ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜 作:萊轟@前サルン
みらい「第32話どうぞ!」
俺は天ノ川学園高校仮面ライダー部の部室を出てすぐの場所でディケイドについて考えていた。すると、いつものようにみらいがやって来た。
「みらい…お前は毎回、俺の近くに来てくれるんだな」
「当たり前でしょ…戦兎は私の大切な人なんだから」
みらいは俺と同じ様に悲しそうな表情を浮かべながら下を向いていた。その後、俺とみらいは何も喋らず、木々が風でざわめく音しか聞こえない様な沈黙が暫く続く。
「へぇ〜!仮面ライダー部はすげぇな!」
部室の扉が開き、中から万丈とリコとことはが出てきた。3人は悲しい表情を浮かべながら顔を下に向けている俺とみらいを何があったんだ?というような疑問の顔で見ていた。俺とみらいは数秒経ってから3人の存在に気付き、慌てて悲しげな顔を笑顔に変える。
「戦兎、何か悩みあるなら聞いてやる!だから、無理して笑うな!」
「みらいも同じよ」
「うんうん!」
「万丈、リコ、ことは…!」
3人は先程、俺とみらいの悲しげな顔を見ている為、俺とみらいが何か悩みを抱えてる事と咄嗟に浮かべた笑顔が作り笑顔だという事は分かっていたようだ。
「俺、救世主になるかならないか迷ってんだ…」
「なればいいんじゃねぇか?世界を救えるのが救世主様だけなら」
「ただでなれるならいいんだが、どうやら救世主になるにはライダー達の犠牲が必要なんだ」
「まじか…」
と、救世主になる為の条件を知らなかった万丈は俺から救世主になる為の条件を聞いて困惑顔をする。周りで話を聞いていたリコとことはもなったほうがいいか、なっちゃダメなのかの判断が出せず考えこんでいた。すると、部室から如月弦太朗が出てきて俺にこう言う。
「話は聞いたぞ!お前が救世主になって世界を救ってくれるんだよな?」
「いやなるかどうかはまだ…」
「なるかどうか考えるくらいならいっそなっちまえよ!」
「俺が救世主になればアンタは消える…アンタは消えるのが怖くないのか?」
「怖いも何も、誰かが世界を救う為に俺の力を必要としているなら俺はそいつに力を渡して消えても構わねぇ!」
「如月弦太朗…」
「とにかく、俺の力をやるよ!」
如月弦太朗がそう言いながら両腕を精一杯広げていると、魔闇 月がやって来た。
「フフッ…如月弦太朗、あなたは良い判断をしたわ!消えた後、名前くらいは覚えといてあげるわ…」
魔闇 月はそう言いながら自分の体内からエンプティボトルを生成し、如月弦太朗から友情の成分とロケットの成分を奪っていく。
「救世主、次にディケイドが現れたらこれをお使いください!それと、力を奪われたライダーは救世主であるあなたが奪った力を奪使うでは消えない…」
「なら、力を手に入れるだけで充分じゃないのか?」
「力は使わないと効力が出ない。だから、力は必ず使ってください」
魔闇 月はそう言いながら俺の左手を掴み、掌の上に二つのフルボトルを置く。みらいは魔闇 月が俺の手を触っている事に苛立ちを感じており、ずっと魔闇 月を睨んでいた。一方の魔闇 月は優越感に浸っているような顔をしながらみらいを見ていた。
「魔闇さんめぇ…!」
「落ち着いて、みらい!」
リコは魔闇に向かっていこうとするみらいを制止させる。リコに止められたみらいは溜まった怒りをグッと堪える。
「それではまたどこかでお会いしましょう!救世主!」
「お、おう…」
魔闇 月は最後に短い言葉で俺にそう言い、この場から去っていった。魔闇 月が去った後、みらいは両腕で俺の右腕をガシッと掴む。
「戦兎はあげないんだから…!」
「みらい、俺はアイツの事を何とも思ってないから安心しろ」
