死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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今回から第三章です。この章ではそれぞれの想いについて書いて行こうと思います


第三章 それぞれの想い
第30話


咲夜side

 

俺たちは今、巨大な屋敷に来ていた。この屋敷は俺が瑠奈さんと婆ちゃんからもらったものだ

 

「...気持ち悪い」

 

「またなの?いい加減治らないのかしら?」

 

ここは好きなのだが今は最高に気分が悪い

 

「1時間も電車とか地獄だろ...うっ」

 

実は俺、乗り物にめっちゃ弱いんだよね。自転車は問題ないけどそれ以外は無理

 

「お兄様、とりあえず休まれた方がいいかと...」

 

「荷物貸せ。持ってやるから」

 

「ありがとう」

 

此処に来るたびにこうなるから酔い止めを持っていなきゃならないのだが、持って来るのを忘れた

 

「翔大丈夫なの?顔色すごい悪いわよ?」

 

「大丈夫ではないな...とりあえず1階にAfterglowで2階にRoselia入れとく...か...」

 

いつもは4人で来るからそれぞれ個人の部屋を決めてあり扉にネームプレートがあるのだが...バリバリ本名書いてあったわ

 

「おい華蓮、今すぐネームプレート変えてこい。奏斗も行け...」

 

「「あっ!」」

 

「どっどうしました?急に大きな声出して...」

 

「みんなはリビングに1回荷物置いて待ってて!」

 

「やばいやばい!すっかり忘れてた!」

 

玄関の扉を開け2人が全速力で駆けて行く。ウサ○ン・ボ○トより速いんじゃね?

 

「なぁ翔、琉太と祐奈先生走ってったけどいいのか?」

 

「問題ない。巴、とりあえずあのバカをなんとかしろ」

 

「アタシに言われても...」

 

「美竹さん、これはもう決まったことなの。今更変えれないわよ」

 

「そんなの聞いてないんですけど?先輩として後輩に譲るものだと思いますよ湊さん」

 

絶賛ボーカル2人で喧嘩中。理由は部屋の場所を1階か2階にするか。景色が綺麗だと言ったら友希那が2階に行きたいと言ったのでそうしようと思って決めたら美竹...蘭まで行きたいと言い出してこのザマだ

 

「おい、喧嘩するなら帰らすぞお前ら」

 

「「...ごめんなさい」」

 

「部屋は後で決めればいいだろ。おそらく1人1部屋はあるはずだ」

 

「ねぇ翔君、ホントは大金持ちなの?」

 

「んなわけあるか。ないからバイトしてんじゃねえか。ひまりは蘭をなんとかしろ」

 

「そんなこと言われても...」

 

「リサさんも友希那なんとかしてくださいよ」

 

「友希那落ち着いて...」

 

くっそ面倒くさい。連れて来るんじゃなかった...

 

「おーい終わったぞー!全員入れー!」

 

「おっきいー広ーい!お姉ちゃん凄い広いよ!」

 

「あぁ!しかもめっちゃ綺麗だぞ!」

 

「カーペットやバルコニーまで...どうなってるのよこの屋敷は」

 

「紗夜、そこはつっこむな」

 

「琉太たちは荷物置いたんだろ?俺の分も置いてあることだし、部屋割りするか...」

 

「私も自分の部屋に荷物置いて来ますね」

 

「分かった。ついでに外の空気吸ってこい」

 

柏も多少寄ったみたいで少し顔色が悪い

 

「さて、肝心の部屋だが...どう割る?数的にどっちかは下の部屋だけど」

 

「そんなもの決まってるでしょう?Roseliaが2階の部屋使わせてもらうわよ」

 

「ちょっと、勝手に決めないでくださいよ。Afterglowが使うに決まってるじゃないですか」

 

まぁた始まったよ...これじゃあ埒が明かないな

 

「いい加減にしろ。いつまで経っても決まらんだろ」

 

「なら貴方が決める方法考えなさいよ」

 

「...この野郎」

 

「だったら、琉太と翔さんで勝負してみては?翔さんはRoseliaの、琉太はAfterglowのマネージャーをしている。お互いのマネージャーで勝負すれば公平でしょう?」

 

「おい紗夜、何故そうなるんだ?お前たちで決めろよ」

 

「いいんじゃね?このままじゃ絶対決まらんし」

 

「ハァ...この中にテニス部はいるか?」

 

「アタシテニス部だよ!」

 

「私も!でもなんで?」

 

「中学のころ俺たちテニス部だったんだよ。ダブルスは2人で組んでた」

 

「確か全国優勝したよな。相手も中々だったな...」

 

「「えぇ!?」」

 

そんなに驚くことか?別にそんな難しいことじゃなかろうに

 

「ルールは簡単、俺とひまり、翔と今井さんで組んで1セットマッチで試合をする」

 

「でも、テニスコートが...」

 

「裏に2面ある。そこを使えばいい」

 

「よーしやるぞー!」

 

「リサ姉頑張れ!」

 

「ひまり、絶対勝てよ!」

 

「ひ〜ちゃん負けたら罰ゲームね」

 

「モカ!?言っとくけど、リサさん凄い強いからね!?」

 

