死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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こんにちは!黒い死神です!

今回で七話となりました。テストも終わったので投稿も少し早くなるかもしれません

ではどうぞ!


第7話

咲夜side

 

「まずは改めて自己紹介からしようか」

 

「そうだね。じゃあ私から!Afterglowのリーダーをやってます、上原ひまりです!」

 

「宇田川巴だ。よろしくな」

 

「羽沢つぐみです。よろしくお願いします」

 

「青葉モカで〜す。よろ〜」

 

「美竹蘭、よろしく」

 

「妹尾琉太だ。よろしく」

 

「神道翔だ。よろしく」

 

「は?」

 

美竹が俺たちの名前を聞いて驚いたような顔をしている。こいつも俺たちのこと知ってるのか?

 

「どうしたんだ蘭?」

 

「いや、だってこの人たち三年前にFUTURE WORLD FESで優勝した“Xahar”のメンバーだよ?」

 

「「「エェ!?」」」

 

やはりバンドをやっていれば俺らのことを知っていてもおかしくはねえか...ただ一人だけ驚かない奴がいるが

 

「...なんか俺らって案外有名なんだな」

 

「まぁあのフェスで優勝すれば多少は名が知れるだろう。他の連中じゃできないようなこともやってたし」

 

「どんなことやってたの?」

 

上原が聞いてくる

 

「ライブごとに皆演奏する楽器が違うの」

 

美竹が先に説明してくれたおかげで手間が省けた

 

「そうなの!?私なんかキーボード一つで限界なのに」

 

「てことは大体の楽器はできるのか?」

 

「まぁそうなるわな」

 

「へぇ〜凄〜い」

 

こいつ本当に思ってんのか?

 

「何が一番得意だったんですか?」

 

「俺はギターかな。ベースもできるけどやっぱりギターの方がやりやすい」

 

「へぇ〜。翔は何が得意なんだ?」

 

「俺はキーボードが一番得意だ。指先は昔から器用なんだ」

 

「今度私たちの練習に来てくれない?プロの人に見てもらえるともっと上手くなれると思うから」

 

「ごめん。俺はRoseliaの練習見ることになってるから行けそうにない」

 

「俺は何もないからたまには来れるよ」

 

「そう...ありがとう」

 

「じゃあ連絡先交換しようぜ。日程も知っといた方がいいだろうし」

 

「そうだな。じゃあこれ」

 

「ありがとう!翔君も交換しようよ!」

 

「えっ俺もか?」

 

「うん。動画とか送ってアドバイスだけでも貰えたらなって」

 

「...分かった」

 

「ありがとう!」

 

「ねぇ〜そろそろ食べようよ〜」

 

「あっ忘れてた。時間もあれだし早く食べよう」

 

羽沢がそう言うと全員が食べ始めた。皆普通の弁当だと思ったら一人だけ異次元の奴がいた

 

「...それ何?」

 

青葉が大量のパンを持っていたのだ

 

「ん〜?ただのパンだよ〜?」

 

「いや、そうじゃなくて...何その量?」

 

「あぁ。モカはいつもこんな感じでパンをたくさん買ってくるんだ」

 

「それ何処で売っている?」

 

「しょっ翔?」

 

「商店街の山吹ベーカリーだよ〜」

 

「...今度案内頼む」

 

「翔君どうしたの?」

 

「そういえばこいつ、パンめっちゃ好きだったな。こんな面して」

 

「...なんか意外」

 

「琉太最近よく俺のことディスってね?」

 

「そんなことはない」

 

いや絶対ディスってるだろ...

 

「じゃあ明日から行く?朝早めに行かないと混んじゃうけど〜」

 

「朝は強いからいい。何処に行けばいい?」

 

「う〜ん...○○公園分かる?」

 

「あそこか...分かるよ」

 

「ならそこに七時集合ね〜」

 

「了解」

 

「七時って早くないか?」

 

「モカちゃんの行ってる山吹ベーカリーはとっても人気で毎朝凄い行列できるんだよ」

 

「なるほどな」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「おっチャイムなったな。戻るか」

 

「じゃあまたね、美竹さん」

 

「またね、あと私たちのこと名前で呼んで。その方が距離感感じなくていいから。私もそうする。これからよろしく琉太、翔」

 

「分かった。よろしくな蘭」

 

「私たちも名前で呼んでね!」

 

「了解」

 

奏斗side

 

屋上でAfterglowと会い一緒に昼食をとることになった。色々と雑談していざ食べようとしたとき、青葉さんのビニール袋の中身が気になった

 

「...それ何?」

 

「ん〜?ただのパンだよ〜?」

 

「いや、そうじゃなくて...何その量?」

 

「あぁ。モカはいつもこんな感じでパンをたくさん買ってくるんだ」

 

毎日その量食ってんのか?信じられねぇ

 

「それ何処で売っている?」

 

急に咲夜が売っている場所を聞き始めた。そういえばこいつ...

