死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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遅れてすみません。テストもう死んでほしいわ...


第55話

友希那side

 

 

今私はリサやリサの家族、私の家族と一緒に昼食をとっている。午後からはライブがあるので、それに備えて準備もしておかなければならない。だが、そんなことを考えている暇は今の私には無かった

 

...翔とキスをしてしまった

 

彼と別れる際、何をされるかと思ったら急に抱き寄せられキスをされた。誰がこんなことを予想できただろうか。今でも感覚が唇に残っている

 

「っ〜〜〜〜///」

 

「ねぇ友希那、さっきから何回も顔赤くして悶えてるけど大丈夫?ライブあるけど...」

 

「だっ大丈夫よ...それより、翔達は何処にいるの?ライブの打ち合わせもしたいのだけど」

 

「何かさっき30代くらいの男の人と喋ってたよ?その後祐奈さんとか花梨も合流してお昼食べに行ってたけど」

 

「その男の人、体格とかは良かったかしら?」

 

「え?まぁ凄く強そうな感じしたけど、どうしたの?」

 

「ちょっと気になっただけよ」

 

おそらく、彼の知り合いの警察の人だろう。彼の話によれば、既に警察の人が何人も紛れ込んでいて、保護者や生徒の避難誘導はやってくれるとのこと。私達は翔達の指示に従いその場からなるべく遠ざかることになっている

 

私には何もできない。相手は何度も翔達を殺しに来た連中だ。失敗こそしているものの、彼らに重傷を負わせるほどの力を持っている。私達がいては邪魔になってしまう

 

「友希那、さっきから浮かない顔してるけど本当に大丈夫?何か悩みがあるなら聞くよ?」

 

「大丈夫だから。ライブについて考えてただけよ。リサ、貴女は調子はどうかしら?」

 

「家で軽くやった時は良かったよ。友希那は言うまでもないよね、翔達と一緒にライブできるんだもん」

 

「なぁ!?ちょっと変なこと言わないで!///」

 

もう...さっきのこと思い出しちゃったじゃない。お陰で耳まで真っ赤になっていることだろう

 

「リサちゃん、その翔という子は誰のことだ?」

 

「あっそっか。友希那のお父さんは知らないんだ。アタシ達Roseliaのマネージャーをしてくれてる男の子で、ついでに言うと友希那の意中の人だよ」

 

「リッリサ!余計なこと言わなくていいから...///」

 

「ほぅ...是非とも会ってみたいものだな」

 

「もう凄いイケメンですよ!流石は友希那の意識を持っていく人だって感じ!」

 

今日は何回恥ずかしい思いをすればいいのだろうか?今までお母さんだけだったからまだ何とかなっていたものの、お父さんにまでばれたら家で質問攻めに会うことだろう

 

「リサちゃんがそこまで言うか...マネージャーと言ったが、彼にも音楽経験があるのか?」

 

「経験どころか、彼が所属しているバンドXaharは3年前FWFで圧倒的な差で優勝した、その演奏レベルは最早化け物よ」

 

「まさか...君たちが言う翔とはあの神道翔のことだったのか。私はあの時現地で見ていたが、確かに他のバンドとは比べものにならなかったな」

 

「ギターの妹尾琉太がAfterglowのマネージャーをやっているわよ。他にもドラムで翔の姉である祐奈さんがここで教師を、翔の妹のベースボーカル、花梨がここの中等部にいるわ」

 

私の話を聞いたお父さんは心の底から驚いている様子だった。それもそうだろう。こんなすぐ近くにフェスでの王者がいたのだから

 

「Xaharについて調べたことはあるか?」

 

「えぇ。彼らが優勝したと分かったあとに少し調べたわ。その時はコメントとか書いてあったけれど...」

 

「私も調べたが、おかしいところが幾つかあった。彼らに関する情報が殆どと言っていいほど無かったんだ。年齢や出身、見たら学生と分かるくらいだったのに学校も記されていなかった」

 

「やっぱり、優勝したらその辺の情報は公開されるの?」

 

「えぇ。本人たちの許可はいるけれど、普通は公開されるわ。でも、彼らに関する情報は名前しかなかった。顔写真すら載っていなかったわ」

 

「考えられることとしては、彼らの後ろには巨大な力が働いているのかもしてないということだ。そのお陰で優勝した訳ではないだろうが、そうでもない限りこれはおかしい」

 

彼らがただの高校生だとは到底思っていない。夏合宿の時や彼と出かけた時、いずれも手加減をしているように見えた。殺さないようにしているのではと思っている

 

「いずれにしろ、彼らについては少し警戒した方がいい。いつか大きな事件に巻き込まれる可能性だってあるからな」

 

