アマツマガツチによる怒りの激励、そして戦いの始めを告げる咆哮が鳴り響く。
シャロは射程圏外、ソージは盾を構えて咆哮から身を守り、攻勢の意を示した。
「おら、早く降りてこいよ、
盾のついた左手の人差し指をクイッとやり、挑発するソージ。
因みに通常のハンターは生存率をあげるため、利き手に盾を持つが、ソージの場合はスピードアタッカーのため、振るいやすい利き手に剣を持っている。
アマツマガツチにはダイソンがなにか知らないが、ソージから出る気迫、そしてその表情から侮辱されたことを悟り、ソージに台風をお見舞いした。
が。
「させない」
パァン、という破裂音。
胸に銃弾を叩き込まれたアマツマガツチは、硝煙を吹く銃を抱えた少女を見据える。
「どこみてんだよ」
アマツマガツチは大層驚いたことだろう。
なにせ、目の前にいたはずの敵の声が
アマツマガツチが振り向いたときには時すでに遅し、ソージはアマツマガツチの尻尾を踏みつけ、高く飛び上がっていた。
「せえりゃあっ!!!」
上から響く掛け声と共に、アマツマガツチの額に衝撃が走る。
一瞬だけ体勢を崩してしまったアマツマガツチの額に剣を刺したまま、ソージはアマツマガツチの頭にしがみつく。
アマツマガツチは暴れ、ソージを振り落とそうとするが、ソージはしがみついたまま離れない。
アマツマガツチがほんの一瞬油断を見せた瞬間、腰からナイフを取り出して切りつける。
一撃一撃が重く、衝撃で気絶してしまったアマツマガツチ。
横たわったアマツマガツチに怒涛の連続攻撃をするソージとシャロ。
目を覚ましたアマツマガツチは空へ飛び上がり、ソージへ水のレーザーをお見舞いする。
が、これが読めないソージではない。
〈【獣宿し〔
頭に響く声。
それが何かを確認する暇も与えず、アマツマガツチはソージへ突進する。
「【獣宿し〔嵐舞〕】ッ!!」
口角を吊り上げ、取得したばかりの狩技を発動させるソージ。
アマツマガツチとすれ違うように動き、
眼の蒼い光が尾を引き、コマのような動きによって円を作る。
「らあああああああああッ!!!!!!」
アマツマガツチがソージとすれ違いきったとき、ソージは右腕を水平に伸ばしている。
数秒の静寂。
ぐしゃり、と音が鳴る。
跳ねる泥の中、未だこの世に残っていたのは、蒼く眼を光らせるハンターであった。
「ソージっ!」
「狩猟完了、だな」
バーンエッジを腰にしまい、かけてくるシャロを抱き止めるソージ。
雲の間から差す太陽光が、二人を照らした。