ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜   作:萊轟@前サルン

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戦兎「お気に入り120人突破!この小説を読んでくれている読者の皆様、本当にありがとうございます!」

龍我「これからもこの小説の執筆を頑張って行こうと思うのでどうか、応援よろしくお願いします!」



29.黄金のソルジャーと西のファントム!

 バレンタインから数日経った日の朝、インターホンの音が朝日奈家の全体に鳴り響く。俺は起きたばかりだったので玄関前に行けず、代わりにみらいが玄関前に行き、家の扉を開く。

 

「キャー!!」

 

 玄関前からみらいの悲鳴が聞こえてきた。俺はみらいに何かあったのかと思い、すぐに変身出来るようドライバーとフルボトル二本を持ってみらいのいる玄関前に行く。玄関の開いた扉の前には"久しぶり!"と書かれた服を着ている氷室幻徳と猿渡一海がいた。

 

「何だ、幻さんと一海か…」

 

「何だとは何だ!久しぶりの再会を喜べよ!」

 

 2人と俺の会話を聞いたみらいはこの2人が俺の知り合いだと分かり、少し安心した表情を浮かべている。

 

「こんな可愛いお嬢さんと一緒に住んでるなんていいなぁ…羨ましいぜ〜!」

 

 猿渡一海はそう言いながらみらいの頭を撫でる。頭を撫でられてるみらいは会って間もない猿渡一海に頭を撫でられてるせいなのかどこか不安そうな表情を浮かべていた。

 

「一海、そろそろ撫でるのやめなよ」

 

「わりぃわりぃ、可愛いかったらつい撫でたくなっちまった」

 

 俺に注意された猿渡一海は撫でるのをやめ、手をバッグの中に入れてバッグの中から一枚の紙を取り出し、俺に渡してきた。

 

「これは?」

 

「謎のライダーについての記事だ。最近、赤と黄と緑のメダルで戦うライダーが街に現れてるらしい…」

 

 俺は赤と黄と緑のメダルで戦うライダーと聞いてレジェンドライダーである"仮面ライダーオーズ"を思い出す。

 

「一海、情報ありがとう!街に行ってくる!」

 

 2人に街に行くと伝え、俺が街に向かって走り出したその時、目の前にエボルトが現れた。俺はいきなり現れたエボルトに驚き、何歩か後退する。

 

「久しぶりだなぁ!」

 

「エボルト…!」

 

「今日はお前のレジェンドライダーフルボトルを貰いに来たんだ!」

 

「悪いが、レジェンドライダーのフルボトルは渡せない!」

 

「だったら力づくで奪うまで!」

 

 エボルトはそう言いながら既にコブラエボルボトルとライダーシステムエボルボトルの二本のフルボトルが装填されたエボルドライバーのレバーに手をかけてレバーを勢いよく回して変身する。

 

Are you ready?

 

コブラ!コブラ!エボルコブラ!!フッハッハッハッハッハ!

 

 変身したエボルトは俺に向かってきた。俺は変身する為にドライバーを出そうとしたが猿渡一海と氷室幻徳が俺の前に立つ。

 

「戦兎、ここは俺たちに任せろ!行くぞ、ヒゲ!」

 

「あぁ。行くぞポテト」

 

 2人はそう言いながらスクラッシュドライバーを腰に装着し、猿渡一海はロボットスクラッシュゼリーを、氷室幻徳はクロコダイルクラックフルボトルをスクラッシュドライバーに装填し、ドライバーのレンチを下に倒して変身する。

 

潰れる!流れる!溢れ出る!

 

割れる!壊れる!砕け散る!

 

 音声と共にビーカーが2人を包み込んでいき、潰したゼリーの液体が2人の入っているビーカーに溜まっていく。そしてビーカーの液体が溜まりきった所でビーカーがなくなり、溜まっていた液体が装甲として2人の身体に纏われていく。

 

ロボット イン グリス!ブラァ!!

 

クロコダイル イン ローグ!オーラァ!!

 

「戦兎、行け!」

 

 変身した2人は俺にそう言ってからエボルトへ向かっていった。2人に行くよう言われた俺はみらいの手を引き、街の中心部の方へ走っていく。

 

「お前らに用はない」

 

「黙れぇ!!」

 

 猿渡一海はそう言いながらアタックモードのツインブレイカーでエボルトの胸部を攻撃をする。そして氷室幻徳も何回か蹴り技を入れてエボルトを少し先まで吹っ飛ばす。

 

「エボルト、これで終わりだ」

 

 氷室幻徳はそう言いながらスクラッシュドライバーのレンチをもう一度下に倒して必殺技を発動させる。隣の猿渡一海も氷室幻徳と同じようにして必殺技を発動させる。

 

スクラップフィニッシュ!

 

クラックアップフィニッシュ!

