異世界ハンター放浪記   作:翠晶 秋

4 / 44
3話 似てるとは思ったが

 

「おーい、先にいかんでくださいよアズールさぁん」

「ですです。アズールさんは突っ走りすぎなのです」

「急に走り出したと思ったら…あれ?その子たちは誰なの?」

 

アズールと呼ばれた大男の後ろから、ぞろぞろと男女が出てくる。

糸目とフランクな喋り方が特徴の、黒い服を纏った弓を背負った男、頭からぴょこんと飛び出た猫耳が特徴の小さい少女、腕を組んで呆れたような目をした、豊満なバストを持ち、腰にライトボウガンを下げた女性、の順だ。

 

「いや、ドスマッカオの声が聞こえたと思って駆けつけたら、こいつらが襲われてたもんでな」

「襲われてた?武器を持ってないってことはハンターじゃないみたいだし、荷物もないから商人でもない。あなたたち、なんでここにいるの?」

 

大男が斧を手放し、スキンヘッドをピシャリと叩いて快活に笑い、女性が奏治達を観察する。

どうしたものかと頭を悩ます奏治の脳に、友達から読まされたライトノベルなどで得た知識が舞い降りる。

 

「実は俺たち、遠くからやってきて、迷子なんです」

「「「「迷子?」」」」

「はい。遠くの村から山を越えてやっとの思いでここまできたのに、ドスマッカオに遭遇しちゃいまして」

「そいつは災難だったな。どこの村だ?」

 

何か言いたげな凛を視線で黙らせ、奏治は考える。

しまった、村の名前を考えてなかった。素直に日本と言っても伝わらないだろうし、言葉のニュアンスが違う。

元いた町の名前は【穗織(ほおり)】という名前だったが、、モンスターハンター風に変えると、どうなるか…思いつかん。えぇい、もう適当でいいや!

 

「ジャパンです」

 

と答えた。

穗織要素が全くないが、頭に浮かんでしまったのだからしょうがない。

そう心に言い聞かせて、奏治はアズール達の反応を待つ。

 

「ジャパン?知らない村だな。おまえら、知ってるか?」

「いや?知らないな」

「ミィナも知らないです」

「聞いたことないわね」

 

と、当たり前の反応をするアズール達。

やがて、名案が浮かんだのか猫耳の少女が手を叩く。

 

「村長さんなら何か知ってるかもです」

「おぉ、いい案だね。彼なら、他の村との交流も深いし、もしかしたら知ってるかもね」

「じゃあ、えーと…」

「あ、すません、奏治です」

「凛です」

「ソージとリン、ついてこいよ。クエスト達成報告がてら、ウチの村まで連れて行ってやる」

「本当ですか!ありがとうごさいます!」

 

二カッと笑ってみせるアズールに、奏治はちょっとした安心感を覚えた。

凛を起こし、腕を貸しながら、アズール達と話をして、情報を集める事にした。

 

「あ、そうだ、自己紹介が遅れていたね。俺はグルード。ガンナーだよ」

「ミィナはミィナです。双剣をメインにやってるです」

「私は、シサイナ。グルードと同じくガンナーをやっているわ」

「んで、俺がこのパーティーリーダーのアズール。スラッシュアックスが得物だな」

「あぁ、よろしく。改めて奏治だ」

「こっちも、改めて凛です」

 

などと、情報交流をしていたのだが、奏治と凛には気になる事があった。

ドスマッカオを知っていることや、スラッシュアックスの存在など…

 

「(ねぇ、奏治君)」

「(あぁ。これって…)」

「(似てるとは思ったけど…)」

 

 

 

「「(まさかここって、モンスターハンターの世界?)」」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。