死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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第43話

咲夜side

 

 

ついに花咲川に通う1週間が来た。この件を友希那に話したら何故か残念そうな顔をしていて、今井にめっちゃからかわれてた

 

正直言って不安だ。花咲川には知り合いは殆どいないし、何より先生が俺たちの正体を知らない。普段よりも警戒して過ごさなきゃならないし、何より弦巻だ。おそらく学校の至る所にSPみたいな奴がいるだろうしある程度の監視はされるだろうから余計な行動は控えないといけない

 

「朝理事長室に行くって言ってたけど、少し早すぎないか?」

 

現在の時刻は7時。学校の門が開く時間だった

 

「他の生徒に見られたら大変だからってこの時間に来るように言われたのよ。朝礼が始まるまで理事長室で待機だってさ」

 

「大丈夫かな...俺ここの知り合い紗夜しかいないから不安なんだが」

 

「一応白金もいるだろう。まぁゆうて俺も花音とイヴしかいないけど」

 

「ポピパいるじゃん。少しは楽でしょ」

 

「「彼奴らは嫌だ」」

 

見事に俺と奏斗がハモった。ポピパはテンション高くてついていけんし、何よりうるさい

 

「ハァ...とりあえず正体がバレないようにしなさいよ。理事長ですら知らないんだから」

 

「まぁ普通にやってればバレないだろ。時間もあれだし行くぞ」

 

校内に入ると中には理事長の秘書がいて案内された。この秘書、女にしては身長高いな

 

なんてことを考えながら歩いてたらいつのまにかついていた

 

「鍵村です。神道さん御一行をお連れしました」

 

秘書がドアをノックすると中から了承の声が聞こえてきたので一言挨拶して中に入る

 

「初めまして、私は此処花咲川の理事長をしている加藤です」

 

「この2人の担任をしております、神道祐奈です。私の左にいるのが神道翔、右にいるのが妹尾琉太です」

 

「「よろしくお願いします」」

 

「こちらこそ。この度はこちらの都合に合わせていただき感謝します。月読命理事長によろしくお伝えください」

 

「勿論です。こちらこそ1週間この2人をお願いします」

 

「早速だけれど、貴方たち2人にはこの後の朝礼で少しだけ自己紹介をしてもらいます。まだ時間はあるのでゆっくり考えておいてください」

 

「「分かりました」」

 

自己紹介か...入学式のときもやったなそんなこと。あのときみたいにやれば問題はないか

 

「それでは私はここで失礼します。2人とも頑張ってね」

 

「あぁ、ありがとな」

 

華蓮を見送り、俺たちはここで待機となった

 

「貴方たち此処には親しい知り合いはいるかしら?できればそこのクラスに配属させるつもりだけれど」

 

「1年の間でしたら俺は若宮イヴさんがいます」

 

「俺は1年にはいませんね。2年の方にはいるのですが」

 

「そう。2人には申し訳ないけれど、なるべく多くの生徒に体験させたいから別のクラスに配属させることになるけれどいいかしら?」

 

「構いません」

 

イヴがいるならまだなんとかなるだろ。奏斗はまぁドンマイだ

 

「あと30分くらいしたら移動します。それまでに準備をしておいてください」

 

いよいよだな。まぁなんとか頑張りますかね

 

 

紗夜side

 

 

今日は朝から学校は騒がしかった。なんでも今日から1週間2人ほど男子が編入されるらしい。そのため周りでは入ってくる男子はカッコいいのがいいなどそのような会話で持ち切りだった

 

今日は朝礼があるのでみんないつもより学校に来るのは早かった。身だしなみも大半が揃っていたのでチェックも楽だった

 

「それにしても、誰が来るのかしらね...」

 

ほとんど何も情報は入っていないので誰が来るかまでは分からない。朝礼で紹介されるらしいが、できれば真面目な人が来てほしい

 

「あっ氷川さん...おはようございます」

 

「白金さん、おはようございます」

 

「どうしたんですか?その...難しそうな顔をしていたので」

 

「いえ、今日から来る男子生徒が誰なのか少し気になっただけです。白金さんは何か知っていますか?」

 

「私も...分からないです...すみません」

 

「気にしなくていいですよ」

 

まぁ知らなくて当然だろう。担任からは男子生徒が来るとしか聞いてないのだから。ふと時計を見るとあと5分で移動開始の時刻だった

 

「それでは時間なのでそろそろ教室に戻りましょう」

 

「はっはい...」

 

 

♪ ♯ ♭ ♪ ♯ ♭

 

 

そして朝礼が始まった。今は理事長が男子との関わりについて話をしている。此処の理事長は少しばかり話が長い

 

「それでは今日から1週間此処で過ごすことになった男子生徒を紹介したいと思います。出て来てください」

 

理事長の合図でステージ脇から2人の男子が出てきた。そしてその人物は私を驚かせるには十分だった

 

「...は?」

 

あまりの出来事に間抜けな声が出てしまう。それもそうだろう、何故ならステージに立っているのは

 

「羽丘学園から来ました、1年の神道翔です。よろしくお願いします」

 

