死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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どうもです。FIRE BIRDは皆さん買いましたか?自分は発売日に買いました。Roseliaは神。これ一般常識。おけ?

それでは本編どうぞ


第65話

翔side

 

 

まりなさんに教わりながら仕事をすること1時間弱。休憩に入っていいと言われた俺はRoseliaが使用している第2スタジオへ向かった

 

「休憩入ったぞ。そっちはどうだ?」

 

「丁度私たちも休憩していたところよ。貴方が十分に休めたら再開するわ」

 

「別に気にしなくていいけど。俺だってそこまで貧弱じゃ...嘘ですごめんなさい」

 

やめろ。そんなジト目で見るんじゃない。幾ら記憶を失ってて怪我の理由が分からないからってそんな目で見られたら何も言えなくなる

 

「全く...あと3分だけ休憩するわよ。終わったら披露しましょう」

 

「翔、クッキー食べる?」

 

「...毒入ってないよな?」

 

「当たり前でしょ!?さっきまで皆食べてたんだからね!ほら、さっさと食べる!」

 

「分かったから無理矢理食わそうとするな!あと友希那の目が危ない!ハイライト消えてる!」

 

何でだよ?俺何かした?何故そんなに色々な視線ができる?やばい奴だよなRoseliaって。あっこのクッキー美味い

 

「そろそろ始めるわよ。皆、準備して。翔はそこに座って聞いててくれればいいわ」

 

「了解」

 

どんな曲なんだろうな。激しい曲かそれとも静かな曲か。全く分からないけど、きっと良い曲なんだろうな

 

「準備できたわね。それでは聴いてください。BLACK SHOUT」

 

〜♪〜♪〜

 

...凄いな。一人一人の技術は勿論、お互いを信じ合って心の底から楽しめている。日々の努力が伝わってくる。心が昂りただただ聴き入ってしまう。何も考えることはできない

 

 

ズキン!

 

 

「クッ...」

 

何だ?頭が...クソ。今だけは治ってくれ。彼女らの演奏を最後まで聴きたいんだ

 

『おい』

 

!?誰だ?

 

『本当に何も覚えてないんだな...そのうち分かるさ』

 

不意に聞こえた謎の声はすぐに消え気づけば演奏は終わっていた。頭痛も今はしていない

 

「ふぅ...どうだったかしら?」

 

「凄く良かった。若干ミスはあったけど、それもすぐに直せるだろう」

 

「顔色悪いけれど大丈夫かしら?あまり酷いなら今日は帰った方が...」

 

「問題ない。少し目眩がしただけだ。他にあるか?」

 

「もう1曲だけ。それじゃあ行くわよ。これは、以前の貴方が私たちのために作ってくれた曲。聴いてください。Legendary」

 

〜♪〜♪〜

 

さっきのBLACK SHOUTも良かったけど、この曲はもっと別の何かを感じる。俺が作ったからなのか?前の俺結構良い仕事してたんだな

 

 

ズキン!!!!

 

 

「がっ!?あが...あああぁぁぁ!!」

 

「翔!?しっかりして!」

 

頭が...さっきとは比べ物にならない痛みが俺を襲う。その痛みが消える様子は全く無く、俺はその苦しみに支配された。その時、あの声が聞こえた

 

『お前には何がある?記憶を失い空っぽの状態。人の身体を何に使うつもりだ?』

 

「何を...誰なんだお前は!」

 

『俺はお前だ。分かりやすく言えば...前のお前?』

 

「前の俺...だと?」

 

『そうだ。Roseliaの曲の中でも特に思い入れがある2曲を聴いたおかげでこうして表に出てこれた。その点については感謝する』

 

「何が目的だ!言え!」

 

「翔!しっかりして翔!」

 

『いずれ分かるさ。歯車は今動いた。時が来るまで待つんだ』

 

「おい待て!話はまだ...」

 

 

 

ズキン!!!!

