死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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どうも黒い死神です!

今回は咲夜と友希那が急接近の予感!?

それでは本編どうぞ!


第24話

Roseliaとのライブから3週間後、学校では終業式が行われ、明日から夏休みとなった。しかも午前で学校は終わりという最高な形で

 

それはいいのだが...俺は華蓮と奏斗に説教を受けていた

 

「さて、まずは1つ聞こうかな。何で彼奴ら1人()()()()()()()()()()

 

「あれは事故みたいなもので...」

 

「事故で人を殺すバカがどこにいるんだボケ。幾ら何でもやりすぎだ馬鹿野郎」

 

俺が説教を受けている理由は至極簡単、俺が人を殺したから。実はまぁ俺はある組織から命を狙われてるわけなんだけど...3日前に襲われて1人ずつ気絶させてたら勢い余って殺しちゃった

 

「だってよ、まさか気絶してた奴を盾に俺が投げたナイフを防ぐなんて思わんだろ?」

 

「普通に素手でやっても勝てるだろうが」

 

「咲夜のせいで私お爺様に呼び出されたんだけど?どうしてくれんのよ」

 

「あのクソジジイがどう思おうが俺は知らん。それよりもう説教は懲り懲りだ。あの後彗人さんからめちゃくちゃ怒られたんだよ」

 

「全く...次からは気をつけなさいよ?今回は初めだからニュースでもそこまで大きくなってないけど、次やったらヤバいんだから」

 

「りょーかーい」

 

他からみたら最早気をつけるどころの話じゃない

 

「ハァ...それじゃあ私は本家の方まで行ってくるわ」

 

「晩飯作っとくよ。何が食べたい?」

 

「親子丼食べたい」

 

「分かった」

 

「俺も帰る。この後紗夜さんの練習に付き合わなきゃならないからな」

 

「もう面倒見なくてよくね?氷川のレベルだって相当なものだぞ?」

 

「妹に負けたくないんだとよ。じゃあな」

 

そう言って2人は一緒に出て行った。よって家の中は俺だけだ。柏は友達とカラオケ行くって言ってた。彼奴がカラオケってもう最強じゃん...チートだ

 

あ〜暇だ。今日はバイトないしRoseliaの練習もない。そんな時、スマホに着信が来た。相手は湊だった

 

「もしもし」

 

『もしもし、翔は今日暇かしら?』

 

「物凄く暇ですよ。どうしました?」

 

『一緒に出かけないかしら?この前は翔が用事で来れなくなってしまったから』

 

「どっかの誰かさんのせいでね。勿論いいですよ。何処に集合しますか?」

 

「羽丘の校門のところで集合しましょう。1時くらいでいい?」

 

「大丈夫ですよ。それではまた後で」

 

「えぇ」

 

タイミングよくお誘いを受けた。これは行くしかないな。確かこの前に柏に見繕ってもらった服があった筈だ。それ着てこう

 

友希那side

 

誘えてしまった。前回はリサも一緒にいてくれたから簡単にできたが、今回は1人で彼を誘った。正直、コンテストの時よりも緊張した

 

「どんな服で行けばいいのかしら?彼の好みも分からないし...」

 

約束の1時まで後30分。荷物はまとまったが、肝心の服装が全然決まらない

 

「友希那?さっきからバタバタしてどうしたの?」

 

「おっお母さん!?いや、これは...」

 

最悪のタイミングでお母さんが来てしまった

 

「こんなに服散らかして...リサちゃんと出かけるの?」

 

「出かけるのは合ってるけれど...」

 

「まさか彼氏!?あの友希那に!?」

 

「ちっ違うわよ!///...その、男の人ではあるけど」

 

「ふ〜ん?これはお父さんに報告しなきゃね?まぁ大方何を着て行けばいいのか分からないんでしょ?ちょっと貸してご覧」

 

言われるがままに服を渡すとお母さんはものの5秒くらいで組み合わせて返してきた

 

「これがいいんじゃない?」

 

「あっありがとう...」

 

「どっちから誘ったの?」

 

「私からよ。この前も誘ったんだけど彼が用事で来れなくて」

 

「で?友希那の彼氏って誰なのよ」

 

「彼氏じゃないわよ///Roseliaのマネージャーをしてくれてる年下の子よ」

 

「誘ったのが友希那なら貴女が先に約束の場所に着いてないとダメよ。次からは自分で服決めなさい」

 

「でも、私はそういうの分からないし...彼が気に入ってくれるかどうか」

 

「貴女が自分で選んだ服なら彼も気に入ってくれるわよ。ていうか、気に入って欲しいってことはその子のこと好きなの?」

 

「なっ!?」

 

図星すぎて分かりやすいリアクションをしてしまった

 

「ふふふ...私は応援するわよ。娘の恋を無駄にはしたくないもの。お父さんも応援してくれるわ」

 

「ありがとう...行ってきます」

 

「行ってらっしゃい」

 

約束までは20分。家から羽丘までは歩いて15分程だから、少し急ぎめで行って早めに着いた方がいいかもしれない

 

私は少し楽しみに思いながら駆け足で向かった

 

 

 

約束の場所に行くと既に翔は来ていた

 

「あっ友希那さん、こんにちは」

 

「ごめんなさい、待たせたかしら?」

 

