異世界ハンター放浪記   作:翠晶 秋

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20話 色々とびっくりこいた

 

遠くのモンスターの咆哮にソージは目を覚ます。

はらりと落ちる毛布に目をやると、ソージは自らの体温以外の温もりを感じ、寝ぼけ眼でその温もりの発生源を確かめる。

 

「…?」

「…すぅ。すぅ」

「なっ…!?」

 

それがシャロであるとわかった瞬間に、飛び退こうとしたソージだったが、それが引き金で眠気が飛び、昨日の記憶がよみがえった。

 

「…あぁ。こいつと一緒に寝たんだったな」

「…すや」

 

シャロの陶磁器のような白い肌に何故だか興味をしめし、シャロのほっぺを指でつついてみるソージ。

ふにゅん、という感触が返ってくる。

 

「もちもち…あ、いや、俺は何を…」

「すや。…ん?ソージ、おぁよ」

「お、おう。おはよう」

 

くぁ、とあくびを溢して起き上がるシャロは、ほっぺをつつかれた事に気づいていないようで、ソージを見て首をかしげる。

 

「来た?」

「いや、まだだ」

「気球は?」

「確認してないな。起きるか」

 

毛布をめくり、ベッドから降りて空を見渡すソージとシャロ。

気球どころか雲すらない青い空が二人に朝の挨拶をする。

 

「…いないか」

「ん。さすがに一日じゃ来ないかな」

「だろうなぁ。……ん?ちょっと待て」

 

ソージが何かに気づき、耳をすます。

シャロもマネをして耳をすますと…。

 

 

ゴトっ、ゴトっ

 

 

馬が馬車を引く音だ。

しばらくしてやってきたパーティはモンスターの討伐に来たようだ。

討伐依頼の時に前のパーティに置き去りにされた(てい)で事情を話したソージ達は、とある条件を出される。

 

「帰りの馬車に乗せてほしい、ですか」

「ならリーダー、この人達にロアルドロスの討伐の手伝いを頼んだらどうだろう?ちょうど俺たちは二人しかいないしさ」

「そうですね…。えと、ソージさん。シャロさん。僕達のパーティに一時的に入って、ロアルドロスの討伐に協力してくれると言うのなら許可しましょう」

 

こうして一時的にパーティを組んだソージ達は…

 

「…ん。終わった」

「はやっ!?さすがに信じられませんて…」

「ほい、ロアルドロスのたてがみな」

「マジだ…リーダー、マジだ!この人達、二人だけでロアルドロスを討伐しやがった!」

 

時計の針が五分も経たない内に、ロアルドロスを惨殺してきたのだった────

 

 

 

 

「お帰りなさい。もしかして…失敗しちゃいました?」

「いや、討伐してきましたよ」

「はやっ!?なんでぇ!?」

「後ろの人…前のパーティに置き去りにされたらしいんです。それで、帰りの馬車に乗らせてあげる変わりに手伝ってくれって言ったら、こんな早く討伐してきちゃいまして」

 

受付とパーティのリーダーが話している間に、ソージとシャロは他の受付からオススメのクエストを探す。

シャロの装備がいつまでも【簡素な服】であることを重視したソージの意見である。

 

「はぇ~…。わかりました、クエストは達成ですね。取り残されたハンターと鉢合わせた場合、ハンター扱いではなく自然死亡の類に入りますので、お二人からお金はいただきません」

「そうか、助かる。全く金を持っていなくてな、今稼ごうとしていたところだ」

「ご飯が食べれないと困る」

 

結局ロアルドロス討伐クエストの書かれた紙を手にしたソージとシャロは、早々とユクモを離れる。

晩ごはんと寝るところの代金を集めてからユクモ村の観光をするらしい。

自由な二人を見送ったパーティの受付嬢は、苦笑いを浮かべることしかできなかった。

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