異世界ハンター放浪記   作:翠晶 秋

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この回に登場するマップは原作には登場しません。ご了承ください。

ぬああああん疲れたもぉぉぉぉん(´;ω;`)


9話【奏治】の死、【ソージ】の誕生◆奏治視点◆

痛い。リオレウスに焼かれた目が痛い。

苦しい。リオレイアにかけられた毒が回ってきている。

気分が悪い。イビルジョーに脇腹を二度も叩かれたからだろう。

辛い。今も肩からは血が流れている。

 

 

寂しい。…ん?どうしてだ?

 

 

凛がいないからか?あいつがいないから、俺は今の状況に寂しいと感じているのか?…。

違うはずだ。イビルジョーに遭遇したとき、俺は確かにこう考えたはずだ。

 

────凛なら、一人でもやっていける。

 

そうだ。あいつなら一人でやっていける。

この世界でも──ん?まてよ?なんで俺はこの世界にいるんだ?

凛がモンハンに付き合ってと言ったからじゃないのか?

いや待て待て。

ゲームをしたことがキッカケじゃない。

普通、ゲームの世界に転生するなんて事があるか?

否。

きっと、これは誰かに仕組まれたものだろう。

 

「かっ、あああっ」

 

くそっ。アドレナリンの分泌が遅くなってきたようだ。

眠い。アドレナリンの分泌と眠気を覚ますために、右腕を噛む。

冷たい。でも、眠気は飛んだし、目の痛みも少し良くなった。

 

『ガアアアアアッ』

「ひっ」

 

横穴の外から、あいつらの声が聞こえる。

俺に毒をかけ、目を焼いたやつらだ。

今すぐにでも殺してやりたい所だが、今やるべき事はそれじゃない。

前に進むのだ。

地図には、エリア3のはじっこに、バッテンが書いてあった。

そこに、何かがあるはずだ。

もう一度地図を見ようと、ポーチの中を漁る。

 

「あったあった…ん?」

 

地図と一緒に、ポーチから転がりでた物があった。

黄色い丸薬が一つだけだ。

ん?黄色?まさか、これは…

 

「秘薬?運がいいな」

 

本当ならばこの運を、イビルジョーに出会う時に使いたかった。

そうすれば、こんな事にはならなかったのに。

ともかく、使わない手はない。

口の中に丸薬を詰める。

水がないし、横たわっている状態なのでしごく飲みにくいが、なんとか飲み込む。

目の痛みが退き、肩の傷が無くなった。

吐き気もしないし、毒に侵されていた足も動く。

恐る恐る、左目を押さえている手をどける。

…残念ながら、左の視界は暗いままだった。痛みが引いたのはいいが、これでは元も子もない。

秘薬は部位欠損を治すとも言われているが、多分これ、中途半端に目を治したな。

目が開かねぇ。

 

「とりあえず、動けるようにはなった。後は…復讐だな。イビルジョーに、バルファルク。リオレウスとリオレイア。覚えておけ」

 

あぁ、きっと俺は今、酷く醜い顔をしている。

それでも、笑みを絶やすことができない。

俺はこんな性格だったか。

人間、追い詰められると本性が出ると言う。きっと、これが俺の本性なのだろう。

面白い。

なにがなんでも、やつらを倒す。

それで、会いに行くんだ。

ん?誰にだ?

まぁ良い。

忘れるくらいなのだから、きっとどうでも良い事だ。

 

奏治は死んだ。

異世界のお人好しは、もうこの世にはいない。

 

代わりに、ソージを名乗ろう。

名前は同じだが、あのくそったれた名前よりかは良い。

 

奏治は、モンスターに襲われて、惨めったらしく死んだ。

けれど、ソージは死なない。生きるのだ。

生きて生きて、足掻きまくって、それでようやく、自らの欲を全て満たして、死ぬのだ。

 

諦めない。

諦めてなんになる。

俺は、ソージは。

 

 

この【ゲーム】に、命を賭けてやる。

 

 

 

 

 

 

 

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