異世界ハンター放浪記   作:翠晶 秋

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17話 シャロ

「楽しんだか?」

「うん。こんな思いをしたのは久しぶり」

 

シャガルマガラ式遊覧飛行を楽しんだソージ達は、洞窟に戻って少女の話を聞いていた。

 

「結局、お前は何者なんだ?」

「お母さんからはモンスターの血を引いているとしか聞いてない。名前も、しばらく呼ばれてないから忘れた」

 

おいおい…と、ソージは頭を抱えた。

名前を忘れるくらい前となると、この少女は少なくとも8、9年は一人で生きてきた事になる。

ちなみに、この少女は【竜人】と呼ばれる人種で、酒場の看板娘やユクモの村長と同じ種族である。

竜人は体の中でモンスターの血が生きようと暴れるために老いが遅く、力も強いのでハンターには最適なのである。

もっとも、竜人は世界にも少ししか存在せず、その体の特徴から狙われる事も多いので、集落を作ったりなど、ひっそりと暮らしていることが多いのだが。

 

『だったら名前をつけてあげないとね、ソージ君や』

「しゃべれるモンスター…。始めて見た」

「まぁ喋れるのはコイツだけだしな。しかし名前、名前かぁ…お前は良いのか?俺がつけて」

「うん。むしろこっちからお願いする」

 

ソージはううんと唸った後、その白い髪の毛を見て手を叩いた。

 

「【シャロ】…で、どうだ?」

「シャロ…。うん、ありがとう。気に入った」

『ふうむ、シャロ、シャロねぇ…』

 

白い髪の毛を見て思い付いただけの名前。

一応後からソージ談の理由をつけると、地球の大昔の英雄の名前も意識したそうだ。

 

「今日から私はシャロ。よろしく、ソージ」

「改めて、ソージ。よろしくな、シャロ」

 

二人はその場で握手を交わし、シャガルマガラは嬉しそうに喉を鳴らした。

 

「一応言っておく。私は遠距離武器が得意。ボウガンとか」

「なるほどなぁ。…ふむ、銃弾かぁ。丁度いいかもしれないな。俺は基本近接しか使わないから」

『いいじゃんいいじゃん、もうタッグ組んじゃいなよ』

 

そうしてとんとん拍子に話は進み、ソージの仲間にシャロが加入するのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

遥か遠くでナニカが光り、そのあとで無数の銃弾が飛んでくる。

ソージは持っていた大剣を横に凪ぎ払う。

すると銃弾は次々に半分に別れ、ソージの後方でピンク色の煙を出しながら爆発した。

ペイント弾である。

また遠くでナニカが点滅し、数々の銃弾がソージへ飛来する。

また銃弾を真っ二つにしたソージは、一度休憩にしようと真上に閃光弾をなげる。

パアンという爆裂のあと、閃光がソージの頭上にふりそそぐ。

しばらくソージがそこで待っていると、遠くからシャロが収納したヘビィボウガンを抱えて走ってくる。

そう、今の銃弾は全てシャロの狙撃。

高さも含めれば大きなエリア一つは離れているであろう場所から、的確にソージをスナイプしたのだ。

 

「うん。やっぱりソージは変。なんで銃弾を斬れるのかがわからない」

「反応速度には自信があるんだ。あとやっぱお前もチート」

 

そうして、ソージ達は各々の課題、ソージは目の限界を知ること、シャロはソージについていけるようになることを目標として、修行を続けるのだった。




おまけ

シャガルせんぱい「ソージ君のペットになってる気がする」

掃除「ペットじゃなかったのか」

シャガルせんぱい「違うよ。もっと強くならなければ。でないとソージ君に殺される」

掃除「がんばれ、マイペット」

シャガルせんぱい「ペットじゃないから」
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