――男の話をしよう
元々、男はただただ平凡であった。
生まれた時からその終まで、意味がないほどに凡庸なその生涯。
普通に生きた。と男は笑う。
満足に逝った。と余人は悲しむ。
語るところは、特にない。
語ったところで、読者が飽きる。
人の人生は波乱万丈というが、その男には当てはまらない。
だが、しかし、
人生とは、得てして波乱万丈とされるものだ。
「―――私がマスターだ。なに、君とは多分うまくやっていけると思うよ。"三流物書き"さん?」
子供の体に水色の髪、その体に似合わぬ低い声、間違いない。私は数少ないあたりを引いた!!
顔には出さないが内心では歓喜する。一番の問題であった問題が思わぬ形でクリアできたのだ。嬉しくないわけがない。
「フン、俺のことは知っているようだな。そうだ俺がハンス・クリスチャン・アンデルセンだ。なんのクラスかは語るまでもない。低俗なサーヴァントに見合ったクラスなぞひとつしかないだろう。」
「君がそう言うということはキャスターということでいいのか?」
そう聞くとアンデルセンはやれやれといったふうにため息を吐く。
「わざわざ聞き返すまでもないだろう。俺を呼び出すなぞどれほど阿呆かと思ったが、よっぽどなようだ。その頭、飾りじゃないんならそのくらい聞き返さずとも理解しろ。」
アンデルセンはそう吐き捨てた、毒舌だとは知っていたが麺と向かって言われると予想以上だ。
「さてさて、自己紹介の続きといこう。戦闘はできん、肉体労働も大嫌いだ。できることと言ったら人間観察くらいだ。人間の批評なら任せておけ、戦闘はまったくできない最弱のサーヴァントだがそうとなったらその人間の価値、ひたすらにコキおろしてやろう。だから肉体労働はさせるなよ?絶対にだ!」
必死に肉体労働を拒否するところを見るとよほど嫌いなのだろう、知識として知ってはいたのでそこは問題はない。そもそもサーヴァントを戦わせる気は最初から全くなかったのだ。
「私は、皐月《さつき》月詠《つくよ》だ、女のような名前だが気にしないでくれ。契約を結ぶにあたって君に確認したいことがあるんだがいいか?」
「さっきも言ったがそんなことわざわざ聞かなくてもいいだろう?俺はお前のサーヴァントだ、聞きたいことがあるなら今のうちに聞いておけ。普通なら代金をもらうところだが?ここはサービスしといてやろう。」
「それは助かる、では早速聞くがきみは聖杯はいるのか。」
「そんなものいらん。興味はない。勝手に使え。」
「そうか、ならいい。これからよろしく頼むキャスター。」
私は握手をしようと右手を差し出すが、キャスターはその手を足らずに一言だけこういった。
「フン。正直気は進まないが、お前の物語、綴ってやるとしよう。せいぜいバッドエンドにならないように気をつけろよマスター?」
そのまま霊体化してしまった。話しておきたいことはまだあったが、そろそろ例の茶番が始まる頃だ。あとにしよう。そう思い放ってあった使い魔と視覚を共有した。
視線の先には遠坂邸が写っていた。
正直アンデルセンが難しいのでこれじゃない感が出ていたらすいません。
今回も短めですが1話1話短めで更新をちょくちょくやっていく感じにしたいと思っています。
稚拙な文かもしれませんがあたたかい目で見守ってくれるとありがたいです。