死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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どうも、最近ツナグ、ソラモヨウにどハマりした暁月です。ドリフェス友希那出なかったのでスマホの方でリセマラやりまくりました

それでは本編どうぞ


第67話

友希那side

 

 

 

「...此処か」

 

「えぇ。此処で合ってる筈よ。とりあえず受付を済ませましょう」

 

「おけ」

 

私は翔と2人で青森県の十和田市に来ていた。何故こうなったかというと時間は3日前に遡る

 

 

 

 

 

〜3日前〜

 

 

 

 

 

 

「ペアチケット?」

 

「さっき商店街のクジ引きで当てた」

 

いつも通りCiRCLEで練習をしていて休憩に入ったところで翔が急にチケットを取り出したのだ。何とそれはペアでの旅行チケットだった

 

「適当に引いたら何か当たっちゃってな...今度3連休だし誰か行きたい人いるか?」

 

「翔行かないの?花梨とか琉太と行けば?」

 

「花梨と琉太はAfterglowと練習だってさ。姉さんは忙しいとのこと。Roselia3日間とも練習無かったし誰か行きたい人いないかなと。友希那と今井とか」

 

「アタシ家族で出かける予定あるから無理なんだよね〜」

 

「じゃあ氷川と妹」

 

「日菜はパスパレの仕事があるらしいです。私もその日は少し用事があるので...」

 

「あこと白金」

 

「あこもその日行けないです」

 

「私は...外に...出たくないです」

 

「マジかよ」

 

私は特に何もないけれど...流石に誰も行かないのは勿体無いわね。戸山さん辺りに渡せばきっと行けると思うけど

 

「じゃあさ、翔と友希那で行けばいいじゃん!」

 

「...は?」

 

え?今リサ何て行ったのかしら?私と翔の2人で?旅行?2人きりで?

 

「俺は別に構わんけど...友希那に任せる」

 

「ちょっちょっと待って。リサ、こっち来なさい」

 

「わわっ!ちょっとゆきなぁ〜!」

 

私はリサの腕を掴み外へ連れ出した

 

「いきなり何を言い出すのよ貴女は!/////私と翔で旅行なんて...」

 

「本音は?行きたいんでしょ?顔に書いてあるよ」

 

「そっそれは.../////」

 

確かに、本音を言えば行きたい。行けば確実に距離を縮められるし、雰囲気次第では告白も...無理ね。私に告白なんてできるわけが無い

 

「折角の機会なんだし、行って来なよ。翔も無関心に見えるけど、なんだかんだ友希那といる時が1番楽しそうだよ」

 

「...分かったわ」

 

 

 

そして現在に戻る

 

 

「何だか凄く高そうなホテルだけど、此処で合ってるのよね?」

 

「さっき自分で言っただろ。とりあえず、部屋に荷物置いてこよう。流石に重い」

 

彼が辛そうにしてたのですぐに受付を済ませ、部屋の鍵を貰い部屋へ向かった。受付の際受付の人に『美人な彼女さんですね』と言われとても恥ずかしかった。しかし彼は速攻で否定したので傷口を殴った

 

部屋に着くと彼はすぐに謝って来た

 

「なぁ悪かったって。友希那と彼女ってのを否定しただけだから。美人は合ってると思うし」

 

「だから鈍感って言われるのよ...」

 

「何?」

 

「何でもないわ。今日は私の言うことを聞くこと。それで許してあげる」

 

「仰せのままに歌姫様」

 

「/////」

 

たまにこうやってキザな台詞を言ったり仕草をしたするのを本当にやめてほしい。ドキドキしすぎて心臓に悪い

 

「さて、どうする?昼飯にはまだ早いか?何処か行きたいところあるか?」

 

「そうね...特に考えてなかったけど、翔は行きたいところあるかしら?」

 

「奥入瀬渓流に行きたいな。この時期は紅葉が綺麗なんだと。でも明日がいい」

 

「じゃあ今日は普通に街の観光に行きましょう」

 

「了解」

 

それから私たちは街の方に出て観光に行くことにした。交通手段が無いためバスで行くことにしたのだが

 

「うぅ...気持ち悪い」

 

どうやら記憶を失っても乗り物酔いは無くならなかったらしい。顔色は青を通り越して蒼白となっていた

 

「大丈夫?キツイなら降りて歩いていけばいいと思うけど」

 

「歩いたら30分以上かかる。折角の旅行をそんなんで潰されてたまるかっての...」

 

「ハァ...いいけど、本当に苦しくなったら言いなさいよ?怪我も治りきってないのにそれ以上無理をされたら困るわ」

 

「へーい」

 

本当に分かっているのだろうかこの男は?

