死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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こんばんは黒い死神です。この前の期末テスト学年3位でした!

スマホにAnfangダウンロードしたんですけどやっぱ最高!

それでは本編お楽しみに!


第8話

祐奈さんと会ってから十分くらい経つとようやく彼が来た

 

「やっと見つけたわ。翔」

 

「友希那さん?どうしたんですか?」

 

「いえ、これを」

 

「これは?」

 

「私の連絡先よ。後で登録してもらえるとありがたいわ。日程とか教えられるようにしたいし」

 

「そういうことですか。分かりました、ありがとうございます」

 

「お願いね」

 

「ん?何かこれ、もう一つ入ってるんですけど...」

 

「あぁ、それはリサの分よ。どうしてもって言うから入れてといたんだけどそっちもよろしくね」

 

いかにも嫌そうな顔をしている。きっと後で捨てることだろう。しかし捨てると後でとんでもないことになるので

 

「一応言っておくけどそれ捨てると後が面倒くさいわよ?」

 

と、忠告しておいた。すると彼は本当に捨てるつもりだったのか

 

「ごめんなさい。しっかり登録いたします」

 

素直に謝っていた。まぁ、人を嫌っている彼からしたらリサの説教はかなり堪えるでしょうね...

 

「ふふっ。じゃあまた今度」

 

「さようなら」

 

とりあえず彼に連絡先を渡せてよかった。五分くらい経つとスマホが鳴り出した

 

『これからよろしくお願いします。湊友希那さん』

 

フルネームなのが気になるが返信をしておく

 

『こちらこそよろしく。神道翔』

 

何となくこちらもフルネームで返す。そして、この時の私は知る余地も無かった

 

 

 

彼との出会いが私の人生を大きく変えることに

 

咲夜side

 

湊に連絡先を貰ったので早速登録してメールを送った

 

『これからよろしくお願いします。湊友希那さん』

 

何となくフルネームで送ってみた。すると向こうからも

 

『こちらこそよろしく。神道翔』

 

フルネームで返ってきた。後は今井の分も登録しておかないとあのコミュ力お化けのことだ。絶対説教される

 

『登録しておきましたよ。これからよろしくお願いします。今井さん』

 

○INEというのは便利なものだ。読めば既読の印が出るのだから。送って何故か3秒くらいで既読がついて

 

『こちらこそよろしくね!あと、私のことはリサって呼んでね!』

 

最近の女子はみんな名前で呼んで欲しいのだろうか?面倒くせえな...

 

『了解しました。リサさん』

 

『じゃあまたね!』

 

あと授業2時限分終わったらCIRCLEで面接か...まぁ楽器扱いは得意だから何とかなるだろう

 

午後の授業が終わり昇降口で柏を待っているとAfterglowの連中がこっちに向かって来た

 

「あっ翔に琉太じゃん。どうしたの?」

 

「妹を待っているんだ。彼奴は此処の中等部にいるからな」

 

「そうなんですね。あっもしかしてあの人ですか?」

 

羽沢が指差した方向には怪訝そうな顔を浮かべた柏がいた

 

「ハァ、ハァ...すみません。待たせてしまって」

 

「俺たちもさっき来たばかりだから問題ない」

 

「ところで何故お二人はAfterglowの人たちといるんですか?」

 

「さっき会った」

 

「いや、そうじゃなくて...」

 

「昼休みに一緒にお昼ご飯食べたんだ!それに琉太君は私たちの練習見てくれることになったの!」

 

「私たちのこと知ってるのか?」

 

「お兄様をライブに連れて行ったのは私ですから。というか、バンドのことばれたんですか?」

 

「1人詳しい奴がいてな。おそらく雑誌か何かで見たんだろう」

 

「...そうですか。まぁ何でもいいですがそろそろ行きませんか?」

 

「あぁ、そうだな。じゃあこれから俺たち行くところあるからじゃあな」

 

「うん、またね!あっ今度うちの喫茶店来てね!」

 

「時間があったら行かせてもらうよ」

 

「また明日。日程は後で教えるから」

 

「了解」

 

さて、今からバイトなのだが正直やったことないしな...