「同じく妹尾琉太です。よろしくお願いします」

 

私の初恋である琉太、そしてRoseliaのマネージャーである翔さんだった

 

「それではみなさん仲良くしてくださいね」

 

周りでは黄色い歓声が上がっていたが、私は驚きのあまり何も聞こえなかった

 

 

奏斗side

 

 

ステージで軽く自己紹介をしたところで今日の朝礼は終わりとなった。あの後俺たちはそれぞれの担任に連れられて各教室へと向かった

 

あ〜咲夜がいないのは不安だ。ただでさえ羽丘にも俺たちしか男子がいなくて彼奴と一緒だったからなんとかなっていたものの、離れるとなるとかなり面倒臭い

 

「ハァ...」

 

「ため息ばかりついてると幸せが逃げるぞ。私のクラスはみんな優しい、安心しろ」

 

俺の担任はどこか男っ気があり威厳がある。目もなかなか鋭いし、逆らったらボコられそうだな。絶対勝てるけど

 

「そういえば、妹尾は1年には友人はいないみたいだがそこは大丈夫か?」

 

どういう意味の大丈夫だこの野郎

 

「一応知り合いみたいなのはいますけど、軽く話したことがあるくらいですから親しいとはいえませんね」

 

「どうせ周りの女子が寄って来るだろう。お前見てくれはかなりいいし、さっきの歓声を聞けば嫌でも気にはなる」

 

「まぁなんとかしますよ」

 

昼飯は紗夜と食べよう。他にまともな知り合いがいないし紗夜なら寄ってたかるようなことはしないだろ

 

「此処だ。弦巻がいるが悪いやつではないから安心しろ」

 

「えっ...」

 

嘘だろ?弦巻だけは同じクラスになりたくなかったというのに!

 

「お前ら席につけ。このクラスに先程の男子が1人配属となった。改めて紹介する、入れ」

 

先生の指示に従い教室に入る。すると中からキャーとか叫び声が聞こえてきた。耳が痛い

 

「え〜先程も挨拶をしました、妹尾琉太です。1週間という短い時間ですがよろしくお願いします」

 

「よし、それじゃあ彼処の空いてる奥沢の隣に座ってくれ」

 

名字を聞いて分かったがなんとまぁミッシェルの中身ではないか。彼女とはCiRCLEでライブをやったときに話すし少し助かった

 

「久し振り奥沢さん。これからよろしくね」

 

「こちらこそ、いつもこころがご迷惑をおかけしております...」

 

「あはは...敬語はいらないから、分からないことあったらよろしくね」

 

「分かりました」

 

「それじゃあ5分後に授業を始めるぞ。各自準備しておけ」

 

この後残り5分だというのにクラスの女子から質問攻めにあったのは言うまでもない

 

 

咲夜side

 

 

奏斗と別れた後、俺は担任となった人に教室に案内されていた。この人はなんだかふんわりしていて空気が掴みにくい

 

「それじゃあ早速紹介しちゃおっか。一緒に入って来てね」

 

彼女と一緒に教室に入ると窓が割れるんじゃないかと思うくらいの叫び声が聞こえてきた。距離が近いため耳が痛い

 

「は〜いみんな静かに!今日から神道君が此処のクラスに配属されたからみんな仲良くね!」

 

「先程も紹介しました神道です。今日から1週間よろしくお願いします」

 

「じゃあ神道君は若宮さんの隣に座ってもらうね」

 

マジかラッキー。イヴとは仲良いし、何より数少ない俺が信頼している奴だ。それに久しく会ってないからな。話もしてみたい

 

「よっ久し振りイヴ」

 

「お久し振りです翔さん!元気にしてましたか?」

 

「あぁ。イヴこそ、仕事の方はどうだ?それとストーカーの件も」

 

「お陰様で大事にならずに済みましたよ。警察の方がすぐに片付けてくれました。まるで町奉行のようです!」

 

「それとこれとは違うんじゃないか...まぁ彗人さんは優秀だからな」

 

あの人確か組織の対策チームの最高責任者じゃなかったっけ?昔から世話になってるし、彗人さんには頭が上がらない

 

「は〜いそれじゃあ授業を始めるよ。みんな神道君とお話したいだろうけど我慢してね。終わったら幾らでもしていいから」

 

おい待て、俺の身が持たねえぞ。入学式のときもそうだったが、あの数を1人ずつ受け答えするのはかなり疲れるんだが

 

「ハァ...不安だ」

 

「翔さんもブシドーの心を持てば大丈夫です!」

 

「すまん、俺にはできそうにない。そうだ、昼飯一緒に食べようぜ。花音も後で誘うつもりだから」

 

「はい!是非ご一緒させていただきます!」

 

なんだかイヴの珈琲が飲みたくなってきたな。後で羽沢珈琲店のシフト入ってるか聞いてみよう

 

なんてことを考えながら俺は午前の授業を受けた

 

イヴにシフトを聞いたら今週はパスパレとかモデルの仕事の関係で行けないと言われ、酷く落ち込んだのは別の話




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