ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜   作:萊轟@前サルン

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82.ミラクルは止まらない

キュアミラクル インフェルノスタイルへ変身したみらいは初めにララへ襲いかかる。

 

「戦兎を……奪うなァァ!!!」

 

「いきなり何するルン!?乱暴はやめて欲しいルン!」

 

 ララは自分に猛攻撃してくるみらいに必死な表情でそう語りかけるが、暴走状態のみらいは聞く耳を持たず、ララへの攻撃を止めようとはしない。みらいに馬乗りされているララはひたすら顔を殴られたり、引っかかれたりしている。気づけばララの顔は傷だらけになっており、ララの変身状態も解けかかっている。

 

「やめ……てル…ン」

 

「……」

 

 みらいは意識が朦朧としたララの胸ぐらを掴み、地面へ思い切り叩きつけた後、左手に宿した巨大な炎を地面に仰向けで倒れているララの腹部に勢いよくぶつけた。

 

「ゔわァァァァ!!!」

 

 ララは苦しみや痛みのあまり、聞いたことのないような凄まじい叫び声をあげる。それと共に変身が解けた。プリキュアに変身した状態で今の攻撃を受けたので皮膚の火傷は比較的軽いもので済んだが、身に纏っていた服はほぼ全て焼けてしまった。

 

「ふふっ…これで1人減ったわね…さて、次は」

 

 みらいはそう言いながら、ことはの方を見る。みらいに目をつけられたことははみらいのあまりにも狂気的な表情を見て自らの死を悟った。

 

「やめて…やめてください!!ミラクル!いや、みらい!!」

 

「や・め・な・い・よ♡」

 

 ことはは最後の悪あがきみたいな感じでララと同様にみらいに語りかけてみたが、みらいはニコッと明らかにいつもの笑顔とは違う意味を持つ笑顔を浮かべながらことはにそう言う。

 

 みらいは炎の剣を生成し、その場で高く跳び上がる。そしてうつ伏せに倒れていることはの背中の中心を目掛けてff7のセフィ○スの技である獄門みたいな感じにことはの背中に炎の剣を突き刺した。

 

「ゔっ……リコ、たす…けて」

 ことははそう言い、変身状態が解けるのと共に気を失ってしまった。

 

 この頃、さんごといちごクリームパンを食べていた戦兎は辺りの異様な空気の変わり方から何かを察してドライバーを腰に装着する。

 

「さんごちゃん、俺の後ろにいて!何かが起きるような気がする」

 

 そしてドライバーを装着した戦兎の前に狂気に満ちたみらいがゆっくりと姿を現す。

 

「みらい!?何だその姿は…」

 

「戦兎は私だけのもの…だから邪魔者は私が殺す!」

 

  みらいは右手に持っている炎の剣で戦兎の後ろにいるさんごを刺そうとするが、戦兎が咄嗟に取り出したドリルクラッシャーに阻まれる。

 

「戦兎ォ?なんで邪魔者を守っているの?」

 

「みらい!!どうしたんだよ!?」

 

「どうもしてないよ。ただ単にその子に殺意が湧いてるだけ」

 

 みらいはそう言いながら、狂気的な笑みを浮かべながらさんごを見つめる。さんごはみらいのその表情を見て身体をビクビクと震わせながら戦兎の右腕にぎゅっと抱きつく。

 

「………本当はこんなことしたくなかったが、この状況じゃしょうがないよな。みらい、お前を倒す」

 

「どうしてもその子を守るんだね……なら、2人仲良く地獄に送ってあげる…!」

 

 みらいはそう言った後、直ぐに戦兎とさんごに襲いかかる。戦兎はメッキカラーのラビットフルボトルとタンクフルボトルをビルドドライバーに装填する。

 

ラビット Mk-II!タンク Mk-II!

 

bestmatch!

 

 ドライバーからの音声が鳴り響いた後、戦兎はビルドドライバーのレバーを勢いよく回す。

 

Are youready?

