咲夜side
Roseliaの新曲Sancturyを完成させ、早速夜から練習することになった。メンバーにスコアを渡しひとまず1時間程個人練習をした。俺はあこと白金、柏は今井と氷川と友希那を担当して見ることになった
「だいぶ良くなったな。あこ、此処の部分弱くなりやすいから落とさずに叩けるようにしよう」
「白金さんは所々音のズレが目立つので頑張って修正してください。指の回し方など分からなかったら聞いてください」
「それじゃあ...此処なんですけど」
それにしても2人とも飲み込みが速いな。あこはちょっと不安定だけど、白金は着実に言ったところを直している
質問に答えながら教えて行くと白金は8割型、あこも7割くらいはできるようになった。合わせるとなると難しいだろうが、それでもある程度はできるだろう
「よし、2人ともお疲れ様。飲み物作ってあるからそれ飲んで休憩しててくれ。俺は向こうの様子見てくるから」
一言断って他の3人の様子を見に行くと、珍しくも友希那と氷川がつまづいていた。奏斗からでは特に氷川は調子が良いと聞いていたんだが...柏に聞いてみるかな
「花梨、様子はどうだ?」
「あっお兄様。見ての通り、2人がつまづいていますよ」
「珍しいもんだな。まぁギターとボーカルは難しめに作ったし、仕方ないっちゃあ仕方ないんだけども」
「リサさんの方は順調ですよ。もう大方できるようになりましたので、あとは合わせてどこまでいけるかくらいです。あこと白金さんはどうですか?」
「あの2人も順調だ。おそらく合わせても問題はないだろうが、友希那と氷川があれだし今日はやめておこう」
今の状態で合わせても無駄になるからな。今日は各自パート練習重点的にやって明日から合わせていけば良いだろう
「お前は氷川を頼む。俺は友希那のところに行ってくる」
「分かりました」
「よっ友希那。珍しいな、お前がつまづくとは」
「此処の部分が中々音程がとれなくてズレてしまうのよ。他はなんとかなりそうなのだけれど...」
「あぁ、そこはちょっと難しいかもな。まぁ焦らずゆっくり修正していこう。あこに白金さんも大方できるようになったし、この調子なら明日には通しはできるだろう」
「そうね...私も早く完成に近づけないと」
「焦るなつったろ。焦っても何もいいことはねえ。少しずつ確実に直していけばいいさ。それに、俺は友希那の歌声好きだけどな」
「...ありがとう」
さて、これからどうするかな。友希那と氷川がなんとかなれば今日のうちに合わせることは可能だが、それではあまり効果がない。柏が本気でやれば氷川はすぐに直せる。ボーカルも柏が1番上手いが、そうもいってられないからな...俺がやるしかねえか
「とりあえず、まだ2時間弱はある。この間で直しておこうか。俺もできる限り協力する」
「ありがとう。あこと燐子はどうするのかしら?」
「2人には自主練させておくよ。あの2人は特に仲がいい。互いに教えあいながら練習すればもっと高みに行けるだろ」
「そうね...それじゃあお願いね」
「分かった。確認もしたいから10分後にそっちに行く」
「分かったわ」
友希那の元を離れてあこと白金の元へ向かう。案の定2人はお互いにアドバイスをしながら練習に励んでいた
「2人とも調子はどうだ?そちらが良ければ今から2人だけで合わせていただきたい。何やら友希那がつまづいててな、そっちの応援に行きたいんだ」
「はーい!妾の闇の力見せてくれようぞ!」
「がっ頑張ります...」
あこ大丈夫か?まぁ白金いればなんとかなるか
「流石にキーボードとドラムだけだとやりにくいだろうしやって欲しい楽器があれば言ってくれ。なるべくそれに応えよう」
「じゃあ、ボーカルお願いします...」
「分かりました。どうせならベースも一緒にやりましょう。あこ、カウント頼む」
〜♪〜
「友希那、終わったぞ」
「案外速かったわね。2人の調子はどうだったかしら?」
「結構良く出来てたよ。所々ミスはあったが、それでも1時間であそこまで仕上げたのは大したもんだ」
「私も負けてられないわね。じゃあ、今からお願いするわね」
「あぁ、とことん付き合ってやる。まずは一通り通してやってみるか。何かやってほしい楽器はあるか?」
「キーボードお願いするわ。いつも苦手なギターばかりでは申し訳ないもの」
「別に遠慮しなくていいぞ?俺はマネージャーだからな。Roseliaもとい友希那の為ならギターくらい幾らでもやってやる」
「あっありがとう...でも大丈夫よ。いつも助けられてばっかでは気が済まないわ」
