ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜 作:萊轟@前サルン
椎名龍一は万丈の胸ぐらを掴み、万丈の足がつかなくなるくらいの位置まで持ち上げる。
「フッ…何か言い残す事はあるか?」
「俺は負けねぇ…リコがいる限り!!」
「つまらんな……消え去れ!!!」
椎名龍一はそう言いながら、禍々しいオーラを放っている気弾を万丈の腹部へ押し込んでいこうとする。
「待て、まだ勝負は終わってないぞ」
椎名龍一は自分と万丈以外の声に反応し、攻撃しようとしていた手を止める。そして声のする方を見る。
「誰だ?」
「通りすがりのてぇぇんさい物理学者だ。覚えておけ」
声の主は戦兎だった。戦兎は某仮面ライダーの言葉を自分流にして椎名龍一に言う。
「私も忘れないで!」
戦兎の後ろにはことはもいた。椎名龍一はいきなり現れた戦兎達に完全に気を取られ、いつの間にか万丈の胸ぐらを離していた。
「お前ら、今更何の用だ?」
「お前に勝ちに来たのさ」
「フッ、今の俺は完璧だ。倒す術などあるはずがない」
「それはどうかな」
戦兎はそう言いながら、アルテミスカリバーを取り出してその場で高く掲げる。
「ほぉ…そんなおもちゃで俺を倒せると?」
「倒せるさ」
「…随分と俺を舐めているようだな、桐生戦兎」
「万丈が戦えるようになるまでは俺が相手だ」
戦兎はそう言いながら、ビルドドライバーを腰に装着し、メッキカラーのラビットフルボトルとタンクフルボトルをビルドドライバーに装填する。
『ラビット Mk-II!タンク Mk-II!』
『bestmatch!』
ドライバーからの音声が鳴り響いた後、戦兎はビルドドライバーのレバーを勢いよく回す。
『Are youready?』
「変身!」
レバーを回すと、前方と後方にスナップライドビルダーが現れる。戦兎は変身!という声を掛けた後、スナップライドビルダーに挟まれて変身する。
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ! ビルド Mk-II!!』
変身した戦兎はアルテミスカリバーで椎名龍一を攻撃していこうとする。だが、アルテミスカリバーを横に振ろうとした瞬間、アルテミスカリバーに身体が引っ張られ、逆にアルテミスカリバーに振られてしまう。振り回される戦兎だが、どうにか体勢を持ち直す。
「(やはり、アルテミスカリバーは万丈にしか使えない…)」
「考え事か?ボーっとしてると隙ができるぞ?」
戦兎の一瞬の隙を突いた椎名龍一は戦兎のマスクの右のタンクの複眼辺りを思い切り殴る。殴られた衝撃でタンクの複眼にヒビがはいる。
「フン、その程度でヒビが入るとは柔らかすぎる…!」
「チッ、あまり時間を稼げずにコイツにやられるのか…!?」
「この一発で顔面を叩き割ってやるよ…」
椎名龍一はそう言って右手を黒龍のツメの形に変化させ、戦兎に襲いかかる。戦兎は避けられず攻撃を受ける。……はずだったが、戦兎の前に誰かが現れ、黒龍のツメを受け止める。
「朝、部屋にいないし、嫌な予感もしたから来てみたらやっぱりピンチだし」
「みらい…!」
戦兎はキュアミラクルに変身した状態のみらいに間一髪のところで助けられる。
「邪魔だ。どけ」
「どかない!私があなたを倒す!!」
そう言った瞬間、みらいの目の前に復讐という文字が無数に浮かび上がり、それと共にみらいは再び、ホノオを宿したあの姿へと変身した。
「………倒す」
「フン、倒してみろ」
椎名龍一はみらいを煽り、みらいが攻撃してくるのを考えて自身の守りを固めていた。
「はぁぁ!!!」
みらいは強大な炎を右手の拳に纏い、椎名龍一に殴りかかる。だが、椎名龍一には全く効いていなかった。椎名龍一はみらいの右腕を掴み、地面へと叩きつける。
「ぐはぁ…!!」
「フン、口ほどにもない」
椎名龍一に地面に強く叩きつけられ、変身が解けてしまうが、みらいはそれでも立ち上がって椎名龍一へ向かっていこうとする。
「わた…しは…まだ……やられてなんかいない!!!」
「待て。ここからは俺がやる」
みらいは椎名龍一へ向かって行く途中、誰かに止められた。その誰かは右手にアルテミスカリバー、ドライバーにアルテミストリガーとクローズドラゴンを装填していた。みらいがゆっくり顔を上げて"その誰か"を見ると、それは万丈龍我だった。
「万丈くん…」
「椎名龍一……ここで決着をつけようぜ」