 

「俺ら採用されるかな...」

 

「珍しく咲夜が弱気だな。まぁやったことないししょうがないか...」

 

「二人とも早く行きますよー」

 

「悪りぃ、じゃあ行くか」

 

「おう」

 

採用されなかったらどうしようかと不安もあるが上手くいくことを願って俺たちはCIRCLEに向かった

 

柏side

 

私はHRを終え少し急ぎ足で外へ出た。さっき窓から外を見た時高校生が何人か歩いていたので2人を待たせてしまう。

 

「お兄様は髪の色が目立つので分かりやすいので楽ですね」

 

実際はぐれた時はとてもこの髪が役に立つ。門の近くに行くとお兄様と奏斗さん、そしてその周りに女子が5人集まっていた

 

「ハァ、ハァ...すみません。待たせてしまって」

 

「俺たちもさっき来たばかりだから問題ない」

 

「ところで何故お二人はAfterglowの人たちといるんですか?」

 

「さっき会った」

 

「いや、そうじゃなくて...」

 

そんなことは見れば分かる。お兄様はたまに天然な所があるので話の流れを掴むのが難しい

 

「昼休みに一緒にお昼ご飯食べたんだ!それに琉太君は私たちの練習見てくれることになったの!」

 

ピンク髪のベース担当、上原ひまりが説明してくれた

 

「私たちのこと知ってるのか?」

 

続いてドラム担当、宇田川巴が質問してくる。宇田川...どこかで聞いたことあるような...

 

「お兄様をライブに連れて行ったのは私ですから。というか、バンドのことばれたんですか?」

 

「1人詳しい奴がいてな。おそらく雑誌か何かで見たんだろう」

 

「...そうですか。まぁ何でもいいですがそろそろ行きませんか?」

 

「あぁ、そうだな。じゃあこれから俺たち行くところあるからじゃあな」

 

「うん、またね!あっ今度うちの喫茶店来てね!」

 

「時間があったら行かせてもらうよ」

 

「また明日。日程は後で教えるから」

 

「了解」

 

そう言って私たちは別れた

 

「俺ら採用されるかな...」

 

珍しくお兄様が不安そうだ

 

「珍しく咲夜が弱気だな。まぁやったことないししょうがないか...」

 

「2人とも早く行きますよー」

 

「悪りぃ、じゃあ行くか」

 

「おう」

 

私は中学生なのでバイトはできない。少しでもお兄様の負担を減らしたいのですが...

 

「柏どうした?顔色悪いぞ?」

 

そう言ってお兄様が私の額に手を当てる

 

「なっ何でもありません///」

 

「だっ大丈夫か?今度は顔赤いぞ?具合悪いなら奏斗場所分かるだろうし帰っても大丈夫だぞ?」

 

「大丈夫です!早く行きましょう!///」

 

「え〜」

 

やっぱりあの一件以来お兄様のことを意識してしまう。それと同時に、お兄様の周りにいる女子に嫉妬してしまう。以前のお兄様なら他人と関わろうとしなかったのでたった少しの出会いでお兄様とあそこまで仲良くなれるのが許せない...勿論今の状態から変わってくれるのは嬉しい。しかし私ですらお兄様とここまで仲良くなるのに時間がかかったのに何故あいつらは...

 

そしてその事で1番最初に頭に浮かぶのは湊友希那。お兄様があの依頼を受けたのは光を、()()()()()()()()()()()

 

...考えるのは辞めよう。このまま考え続けると自分が壊れてしまいそうで怖い

 

「面接、頑張ってくださいね」

 

「あぁ、ありがとな」

 

今はお兄様たちを応援しよう

 

咲夜side

 

柏の案内もあってすんなりとCIRCLEに着くことができた。これからここのオーナーに面接を申し込むわけだが

 

「よし、奏斗頼んだ」

 

他人と喋りたくないので奏斗に丸投げだ

 

「この野郎...後で覚えとけよ」

 

文句を言いながらも中に入って行く彼はそこそこのコミュ力を持っているので心配は無い...はず

 

「スミマセーン、ちょっといいですか?」

 

「はーい、どうしたの?」

 

「ここでバイトしたくて面接をお願いできないかと」

 

「あーそういうことね!とりあえず名前いいかな?」

 

「妹尾琉太です。んでこっちが神道翔」

 

「どうも、よろしくお願いします」

 

「妹の神道花梨です」

 

「...ちょっと待って」

 

「はっはい...」

 

「えっと、もしかして君たちXaharのメンバー?」

 

こいつも知ってんのかよ

 

「そっそうですが」

 

「うん、採用」

 

「へ?」

 

今なんつった?