 

 

 

「グァァ!あああぁぁぁ!!」

 

 

「翔!」

 

 

「!?ゆき...な?」

 

「翔!大丈夫!?どうしたの!?」

 

「...ありがとう」

 

この言葉を境に俺の意識は途絶えた

 

 

 

友希那side

 

 

 

何故無理矢理にでも休ませなかったのだろうか。1曲目の時点で彼には異常があった。本来ならそこでやめるべきだったのに彼がいいならと続けてしまった。結果、2曲目で彼は限界を迎え発作を起こしてしまった

 

「ごめんなさい...ごめんなさい...」

 

「やっぱり無理があったよね...友希那、とりあえず奏斗のところに連れて行こう?」

 

リサに言われて翔を連れて行こうとすると、スタジオの扉が急に開いた。やって来たのはなんと柏だった

 

「全く...自分の身を考えないのは変わってないですね。1番治って欲しかったのに」

 

「柏...ごめんなさい」

 

「友希那さんが謝る必要はありませんよ。悪いのは自分の身に異常があるのにそれを無視したこのバカですから」

 

「何故、彼が発作を起こしたのが分かったのですか?」

 

「お兄様の服に発信器と盗聴器をつけてあるので、貴女たちの会話も丸聞こえです」

 

「翔どうするの?暫く起きそうにないけど...」

 

「とりあえず事務室に放り込んでおきましょう。あとはまりなさんに任せます。Roseliaの練習は私が見ます。リサさんと氷川さん、お兄様を運ぶので手伝ってください」

 

柏はリサと紗夜を連れて彼を運んで行った。今この場にいるのは私とあこ、燐子の3人だけだ

 

「...ごめんなさい。私のせいでこんなことになってしまって」

 

「友希那さんは悪くないです!しょー兄が倒れちゃったのはびっくりしたけど、それが友希那さんのせいなわけ無いです!元気だしてください!」

 

「柏ちゃんも...分かっていましたし...誰も友希那さんを責めませんよ」

 

「...ありがとう」

 

倒れる間際に言ったあの言葉。あれは何だったのだろうか?そしてあの独り言。誰に向けて言っていたというの?記憶が戻ったかどうかは彼の意識が戻らないと分からない。私にとっては戻ってほしいが、多くの人はそれを望んでいない。私1人の考えで事を運ぶのはあまりにも傲慢すぎる

 

暫くするとリサたちが帰ってきた

 

「彼の容体は?」

 

「ぐっすり寝てますよ。すぐに目を覚ますでしょう。奏斗さんにこのことを伝えに行ったらモカさんが血相変えてお兄様の元へ行ってしまいましたが」

 

「...そう」

 

「先程も言いましたが、貴女は悪くない。それよりも早く練習を始めましょう。いつでもお兄様に聴かせられる音を保てるように」

 

「分かったわ。お願い」

 

「フェスで優勝するならどんな精神状態でも最高の音を奏でなくてはならない。こういう時こそやれば更に成長できます」

 

「そうね。皆、頑張りましょう」

 

「それと...」

 

「?」

 

「あの人の記憶を取り戻したいのは私たちも同じです。でも、それが正しいのか、誰にも分からない。だから私やお姉様は何も動くことができない。でも、貴女は自分の選択を信じて前に進んだ。その想いを誇りに思ってください」

 

「...ありがとう」

 

「もう覚悟はできました。友希那さん、お兄様の記憶を取り戻すのを手伝ってくれませんか?Roseliaの皆さんも、どうかよろしくお願いします」

 

そう言うと柏は深く頭を下げた

 

「そんなにかしこまる必要なんて無いわよ。断るとでも思ったのかしら?」

 

「ほら、頭上げてよ柏。アタシたちも全力で支えるから」

 

「柏さんには大きな借りがありますからね。私も協力します」

 

「妾の闇の力...えっと、頑張るぞー!」

 

「一緒に...頑張ろう」

 

「ありがとうございます!」

 

