ぜんまい仕掛けの個性 作:でちん
SCP-914の能力持った知的生命体とか絶対やばいよね
SCPを取り扱った作品は初だからクリエイティブ・コモンズに反してたら教えてほしいゾ
取り敢えずURLは小説情報の方に乗せてます
■■■一家惨殺事件。
今から10年も前に起こった事件だ。この事件は世間を多いに震撼させた。何故なら5歳の男の子を残し、一家惨殺された上に駆けつけた警官とヒーロー15名が死亡、重傷者は20以上にも及ぶ大事件だったのだから。
惨殺現場はリビングでどの死体も実に惨いものであった。
男の子の母親である女性は目も当てられないくらい酷く惨たらしい、ところどころ熱線で切り取られたと思われるバラバラ死体に成り果てており、祖父は内蔵、骨、臓器などが丁寧に損傷なく切り取られたバラバラ死体、祖母に至ってはもはや辺りに散っていた血液から予測するしかない程にグチャグチャの死体へとなっていた。
────そして父親は化け物となっていたのだ。本来頭蓋骨で守られているはずの脳みそは剥き出しになり、右腕は肉と骨で造られたような脈動する鋭い刃物へと変わり、左腕は歪に膨れ上がったかのように巨大化しており、生理的嫌悪を催すかのような姿をしていた。その父親であった存在は常に泣き叫び、殺してくれ、殺してくれと絶叫していた。
最初に駆けつけた8名のうち4名の警察官が取り抑えようとしたところ、近づいてきた警察官を頭頂から股下にかけて両断し、続く2名の警察官の首を跳ね飛ばした。残る警察官は個性を使用しようとしたところ、歪な左腕によって顔を掴まれ、コンクリートの地面へと叩きつけられ、頭部を粉砕され死亡。
それに気づいた残る警察官がヒーローと増援を要請。その後応戦を開始した。
ヒーローと増援が駆けつけた時に見たものはズタズタに切り裂かれた警官とくずくずに腐敗した警官、上半身が無くなっていた警官、そして首を飛ばされ四肢が切り落とされていた警官の姿であった。
すぐさまヒーローと警察官が鎮圧を開始したが、その間にも父親であった化け物の変形は進み、心臓が表皮に露出し、全身の筋肉が異常な速度で膨張を始めた。
声なき絶叫を上げ、襲いかかる対象にヒーローと警察官は勇敢に戦い、そしてその尊い犠牲の元、対象を完全に無力化することに成功した。
この事件にはオールマイトも対処しており、最後にはオールマイトによる強烈な殴打によって鎮圧することが出来た。
だが、鎮圧が成功した途端対象は青い灰へと変貌し、その粉が目に入った一部のヒーロー及び警察官は失明した。
その後家に突入した時に惨状を確認した。その時押し入れの中から5歳の男の子が心神喪失状態にて発見された。この事件唯一の生存者と言っていいだろう。
また、この事件は不可解なところがあった。それは化け物と化した父親の事だ。この者の個性は改造。無機物を常識の範囲内で改造できるといったものであった。だが、実際にはまるで複数の個性を有しているかのようであり、個性届に書かれていたものとは全く関係の無いものまであった。
そして、一家の惨殺死体もまた奇妙と言える。特に母親と祖父が顕著である。母親は惨たらしくバラバラにされている所まではいいが、熱線により焼き切られている部分も見え、祖父の方は医学的に意味のある切られ方をされていたのである。どちらも対象の様子からは出来そうにはない。つまりは何者かがこの事件に深く関与している可能性が高いとして見ているが、今も尚証拠を見つけることはできなかった。
余談だがこの時オールマイトは「オールフォーワンめ…!」と言い、強く拳を握り締めていた姿を一部の者が視認したという。
そして今現在も度々惨殺死体が発見される。が、どれも犯罪行為を行っていたものであった。犯人の行方を追っているが、依然として足取りを掴むことは出来ていない。
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「うおおおおおっ!!」
こちらに向かって殴りかかってくるヴィランに対して、軽く触れる。
「Rough」
たったその一言だけでヴィランはズタズタの惨殺死体へと変貌する。何人殺しただろうか、辺りは血の海に染まっていた。残りは一人、ここ最近世間を騒がせていたヴィラン集団だ。コイツらを殺せば善良な一般市民は安心して日常を過ごせるだろうか。そんな事を考えながら残る一人へと歩み寄っていく。
「ひっ、何なんだよお前ッ! 俺達が何をしたって言うんだ!? お前には何もしてないだろうがァッ!!」