 

「だって楽器扱い私より絶対上手だし、何より私1人でやってたから人手が増えて何よりだよ」

 

1人で?信じらんねぇ

 

「じゃあここで働いていいんですか?」

 

「うん!こちらこそよろしくね!私は月島まりな、まりなさんって呼んでね!早速今日からやってく?」

 

「どうする翔?」

 

「やらせて頂けるのなら是非」

 

「ではお願いします」

 

「オッケー!花梨ちゃんはどうする?」

 

「私は中学生なので...」

 

「そっか。じゃあ2人はスタッフルームからエプロン取って来て。花梨ちゃんは2人の仕事振りでも見てなよ、飲み物用意して来るから」

 

「ありがとうございます」

 

「すまんが待っててくれ」

 

「構いませんよ、お二人の初仕事見たいですし」

 

「...そうか」

 

何事も無く採用が決まってよかった。全ては生活のため、頑張りますか

 

月島からここでの仕事を教わりそれぞれ持ち場に着いたところだ。俺は中のカウンターでスタジオ予約者の対応、奏斗は外のカフェで受付だ

 

「今日はRoseliaにPoppin’Partyか。なんだこりゃ?」

 

Poppin’Partyって何?バンドか?

 

「スミマセーン、第一スタジオ予約のPoppin’Partyですがって君新人さん?」

 

「まぁ、今日からここでバイトさせてもらってます」

 

「そうなんですね!私Poppin’Partyのボーカルやってます、戸山香澄です!」

 

「練習頑張ってね」

 

「はい!」

 

「香澄〜!お前突っ走んな!ハァ...ハァ...」

 

このボーカル絶対メンバー振り回す奴だ

 

「えっとすみません。うちのメンバーがうるさくしてしまって」

 

「大丈夫だよ、元気なのはいいことだし」

 

ごちゃごちゃうるせぇとっとと行け

 

「2人とも速すぎ...りみも疲れちゃってるよ」

 

「ごめんごめん。沙綾におたえも揃ったことだし行こ!」

 

「お客さーん鍵忘れてますよ」

 

「あっすみません」

 

やっと静かになった。明日の予約表なんかを見てるとAfterglowとか色んなバンドいるし...何なの?

 

「第二スタジオ予約のRoseliaですけ...ど...」

 

「あっ友希那さん、こんにちは」

 

「...貴方、何でいるの?」

 

「生活のピンチを迎えたのでバイトです」

 

「そっそう...」

 

「友希那〜どうしたの?って翔じゃん!」

 

げっ今井来た

 

「どっどうも今...リサさん」

 

「む〜そんな嫌そうな顔しなくていいじゃん!」

 

「あー!この前の人だ!」

 

「あこちゃん...走ったら...危ないよ」

 

「貴方神道さんじゃないですか。こんな所でどうしたんですか?」

 

「バイトです。生活のピンチなんで」

 

「皆には言ってなかったわね。これから翔がたまに私たちの練習見てくれることになったから」

 

「えっ!?そうなんですか!?」

 

「友希那?初耳なんだけど?」

 

「言ってないもの」

 

「以前は断ったのに引き受けてくださるんですか?」

 

「少し興味がありましてね。敬語じゃなくていいですよ。年下ですし」

 

「えぇ、分かったわ」

 

「それにしてもここで練習してるんですね」

 

「学校や家から近いのよ。お金もあまりかからな...」

 

湊の言葉が何故か止まる。原因はすぐに分かった。俺でも寒気が走るくらいの殺気を柏が放っていた

 

「かっ花梨?殺気抑えないか?」

 

「殺気?何ですかそれ、美味しいんですか?」

 

「えっと...ひとまず落ち着こうな?」

 

「私はいつでも落ち着いてますよ?Roseliaの皆さんは早く練習しなくていいんですか?」

 

「じゃっじゃあ私たちはこれで...」

 

「またね!」

 

急ぎ足で向かう5人。柏怖くね?

 

「なぁ、お前どうしたの?」

 

「別に、お兄様があの人たちと話してるのが気に食わなかっただけです」

 

何故?俺があいつらと話して柏にデメリットでもあるのだろうか?

 

「お兄様じゃ考えても一生答えは出ませんよ」

 

「心を読むのは辞めて頂きたい」

 

「では私はRoseliaの練習見て来ますね」

 

「おい、あの殺気感じて送り出すバカが何処に」

 

「何か言いましたか?」

 

「なんでもございません」

 

おかしい。最近柏に逆らえなくなってきた。まるで華蓮が増えた感じだ。その時俺のスマホが鳴り出した。スマホの画面を見ると

 

『何か失礼なこと考えてそうだから今晩お話しましょうね?』

 

あっ俺死んだわ

 

俺は今まで感じたことないような絶望感に浸りながら仕事に励んだ




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