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友希那side
あの日からもう1ヶ月。彼と結ばれて恋人となり、もう1ヶ月だ。彼の新しい一面が見られたりしてとても充実した日々となっていた。既に2回デートしている。だが、良いことばかりではなく1つだけ問題があった
「湊さん、神道君に会えるか聞いてもらっていい?」
「私も!話したいことあるから聞いてほしいんだけど」
「えっと...」
原因は2週間くらい前。奏斗が告白してきた子に美竹さんと付き合っていることを暴露。その結果、中等部含めた全校生徒の半分が絶望に崩れ落ちた。別にこれは彼らの問題だからいいのだけど、問題はその後だ
奏斗、もとい琉太が彼女持ちと分かった以上、標的はただ一つ。そう、神道翔に絞られるのだ
(どいつもこいつも彼を知らないくせに...告白しても無駄だというのに)
あれから咲夜は毎日のように告白されている。彼と関係の深い私やリサ、Afterglowの皆や大和さんに彼と接触出来るか頼み込んでは告白しているのだとか
勿論私は不愉快極まりないため適当に理由をつけて会えないようにしている。大和さんもそうしてくれているようだが、時間の問題だろう。リサには
『毎回毎回相手するの疲れるからさーもう公表しちゃいなよ。アタシも流石に毎日来られるのは勘弁してほしいから』
公表しないように言ったのは私だ。恥ずかしかったのもあるが、学校中で人気の彼に恋人がいるとなれば混乱に見舞われるのは分かっていた。今回の奏斗と美竹さんがいい例だ
適当に女子たちをあしらったところで私は彼と話し合いをしようと彼にメールを送った
『騒ぎの件について話したいから放課後いいかしら?』
そう送るとものの数秒で
『分かった。ていうか、出来ればとっとと公表してくれると助かるな。俺もう面倒になってきてるから』
彼も相当堪えているようね...奏斗と同じことしてもらえばいいかしら
『今日告白してきた子に打ち明けてもらえばそれで十分よ。多分それで何とかなると思うわ』
『了解。念のためまた後で話そう』
また学校全体が暗くなることになりそうね。いい気味だわ。彼と恋人になろうだなんて高望みもいいところだわ。今は昼休みだしリサがそろそろ来るかしら
「友希那〜。お昼ご飯食べよー」
「今行くわ」
噂をすれば何とやら。リサが私のクラスまで迎えにきた。お弁当を持ってリサのところまで歩く
「本当に大変だねー。毎日毎日囲まれて。翔の気持ちが分かった気がする...アタシもう勘弁してほしいよ〜」
万が一のことを考えて学校では偽名で呼ぶようにしている。大分慣れてきて今では完全に使い分け出来るようになった
「そのことなんだけど、もう公表することにしたわ。どうせ今からまた彼が告白されるだろうから、そろそろ知れ渡ると思うわ」
「やっとー?琉太も公表して以来めっちゃスッキリした感じだし、翔もやっと地獄から解放されるねー。友希那もよく耐えたねー。見る度に友希那の目に殺意が込もってたからヒヤヒヤしたよ」
「そこまでやらないわよ。私がやるより彼がやった方が効果あるだろうし」
「それは洒落にならないからやめようね。学校が血の海になるから」
屋上に着くと、咲夜に奏斗、Afterglowの面々が昼食をとっていた
「お、友希那〜!公表しといたぞー」
「ごめんなさい。公表したくないと言ったのは私なのに」
「気にすんな。俺としては気が楽になったしこれで平和が訪れる」
「ねぇねぇ翔。この前の筑前煮の作り方を...」
「断る。あれ作るのにどんだけ時間を費やしたと思ってんだ。教えてほしけりゃ柏超えろ」
「ハードル高!?お願いしますあれをもう一度食べたいんです!」
「時間ありゃまた作ってやるから我慢しろ」
「やったー!」
彼のリサに対する態度も随分変わったわね。出会ったころなんて見ただけで嫌そうな顔していたのに
「...湊さん」
突然、美竹さんが私に声をかけてきた。何やら神妙な顔つきだ。何か大事な話でもあるのかしら?
「翔との関係を打ち明けて、翔はおそらく楽になったでしょう。でも、湊さんは多分地獄が待ってますから覚悟しておいた方がいいですよ」
「どういう意味かしら?」
よく見ると、後ろの青葉さんたちも微妙な顔をしている。すると上原さんが
「学校中で人気の翔を狙っていたとします。そして、自分たちが狙っていた翔に彼女がいたことが判明。するとですね...その彼女は一生分の恨みをぶつけられることになります」
「...え?」
上原さんが言ったことを一度頭の中で反復する。つまり...
「今の湊さんは〜学校中の女子の恨みを買ったってことですよ〜。ご愁傷様で〜す」
「...美竹さん、対処法があれば教えていただけるかしら?」
「翔に牽制してもらってください。あたしも琉太に押さえつけてもらってるんで今は何とかやれています。多分、1ヶ月は続きますよ」
この後教室に戻ると、溢れんばかりの殺意が込められた視線を受けた。過去最高クラスで学校に行きたくないと思ったのだった