死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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最近週1でしか投稿できてない気がする...本当にごめんなさい


第56話

咲夜side

 

ついにライブが始まった。俺たち3人は衣装の中に無数のナイフを仕込んだ状態でステージ脇で待機している。これたまに刺さって痛いんだよな...

 

1発目はハロハピ。弦巻のいるせいか発想はぶっ飛んでる。そのおかげで盛り上がるわけだが。あっ花音がちらっと俺を見た。演奏に集中しろ

 

2発目はポピパ。やはりこのバンドはポップな曲が多い。ハロハピに続いて明るい曲が来たから客はどんどん盛り上がってく

 

3発目はパスパレ。前にイヴからキーボード教えてくれと頼まれて1日指導したことがあるが、そのときよりも格段に上手くなってる。アイドルの曲はよく分からんが、まぁ悪くない

 

パスパレの演奏が終わり、ようやく俺たちの出番となった。弦巻の家の黒服たちが異常な速さで楽器を入れ替えていく。月読命家の連中もこれくらいはできるのかな?

 

ものの数秒でセットが終わり、ステージのライトが明るくなる。客は楽器の多さに驚きを隠せないらしく、ざわざわしている。司会である花咲川の生徒会長の合図で14人一斉にステージに上がった

 

 

キャーーーーーー!!!!

 

 

姿が見えた瞬間悲鳴のような叫びが聞こえてきた。やっぱりAfterglowとRoseliaは人気だねぇ...(主に咲夜と奏斗に対する歓声)MCは俺と奏斗に押し付けられた。マジF○CK

 

「えぇ〜MCは俺妹尾琉太と神道翔がやる。まずは軽くメンバー紹介からいくぞ。お前たちから見て左側がAfterglowだ」

 

 

キャーーー!!!

 

 

奏斗の紹介に合わせてAfterglowが礼をする。す他のバンドとは盛り上がりが違う

 

「次だな。お前らから見て右側、Roselia」

 

 

キャーーーー!!!!

 

 

次は俺がRoseliaを紹介する。Afterglowより若干盛り上がりが多いな。まぁ実力は5バンドの中でトップだしな

 

「最後に、真ん中にいるのが俺たちXaharだ。今日はよろしく」

 

その瞬間、今日1番の歓声が聞こえてきた。鼓膜破れる痛い。どっからそんな声出してんだよ...

 

「今日は特別にこの3つでやらせてもらう。お前ら、準備はいいか?」

 

 

イェーーーーーーーイ!!!!!!

 

 

「...大丈夫だな。じゃあまずは1曲目、Scarlet sky!」

 

まずはAfterglowのカバーから。この曲は俺も結構お気に入りだったりする。歌詞には蘭の想いが込められているけど、柏や友希那もまるで自分が感じたかのように歌っている。この3人バケモンだな

 

「ふぅ...じゃあ次いくぞ。BLACK SHOUT」

 

2曲目は俺が道を見つけたきっかけとなったBLACK SHOUTだ。今回はアレンジしてリマスターverとなっている。Roseliaも随分成長したな...

 

「ハァ...次で最後だ。お前ら、死ぬつもりでついて来い!」

 

 

イェーーーーーイ!

 

 

「準備できたみたいだな。3曲目、月光」

 

最後は俺たちの曲だ。よく考えれば合同練習これが1番大変だった気がする。初めて作った曲なのでそこまで難しくしたつもりはなかったのだが、彼女たちにとってはキツかったらしい

 

キーボードとギターは飲み込みも早く普通に指導していたが、ベース、ボーカル、ドラムは死ぬ程しごかれたと聞く。何せあの友希那が休憩したいと思ったくらいだからな

 

...生きてたら労ってやろう

 

3曲目も問題無く終わり、残るは5バンド全員によるスペシャル演奏だけとなった。だがその前に休憩時間を設けてあるので一旦休憩だ

 

「あぁ〜疲れた。もう腕が動かないよう...」

 

「おい、お前はこれから仕事があるだろうが。華蓮が欠けたら俺らが死ぬぞ」

 

「分かってるよーだ。貴方たちも体力は残ってるの?」

 

「当たり前だ。演奏中も少しは周りを見てたんだが...」

 

「私も思った。奴らの気配が殆ど感じられない。少なくとも観客の中にはいなかった」

 

問題はこれだ。予想では観客に紛れて仕掛けて来ると思っていた。だが、そのような気配は一切無かった

 

「今奏斗と柏が見張りを立ててるが、このままじゃ埒が明かないな...どうする?」

 

「このまま進めるしかないわね。予定通り、私たちはステージ脇で待機、待つしかない」

 

「そうだな。俺は奏斗にもこのことを話してくる。華蓮も柏と一緒にステージの片方を見ててくれ」

 

「了解。ステージの裏にはいなかったから、あの子たちも今は大丈夫な筈よ」

 

「分かった」

 

何か嫌な予感がする。おそらく、向こうだって俺たちが待ち構えていることは分かっている。そう簡単にことが上手くいくわけないのだが、もう作戦は機能してない

 

「奏斗、どうだ?」

 

「駄目だ。見える限りの場所を探しているが、それらしき人物は誰1人見つからない。何処にいるんだ...」

 

「こうなったら奴らが仕掛けて来るのを待つしかない。いつでも殺れるように準備しとけ」

 

「分かった。例のものは何処に置いてある?」

 

「柏が持ってるよ。椅子の代わりにしてるけどな」

 

本人はそれで隠せてるつもりらしいが、幾ら何でも無理があるだろ。柏も柏でポンコツだよな...