恐慌状態に陥っているようで、歯をガタガタと鳴らし尻餅をついたまま後退りをする。
「そうだな、お前らは私には何もしていない。けれど、お前らは悪だ。であるならば私は殺す。人を救うために」
「イカレ野郎がァ! 何なんだてめえの個性は!? 俺の仲間達をまるで10年前の■■■一家惨殺事件みたいに殺しやがって!」
その一言で忌々しいことを思い出した。幸福で満ちていた時期であり、そして惨劇が起きる日のことだった。
あれはいつだったか、私は両親にヒーローになりたいと言ったことがある。母はニコニコと微笑んでいた。父は強くならないとなと言っていた。幸せだった、はずだ。
────■■■一家惨殺事件が起きるまでは。
あの事件が起きてからヒーローや警察はよく親身に接してくれるようになった。凄惨な現場を見てしまったから心が壊れてしまったのだろうと言って、必ず犯人を見つけ出してみせるからと言って。
けれど、私は、私だけが知っている。あの事件の真相を。
あの事件の犯人は他の誰でもない私だ。私が、あの幸せな家庭を壊してしまったんだ。自分の個性がどれほど恐ろしいものなのかを知らずに使ってしまったんだ。
自分の個性は改造する能力だ。有機物だろうが無機物であろうが何であろうとも。それは自身の個性が発現した時に使い方がスッと頭の中に入ってきたのだ。
Rough、Coarse、1:1、Fine、Very Fine。
このうち一つを念じながら対象に触れば改造が始まる。それがどういった意味を持つのかは分からなかった。けれど無知な私は皆を驚かそうとまず最初に1番近くにいた父に触れ、Fine と念じた。
それが惨劇の始まりだった。父は苦しそうにのたうち回り、徐々に体が変貌していった。異変に気づいた母と祖父、祖母がやってきたが、その頃には父は異形の存在へと変貌しており、祖母を────殺した。
殺した祖母を執拗なまでに切り刻み続けていた父の姿を見て、私は戻さなきゃと思った。当たり前だ、自分が仕出かした事なのだから。だからこそ、今も尚祖母であったものに攻撃をしている父に目がけてRough と念じながら手を伸ばし、反対の手を母に掴まれた。
母は私が行かないように、殺されないように掴んだのだろう。けれど、母は念じていた私に触ってしまった。
母は、悲鳴を上げてバラバラの惨殺死体へと変わった。
その悲鳴を聞いた父は首をぐるりと回し、こちらを見た。その異形な風貌になった身体で。
そんな中でも祖父は私だけでも守り抜こうと思ったんだろうか、私の体を持ち上げ、逃げようとした。
けれど、私は父を元に戻したくて、自分が壊してしまった幸せな家庭を戻したくて、個性をがむしゃらに使った、使ってしまった。
結果、祖父はパーツごとに綺麗に分解され、父は更なる変貌を遂げてしまった。絶叫を上げながら苦しみ悶える父がのたうち回り、その際に私にぶつかり、私は押し入れの中へと転がるように入った。
そして父は絶叫を上げ、殺してくれと叫んで家の壁を壊して外へと向かった。
幸せだった家庭を自分の手で壊してしまったことが、自分が家族を殺してしまった事実に耐えきれなくて私は
────自分自身に向けて
その結果、私は変わってしまった。肉体も精神も名も何もかもが変わったのだ。
今の『私』を表すものはSCP-914という記号のみ。
「忌々しい記憶だ。己の愚かさを再認識させられるようだ。償えきれぬ罪を魂に刻み込まれるようにな」
けれども、たったひとつだけ変わらない夢があった。
ヒーローになるという夢だけは変わらなかった、変えることが出来なかった。
だからこそ、私は今日も人を救うために人を殺すのだ。
「クソッ! クソォッ! 一体なんだって言うんだよてめえの個性は!?」
私の個性か、そうだなこの個性はきっと────
「ぜんまい仕掛けの個性さ」
そっと優しく顔に触れる。
「じゃあな、来世では悪人にはならないことだ」
血の海がまた広がった。
物凄くとばっちりを食らったAFO
AFO「僕がやったんじゃないんだけどなぁ…」
主人公:自分自身に向けてVery Fine をしてしまったため完全にぶっ壊れた。人を救うために人を殺すという矛盾した理念を掲げて今日もヴィランを殺す。ちなみにSCP-914という名前は自身を Very Fine した時に頭の中に思い浮かんだらしい。
仮につけるならオブジェクトクラスはなんだろうね?
続きは誰かが書いて♡