「ふぅ…よかった」
俺はみらいに魔闇 月の事を何とも思ってないと伝える。それを聞いたみらいはふぅ…と安堵のため息を漏らす。みらいが落ち着いた後、俺は石動美空らしき人物を探す為に如月弦太朗に石動美空の写真を見せる。
「なぁ、こんな顔の奴はこの学校にいるか?」
「見た事ねぇな…」
写真を見た如月弦太朗は自身の記憶を探り、生徒達の顔を思い出していくがその記憶の中に石動美空のような顔をした人物はいないようだ。
「見た事ないのか…じゃあ、一海が見たのは一体…」
と、俺が猿渡一海の見た人物について考えているとどこからか猿渡一海の声が聞こえてきた。
「みーたぁぁん!待ってくれよー!!」
「嫌ぁ!誰か助けて!」
俺が声の聞こえる方へ顔を向けてみるとそこには猿渡一海から逃げる女子生徒と女子生徒を追いかける猿渡一海がいた。
「アイツの美空愛は変わらないようだな…」
俺はそう言いながら猿渡一海の所まで走って行き、女子生徒を追いかける猿渡一海を制止させる。
「俺がみーたんに辿り着くまであと少しだったんぞ!邪魔すんなよ!」
「はぁ…一海、お前は"美空"まであと少しだったんじゃなくて"犯罪"まであと少しだったんだぞ」
俺は呆れ顔で猿渡一海にそう言う。猿渡一海の後方には荒い息を吐きながらこちらに向かって走る氷室幻徳の姿が見えた。
「はぁ…はぁ…ポテト、早すぎだ。もっと遅く走れ」
「はぁ?ヒゲが
「一海、幻さん聞いてくれ!この学校には美空に似てる人物はいないんだ!」
「…って事はあの子は?」
「エボルトだ」
俺は2人に猿渡一海が追いかけていた女の子の正体を言う。それと共に猿渡一海に追いかけられていた女の子は走るのをやめて不気味な笑みを浮かべながらこちらに顔と体を向けてきた。
「俺が顔と身体、そして声を変える能力を持っていた事を覚えているとはなぁ…流石は天才物理学者だな」
「エボルト、今日こそ倒してやる…!」
俺はそう言いながらドライバーを巻いてフルボトルを装填しようとするが、なぜかフルボトルを持つ両手が震えてドライバーにフルボトルを装填できなかった。
「どうした、変身しないのか?」
「くっ…」
と、俺が変身出来ずにいると幻さんが俺の前にやって来て俺の父さんである葛城 忍の物であったビルドドライバーを巻く。そして俺から貰ったプライムローグフルボトルを二つのフルボトルに分割させてからドライバーに装填する。
『プライムローグ!』
ドライバーにプライムローグフルボトルを装填した後、ドライバーのレバーを回して変身する。
『ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!』
『Are you ready?』
「変身!」
『大義晩成!プライムローグ!』
『ドリャドリャドリャドリャ!ドリャー!』
氷室幻徳の変身を見たエボルトも既にコブラエボルボトルとライダーシステムエボルボトルの二本のフルボトルが装填されたエボルドライバーのレバーに手をかけてレバーを勢いよく回して変身する。
『Are you ready?』
『コブラ!コブラ!エボルコブラ!!フッハッハッハッハッハ!』
エボルトは変身後、すぐにプライムローグへ向かっていき、ローグの胸部を殴る。だが、プライムローグのアーマーがローグのアーマーより硬い為、あまり効いていなかった。エボルトはその後、何発も何発もプライムローグの胸部周辺に強烈なストレートを打つがプライムローグにはあまり効いていない様子。
「随分と抜かったようだな、エボルト」
「なら、これでどうだ!」
氷室幻徳がエボルトに向かってそう言うと、エボルトは能力である高速移動を使い、プライムローグの周りを回っていく。プライムローグには鷹の目のような相手の動きを見切る能力がない為、氷室幻徳はエボルトの高速移動に対応出来ずにいた。エボルトはプライムローグが自分の高速移動に対応出来ていないのを見てドライバーのレバーを回し、必殺技を発動させる。