「ひまりだって1年の中じゃトップクラスでしょ?」

 

「リサ、頼んだわよ」

 

決まりだな。久しぶりに本気でやるか

 

「それじゃあ移動するか。ひまりとリサさんは準備運動でもしててください。俺たちは軽くラリーして感覚戻すので」

 

「できるかなぁ...もう1年やってないしな」

 

確かにそこは心配だが、現役いるしなんとかなるだろ

 

こうして2階の部屋をめぐるくだらない戦いが始まった

 

リサside

 

アタシはひまりとラリーで準備運動してるところ。ひまりはとても上手いから、手を抜いたら負けちゃうかもしれない

 

「ひまり〜そろそろいい?」

 

「大丈夫ですよ!琉太君たちもすぐ来ると思いますよ」

 

アタシが1番驚いたのはあの2人がダブルスで全国優勝したこと。アタシはそんなに上手くないし、ついていけるか心配だ

 

「負けませんよ!と言いたいんですけど...正直私たちいらないんじゃないかなと思う」

 

「そうなんだよね...全国優勝ってどう考えても化け物みたいに上手いじゃん。なるべく邪魔しないようにしないと...」

 

「そういえば、翔君凄い酔ってたけど大丈夫かなぁ」

 

「まぁ大丈夫なんじゃない?隣見れば分かると思うけど」

 

隣のコートでは2人がレベルの高いラリーをしていた。ボールのスピードが半端じゃない

 

「さっきから1回もラリー切れてないですよね。そろそろ始めないと...」

 

「おーい2人とも!こっちはいいよー!」

 

「了解で〜す」

 

2人がこっちに来てサーブかレシーブどっちをやるか決めたらアタシと翔がサーブになった

 

「おい、ひまりのときは手加減しろよ。お前のサーブイかれてるし」

 

「そういう琉太も、リサさんときはスピード抑えろよ」

 

もうこの時点で嫌な予感しかしない

 

そんなとき翔が

 

「リサさん、前衛はできますか?」

 

と聞いてきた。ダブルスで大会に出るときアタシは前衛だから勿論できる

 

「できるけど、なんで?」

 

「流石のリサさんでも、琉太の球をストロークで返すのはきついでしょう?ボレーなら多少押されてもなんとかなりますので来たら叩いてくれれば」

 

「オッケー!アタシ、スマッシュ得意だからチャンスボール上げてくれると助かるな」

 

「了解しました。琉太はダウンザラインが上手いのでサイド警戒してください」

 

「分かった!」

 

聞くところ、翔って頭いいらしいしその辺も頭が回るみたい

 

最初は翔のサーブから始まった。スピードが凄かったんだけど、琉太は何事もなくストレートに返して来た。前持って翔に警戒するよう言われてたからしっかり反応できたけど、ひまりにフォローされてしまった

 

ゆっくり上がったボールはそのままアタシのところへ飛んで来た

 

「任せて!」

 

アタシは少し下がりコートの隅にスマッシュを打った。琉太でもこれは捕れずこちらのポイントになった

 

「やったー!」

 

「リサ姉最高!ナイスボール!」

 

「なんだよあれ...強すぎねえか?ひまりごめん」

 

「私もフォローしきれなかった...次頑張ろ!」

 

この後は一進一退で試合が進んで行った。お互いサービスゲームを取り合い気づけばタイブレークになっていた。今のカウントは6ー4でアタシたちのマッチポイントだ

 

「ハァ、ハァ...疲れた」

 

もうみんな体力に限界が来ている。幸い周りが木に囲まれていて日差しこそないけど暑い

 

「翔、サーブお願いね!」

 

「了解です」

 

アタシもネット前に立ち構えを取る。ここは絶対に落とせない

 

そして翔がトスを上げサーブを打った。センターギリギリのところに打ったため、レシーブで返せるのはクロス方向のみだった。アタシは賭けでポーチに出た。予想通りボールはクロス方向に来て吸い込まれるようにアタシのラケットの真ん中に当たった

 

「ゲームセット!この試合、翔さん・今井さんペアの勝ちです!」

 

「ぃやったー!」

 

アタシは嬉しさのあまり翔に抱きついてしまった。友希那が不機嫌な顔をしていたけど、今はそれどころじゃなかった

 

「いや〜よくあの状況ですポーチなんて出ましたね...まぁお陰で勝てましたが」

 

「...ごめん。負けちゃった」

 

「いいよ全然!凄くいい試合してたよ、お疲れ様!」

 

「ひまりお疲れ様!琉太も、そんな申し訳なさそうな顔すんなって!」

 

「ありがとな」

 

Afterglowのいいところはこうやってすぐにお互いをフォローして励ませるとこだと思う

 

「4人ともお疲れ様。まだお昼だけど少しお風呂入って来なさい。浴場も2つあるから」

 

「風呂入ったらとりあえず昼飯な。そっから練習しよう」

 

「じゃあ俺たち風呂入るからちょっと待っててくれ」

 

「アタシたちも入ってくるね」

 

この後行ったお風呂はめちゃくちゃ広かった




読了ありがとうございました!

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