死神と歌姫たちの物語   作:終焉の暁月

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間に合わなかった...遅れて申し訳ございません!

花音さん誕生日おめでとう!


花音誕生日記念 死神と迷子少女のデート

咲夜side

 

 

今日は5月10日。特に何もない日だ。だけど、明日は違う。俺が信頼してる人の1人、松原花音の誕生日なのだ

 

誕生日を祝うなんて華蓮や柏、奏斗くらいだったからな。正直何をあげればいいのか分からない。前に好きなものは何かと聞いたら、クラゲと返って来た。柏に頼んでクラゲが綺麗そうな水族館を探してもらい、チケットを取って花音を誘ったところ即答で行きたいと言っていた

 

今はその水族館について調べているところだ。ここで俺の欠点を紹介しよう。俺は機械操作が壊滅的にできない。今開いているサイトも柏に用意してもらったものだ

 

「この時間からか...花音が喜びそうなイベントだな」

 

1度そのサイトを見つければ内容は大方覚えられるので何とかなるだろう。伊達に学年トップじゃない。記憶力には自信がある

 

「大体のリサーチはできたか...そろそろいいかな。柏〜これどうやって消せばいい?」

 

「良い加減覚えたらどうですか?今時の高校生がここまでパソコン使えないって普通ありえないですよ。今度パソコン教室にでも行きますか?」

 

「断る。こんな意味の分からない物体の教室なんて行っても意味無いし」

 

「スマホもろくに扱えない人が何をほざいてるんですか...まぁ電話とメールが使えるならまだ何とかなるでしょう。花音さんはすぐに迷子なるので目を離さないようにしてくださいね」

 

「分かってるよ。彼奴の場合最悪勝手に退場してる可能性があるからな。手でも繋いでおくよ」

 

(そんなことするからいろんな女子が寄って来るんじゃないですか...)

 

何か柏が凄く呆れたような視線を送って来るんだが、俺何かしたか?機械が使えないのはいつものことだし、今更呆れるようなことでもないと思うんだけどなぁ...考えても分からん

 

「大体の計画は立てられたでしょう⁇パソコンの電源消したら私は寝ますので」

 

「おう、付き合わせて悪いな」

 

「そう思うならそろそろ機械操作を覚えてください。では、おやすみなさい」

 

「おやすみ」

 

柏は部屋に戻って行った。俺も寝ようかと思ったが、まだ10時半だしな。寝るには早すぎる。何をしようか迷っていたところ、花音から電話がかかってきた

 

「もしもし、どうした?」

 

『ごめんね。急に声が聞きたくなっちゃって...』

 

「あっそう...」

 

『む〜何か冷たくない?それより、明日は何処集合にすればいいのかな?』

 

「俺が花音の家に向かうよ。下手に迷われたら困るからな」

 

『うっそんなしょっちゅう迷うなんてことは「あるだろ」ごめんなさい』

 

「とにかく、明日は俺が迎えに行くから花音は家で待っておけ。10時くらいに行くから、それまでに準備済ませときゃいいよ」

 

『分かった。ありがとね、わざわざ私を誘ってくれて』

 

こいつ自分が誕生日だから呼ばれてるって気づいてないのか?まぁその方がサプライズ感あるしいっか

 

「花音じゃなかったら誘ってない。じゃあ俺は寝るからな。前みたく準備に時間かけすぎて遅れるなよ」

 

『善処します...じゃあおやすみ!』

 

寝るには早すぎると思ったけど、明日朝早いから今日は寝るか。本当はRoseliaの練習があるのだが、友希那に事情を話したら渋々だが了承してくれた。その代わり今度どっか連れてけと言われた

 

「全く...子供じゃあるめえしな。まぁ友希那の命令となれば行くしかないか」

 

これは柏の仕事が増えそうだな。そんなことを考えながら俺は明日に備えて眠りについた

 

 

花音side

 

 