「俺もさっき来たばかりなんで大丈夫ですよ」

 

「それならよかったわ」

 

「それより何処行くんですか?俺そういうの分からないし...何が何処にあるのかさっぱりなんですよ」

 

「まずは楽器店に行こうかと思ってるわ。その後はショッピングモールで買い物したりカフェでお茶したり...そのくらいかしら?」

 

「成る程、じゃあ早速行きますか」

 

「えぇ」

 

彼の横に立ち一緒に歩く。彼の身長は180弱くらいだろうか?結構差があり気圧されそうだ

 

しかし、その気迫とは全然違う柔らかい笑顔で

 

「その服、とても似合ってますよ」

 

と言ってきた

 

「あっありがとう...///」

 

「どうしました?顔赤いですけど...」

 

「なっなんでもないわ。早く行きましょう」

 

おそらく彼は無意識に言っているのだろう。こんな至近距離で囁かれたら誰でも恥ずかしくなる

 

「ズルイわよ...」

 

「何がですか?」

 

「聞こえてたの!?」

 

「耳は鍛えられてるんでね。結構聴覚高い方だと思うんですよ」

 

「そっそうね...」

 

まだ最初の場所に着いてすらないのに...彼と会話するだけでこんなにも胸が高鳴る自分がいる

 

「翔は夏休み何するの?」

 

「そうですね...バイトして金稼がないといけないし。後は少し調べごとですかね?」

 

「大変ね...あまり無理はしないようにしなさいよ?」

 

「あはは、その言葉そっくり返しますよ。この前花梨にブチ切れられたんでしょう?」

 

「あれ以来は寝る時間ある程度決めてるわよ。もう倒されるのは御免だわ」

 

「ですよね...」

 

「思ったのだけれど、花梨は何であんなに強いの?どう考えても女子の動きじゃないわ」

 

「護身用として俺が教えたんですよ。あそこまで強くなるとは思わなかったけど」

 

「それを教えた貴方はおかしいと思うわ」

 

「否定はできませんね」

 

「そろそろ着くわよ。あそこね」

 

「こんな所に楽器店なんてあったんですね。初めて見たわ」

 

「Xaharはどこで楽器を手に入れてたの?」

 

「知り合いが楽器店やってましてね。そこのコネでもらいました。まぁ嘘だけど...

 

「そうなのね。翔は何か見るものある?」

 

「ギターやベースのピッグと弦買っとこうかなと。この前やった時古くて音の響きが悪かったので」

 

「そうでもなかったと思うけど...やっぱりXaharは違うわね」

 

「最初はそこまで求めてなかったんですけどね。いつのまにかこうなってたんですよ」

 

「いつかXaharの曲カバーしてみたいわ。最も、私たちのレベルでは無理でしょうけど」

 

「友希那さんはもっと自分を認めたほうがいい。お互いを認め合うからこそ成長していくものだから」

 

「ありがとう。これからもRoseliaをお願いね」

 

「えぇ。中はどんな感じかな〜」

 

軽い足取りで店へ入っていく翔。見ているとこちらの空気が和む

 

「いらっしゃいませー!」

 

「ギターとベースの弦どこにありますか?あとピッグも」

 

「あ〜はいはい。こっちだよ」

 

「友希那さんはどうします?」

 

「私は雑誌コーナーに行ってるわ」

 

そう言って雑誌コーナーに向かう。横目で彼を見ると、とても楽しそうな顔をしていた

 

10分くらいして選び終わった彼が私のところに来た。既に会計を済ませているらしい

 

「俺は用は済みましたよ。どうします?」

 

「私も大丈夫よ。次行きましょう」

 

「次は...ショッピングモールでしたっけ?何見るんですか?」

 

「映画を観ようかと思ってるわ。恋愛系の歌詞を書きたくて」

 

「あぁ、そういうことですか。Roseliaが恋愛系ねぇ...合わねえ」

 

「そうかしら?」

 

「イメージと全然違いますよ。でも、友希那さんが作る歌ならRoseliaに合った曲ができるんでしょうけど」

 

「なるべくそうするわ。翔はどんな曲が好きなの?」

 

「この前やったunravelが凄く好きですね。あとはBLACK SHOUTかな」

 

「え?」

 

「初めてRoseliaのライブに行ったときやっていたのがそれだったんですよ。とても引き込まれました」

 

「ありがとう」

 

私たちの曲をそこまで好きになってくれているとは思っていなかった。私はずっと言いたかったことを言うことにした

 

「翔、1つお願いがあるのだけど...」

 

「何ですか?」

 

「その、2人きりのときだけでいいから私のこと呼び捨てで呼んでほしいの。敬語もいらない、もっと貴方との距離を縮めたいから」

 

言ってから気づいたが、これは最早告白ではないだろうか?途端に顔が熱くなる

 

「呼び捨てか...分かったよ、()()()

 

「っ...///ありがとう」

 

「それじゃあ行くか。ほら」

 

「?」

 

いきなり彼が手を出してきたので私は意味が分からなかった

 

「人多いし、はぐれたら困るから」

 

「えっえぇ///」

 

私は彼の手を恥ずかしながらも握った。彼の手はとても大きく...

 

 

 

とても冷め切っていた

 

 




読了ありがとうございました!

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