 

「柏にも用意はしてあるが、なるべく使わせないように尽くしたいものだな。彼奴の綺麗な手を汚い血で汚すわけにはいかんからな」

 

「そうだな...こんなのは俺たちだけで十分だ。ここで終わらせてやる」

 

「あぁそうだ。これ、彗人さんから通信用のインカム貰ったから今のうちに渡しとく」

 

あの人そんな物まで用意してやがったのか。頼りにやるのはいいけど、ぬかりが無さすぎて怖い

 

「サンキュー。もしもし彗人さん、聞こえるか?」

 

『咲夜か。聞こえてるよ。そっちはどうだ?』

 

「全然気配が感じられない。何処かに潜んでる筈なんだが...彗人さんの方はどうだ?」

 

『部下たちにも探させてるが、こちらも怖いくらいに感じられない。もう作戦が滅茶苦茶だな』

 

「逆に上手くいったら凄えわ。もうすぐラストステージが始まる。いつでもいけるようにして置いてくれ」

 

『了解』

 

やっぱり向こうも駄目か...俺たちが1番動けなくなる状況、それは演奏中か皆が人質に取られたときの2つのみ。もう俺らが演奏することはないから、可能性は1つに絞られる。できれば避けたい状況だったが仕方ない

 

「奏斗、既に事態は最悪の方向に進んでるが彼奴らに傷つけることだけは避けろよね」

 

「分かってるよ。幸い、弦巻家の黒服たちがいるのが救いだな。あれにも避難誘導は手伝ってもらおうか」

 

そういえばいたな。絶望の中にも僅かな希望はあるものだな

 

そして、ついに今日のメインステージが始まった。5バンドのセンターを務めるのはやはりRoselia。1番の実力者であり、何よりもこの場を治める力がある。MCは友希那と今井の幼馴染コンビだ

 

『じゃあ早速行っくよー!せーの!』

 

『『『『『クインティプル☆すまいる!』』』』』

 

いよいよだ。今から始まるであろう演奏に耳を傾けようかと思ったその刹那

 

 

パチン

 

 

ステージの明かりが全て消えた

 

「!?今かよ!?華蓮、柏!周囲を警戒しろ!」

 

くそっ!本当に最悪のタイミングでやりやがった!観客のざわめきのせいで奴らの気配が感じにくくなってる...何処だ?

 

「...まさか!」

 

「奏斗?」

 

「ステージの下だ!ここの構造によれば下は空洞だった筈!微かに足音も聞こえる!」

 

「チッ!お前ら!今すぐステージ脇に...」

 

その瞬間、ステージの前方の下から何十人もの黒いコートに包まれた奴らが一瞬にしてガールズバンドの皆を取り押さえた。くそっ...油断した

 

『咲夜!そっち任せたぞ!』

 

不意にインカムから彗人さんの声が聞こえた。客や他の生徒の避難に移すつもりだろう

 

人数はざっと50人程。その真ん中に立つ男がマイクの前に歩き出した。全員マスクをしているので顔は分からない

 

『月読命咲夜、華蓮、柏、宮本奏斗、出てこい』

 

リーダーと思われる奴が俺たちを呼び出した。おとなしく俺たちはステージへと上がり表に出た。この声、何処かで聞いたような...

 

「久し振りだな...10年ぶりといったところか?随分と楽しませて貰ったぞ」

 

「顔も分からねえのに久し振りとかほざいてんじゃねえ。そいつらを離せ。でなければこの場で全員地獄に送る」

 

「ふん、生意気な。この数でまだそんなことが言えるか?」

 

「私たちを舐めないでもらえるかしら?別にこんなの、3人で十分よ」

 

「さて、皆を離してもらうぞ!」

 

奏斗はその言葉と同時に煙幕弾を地面叩きつけた。辺りに煙が立ち込め視界が奪われる。俺たちは持っていたロープでバンドごとに縛り上げステージの外に放り投げた。すまん

 

「さて、これで荷物はなくなった。そろそろ始めようか。柏!」

 

「はい!」

 

俺の合図により、柏は持って来ていた木箱を俺の方に投げつけた。俺はそれを蹴り壊すと、中からそれぞれ昔俺たちが使っていた武器が出てきた

 

華蓮は2本の日本刀。奏斗は巨大な薙刀。俺は

 

 

 

死神を思わせる巨大な鎌だ

 

 

ふと友希那たちの方を見ると完全に言葉を失っているようだった

 

「久し振りだな...こいつを使うのは」

 

「やっぱりこれがしっくりくるなぁ...」

 

「そうだな。柏、お前は皆を安全なところに連れて行け。彗人さんもすぐに戻って来る筈だ」

 

「でっでも...やはり私も」

 

「お前はそいつらを守ることに専念しろ!これはお前にしか頼めないんだ!」

 

「...分かりました。皆さん!私について来てください!」

 

柏が彼女らを連れて行こうとしたとき、組織のうちの5人が襲いかかって来た。させるわけねえだろ!

 

俺たちは迎え撃ち一瞬にして細切れにした。そういえば、これを見られるとなると...

 

『きゃああああ!!!』

 

後ろから悲鳴が聞こえて来た。そりゃそうなるよな、目の前で人が無惨にも殺されたのだから。しかも知り合いの手によって

 

「どんな奴だろうが、彼奴らを傷つける奴は何があろうと許さない。てめえら、死ぬ覚悟はできてるよな?」

 

俺の言葉に怯みを見せるが、すぐに立ち直る

 

「さぁ、showの始まりだ。奏斗、華蓮、行くぞ!」

 

「「おう!」」

 

命をかけた戦いが今、始まりの鐘を鳴らした




読了ありがとうございます!

次回からこの小説の山場となるのでどうぞお楽しみに!

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