人理の救世主Vs正義の味方   作:九十九猿

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中々筆が進まずボツを繰り返したので遅くなりました。私は一人称が得意なのですが、三人称の練習に書いているので拙い文になりますが、よろしくお願いします。


1話

「レイシフト成功です!ところでここは本当に現代なのでしょうか……」

 

「ここは聖杯戦争の一種の聖杯大戦という儀式の舞台にはなったけれど、かなり田舎だからね。自然が豊かで人が少なく魔術師にとって中々良い場所だったんだと思うよ」

 

「って……なんでここにいるんですか!?ダ・ヴィンチちゃん」

 

「アハハ、私もカルデアに残るつもりだったんだけど何故か召喚されちゃった」

 

 藤丸立香率いるカルデアはこの世界では『まだ解決していない』ルーマニア・トゥリファスの特異点にレイシフトしていた。当然かの邪竜による導きは無く、別の要因によるものだ。

 

「マスター、どうやらそれぞれ別クラスの7機の英霊がカルデアから召喚されているようだ。マスターとマシュ嬢以外は最初に連れてくる予定の英霊は召喚されておらず、ランダムに召喚されたと見るべきだろう。それがこの特異点の性質なのかもしれないな」

 

 冷静に現状を分析するのは弓兵の英霊、エミヤだ。彼もキッチンに立っていた所、急にレイシフトに巻き込まれたらしく、片手に持っていた投影した包丁を消していた。

 

「さて、どうしようか……辺りに生命反応は無いらしいし、聖杯の情報も無いのか……」

 

「主殿、アサシンである僕が周囲の状況を探ってきましょう。まだよく分からない特異点を歩き回るのは得策とは言えないので」

 

「なら小太郎お願い。けど、まだ何があるか分からないんだから気をつけてね」

 

「そうだねぇ、それが良いかもだ。聖杯大戦が行われた地でクラスが違う7機の英霊が呼び出されたのが偶然だとは思えない。この特異点が聖杯大戦をさせようとしているのなら、探索は重要だろう。私からもお願いするよ、小太郎君」

 

「承知!」

 

 そこからも一番状況把握能力が高いダ・ヴィンチがこの場を仕切り、自分の知識とスキルを用いて拠点を作成、7機もの英霊がいることを贅沢に使って、砦とも言えるような堅牢なものを作り上げた。

 彼らが拠点を作り上げ息をついたその時、空に黒い雲が集まり、人の顔のようなものを形成して声を発し始めた。

 

『争え、2人の人間と7機の英霊達よ。これは聖杯大戦である。勝者には聖杯が与えられ、この特異点も消え去るだろう。こ こは貴様達が争う為に用意された特異点。さぁ、我を楽しませよ』

 

 もちろんこの声はゼパルである。何故ならこの世界は正義の味方の世界で、ゼパルがかの邪竜から聖杯と共に奪い取ったものだからだ。つまり、彼は人類の可能性を見極める方法としてお互いが同じ条件で争えるように『聖杯大戦』という方法を選んだのだった。だが今の彼らには誰が黒幕か、なんてことは知る由もない__

 

 彼らは戸惑い雲が去った後も警戒を続けていた。その中でもダ・ヴィンチは冷静に動く。

 

「さて、これは困ったことになったね。ホームズ、そちらの観測結果はどうなんだい?」

 

 ダ・ヴィンチ不在のカルデアでは急遽シャーロック・ハームズが管制室をまとめていた。

 

「困ったことにその特異点に聖杯の反応は無いよ。これっぽっちもだ。私は先ほどの言葉を真実だと捉えるがどうだろう?」

 

「君がそう言うなら本当なんだろうね。それじゃ本当に聖杯大戦を行うしかないのか……黒幕の思惑に乗っていればいつかは何かの手がかりが得られるかもしれないね」

 

「まだ不確定要素が多くて、先程の声の主も分からないんだ。今はそうしておくべきだと思うよ」

 

 これからの方針を固めた彼らはすぐに行動に移し、聖杯大戦への準備を進めて行く。拠点の強化、地形の把握、全力の確認、その中、ようやく風魔小太郎が戻ってくる。

 

「主殿、只今戻りました!」

 

「お疲れ様小太郎、早速だけど諜報の結果を聞かせてもらえる?」

 

「はっ!先程の声によると戦う相手となる集団がいるはずですが、その集団の存在を確認しました。しかし、相手の陣営のアサシンと思われる存在に妨害され、交戦。それ故にあまり相手の詳細は分かりませんでしたが、マスターと思われる存在は2人の男女でした。また、アサシンと思わしきサーヴァントは銃を使っており、現代に近いサーヴァントだと思われます」

 

「ありがとう、小太郎。さて、これからの計画を立てようか」

 

 カルデアからの情報も交えて彼らは話し合いを進める。この場にいるサーヴァントの戦力に加え、この世界では少しだけ早く戦う覚悟を決め、機械の補助を得て戦えるようになったマシュもいる。そして何より戦力的に大きいのはエミヤという存在がいることである。

 彼は壊れた幻想(ブロークンファンタズム)を用いることで2kmを超える射程で、並の建物や英霊をを吹き飛ばせる威力を放つことができる。その上、もし迎撃されても、白兵戦をこなすことができる。相手のマスターを殺す訳にはいかないが、エミヤのしゃげきのうりょくを用いて奇襲をしかけ、相手のサーヴァントの数を減らして、序盤から数の利を得よう、という方針に固まった。

 

「さて、こんなものだろう。行動し始めようか、急がないと相手に先を越され__」

 

 ダ・ヴィンチがそう言い切る前に、堅牢な砦とも言える拠点が大きく揺れた。その振動は凄まじく、何重にも貼った魔術結界のおかげで拠点そのものには被害が少ないが、結界は全滅してしまっていることだろう。

 

「これは狙撃か__?どうやら相手の方が1つ上手だったようだな。マスター、迎撃に向かうぞ!」

 

「エミヤ、お願い!マシュとダヴィンチちゃんもついてきて、それ以外の皆は拠点を守りながら狙撃してきた奴以外の迎撃をお願い。相手は恐らくサーヴァントだ、油断せずに2人以上で動いて!」

 

 歴戦の彼はすぐさま周囲へと指示をだす。そしてマシュと2機の英霊を従えた彼は狙撃してきた方向に駆け、狙撃手と相対する。即ちそれは正義の味方との相対である。

 

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