 

「しょっ翔?」

 

「商店街の山吹ベーカリーだよ〜」

 

「...今度案内頼む」

 

「翔君どうしたの?」

 

「そういえばこいつパンめっちゃ好きだったな。こんな面して」

 

「...なんか意外」

 

「琉太最近よく俺のことディスってね?」

 

「そんなことはない」

 

と思う

 

「じゃあ明日から行く?朝早めに行かないと混んじゃうけど〜」

 

「朝は強いからいい。何処に行けばいい?」

 

「う〜ん...○○公園分かる?」

 

「あそこか...分かるよ」

 

「じゃあそこに七時集合ね〜」

 

「七時って早くないか?」

 

「モカちゃんの行ってる山吹ベーカリーはとっても人気で毎朝凄い行列できるんだよ」

 

「なるほどな」

 

そんなに人気なのか。今度俺も行ってみるか

 

キーンコーンカーンコーン

 

「おっチャイムなったな。戻るか」

 

「じゃあまたね、美竹さん」

 

「またね、あと私たちのこと名前で呼んで。その方が距離感感じなくていいから。私もそうする。これからよろしく琉太、翔」

 

「分かった。よろしくな蘭」

 

「私たちも名前で呼んでね!」

 

「了解」

 

俺には俺なりの道ができたそうだ。咲夜はどうなるかな...

 

咲夜side

 

Afterglowと屋上で話した後俺は色々考えていた。何故か俺は最近人と関わりすぎてる気がする

 

「なぁ琉太」

 

「ん?」

 

「なんか最近俺人と関わりすぎてる気がするんだけどなんでだと思う?」

 

「それはこっちが聞きたいよ。さっきもたかがパンで釣られやがって」

 

「パンをバカにしたことは許さんが、否定はできん。人なんて関わるだけでこっちが被害を受けるのに...」

 

何故俺は昔の過ちを繰り返そうとする?何のために感情を捨てた?両親が消え身寄りがいなくなった俺たちを親戚は誰一人として引き取ろうとしなかった。()()()()()()()()()()()()を知りながら俺たちを批難した

 

「感情がなければ苦しむこともない。確かにそうかもしれんが人は一人じゃ生きていけないぞ」

 

分かっている。柏や奏斗は俺の感情を取り戻すために尽くしている。だけど()()んだ。もう、苦しみたくない

 

「それより何か静かじゃないか?他の連中は先行っちゃったし...」

 

確かに廊下が異様に静かだ。チャイムが鳴ったとはいえまだ静かになるには早過ぎる

 

「おっ巴たちだ。巴ー!何があった?」

 

「やっと来た!お前らちょっとこっち来い!」

 

「なっ何?」

 

「Roseliaの湊さんは分かるだろ?」

 

「そりゃ勿論」

 

「今そこにいるんだよ。雰囲気が固くて誰も話せないんだ」

 

まぁ確かにあいつはオーラが凄いからな。あれ?湊がこっちに向かってるぞ?

 

「やっと見つけたわ。翔」

 

「友希那さん?どうしたんですか?」

 

「いえ、これを」

 

「これは?」

 

「私の連絡先よ。後で登録してもらえるとありがたいわ。練習日程とか教えられるようにしたいし」

 

「そういうことですか。分かりました、ありがとうございます」

 

「お願いね」

 

「ん?何かこれ、もう一つ入ってるんですけど...」

 

「あぁ、それはリサの分よ。どうしてもって言うから入れておいたんだけどそっちもよろしくね」

 

あのコミュ力お化けめ...余計な真似を。捨てるか

 

「一応言っておくけどそれ捨てると後が面倒くさいわよ?」

 

「ごめんなさい。しっかり登録いたします」

 

