ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜 作:萊轟@前サルン
みらい「今のところ〜
戦兎「まだ正式な決定ではないので続報を待っていてください!」
いつもの様に学校へ通う俺とみらいとリコとことはの4人。いつもなら正門に誰もいないが今日は珍しく正門に魔闇 月と朝田 陽菜がいた。みらいは戦兎を見ている魔闇 月に睨みを利かせる。
「みらいちゃん顔怖いよ〜?」
「戦兎は渡さないから!」
みらいに睨まれている事に気付いた魔闇 月はみらいに煽るような口調で表情の事について言う。それに対してみらいは魔闇 月に戦兎は渡さないから!と強く言い、1人足早に校内へ向かっていく。
「おい、待てよ!」
「みらい!私達を置いてってるわよ〜!」
俺とリコとことはは足早に校内へ向かっていってしまったみらいを追いかけていく。みらいを追いかけていった俺たちを見送った魔闇 月と朝田 陽菜は俺たちが自分達の視界から消えた所で話をし始める。
「月、この世界はちゃんと平和への道を歩んでるかしら?」
「勿論、歩んでるわ。だけど、この前私が少しこのゲームを面白くしてあげたわ」
「…ゲーム?これは遊びじゃないわよ?私達の運命がかかってる大事な…」
「決まった未来や運命は変えられない…変えようとすればそれ相応の代償が伴う。十六夜リコは"未来を見る力"という便利な力を得たが未来を変えようとすれば苦痛を味わうという不便な重りを背負った」
「月…計画に関係のない人間を巻き込んで何をするつもりなの?」
「平和の為には多少の犠牲は仕方がない…でしょ?陽菜」
「まぁね…」
2人は重苦しい話を少し話した後、校内へ入っていった。
それから数時間後、4時限目が終わり昼休みの時間に入る。俺とみらいとリコとことはは本を借りに図書室へ向かっていた。直線の廊下を暫く歩き、曲がり角を曲がろうとした時、またリコの目の前に少し先の未来の光景が浮かぶ。それはみらいが曲がり角を曲がった先で反対側から勢いよく走って来た男子生徒と激突し、頭を怪我してしまうという未来だった。
「3人とも、止まりなさーい!!」
「リコ?急にどうしたの?」
リコは未来を変える為に3人に声をかけて曲がり角を曲がるのを少し遅らせた。リコが3人に声をかけた数秒後、廊下を走る男子生徒が目の前を通り過ぎていった。
「ふぅ……!?ぐっ…」
「リコ!?大丈夫?」
「ぐっ…あれ、意識が…遠の…いてく…」
リコが未来を変えたおかげでみらいは怪我をせずに済んだがリコは未来を変えてしまったのでこの前の様な激痛を味わう。前は激痛に耐えられたが今回は耐えられずそのまま気絶してしまった。
「リコの奴…何か隠してるのか?」
「戦兎、リコが何か隠してるってどういう事?」
「最近、様子が変なんだよな。何かボッーとしてるというか…」
「確かに!私がお皿を片付けようとした時もボッーとしてた!」
「そうなんだ…」
2人から最近リコがボッーとしていると聞いたみらいは確かに、何かリコらしくないな…と思った。
その後、俺たち3人は5時限目以降の授業の先生達に事情を説明し、リコを保健室に連れていき、ベッドに寝かせてリコが目を覚ますのを待つのだった。
数時間後、リコはゆっくりと目を覚ます。上体を起こすと自分の下半身側にはベッドの上に上半身だけを乗せた戦兎とみらいとことはがぐっすりと眠っていた。
「皆…!心配かけてごめんね」
リコはそう呟きながら1人ずつ起こしていく。そして3人が起きた後、下校時間を過ぎていた為、校内から出て正門をくぐり帰路につくのだった。
その頃、某所では魔闇 月と朝田 陽菜が万丈(クローズ)とことは(フェリーチェ)の事について話していた。
「残るはクローズとフェリーチェだけ」
「月、また関係の無い人を巻き込むの?」
「平和の為には2人の力も必要なんだよね〜」
魔闇 月の返答を聞いた朝田陽菜は今いる場所から少し離れた場所へ移動し、小さな声でこう呟くのだった。
「預言者リコの誕生、想定外の事態だわ…月、あなたは一体、何をしようとしているの?」
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