今日は翔君と一緒に水族館に行く日だ。最近中々会えてなかったから今度何処か一緒に行こうと誘おうと思ったところで、タイミング良く彼からお誘いが来た。あの時の嬉しさは今でも覚えている

 

「スマホに財布に...モバイルバッテリーも持ってった方がいいよね。あとはリップとかの小物あればいいかな」

 

以前2人で出かけた時、準備に時間がかかりすぎて彼を待たせてしまうという失態を犯したことがあった。なので、荷物は昨晩のうちに済ませ、着る服もあらかじめ決めておいた。そのせいか、約束の30分も前に終わってしまった

 

「準備早すぎたかな...翔君早く来ないかな」

 

時間まで暇だな...メールして早く来てもらうのもありだけど、それだと翔君に迷惑かけちゃうからな...待つしかないよね

 

「花音、翔君来てるわよー!」

 

「ふぇ!?ちょっと待って!」

 

まだ時間まで30分あるよ!?早く準備しておいて良かったぁ...

 

「おっお待たせ!どうしたの?まだ時間まで30分あるけど」

 

「いや、時間通りに行くとまた花音がバタバタしてそうだから少し早めに行って余裕持たせようと...」

 

「そんなに私はドジじゃないよ!」

 

私は翔君の足を思いっきり踏みつけた。硬めの靴を履いていたから、痛さのあまり彼は悶絶していた

 

「わっ悪かったって...まぁ準備も終わってて丁度良かったじゃん。いてて...」

 

「ふんだ。早く行くよ」

 

「へいへい。今回は少し遠出するからな。駅とかで迷子になるなよ」

 

「迷子になっても翔君が見つけてくれるからいいもん」

 

「全く...ほら、発信機あげるからこれ持っとけ。それがあれば居場所が分かる」

 

「ありがとう。ねぇ、手繋いでもいいかな?」

 

なんてことを聞いているのだろうか。付き合ってもいない女子と手を繋ぐなんてありえないよね

 

「別にいいけど、勘違いされても知らんからな」

 

「別に翔君となら勘違いされてもいいけどね...」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「何でもないよ。ほら、行こ?」

 

「ほいよ。多分着く頃には昼になるから、何か昼飯で食べたいやつあったら店考えとけよ」

 

「分かった」

 

水族館近くのカフェ探してそこで食べればいいかな。それより、自分から言い出しておいてあれだけど、翔君と手を繋ぐのはやはり恥ずかしい

 

駅に着き改札も通りいざ電車へ乗ろうとした時、急に彼の顔が青ざめた。どうしたんだろう?

 

「翔君、顔色凄く悪いけど大丈夫?」

 

「だっ大丈夫だ。...多分」

 

「もしかして電車苦手?」

 

「電車というか乗り物全般無理だな。乗って30秒後には酔ってる」

 

「ふぇ!?そっそんな無理しなくてもいいのに...」

 

「此処まで来て帰るとか嫌だよ?折角花梨に協力してもらってチケット取ったんだ。無駄にしてたまるか」

 

水族館のチケット花梨ちゃんに取ってもらったんだ。それなら何で2人で行かなかったんだろう?

 

「花梨ちゃんに取ってもらったのに2人で行かなかったの?」

 

「は?花梨には花音と出かけたいから頼んだだけだが?」

 

「あっありがとう...///」

 

翔君が私と出かけたいだって...とても嬉しいけれど、それと同時に恥ずかしい。もう死んでもいいかも

 

「とりあえず酔ったらその時は頼むわ。寝ると余計酔うから花音は寝てていいぞ」

 

「いいの?じゃあお言葉に甘えさせてもらうね。おやすみ」

 

私は意識を手放した

 

 

 

♪ ♯ ♭ ♪ ♯ ♭

 

 

 

タイミンよく目的地のすぐ手前で目が覚め、ふと翔君を見ると彼の顔は青を通り越して蒼白となっていた

 

「翔君!?大丈夫!?」

 

「起きたか...大丈夫だと思う」

 

いやいや大丈夫には全く見えないよ!今にも倒れそうな顔してるんだけど!

