅子に座ると、マネージャーと思われる人が今回呼び出した理由を説明してきた

 

「初めまして、パスパレのマネージャーをやっている者です。今回お呼び出しした理由はイヴさんについてなの」

 

「若宮さんについて?」

 

「私から説明しましょうか。先日喫茶店で会ったあと、貴方はイヴちゃんを家まで送ったでしょう?」

 

白鷺がいきなり昔話をしてきた

 

「はい、そうですが」

 

はい、予感的中したわ。ここまで来ると呼ばれた理由は1つしかない

 

「気づいたかしら?貴方はイヴちゃんのストーカーの存在に一瞬で気づいた。イヴちゃんが隠していた理由も貴方の言う通りだったわ」

 

「そうですか...それで彼女のボディーガードをしろと?」

 

「えぇ。私を助けてくれた時のあの戦闘力、貴方が1番適任だと思ったのよ」

 

あのとき連絡するんじゃなかった...面倒臭いことになっちった

 

「もうちょっと早く言えば協力できたかもしれないのにな...生憎、俺は暇じゃないんでね。すみませんが他を当たってください」

 

「そんな...お願い!貴方しかいないのよ!」

 

そう言って白鷺が頭を下げてくる。暇じゃないって言ってんじゃん...

 

「私からもお願いします!イヴちゃんを助けてください!」

 

「ジブンからも...お願いします!」

 

「翔君。あたしからもお願い」

 

氷川妹やピンク髪、茶髪のやつまで頭を下げてくる。大抵のやつならここまで頼まれたら引き受けるだろう。俺はそんなお人好しじゃない。本人からの頼みもないしな

 

「若宮さん、貴女はどうしたい?」

 

「え?」

 

「貴女のために他のメンバーがここまでしている。このままストーカーに追い込まれたままで、彼女らに心配をかけ続けるのか?」

 

「イヴちゃん...」

 

「翔さん...助けてください...」

 

何か自分で面倒な方に持ってっちゃった気がするが...

 

「ハァ...仕方ない。やりますよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「神道君、ありがとう」

 

「その代わり1つ条件が」

 

「何かしら?」

 

「今度羽沢珈琲店で珈琲サービス頼むわ」

 

「はい!」

 

「帰り道を教えてくれ。そこから犯人がどこから出てくるかを割り出すから」

 

「分かりました。これ、お願いします」

 

若宮にスマホを見せてもらい帰り道を把握する。成る程な...それなら

 

「ありがとう。大体分かったよ」

 

「早くないかしら?」

 

「さて、こっちも応援を呼んどくか。ちょっと失礼します」

 

1言断って会議室から出ると俺はある人に電話をかける

 

「もしもし、今大丈夫か?」

 

『咲夜か?珍しいな、お前から連絡とは』

 

「ちょっと厄介ごとに巻き込まれてな。少し頼みたいことが...」

 

『そうか。分かった、こちらで準備しておく』

 

「助かる」

 

『それにしても、お前が他人の頼み事を引き受けるなんてな』

 

「うっせぇ。こっちにも道が見つかったんだよ」

 

『ふん、大切にしろよ』

 

「はいはい。じゃあな、任せたぞ」

 

『あぁ。今晩飯よろしくな』

 

「わーったよ。また後で」

 

これで準備ができたな。こちらもやらなきゃな

 

「準備はできた。早速今日仕掛ける」

 

「いっいきなり大丈夫なの?」

 

「信頼できる人に頼んだので問題はありません。1時間後事務所を出る」

 

「分かりました。それまで何しますか?」

 

「そうね...少し練習しましょうか」

 

「そうだね!彩ちゃん危なっかしいもんね!」

 

「日菜ちゃん酷い!」

 

一応こいつらもバンドだから練習するらしい。俺は少し寝させてもらおうか

 

「俺は後に備えて寝ます。1時間後起こしてください」

 

「分かったわ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1時間後、若宮と共に事務所を出て彼女の自宅へ向かう

 

「俺から絶対に離れるな。離れたら死ぬと思え」

 

万が一があると困るので腕を回しこちらに引き寄せる

 

「はい...///」

 

なんだこいつ?急に顔を赤くしやがって

 

「この辺りなんです。気配を感じるのは」

 

「みたいだな。居場所も何となく感じる」

 

隠れられてるつもりなのか知らんが、バレバレなんだけど...

