ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜   作:萊轟@前サルン

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80.消えた思い出のカケラは黒炎を滾らせる

今日は2月14日。そう、バレンタインである。朝日奈家の台所にいるみらいは周りを気にしながらチョコレートを作っている。

 

「(渡すまでは見られたくないなぁ…)」

 

 周りを気にしているのはチョコレートが完成するまでに戦兎がここに来ないかを確認する為のようだ。2人の関係ならチョコを渡す、貰うなんて事は分かりきっているはずなのだが、それでもサプライズ的な感じでチョコレートを渡されると嬉しいものなのだろう。

 

「戦兎、喜んでくれると良いなぁ…」

 

 みらいはそう言いながら、自分からチョコを受け取り喜んでいる戦兎の姿を想像する。

 

 一方、戦兎は補講で大学のキャンパスへ来ていた。いつも隣にみらいがいたのに今日は隣に誰もいなくて何だか寂しい様子である。

 

「1人ってなんか寂しいよなぁ……」

 

「あ、いたルン!」

 

 戦兎がキャンパス内を歩いていると、前方から見覚えのある緑髪の女の子が自分の元へ駆け寄ってくる。

 

「やっと見つけたルン……」

 

「君は……羽衣ララ?」

 

「そうルン!同じ大学に通ってるって聞いたから探したルン!」

 

「同じ大学だと!?」

 

「(この星の年齢の数え方で行くと)私は29歳だけど地球の色々な知識を学びたくて通っているルン!」

 

「歳は聞いてないんだが……とりあえず、色々な知識を学ぶ為にここの大学へ来ているんだな。で、今日は俺に何の用だ?」

 

「今日はバレンタインルン!チョコを渡しに来たルン!」

 

 どうやら、ララは戦兎にバレンタインのチョコレートを渡しに来たようだ。前、戦兎にフラれているがまだ諦めていない様子。

 

「まだ諦めていなかったのか…いいか、俺にはみらいがいるんだ。だから、ララが俺に何回告白しようがララがフラれる運命は変わらない」

 

「ふ〜ん。なら……」

 

 戦兎の言葉を聞いたララは不満げな表情をするのと同時くらいに何かを企むような怪しい笑みを浮かべる。

 

「私がその"運命"を変えるルン……」

 

 ララはいきなり戦兎に抱きつき、戦兎の耳元でそう呟く。何故か分からないがララのその一言は戦兎の脳内に響いた。

 

「えっ……」

 

「度肝を抜かれたような顔をしてどうしたルン?…まさか、今の私の言葉に少しドキドキしたルン?」

 

「は、はぁ?そんなわけないだろ!」

 

「ふふっ、なんか面白いルン!」

 

 戦兎はララの"ドキドキしたルン?"という一言に少し動揺しながら足早に大学の中へと入っていく。ララは戦兎が自分の言葉で動揺しているのを見て、戦兎との関係を大きく進展させる事が出来たと思ったのだった。

 

 

 その頃、みらいはチョコレート作りの仕上げに入っていた。スマホの通知が来るたび、戦兎からの連絡かな?と思いを馳せながら通知を見るがどれもアプリのお知らせで戦兎からの連絡ではなかった。

 

「戦兎、今は何してるのかな…どこ行くのかを聞いておけばよかったな〜」

 

 みらいは戦兎が補講で大学に行っている事を知らないようで、戦兎が今何をしているのか気になっている様子。

 

「チョコレートは大体が作り終えたから、これに加えて今までの思い出の写真を貼ったメッセージカードでも作ろうかな」

 

 みらいはそう言いながらスマホの写真からアルバムを開いて戦兎と撮った写真を見ていく。

 

「……あれ?私と戦兎が初めて2人で遊園地に行った時の写真がない!!」

 

 なんと、初めて2人で行った遊園地での写真がアルバムの中から消えていたのだ。自分でも消した覚えはないし、他の人にスマホを触らせた覚えもないのでみらいはあの少女の言うように運命が変わってきているのだと感じた。

 

「運命が変わるって言ったって誰が戦兎を狙っているの…?」

 

 みらいは不安や恐怖といった感情を抱くと同時に心の奥に潜ませている嫉妬の炎の火力を更に上げていく。

 

「(みらいからなんか嫌なオーラが出てる……このままだといつか暴走する。その前に私がなんとかしなきゃ!)」

 

 空いた扉の隙間からみらいを見たことははみらいから嫌なオーラを感じ取り、早く何か対策をしなければ!と思うのであった。

 

 

 

「朝日奈みらい……お前には本来とは違う運命を歩んでもらう。その為にこれからもオレはお前たちの運命を変えようとする者を増やしていくだろう……」

 

 どこかの部屋でモニター越しにみらいを見るシャドウビルドはそう言いながら、モニターの電源を落としてどこかへ向かっていくのだった。

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