 

「とっとりあえずもうすぐ着くからそれまで頑張って!」

 

駅に着いた瞬間翔君の手を引っ張り自動販売機で水を買い彼に飲ませた。水を飲んだおかげで少しずつ顔色も良くなった

 

「ハァ...ありがとな花音。水まで買ってもらって」

 

「ううん。私こそ、呑気に寝ててごめんなさい」

 

「お前が気にすることじゃない。それより、昼飯どこで食べるか決めたのか?」

 

「水族館の近くにカフェがあったから、そこに行きたいんだけどいいかな?」

 

「分かった。地図見せてくれ。見れば大方覚えられる」

 

「そうなの?記憶力凄いんだね」

 

「これでも学年1位だからな。中学の頃からこれだけは変わらない」

 

「えぇ!?そんなに頭良かったんだ...」

 

「花音も見た目は頭良さそうだけどな。この際聞かないでおくが」

 

「そうしてくれるとありがたいかな。どう?場所は分かった?」

 

「あぁ。時間的に混み始めるだろうからさっさと行くぞ」

 

「また手繋いでもいいかな?」

 

「好きにしろ」

 

「やった!えへへ...」

 

これって側から見たらデートだよね。それも彼女の方が積極的な感じの。反対的に翔君はそういうのに興味無さそうだし。どうすればいいのかな?

 

そうこう考えているうちに例のカフェに着いた。とてもシンプルなカフェだったけど、パンケーキがとても美味しかった。翔君がパンがあると言った瞬間凄く食いついてメニューを見ていた。その時の顔が面白くてこっそり写真を撮ったのは内緒だ

 

お昼ご飯も食べ終え、ようやく水族館に辿り着いた。あらかじめチケットは取ってあったから並ばずに入ることができた。さっきから翔君が頻繁に時間を確認してるけどどうしたんだろう?

 

「...時間だな。花音、行くぞ」

 

「ふぇ!?ちょっまだ見れてないよ!」

 

「急げ。時間がない。今回の目的はそれなんだからな」

 

「まっ待ってよ〜!」

 

急に手を引っ張られてどんどん奥に連れて行かれる。目的って水族館じゃないの?

 

「間に合ったか。数分待ってろよ」

 

連れてこられたのはクラゲコーナー。私が大好きな生き物なんだけど、単に来るだけなら普通にこれば良かったはずなのに...言われた通り待っていると急に明かりが消えた

 

「え!?停電!?」

 

「落ち着け。すぐに戻るから」

 

まるで今から何が起こるのか分かっているような口調だ。混乱していると辺りが明るくなった。だけど、照明が戻ったわけではなかった

 

「これって...」

 

「今回の遠出のメインイベントだ。間に合って良かった」

 

クラゲの水槽がカラフルな色でライトアップされていて、思わず見惚れてしまうほど幻想的な景色が私の前に広がっていた。翔君が急いでいたのはこれを私に見せるためだったんだ

 

「俺からのプレゼントだ。と言ってもイベントに連れてきただけだけど」

 

「え?プレゼント?」

 

「だって今日花音の誕生日だろ?」

 

「あ」

 

そうか。すっかり忘れていたけど、今日私の誕生日だった。前に言ったの覚えててくれたんだ

 

「誕生日おめでとう、花音。これからもよろしく」

 

「ありがとう!翔君!」

 

私は嬉しさのあまり彼に抱きついてしまった

 

「おい、離れろ!暑苦しい!周りの視線が何か鋭いんだけど!」

 

「いいでしょ?今日は私の誕生日なんだから」

 

「ぐっ...」

 

今日起きたことを私は絶対に忘れないだろう。だって、彼が祝ってくれた誕生日なんだから

 

 

ありがとう、翔君

 




読了ありがとうございました

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