 

あっ今写真撮ったね。この辺でいいかな

 

「おい、そろそろ出てこいやストーカー野郎」

 

「テメェ、気付いてやがったのか」

 

「逆にあれで何故気付かないの?って話なんだけど」

 

「ねぇイヴちゃん、そんな男といないでさぁ!こっにおいでよぉ!」

 

「ひっ!」

 

うわぁ...キモーい

 

「若宮さん、下がってろ」

 

「テメェ!俺のイヴちゃんから離れろぉ!」

 

ストーカーはナイフを出して襲いかかってくる

 

「翔さん!逃げてください!」

 

ナイフはそのまま俺の心臓へと向かってくる。俺は避けることはせずわざと左肩に刺させる

 

「クッ...痛え」

 

「翔さん!」

 

「死ねぇ!」

 

ストーカーはまたナイフを刺そうとしてくるが、もう受ける必要はない

 

「お前が死ねよ。()()の今までの辛さ、じっくり味わえ!」

 

ナイフを奪い取り膝と肘の関節を一瞬で切り裂く

 

「え?ぎゃああああああ!」

 

切り裂くのが速すぎて切られたことに気付くのが遅かった

 

「お前がやってんのは立派な犯罪だ。人の気持ちも考えず行動したからこうなる」

 

「ぐうぅ...」

 

「おい!そろそろ出てこい!さっさと連れてけ!」

 

俺の合図で何人かの人がストーカーを取り押さえた。俺が呼んだのは警察だ

 

「クソぉ!覚えとけよ!」

 

「オッケー忘れとく」

 

捨て台詞を吐きながら警察に連れてかれるストーカー。ダッサ

 

「咲夜、無事か?」

 

「何とか...っておい!今この場でその名は...」

 

「すっすまん!」

 

今俺と話してるのは平野彗人警部だ。俺がガキの頃によく世話になってて、俺の正体を知っている

 

「カメラは撮れたか?」

 

「あぁ、バッチリだ。そっちの彼女は怪我はないか?」

 

「はっはい!なんともありません...それより翔さんです!早く治療しないと」

 

「家帰ってからやる。急所は外してあるし問題ない」

 

「でも...私のせいでこんなことに」

 

「言ったろ。珈琲サービスお願いって。それだけで十分だ」

 

「後は俺たちで片付けとく。晩飯はいらない」

 

「流石にこの肩じゃ作れんわ。ありがとな、彗人さん」

 

「あぁ」

 

「若宮さん、家近いだろし送るぞ」

 

「あっありがとうございます。その、1つお願いが」

 

「何だ?」

 

「さっき私のことイヴって言いましたよね。これからもそう呼んでほしいのですが...///」

 

あぁ...そういえばそんなこともあった気がする

 

「...分かった」

 

「ありがとうございます!では参りましょう!」

 

「珈琲2杯な」

 

「勿論です!」

 

やったね。珈琲サービス量増えたぜ

 

この後イヴを家まで送りとどけ帰ろうとしたら、イヴの母親に彼氏と間違われるわ怪我についてめちゃくちゃ聞かれるわで面倒臭かった

 

イヴside

 

私は家に帰り夜ご飯を食べながらさっきのことを思い出す

 

『イヴの今までの辛さ、じっくり味わえ!』

 

あのときの翔さんの顔はとてもかっこよくて、思い出しただけで顔が熱くなる

 

「イヴ、顔真っ赤だけど大丈夫?」

 

「だっ大丈夫です!」

 

この気持ちを知られたら千聖さんに怒られてしまうかもしれない。でも、この気持ちは大切にしたい

 