「柏、貴女も1人じゃない。私たちがいるから。それじゃあ、練習始めましょう」

 

「では先程の2曲のミスを言うのでそれを直していきましょう」

 

彼の記憶を取り戻す方法。そんなもの分からないけれど、きっとできる。だから待ってて、()()

 

 

 

モカside

 

 

 

あたしは今CiRCLEの事務室で寝ているしょ〜君の看病をしている。Afterglowの皆には悪いけど、あたしにとってはこっちの方が大事だった。皆はそれを責めること無く送り出してくれた。多分、奏斗があたしの代わりをやっていることだろう

 

柏から彼が倒れたと聞いた時、身体全身に寒気が走るのが分かった。事務室で寝ていると分かった瞬間身体は勝手にその方向へ向いていた

 

「しょ〜君...」

 

彼はぐっすり眠っている。こちらの心配も知らずに。倒れた原因はRoseliaの演奏。おそらく、彼の中の記憶が関係しているのだろう

 

あたしの中には彼が無事なことに対する安心ともう1つ、湊さんに対する少しの怒りがあった

 

Roseliaの演奏を聞けば何かしら彼に異変が起こると分かっていた筈。なのに、あの人はそれを実行した。その結果がこれだ。何故湊さんはこんなことをしたのか。あたしには分からなかった

 

ふと時計を見るとスタジオ利用時間の終わりに近づいていた。流石に片付けをしないのは悪いと思ったあたしはスタジオに戻った

 

「帰って来たか。翔はどうだ?」

 

「ぐっすり寝てるよ〜。ごめんね〜途中で抜けて」

 

「気にするな。よし、そろそろ片付けよう。巴、来い」

 

「アタシ?何だよ、いつもみたいに...」

 

「ラーメン奢ってやる」

 

「よし乗った」

 

奏斗、どうしたんだろう?いつもなら蘭と一緒に次の予約取りに行くのに。蘭も不思議そうな顔してるし...

 

「やっぱあたし何かしちゃったのかな...巴にまで誤魔化されたし」

 

「ん〜私的には嫌っているようには見えなかったけどなぁ。どっちかと言うと緊張してるっていうか...」

 

「私も思った。奏斗君、蘭ちゃんの時だけ凄く身体が固くなってたし多分緊張してるんじゃないかな?」

 

話す時に緊張...もしかして

 

「あたし分かっちゃったかも〜」

 

「え?モカ分かるの?」

 

「多分蘭も経験したことあると思うよ〜」

 

「あたしも?全然分かんない」

 

「言ったら面白くないからね〜。まぁ少なくとも嫌ってはいないから安心して〜」

 

「...分かった」

 

まさか奏斗がね〜。これはもうくっつけちゃった方が良いかもね〜

 

片付けを終え外に出るとRoseliaも同じタイミングで出て来た。湊さんの顔を見た瞬間あたしの中で黒い感情が湧いてくるのを感じた

 

「もっモカ...?どうしたの?」

 

「モカがキレてる...何があったんだ?」

 

「初めて見たかも...」

 

「こっ怖い...」

 

「ねぇ〜」

 

「「「「!?」」」」

 

自分でも驚くくらいの冷たく低い声が出たかもしれない。皆も驚いたみたいで身体を震わせていた

 

「ちょっと湊さんのところに行ってきていい〜?」

 

「うっうん...あまり遅くならないでね」

 

「は〜い」

 

「ちょい待て俺も行く。今のお前マジで危ない」

 

「ちょっと黙っててくれると助かるかな〜。奏斗には関係無いことだから〜」

 

「無いわけあるかアホ。モカがキレてる理由は何となく分かる。だったら着いて行くしかないだろ」

 

「ふ〜ん...」

 

「あっそういえば翔どうしよう?柏と2人で担いで行くしかなさそうだな...」

 

この後Afterglowの間で青葉モカを怒らせてはいけないという暗黙の了解ができた、らしい




読了ありがとうございました。皆さんもモカを怒らせるのはやめましょう

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