ぬああああん疲れたもぉぉぉぉん(´;ω;`)
痛い。リオレウスに焼かれた目が痛い。
苦しい。リオレイアにかけられた毒が回ってきている。
気分が悪い。イビルジョーに脇腹を二度も叩かれたからだろう。
辛い。今も肩からは血が流れている。
寂しい。…ん?どうしてだ?
凛がいないからか?あいつがいないから、俺は今の状況に寂しいと感じているのか?…。
違うはずだ。イビルジョーに遭遇したとき、俺は確かにこう考えたはずだ。
────凛なら、一人でもやっていける。
そうだ。あいつなら一人でやっていける。
この世界でも──ん?まてよ?なんで俺はこの世界にいるんだ?
凛がモンハンに付き合ってと言ったからじゃないのか?
いや待て待て。
ゲームをしたことがキッカケじゃない。
普通、ゲームの世界に転生するなんて事があるか?
否。
きっと、これは誰かに仕組まれたものだろう。
「かっ、あああっ」
くそっ。アドレナリンの分泌が遅くなってきたようだ。
眠い。アドレナリンの分泌と眠気を覚ますために、右腕を噛む。
冷たい。でも、眠気は飛んだし、目の痛みも少し良くなった。
『ガアアアアアッ』
「ひっ」
横穴の外から、あいつらの声が聞こえる。
俺に毒をかけ、目を焼いたやつらだ。
今すぐにでも殺してやりたい所だが、今やるべき事はそれじゃない。
前に進むのだ。
地図には、エリア3のはじっこに、バッテンが書いてあった。
そこに、何かがあるはずだ。
もう一度地図を見ようと、ポーチの中を漁る。
「あったあった…ん?」
地図と一緒に、ポーチから転がりでた物があった。
黄色い丸薬が一つだけだ。
ん?黄色?まさか、これは…
「秘薬?運がいいな」
本当ならばこの運を、イビルジョーに出会う時に使いたかった。
そうすれば、こんな事にはならなかったのに。
ともかく、使わない手はない。
口の中に丸薬を詰める。
水がないし、横たわっている状態なのでしごく飲みにくいが、なんとか飲み込む。
目の痛みが退き、肩の傷が無くなった。
吐き気もしないし、毒に侵されていた足も動く。
恐る恐る、左目を押さえている手をどける。
…残念ながら、左の視界は暗いままだった。痛みが引いたのはいいが、これでは元も子もない。
秘薬は部位欠損を治すとも言われているが、多分これ、中途半端に目を治したな。
目が開かねぇ。
「とりあえず、動けるようにはなった。後は…復讐だな。イビルジョーに、バルファルク。リオレウスとリオレイア。覚えておけ」
あぁ、きっと俺は今、酷く醜い顔をしている。
それでも、笑みを絶やすことができない。
俺はこんな性格だったか。
人間、追い詰められると本性が出ると言う。きっと、これが俺の本性なのだろう。
面白い。
なにがなんでも、やつらを倒す。
それで、会いに行くんだ。
ん?誰にだ?
まぁ良い。
忘れるくらいなのだから、きっとどうでも良い事だ。
奏治は死んだ。
異世界のお人好しは、もうこの世にはいない。
代わりに、ソージを名乗ろう。
名前は同じだが、あのくそったれた名前よりかは良い。
奏治は、モンスターに襲われて、惨めったらしく死んだ。
けれど、ソージは死なない。生きるのだ。
生きて生きて、足掻きまくって、それでようやく、自らの欲を全て満たして、死ぬのだ。
諦めない。
諦めてなんになる。
俺は、ソージは。
この【ゲーム】に、命を賭けてやる。