 

15分もかからないうちに街に着き、まずは翔の休憩がてらお昼ご飯を食べに近くのカフェに入った

 

「...死ぬかと思った」

 

「だからあれほど言ったのに...何か食べれそうかしら?」

 

「メニューによるな。じゃあアイスコーヒーとサンドイッチ頼む」

 

「分かったわ。私が頼んでおくから貴方はちょっと休憩してなさい」

 

「そうする」

 

彼はそう返事するとすぐにテーブルに突っ伏してしまった。そんなにキツイなら最初から歩けばよかったのに...まぁ彼の時間を無駄にしたくないという気持ちに免じて許してあげよう

 

5分ちょっとで私たちが頼んだであろうサンドイッチらが目に入ったので彼を起こした。たった5分だというのに彼の目は凄く眠そうでトロンとしていた。可愛い

 

『いただきます』

 

軽く手を合わせてから私は彼とは違ったサンドイッチを食べる。私のは数種類のフルーツと生クリームが挟まれたサンドイッチだ。見た目的にとても甘そうだが、それほどでも無いので食べやすい

 

「それ甘くないのか?生クリームだらけで食べたらおかしくなりそうだけど」

 

「そうでもないわよ。少し甘さが抑えられていて食べやすいわ」

 

「ふーん。一口くれ」

 

「分かったわ」

 

私は彼にサンドイッチを渡した。サンドイッチを食べた彼は徐々に青ざめていきついには...ん?ちょっと待ってこれって...

 

「あっま!これで控えめ!?友希那お前味覚大丈夫か?」

 

「かっ間接キス.../////」

 

「おーい友希那?何で顔赤くなってんだ?」

 

翔が何かを言っているがそれどころじゃなかった。無意識とはいえ何をやってるのよ私は...

 

「おーい。ゆーきなぁー」

 

「へ!?なっ何かしら?」

 

「いや、そろそろこれ返したいんだけど」

 

「あっ、ごめんなさい。貴方は前から本当に甘いの苦手ね」

 

「みたいだな。中身は殆ど変わってねえみたいだ」

 

「体調の方は大丈夫かしら?大丈夫そうなら早く食べて観光に行きたいけれど」

 

「大分良くなったよ。さっさと食べて行くか。先に土産買いに行こうぜ。明日1日遊びたいからな」

 

「そうね。それでいいと思うわ。貴方は誰に買うのか決めてあるの?」

 

「とりあえず花梨と琉太と姉さん。それとAfterglowの皆にも買ってやろうかと思う。Roseliaは友希那に任せていいか?」

 

「えぇ。私は戸山さんにも渡そうかと思ってるわ」

 

「そうと決まれば行くか。会計済ませてくるから友希那は外で待っててくれ」

 

「分かったわ」

 

彼に私の分を渡そうとしたらいらないと言われてしまった。その辺の気遣いができる辺り、本当に何も変わっていないわね。彼の姿を見るとどうしても咲夜だった頃のことを思い出してしまう

 

「ねぇねぇ、君今暇?」

 

横から声をかけられたので振り向くと柄の悪そうな人が3人。何処に行ってもナンパはあるものね。彼と初めて出かけた日のこと思い出したわ

 

「悪いけど、今は友人と来ているの。他を当たってちょうだい」

 

「まぁまぁそう言わずに...」

 

しつこいわね。折角の旅行なのに気分が悪くなる

 

「あのーそいつ俺の連れなんでやめてくれませんかね?」

 

「あ?何だよお前。この子の彼氏か何かか?」

 

「ちゃうわ。何つーか...俺の恩人?」

 

何だろう。助けられている筈なのにイライラしてくる自分がいる

 

「はぁ?」

 

「とにかく、これから土産買いに行くから消えてくれると助かる。なんなら...此処で死ぬか?」

 

「ヒィ!?すっすみませんでしたー!」

 

柄の悪い3人は彼の殺気の込もった声にびびって一目散に逃げていった。この光景もそろそろ見飽きたわ

 

「気持ち悪いな。友希那、大丈夫か?」

 

「えぇ。特に問題無いわ」

 

「何か随分と慣れたような態度だな」

 

「もう正直言って何回目か分からないわ。こう言ってはあれだけど、貴方に助けられたのも何回目か分からないわ」

 

「まぁ友希那見た目は美人だもんな。中身はポンコツだけど」

 

「っ〜〜〜〜〜〜/////」

 

こうして恥ずかしくなるのも何回目だろうか?って...

 

「誰がポンコツよ!」

 

「何か分かんないけど自然とポンコツという単語が思い浮かんでくる。前から思ってたんじゃないか?」

 

つまり咲夜の所為ね。記憶が戻ってたら覚えてなさい

 

「全く...でも、お陰で助かったわ。ありがとう」

 

彼は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに元に戻った

 

「これくらいじゃ友希那に貰った恩は返しきれねえよ。邪魔も消えたしそろそろ行くか」

 

「えぇ」

 

私たちはお土産がありそうな店を探して歩くことにした。地元とは違った光景で何だか新鮮ね

 

「3連休なだけあって普段よりは人がいる感じだな。はぐれると面倒だし手繋ぐか?」

 

「あっ貴方がいいなら私は...」

 

「そんじゃ失礼」

 

彼は私の手を優しく包み込むようにして繋いできた。以前のような氷のような冷たさは無く、とても温かかった

 

 

 

 

 

 

 




読了ありがとうございました

最近4000字以上書くのが難しくなってきたのでこれからは3500字程度でいこうかと思います。これからもどうぞよろしくお願いします

評価や感想お待ちしております

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