「ふふっ。じゃあまた今度」

 

「さようなら」

 

「すっ凄い...」

 

「友希那さんと連絡先交換してるよ...」

 

「頑張れ」

 

「ハァ...やるしかねえか」

 

友希那side

 

私は昼休みになると早々とお昼ご飯を食べ一年生の階に移動した。理由は翔に連絡先を渡すためだ。せっかく彼が練習に付き合ってくれると言ってくれたのだ。なるべく彼が来れる日程で組んでおきたい

 

ついでにリサの分も渡してほしいと言われた。断ると後が面倒なので引き受けておいた

 

日程を合わせるというのが一番の理由なのだがそれ以外にもう一つあった。

私は彼に個人的に興味を持っていた

 

初めて彼に会ったとき彼の目に光は無かった。まるで全てを諦めたかのように無表情で、人を避けているようだった。そして最初私の勧誘を断ったときの

 

『俺にそんなことをする資格は無い』

 

あれがどうも引っかかる。彼は何故あそこまで自虐的なのだろうか?何も知らない私が首を突っ込むわけにはいかない。彼の笑った顔も作り物のような顔だ。ファミレスで会ってあの顔を見たとき

 

私たちの音楽で彼を最高の笑顔にしたいと思った

 

余計なお世話かもしてない。それでも彼の心からの笑顔を見たい。彼と共に頂点に立ちたいと思った

 

何事も無く一年生の階に着いたのだが肝心の翔がいない。別のところでお昼ご飯を食べているのだろう...入れ違いになると面倒なので此処にいることにした

 

...とても気まずい。私は二年生だから一人だけ違う学年というのであれだし、私のことを知ってか普段からあまり人は話しかけようとしないので本当に気まずい

 

「あら?貴女二年生よね?こんな所でどうしたの?」

 

「ちょっと人を探してて...貴女は?」

 

「神道祐奈よ。1ーBの担任をやっているわ」

 

「!?まさか...貴女が?」

 

「ん?私のこと知ってるの?」

 

「知ってるも何も、Xaharのメンバーでしょう?」

 

「そういうことね。えぇ、私がXaharのメンバーの一人の神道祐奈よ。貴女は?」

 

「湊友希那です。弟さんを探してるんですが」

 

「あら、翔を?あの子なら何処かでお昼ご飯食べてると思うけど...ごめんね、分からないわ」

 

「そうですか。すみません」

 

「それにしてもあの子にガールフレンドができるなんてねぇ〜」

 

「っ...別にそんなんじゃ/////」

 

「あははは!あの子は人と関わるのを嫌うからね。私としては嬉しいよ」

 

やっぱり彼は人を嫌っている

 

「それで?彼に何か用?」

 

「実は彼にバンドの練習を見てもらえることになったんですが...日程を教えられるように連絡先を渡しておこうかと」

 

「友希那ちゃんもバンドやってるの?」

 

「Roseliaというバンドを組んでいます。私はボーカルをやっています」

 

「へぇー。歌なら妹が一番上手かったけど彼も相当な実力もってるからいいこと学べると思うよ」

 

「私もそう思って彼を誘ったのですから」

 

たった今一つ疑問ができた。祐奈さんは翔の二つ上だった気がする。ということは18歳の筈なのだが教師をやっているのはおかしい

 

「あの、一ついいですか?」

 

「どうしたの?」

 

「祐奈さんって確か18歳ですよね?今教師をやっているのはおかしいんじゃ...」

 

「えっと...」

 

「祐奈さん?」

 

「...内緒でお願いします」

 

「はっはい...」

 

「連絡先渡すなら私から渡しとくけど」

 

「いえ、伝えたいこともあるので大丈夫です」

 

「オッケー。バンド頑張ってね」

 

「ありがとうございます」

 

「あともう一つ」

 

「何ですか?」

 

祐奈さんは見たものを凍てつかせるとても鋭い目で

 

「翔をこれからよろしくね」

 

と言った

 

「わっ分かりました...」

 

「じゃあね!」

 

それだけ言うと彼女は明るい顔に戻り去って行った

 

私はあの目に軽く恐怖を抱いた。言葉とは違ってまるで

 

『彼に何かしたら許さない』

 

そう言ってるようだった

 

私は彼女の言葉の意味を考えながら彼を待った




読了ありがとうございました!

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