「いつか、あの人にこの気持ちを伝えられれば...」

 

そんなことを思いながら夜を過ごした

 

咲夜side

 

家に帰ったら柏にめちゃくちゃ怒られた。かすり傷で済ませればよかったのにと文句を言われたが、その程度じゃ大した罪にならないからな

 

「そういえば、友希那さんが心配してましたよ?」

 

「後で連絡しとく。華蓮はまだ帰ってないのか?」

 

「お姉様ならお風呂に入っています。お兄様もすぐに入って消毒しないと」

 

「それならイヴの家で済ました。彼奴の母親に押されて断り切れんくてな...」

 

「...若宮さんちょっと殺して来ていいですか?」

 

「やめろ」

 

柏の目がマジで少し危ない

 

「上がったよ!咲夜帰って来た?」

 

「今帰ったよ!飯はできてるか?」

 

「カレーができてるから温めといて!お風呂は後でいい?」

 

「構わん。それより腹減った」

 

華蓮の料理は久しぶりかもしれない。もう店でも出せばいいのにと思うくらいレベルが高いので俺は好きだ

 

「いや〜極楽極楽って肩どうしたの?」

 

「ちょっとな。話すの怠いし詳しい話は彗人さんから聞いてくれ」

 

「ふーん。手当てはしてあるの?」

 

「終わってる。柏、皿持って来てくれ」

 

「分かりました」

 

温まったカレーを食べ風呂に入り部屋に入って湊に電話をかける

 

『もしもし、どうしたのかしら?』

 

「いえ、何やら心配されてたらしいので一応連絡を」

 

『そう、今日は何があったの?』

 

「パスパレの若宮イヴがストーカーに付きまとわれてるから護衛して欲しいって言われてですね」

 

『珍しいわね。貴方が引き受けるなんて』

 

「最初は断ったんですけど...羽沢珈琲店でサービス条件に引き受けました」

 

『それで、問題は解決できたかしら?』

 

「もう終わりましたよ。それと、今日はごめんなさい。折角の機会を潰してしまって」

 

『明日バイトはあるの?』

 

「明日は行きますよ。今日休んだので」

 

『それなら、私の自主練に付き合ってもらおうかしら?普段よりハードに行くけど』

 

埋め合わせのつもりなのか?そんなもんしなくても...

 

「どこまでもついて行きますよ。俺はRoseliaのマネージャーですから」

 

『ありがとう。それと、次のライブが決まったわ』

 

「場所と時間は?」

 

『CiRCLEで2週間後の土曜日よ。そこでLegendaryもやるつもり』

 

「セットリスト考えときますね」

 

『お願いするわ。そのライブなんだけど、翔にゲストとして出演してほしいのだけど』

 

「俺がですか?構いませんけど、楽器は何でいきますか?」

 

『私とのツインボーカルをやってほしいの。Legendaryを最後にやるつもりだから、その時に』

 

「分かりました」

 

『ボーカルと一緒に楽器できればやってほしいけど...貴方一応ギター苦手なのよね?ベース頼めないかしら?』

 

「何ですかその一応って。冗談抜きで苦手ですよ」

 

『...まぁそういうことにしておくわ。それじゃあ、明日頼むわね』

 

「えぇ、任せてください」

 

『おやすみ、翔』

 

「おやすみなさい」

 

ライブか...久し振りだな。ボーカルもやるらしいし練習しとかないとな

 

「柏、明日バイトは来れるか?」

 

「暇なので行けますよ?」

 

「2週間後のライブにゲストで参加してくれって湊に言われてな。ベースとボーカルやるから歌の練習付き合ってほしいんだ」

 

「そういうことなら喜んでやらせていただきます。ライブですか...私も久し振りにやってみたいですね」

 

「ギターなら出れると思うぞ?ギター苦手なの分かってベース頼んだみたいだし」

 

「なら明日頼んでみますね」

 

この後柏と地下のスタジオで練習した後すぐに寝た




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