ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜 作:萊轟@前サルン
リコが川を歩いていると、背後から複数人の声が聞こえる。聞き覚えのある声だ。
「えっ、誰なの?誰が私を呼んでいるの!?」
聞き覚えのある声なのだが、何故か誰の声かを思い出せない。なのにリコの目からは自然と涙が流れていた。
「な、なんで涙が…」
涙を流しているリコは声の主を見る為に声の主がいる後方へ身体ごと振り向く。するとそこにはみらいとことはがいた。
「みらい…!」
リコは姿を見てやっとこの声が誰のものなのかが分かった。みらいの声と知り、リコは早速みらいとことはの方へ向かう。
「リコ、こっちだよ!皆が待ってるよ!!」
「リコ〜!早く、早くー!!」
「うふふ…みらい、はーちゃん足速いわよ!もう少しゆっくり………」
リコは何も無い所へ走っていくみらいについて行く。そしてある程度走った時、突如周りの景色が暗転して落ちる感覚に襲われる。
「はっ!!さっきのは夢……なの?」
リコが目を覚ますと、そこは病室だった。自分の寝るベッドの左側にはみらい、右側にはことはがいた。
「2人とも、心配かけてごめんなさい…あともう少しだけ休ませて欲しいわ」
リコは自分の身体の傷の位置を見ながら寝ている2人にそう言う。そして開いたカーテンの開いた窓から外を見ると、外は既に朝月夜になっている。リコはそんな朝月夜に包まれた外の景色を少し眺めた後、再び眠りについた。
それから数時間後の朝日奈家では戦兎が自分の部屋でエクリプス・リンクルストーンを調べている。戦兎は調査が予想より早く終わりそうなのでついでに研究までしていた。
「よし、あと少しでエクリプス・リンクルストーンからエンドマテリアルが抜けるぞ……」
エンドマテリアルが抜けたエクリプス・リンクルストーンは色が紫色から黄金色に変わっていく。
「これでリコは暴走せずに済むな……となると、あとはアルテミストリガーか」
戦兎がそう考えていると部屋の扉が開いた。開いた扉の外には万丈がいた。
「何やってんだ?」
「エクリプス・リンクルストーンからエンドマテリアルを抜いてるんだ」
「なるほどな…ってか今に至るまで忘れてたけど、リコはどうしたんだ?普段なら帰ってこなければ連絡くれるのに何故か今回は連絡くれないし…」
「口では言えない……リコのいる場所に行くから俺のバイクに乗れ!」
「何だよ、言えばいいのに…まぁいいや、分かった!乗るわ!」
万丈は口で言おうとしない戦兎に少し疑問を抱きながらもバイクの後部座席に乗りこみ、リコのいる場所へと向かうのだった…
病院へ着いた2人は院内へ入っていく。万丈は病院に着いた時点で自分がリコに怪我を負わせた事に気づく。万丈の先程のような普通な表情も段々と真剣な表情へと変わっていく。
「見舞いが遅れてすまない……あれ、ことはも来てたのか」
「当たり前だよ!リコは大切な家族(仲間)だもん!!」
戦兎がことはと話す中、万丈は入ってすぐの所で一人寂しく体育座りで座っていた。まるで呪怨のとしおのようだ。
「万丈君、こっち来て…」
「………」
「過去をいつまでも引きずるなんて情けないわよ」
「リコ…!」
万丈はリコの元へ歩んでいく。リコの負傷具合を見て改めて戦兎が言った"アルテミストリガーの使い所"に気をつける事にする。
「全ては俺が弱いせいだ…本当にごめんな」
「謝らなくていいわ。相手に隙を見せた私も悪いし…」
「リコ……」
「……万丈君、見ての通り私は暫くは戦えないわ。だから、今度ダーククローズと戦う時は私と一心同体となって戦いましょう!離れていても2人の心は一つの体にある!」
「そうだな、俺とお前の絆で絶対ダーククローズを倒そうな!」
万丈はそう言いながら、リコに向けてサムズアップする。リコも同じタイミングに万丈へ向けてサムズアップするのだった。
「んじゃ、俺は用事があるからここらへんで失礼する…行くぞ、ことは」
「うん!」
戦兎は用事があると言いことはを連れて病室を出て行く。みらいは2人が病室を出ていく姿を怪しむような顔で見ていた。
「みらい?どうしたの?」
「最近、戦兎とはーちゃんが一緒に出かけるの……」
「はーちゃんは私達や戦兎くんにとって子供みたいな存在だし、どこかへ連れて行きたがるのも無理ないわ」
「で、でも…」
「とにかく、2人にそんな"特別な感情"はないわ!」
「だといいけど…」
リコはみらいをフォローするが、みらいの不安な顔は変わる事はなかったのだった…
次話と更にその次の話は本編ではなく、エピソードダークを書きます!