「それについては今は置いておくわ。私は翔達を探してくるから、リサはAfterglowの皆と打ち合わせをしておいて」

 

「りょーかい!」

 

今回のライブは少し特殊だ。出演は全部で6バンド

 

 

Poppin’Party、Afterglow、Pastel*Palettes、Roselia、

ハロー、ハッピーワールド!、Xahar

 

ポピパ、パスパレ、ハロハピの人たちはそれぞれでライブをやるが、RoseliaとAfterglow、Xaharは違う。私たちはそれぞれが持つ曲を1曲ずつ、3バンド同時に演奏することになっている。最初はそもそもXaharが出ることすら計画になかったのだが、私たちが頼んで(強制)出てもらった。その時にあこが今回のことをやりたいと言い出したのだ

 

RoseliaからはBLACK SHOUT、AfterglowからはScarlet sky、Xaharからは月光を出すことになった

 

私たちの曲は勿論、Afterglowの曲も早い期間で仕上げたが、月光が異常なほどまでに難しかった。スコアを渡された時、見た10人全員が絶句するというくらいに次元が違った。まりなさんも見た時は言葉を失っていたし、あのお父さんですら何も言えなくなるだろう

 

あれからスパルタに近い特訓を受けて何とか完成まで持ち込んだ。特に花梨と祐奈さんが担当するボーカル、ベース、ドラム勢は死ぬほどしごかれた。初めて休憩したいと思ったわ

 

「次やる時はもう少し簡単にアレンジしてもらおうかしら...それにしても何処にいるのよ?」

 

さっきから何処を探しても見つからない。ライブまで1時間を切っているし、最後の大玉リレーが終わったら話す機会もない。どうしようかと悩んでいたところ、翔と一緒にいた警察と思われる人を見つけた。あの人に聞けば分かるかしら?

 

「ちょっといいかしら?」

 

「ん?俺に何か用か?」

 

「貴方さっきまで神道翔と一緒にいたわよね?彼が今何処にいるか分かるかしら?」

 

「なんだ、彼奴の知り合いか。彼奴なら日陰のあるところで今頃昼寝してるよ。多分妹とかもいるだろう」

 

「そう、ありがとう。刑事さん」

 

「俺のこと知ってんのか?お前、何者だ?」

 

途端に刑事さんの声音が低くなった。思わず背筋が凍るが、あの時の翔達の殺気に比べたらかなりマシだ

 

「翔がマネージャーをやっているバンドのボーカルの湊友希那よ。話は彼から大方聞いているわ」

 

「あんたが翔の言ってた奴か。悪いが仕事中だからさっさと行くなら行きな」

 

「彼らが狙われていることは知ってる。だから、貴方にお願いがある」

 

「...何だ?」

 

「彼を、翔を死なせないで。彼は私の大切な人なの」

 

「善処はする。だけど、俺の役割はあんたらの護衛だ。彼奴らが死ぬかは彼奴ら次第だ。あんたは信じて待っててやれ」

 

「...分かったわ」

 

最後に軽く挨拶を交わし、彼の元へ向かう。日陰を探していると彼は本当に寝ていた。私の気も知らないで呑気に寝ていることに腹が立つ

 

「翔、起きなさい。ライブの打ち合わせするわよ」

 

「ん〜...頼むから寝かせてくれ。あとに備えさせろ。ライブは事前の計画通りに進めてくれればいいから」

 

「寝過ぎて動けないなんてシャレにならないわよ」

 

「舐めんな。寝起きは良い方だ」

 

「そういう問題じゃ...とりあえず、ライブは成功させるわよ」

 

「当たり前だ。友希那やモカと一緒にライブできるなんて滅多に無いからな。それに、()()()()()()()()()、今後最高の状態じゃできなくなるかもしれないからな。できるうちにやるよ。着いて来れないとか無いよな?」

 

「愚問ね。どれだけ練習したと思っているの?Roseliaを舐めないで頂戴」

 

「ふん。時間まで寝かせろ。それまでに体力回復させとく」

 

そう言って彼はまた寝てしまった。彼と一緒に寝ようかと思ったが、彼の迷惑にはなりたくない。でも、欲には勝てなかった

 

「...おい。お前は何をしている?」

 

「見て分かるでしょう。貴方と一緒に寝ようかと思っただけよ」

 

「ハァ...後でリサさんにからかわれても知らねえぞ。あの人がなんでからかってるのかは知らないが」

 

「人のファーストキスを奪っておいて随分な言い草ね。私はもう1回やってもいいけれど?」

 

「嫌だね。ほら、寝るなら寝るぞ」

 

彼は背を向けて寝てしまった。してもいいというよりしたいの方が正しかったけれど...私は彼に寄り添うようにして意識を手放した




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