「楽しんだか?」
「うん。こんな思いをしたのは久しぶり」
シャガルマガラ式遊覧飛行を楽しんだソージ達は、洞窟に戻って少女の話を聞いていた。
「結局、お前は何者なんだ?」
「お母さんからはモンスターの血を引いているとしか聞いてない。名前も、しばらく呼ばれてないから忘れた」
おいおい…と、ソージは頭を抱えた。
名前を忘れるくらい前となると、この少女は少なくとも8、9年は一人で生きてきた事になる。
ちなみに、この少女は【竜人】と呼ばれる人種で、酒場の看板娘やユクモの村長と同じ種族である。
竜人は体の中でモンスターの血が生きようと暴れるために老いが遅く、力も強いのでハンターには最適なのである。
もっとも、竜人は世界にも少ししか存在せず、その体の特徴から狙われる事も多いので、集落を作ったりなど、ひっそりと暮らしていることが多いのだが。
『だったら名前をつけてあげないとね、ソージ君や』
「しゃべれるモンスター…。始めて見た」
「まぁ喋れるのはコイツだけだしな。しかし名前、名前かぁ…お前は良いのか?俺がつけて」
「うん。むしろこっちからお願いする」
ソージはううんと唸った後、その白い髪の毛を見て手を叩いた。
「【シャロ】…で、どうだ?」
「シャロ…。うん、ありがとう。気に入った」
『ふうむ、シャロ、シャロねぇ…』
白い髪の毛を見て思い付いただけの名前。
一応後からソージ談の理由をつけると、地球の大昔の英雄の名前も意識したそうだ。
「今日から私はシャロ。よろしく、ソージ」
「改めて、ソージ。よろしくな、シャロ」
二人はその場で握手を交わし、シャガルマガラは嬉しそうに喉を鳴らした。
「一応言っておく。私は遠距離武器が得意。ボウガンとか」
「なるほどなぁ。…ふむ、銃弾かぁ。丁度いいかもしれないな。俺は基本近接しか使わないから」
『いいじゃんいいじゃん、もうタッグ組んじゃいなよ』
そうしてとんとん拍子に話は進み、ソージの仲間にシャロが加入するのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
遥か遠くでナニカが光り、そのあとで無数の銃弾が飛んでくる。
ソージは持っていた大剣を横に凪ぎ払う。
すると銃弾は次々に半分に別れ、ソージの後方でピンク色の煙を出しながら爆発した。
ペイント弾である。
また遠くでナニカが点滅し、数々の銃弾がソージへ飛来する。
また銃弾を真っ二つにしたソージは、一度休憩にしようと真上に閃光弾をなげる。
パアンという爆裂のあと、閃光がソージの頭上にふりそそぐ。
しばらくソージがそこで待っていると、遠くからシャロが収納したヘビィボウガンを抱えて走ってくる。
そう、今の銃弾は全てシャロの狙撃。
高さも含めれば大きなエリア一つは離れているであろう場所から、的確にソージをスナイプしたのだ。
「うん。やっぱりソージは変。なんで銃弾を斬れるのかがわからない」
「反応速度には自信があるんだ。あとやっぱお前もチート」
そうして、ソージ達は各々の課題、ソージは目の限界を知ること、シャロはソージについていけるようになることを目標として、修行を続けるのだった。
おまけ
シャガルせんぱい「ソージ君のペットになってる気がする」
掃除「ペットじゃなかったのか」
シャガルせんぱい「違うよ。もっと強くならなければ。でないとソージ君に殺される」
掃除「がんばれ、マイペット」
シャガルせんぱい「ペットじゃないから」