異世界ハンター放浪記   作:翠晶 秋

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14話 1つ、復讐

『…なっ、えっ、あっ!!負けた!?ワタシ、負けた!?』

「あぁ。俺の勝ちだ」

 

角から飛び降り、大剣を地面に突き刺すソージ。

その姿をみて、シャガルマガラは『強いなぁ』と呟き、穴ぐらへと帰った。

ソージは大剣を地面から抜いてシャガルマガラを追おうとするが、ソージの頭に声が響きわたった。

 

〈【獣宿し〔天廻(てんがい)〕】を取得しました〉

 

ピシャア、と雷にうたれたかのような顔をするソージ。

 

「狩技、使えなかったのか…?あぶねぇ、普通に実戦で使おうとしてた」

 

左目の前で手をワキワキさせるソージ。

大剣を背中に背負い、シャガルマガラの洞窟へと歩み始めた。

 

「効果は別に、後でわかるだろうしな」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

それから日が経ち十日過ぎた。

もはや原住民と化したソージは大剣を背負い、今日も今日とて狩りに出かけていた。

リオレウスとリオレイアはあれから一向に出てこなくなり、ソージは仕方なく先に装備を集める事にした。

 

「【獣宿し〔天廻〕】、発動」

 

目を青く光らせ、大剣を肩にそえるように構えるソージ。

一拍、静寂が場を包む。

チィン、と金属を引っ掻くような音が響き…

 

「───────!!」

「お疲れさん、あの世で仲間と遊んでな」

 

大きい山のような亀のモンスター、ドボルベルクがその頑丈な甲羅ごとスライスされる。

〔天廻〕の強みはその絶対破壊。

ソージの狩技の前では防御力は意味を成さず、大ダメージを与える上、オマケで当たった所が部位破壊されるという協力な狩技である。

部位を剥ぎ取った後、ソージはつたを掴んで山に登る。

このマップで生活を始めてからソージはマップで一番高い崖に行くようになった。

海が目の前に広がるこのマップが、無性に安心するという。

無情で山の斜面を登っているソージの耳に、咆哮が轟く。

このマップではよくあることなのだが、何故かソージはそれが頭から離れず、原因を突き止めようとソージは…

 

つたを自重でゆらし、十分につたが揺れたところで、手を離した。

 

有り得ない程のスピードですっ飛んでいくソージ。

山も川も、エリアを越えて、その咆哮の出所まで向かう。

そしてエリア1についた途端、ソージの頭が冷えた。

緑の鱗に空を舞うための大きな翼。 

キラリと生え揃った牙。

ソージの復讐相手の一つ、雌火竜リオレイアである。

大剣を背中から抜きだし、それにより大剣の重さで落ちるソージ。

空中で上手く姿勢を変え、エリアを複数飛び越えたことにより溜まっていた力を解き放つ。

 

「【獣宿し〔天廻〕】ッ!!!」

 

大剣の先をリオレイアの首に差し込み、悲鳴を上げる間も与えずに横に切り裂くソージ。

ゴトリと首が落ち、リオレイアは息絶えた。だが…

 

「ああっ、ああっ!お前が、お前がっ!!!」

 

肉体を弄び、残虐に斬りつけていた。

自分の復讐相手をソージが見間違えるはずもない。

ソージは今、血に濡れ、それでも笑顔で大剣を操っていたのだった。

そして、ソージが満足し、帰ろうと思ってエリアを出ようとしたその時。

 

「まっ、待って」

 

ソージの背中に、声がかけられた。

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