 

「変身!」

 

 レバーを回すと、前方と後方にスナップライドビルダーが現れる。戦兎は変身!という声を掛けた後、スナップライドビルダーに挟まれて変身する。

 

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ! ビルド Mk-II!!』

 

 変身した戦兎はバスターブレードモードのフルボトルバスターを両手で持ちながらみらいへ向かっていく。

 

「みらい!!正義のヒーローがそんなんじゃダメだろ!」

 

「どこがダメなの?ちゃんと悪を倒そうとしてるのに」

 

「お前が何でさんごちゃんを狙うのかは分からないけど、そんな下らない私利私欲の為にヒーローの力を使ってはいけない!!」

 

 戦兎はフルボトルバスターを強く押し込んでみらいの持つ炎の剣との鍔迫り合いを制する。そして鍔迫り合いの反動で隙が出来ているみらいをフルボトルバスターで何回も切り裂く。

 

「うぐっ…!中々やるねェ、戦兎。けど、隙だらけなんだよなァ…」

 

「は?何を言って……まさか!?さんご、逃げろ!!」

 

 みらいは戦兎が自分に気を取られて生身のさんごの事を守っていないのに気づき、さんごに向けて炎の剣を投げつける。

 

「くそっ!このままではさんごが…」

 

 悩む暇もなく戦兎はさんごの元まで猛スピードで駆けていく。結果、さんごに炎の剣が到達するまであと僅かのところで間に合った。身を挺してさんごを守った戦兎の腹部には炎の剣が刺さっていた。

 

「戦兎さん!?」

 

「さ…んごちゃん…!助け…られてよ……かった」

 

 戦兎は腹部の激しい痛みと共に体から力が抜けていくのを感じる。そしてその場に仰向けで倒れ込む。薄れゆく景色の中最後に見たのは傷だらけの自分を見て涙を流すさんごの顔だった。

 

 

 

 あれから何時間が経ったのだろう?戦兎が目を覚ますとそこは病院の個室のベッドの上だった。左腕に何か感触を感じると思い、左腕の方向を見てみるとそこにはさんごがいた。

 

「戦兎さん!目を覚ましたんですね!!」

 

「すまないな助けてもらって……ってさんごちゃんよくここまで俺を連れてこれたね!?」

 

「実はあの後、背中に抱っこ紐で赤ちゃんを背負った魔法使いとドラゴンみたいな姿をした方が助けに来てくれたんです」

 

 戦兎は特徴を聞いてすぐに助けに来てくれたのがリコと万丈である事が分かった。それにしてもリコはなぜ、危険な戦闘に自分の子を巻き込んでいるのだろう?と思ったがそこはツッコんだらダメな気がするのでやめておくことにする。

 

「二人が助けてくれたのは分かったんだけど、"誰が俺をここまで運んだの?"救急車を呼べないほどあぶない場だったのに」

 

「私ですよ?」

 

「えぇ〜!?どうやって運んだの?」

 

「ここだけの秘密なんですけど、私、プリキュアなんですよ」

 

「そうなの!?」

 

「はい、キュアコーラルです!」

 

「この世界にはいろんな"プリキュア"とやらがいるんだなぁ…」

 

 戦兎がプリキュアについて少し考え込んでいると、さんごが自分の通学鞄から先程のイチゴクリームパンを2つ取り出してそのうちの一つを戦兎の胸元に置く。

 

「イチゴクリームパン!!まだ食べてなかったのか!」

 

「はい!一人で食べるより二人で食べる方がいいと思いまして」

 

「色々とありがとうな。さんご!」

 

「あっ!今、私のこと呼び捨てで呼んでくれた!」

 

「えっ、あっ…悪い。ついつい…」

 

「いや、大丈夫ですよ!…というか、呼び捨てで呼んでもらった方が私的にも嬉しいです!」

 

「そうか?なら、今度からは"さんご"って呼ぶね」

 

「はい、お願いします」

 

 その後、さんごは病室で戦兎と2人きりの一晩を過ごしたのだった……

 

 

 

 時を戻し、戦兎がさんごに病院へ運んでもらっている間、リコと万丈はみらいと戦っていた。

 

「やばいわね…力では止められない気がする…」

 

「リコ、何で怜将をこんな危険な戦いに連れてきてんだ!?」

 

「この子を家に置いて行ったら見守る人がいないからよ!」

 

「なら俺に戦いを任せて近くの木陰に隠れるとかしろよ!」

 

「今のみらいは万丈君1人では勝てない相手なのよ?だから私も戦わなきゃ!!」

 

「あー!もうっ、誰か助けてくれ!!」

 

 万丈はリコを気にしながら戦っているのでアルテミスクローズの本来の力を出しきれていない様子。そんなピンチの2人の前にある男が現れる。

 

「助けを呼んだのは君かね?」

 

「誰だ?」

 

「俺は氷室幻徳。またの名を仮面ライダーローグ」

 

 助けに来てくれたのは幻徳だった。幻徳は登場して間もなく、ビルドドライバーを腰に装着し、ワイルドアウトレイジフルボトルをドライバーに装填する。

 

ワイルドアウトレイジ!