 

 必殺技を発動させた猿渡一海と氷室幻徳はその場で勢いよく跳び上がる。そして猿渡一海はグリスの背中から噴出されるヴァリアブルゼリーを使って加速し、ローグより一足先にエボルトに向かって急降下していく。グリスの必殺技が決まった後、氷室幻徳は両足を開き、エボルトの身体を鰐のように何回も噛んでからデスロールをする。

 

「くっ…ここまで強くなってるとは想定外だ…分かった、今日の所は見逃してやるよ!チャオ!」

 

 エボルトは必殺技を受けた部分を手で抑え、苦しみながらも高速移動を使ってどこかへ去っていった。

 

 2人は変身を解き、朝日奈家の玄関の方へ顔と体を向ける。すると、そこには2つの缶コーヒーを持った万丈と具なしの普通のおにぎりを何個か詰めた小箱を持つリコがいた。

 

「久しぶりだな、龍我」

 

「久しぶりだな!幻さん、カズミン!おにぎりと缶コーヒー持って来たから庭のベンチに座ってゆっくりしていけよ!」

 

 万丈にそう言われた2人は朝日奈家の庭にあるベンチに座り、缶コーヒーを飲みながらおにぎりをゆっくりと食べていく。

 

「龍我、その紫色の髪の子は何なんだ?」

 

「コイツは十六夜リコ、俺のコレ(彼女)だ」

 

 万丈は彼女と言うのが恥ずかしくて言葉にできない為、ジェスチャーでリコが自分の彼女であると2人に伝える。

 

「へぇ〜…充実してんじゃねぇか」

 

 猿渡一海がそう言っていると家の中から朝日奈今日子が出てきた。朝日奈今日子を見た氷室幻徳は胸がドキン!となり、朝日奈今日子に迫っていく。

 

「あ、あの!初めまして!」

 

「初めまして、私は朝日奈今日子!あなたの名前は?」

 

「氷室幻徳と言います!」

 

 氷室幻徳は朝日奈今日子に名前を教えると共に黒い革ジャンのチャックを開けて"よろしくお願いします!"と書かれたシャツを朝日奈今日子に見せる。

 

「フフフッ、面白い方ね!」

 

「今日子さん、昼までここのベンチで話しましょう!」

 

「フフッ、いいわよ」

 

 2人はそう言いながら猿渡一海の座るベンチとは別のベンチに座り、話し始めた。

 

 一方、街の中心部へ走っていった俺とみらいは長い距離を走り、お腹が空いてしまった俺とみらいは近くにある多国籍料理店"Cous Coussier(クス クシエ)"に入っていく。

 

 店内に入るとそこにはチャイナ風のコスプレ衣装を着た店員さんが数名いた。そしてその数名の中に仮面ライダーオーズである火野 映司がいた。

 

「アンタ、どうしてここに?」

 

「俺はここに住み込みでバイトしてるからいるんだよ!」

 

 どうやら、こっちの世界の火野 映司はまだクスクシエに住み込みでバイトをしているらしい。タカメダルが割れてない事からアンクという泉 比奈の兄の身体を使うグリードもまだいるようだ。

 

 俺は火野 映司と少し話した後、みらいと共に近くの席に座り、メニュー表を見る。メニュー表をパラパラとめくっていると、また誰かが俺の頭の中に囁いてきた。

 

「オーズのいる場所へ辿り着いたようね。そうすれば後はオーズの力を手に入れるだけよ」

 

 頭の中にそう囁かれた俺はオーズの力を手にすれば火野 映司が左 翔太郎とフィリップのように消滅してしまうと思い、世界を守る為とはいえ、レジェンドライダーの力を奪う事はしたくないなと思っている。

 

「戦兎?どうしたの?」

 

「大丈夫、何でもない」

 

 俺がずっとボーっとしてたので心配になったみらいが俺に声を掛けてきた。俺はみらいを心配させないよう大丈夫、何でもないとみらいに言って注文用のベルを鳴らす。

 

 注文を終えて料理を待つ間、俺は"力を奪う"という嫌な事を忘れる為にみらいと話し始める。

 

「そういえば俺、まだみらいとLINEの友達になってないよな?」

 

「あっ!私も戦兎を登録するの忘れてた!QRコード見せて!」

 

 俺はスマホに自分のLINEアカウントのQRコードを表示させる。みらいは表示されているQRコードを読み取り、俺を友達登録した。みらいのカバー画像は一年前のクリスマスの時に撮った俺とのツーショットだった。

 

「良いカバー画像でしょ?」

 

「あぁ!最ッ高だ!」

 

「これからも良い思い出を作っていこうね…///」

 

「そうだな!」

 

 みらいは顔を赤くし、俺の左手を右手でぎゅっと握りながらそう言う。俺はそうだな!と返答し、同じ様にぎゅっとみらいの右手を握る。そしてその後も俺とみらいが話しているとチャイナ風コスプレの店員さんが料理を持ってきて俺たちのテーブルの上に置く。俺とみらいは冷めないうちに食べようと、出来上がったばかりのアツアツの中華料理を食べ始めるのだった…

 

to be continued......




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