「それじゃあお言葉に甘えてやらせていただこう。最初から合わせるぞ」
友希那の奴、前と比べて優しく?なったのか分からんが性格変わったんじゃないのか?いつもならこんな気遣いしないだろうに
微かな疑問を残しながら2時間たっぷり友希那の練習に付き合った
友希那side
今晩は完成したばかりの新曲、Sanctuaryを練習していた。音源やスコアも正確でとてもやりやすかったのだが、一箇所だけどうもつまづいてしまうところがあった。ここまで上手くできないのは初めてだった
「ダメね...このままじゃ私が足を引っ張ってしまう。なんとかしないと」
花梨に助けを求めようかと思ったが、生憎彼女はリサの指導をしていた。紗夜はというと私と同じように苦戦しているように見えた
リサへの指導が終わったみたいなので花梨の元へ行こうとすると翔がやってきた。花梨と少し話した後こちらの方へ歩いてきた
「よっ友希那。珍しいな、お前がつまづくとは」
「此処の部分が中々音程がとれなくてズレてしまうのよ。他はなんとかなりそうなのだけれど...」
「あぁ、そこはちょっと難しいかもな。まぁ焦らずゆっくり修正していこう。あこに白金さんも大方できるようになったし、この調子なら明日には通しはできるだろう」
「そうね...私も早く完成に近づけないと」
他のみんなができているのに私1人だけ遅れるのはあってはならない
「焦るなつったろ。焦っても何もいいことはねえ。少しずつ確実に直していけばいいさ。それに、俺は友希那の歌声好きだけどな」
「...ありがとう」
「とりあえず、まだ2時間弱はある。この間で直しておこうか。俺もできる限り協力する」
「ありがとう。あこと燐子はどうするのかしら?」
彼が私のところに来るとなれば、2人はその間誰も付かないということになる。大丈夫なのかしら?
「2人には自主練させておくよ。あの2人は特に仲がいい。互いに教えあいながら練習すればもっと高みに行けるだろう」
確かに、あの2人の仲のよさならそれも可能だ。それだけお互いを信じ合えているということだろう
「そうね...それじゃあお願いね」
「分かった。確認もしたいから10分後にそっちに行く」
「分かったわ」
そう言って彼はあこたちの元へ向かった。彼が来るまでに少しでも完成度を上げておこう
咲夜side
あれから殆ど付きっ切りで友希那の面倒を見て、なんとか修正することができた。氷川もつまづいていた場所は修正できたみたいだし、明日には合わせられるな
「ふわぁ...なんだかいつも以上に疲れたな。花音に電話してさっさと寝るか」
最近は花音とは水族館の話しかしてない。と言っても彼女が一方的に話しているだけだが。なんでもクラゲが好きなのだそうな。...今度連れて行ってやるか
10分程電話して寝ようとしたとき、ドアをノックする音が聞こえた。誰かと思いドアを開けると華蓮だった
「珍しいな。お前が来るとは」
「さっきお爺様から電話が来たわ。組織の動きが活発になって来てる。警戒しとけだってさ」
「わざわざそのことを伝えるために此処に来たのか?メールでよかったろうに」
「細かいことは気にしないの。ところでRoseliaの方はどう?」
「急に話題変えたな...順調だよ。新曲の方も明日には合わせられそうだ」
「Afterglowも曲作って欲しいって言ってたよ?作ってあげれば?」
「俺はAfterglowのマネージャーじゃないからな。それに、奏斗がいるだろ。彼奴だって何曲か手伝ってもらったことあるしできるはずだ」
「う〜ん...まぁ聞いてみるよ。あっそれと、最終日にお互いの演奏を披露させたいなって思うんだけど」
「それは構わんが、なんでまた?」
「お互いがこの2週間でどれだけ成長したのか、自分たちに足りないものを確認できるしね」
「そうだな...分かった。奏斗には俺から伝えとく」
「ありがと。夜遅くにごめんね、おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
最終日までまだ1週間以上あるけどな...まぁ蘭を打ち負かすだの友希那を打ち負かすだの言えば勝手にやる気出すだろうしいっか
そろそろ意識が飛びそうなくらいに眠くなってきたので俺はベッドに飛び込んですぐに寝た
読了ありがとうございました
☆9評価をしてくださったしジャムカさん、ゆはらさん(漢字が分からなくてすみません)ありがとうございます!
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