『Ready go!』
『エボルテックフィニッシュ!チャオ!』
必殺技を発動させたエボルトはプライムローグの周りを何周かしてからプライムローグに向かって蹴りを放つ。流石のプライムローグでも必殺技を受け流す事はできず、大ダメージをくらってしまう。
「ぐっ…」
「フッハッハッハ!さぁ、邪魔はいなくなった!戦兎、やろうじゃねぇか!」
プライムローグを倒したエボルトは他のライダーの力を使うか使わないか迷っている俺に近づきながらそう言う。
「くっ…どうすればいいんだ…!」
「戦う気がないのか…なら、終わりだ!」
エボルトはそう言いながら俺に向かってくる。だが、誰かが俺の前に入り、俺を守った。前を見てみるとそこにはみらいがいた。みらいは両腕を広げ俺を守るような体制をとった。
「戦兎を傷付けないで!戦兎は私の大切な人なの!」
「邪魔だ、どけ!」
エボルトはそう言いながらみらいの左腕を掴み、自分の数メートル横へ投げ飛ばす。投げ飛ばされたみらいはアスファルトの地面を転がっていき、止まった頃には全身傷だらけになっていた。
「…!!」
「邪魔ばかりでつまらないなぁ…今度こそ終わりだぁぁ!!」
「待て」
「何だ?戦う気になったか?」
「戦う気というか救う気になったんだよ…この世界を!」
「救うだと…?」
「あぁ、俺は救世主になる…そして平和な世界を築いてみせる!!」
救世主になる事を決意した俺はドライバーの二つのスロットに友情フルボトルとロケットフルボトルを挿す。
『友情!ロケット!』
『best match!』
ドライバーからの音声が鳴り響いた後、ビルドドライバーのレバーを勢いよく回す。
『
レバーを回すと、前方と後方にスナップライドビルダーが現れる。俺は変身!という声を掛けた後、スナップライドビルダーに挟まれて変身する。今回の変身は決意の変身だった為、二回流されたドライバーの掛け声には救世主なる決意をした俺に対する特別な問いかけがあった。
「変身!!」
『フォーゼ!〜♪』
フォーゼと言った後、フォーゼ ベースステイツの変身音が流れる。それと共に俺のフォームチェンジが完了し、俺は仮面ライダービルド フォーゼフォームへとフォームチェンジした。
俺はロケットフルボトルの力を使い、右腕にロケットモジュールを出す。そしてロケットモジュールの力でエボルトの頭上をしばらく飛び回った後、エボルトの腹部に突撃する。
腹部にロケットモジュールの攻撃を受けたエボルトは怯み、隙が生まれた。その隙をついて俺は必殺技を発動させる。
『Ready Go!』
『ボルテックフィニッシュ!イェーイ!』
俺はロケットモジュールと必殺技発動時に左足に着いたドリルモジュールを使い、エボルトに向かっていく。
俺の必殺技を受けたエボルトだったが苦しみながらも立ち上がる。
「なかなかやるじゃないかぁ…決着はまた今度だ。チャオ!」
エボルトはそう言い、去ってしまった。俺は傷だらけのみらいを抱えている如月弦太朗の元へ行く。
「如月弦太朗…ありがとう」
「彼女を大事にしろよ!そして皆と
「平和にしてやるさ!」
如月弦太朗は俺に世界の平和を託して消えていった。俺は傷だらけのみらいを抱いたままリコ達と家へ帰っていった。
その頃、俺達がいた場所の近くの木陰では魔闇 月がニヤリと笑いながら去っていく俺達を見ていた。
「順調だぁ…!このまま行けば平和になる日は近い!!」
魔闇 月はそう言いながら笑い続けるのだった…
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