 

 ドライバーにワイルドアウトレイジフルボトルを装填した後、ドライバーのレバーを回して変身する。

 

『ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!』

 

Are you ready?』 

 

「変身!」

 

威風堂々の髭野郎!!ローグワイルド!!カッケーイ!メチャカッケーイ!!』

 

 

「リコ、息子と一緒に少し離れた場所に行け。ここは俺と万丈で何とかする」

 

「幻徳さん…!ありがとうございます!!」

 

 リコは幻徳の指示に従い、怜将と一緒に少し離れた場所に向かっていく。幻徳はみらいの表情を見てヤバい雰囲気だと察する。

 

「あれが本当にみらいちゃんなのか?」

 

「みらいのほかにいねぇだろ…」

 

「明るく元気なみらいちゃんのあんな狂気的な表情、エボルトより殺気があって怖いぞ…」

 

「まぁ、とにかくやるしかねぇ!」

 

 幻徳と万丈はみらいへと向かっていく。みらいは自分からは動こうとせず、2人を迎え討つつもりだ。

 

「私の邪魔をするなァァァ!!」

 

 みらいはそう言いながら炎の剣を何回か振るい、自分に向かってくる2人に炎の衝撃波を飛ばす。2人はそれを上手く避けながらみらいへ近づいていく。

 

「みらいちゃん、ごめん!」

 

 幻徳はそう言い、左手の装甲に付いている鋭い爪を伸ばしてみらいを何回も引っ掻く。

 

「避けたはずなのに何で…!?」

 

 攻撃を避けたはずなのに…と言うみらい。どうやら、暴走している中でもまだ正常時のみらいの意識が残っているようだ。

 

「避けられたはずか……なるほど、みらいちゃんは自らの暴走を止めるためにわざと俺たちの攻撃を受けて倒されようとしているのか」

 

「なら、倒してやらねぇとな。"いつものみらい"に戻すために」

 

 万丈はアルテミスカリバーを両手で持ち、みらいに渾身の一振りをくらわせる。その一振りを受けたみらいは今いる位置の数m後方に吹っ飛んでいく。みらいはアルテミスカリバーの斬撃を受けてもなお立ち上がるが、流石にこの一撃は効いたのかフラついていて今にもまた倒れそうな雰囲気だ。

 

「終わらせる」

 

 幻徳はドライバーのレバーを勢いよく回して必殺技を発動させる。

 

『ワイルドサイド!』

 

『アウトレイジサイド!』

 

『ワイルドアウトレイジサイド!!』

 

Ready go!

 

ワイルドアウトレイジフィニッシュ!!

 

 必殺技を発動した後、幻徳はその場で高く跳びあがり足の裏に鋭利な牙を生やしてから未来に向けて急降下していく。

 

「はぁぁぁ!!!」

 

「まだだ、私はまだ終わらない…!!」

 

 みらいは幻徳の必殺技を両手で受け止めて弾こうとしている。力もまだ残っている様で、このままでは必殺技が不発に終わってしまう。

 

「まずい、力負けする…!」

 

 と、幻徳がみらいに力負けすると思っていた時、ライオン型の電撃がみらいの背中に当たった。みらいはライオン型の電撃を受けるのと共にその場に倒れて変身が解ける。

 

「はぁ…はぁ…。もう…ダメルン」

 

 みらいの背後にいたのはララだった。ララはみらいの攻撃を受けた後一度は意識を失ったが、何の力が働いたのか分からないが直ぐに意識を取り戻し、上下傷だらけで鉛の様に重い身体を動かしてプリキュアに変身してみらいにトドメの一撃を放った様だ。だが、みらいを倒した後、再び変身が解けてその場に倒れる。ついでに体に負担をかけすぎたせいでララは倒れた直後に吐血していた。

 

「女の子が倒れてる!?万丈、みらいの事は任せた!俺はあの女の子の為に救急車を呼ぶ!」

 

「分かった!」

 

 万丈は幻徳にそう返事して、リコと共にみらいを朝日奈家へと運んでいくのだった。

 

「みらいは止まらなかった。まるで前の世界のハザードと同じだ…」

 

「いつか止めてあげないといけないわ。そうしなきゃまたこの街に被害が…!」

 

「そうだな。……ってかことはは?」

 

「今日はあおぞら市の西部に行くって言ってたけど?」

 

「ここって……あおぞら市の西の方じゃねぇか!?」

 

「えっ!?だとしたらまだはーちゃんがここにいるの!?」

 

「俺、ことは探してくる!!」

 

「頼んだわ!」

 

 万丈はリコにみらいの事を頼んで、ことはを探す為に再度、みらいと戦った場所へ向かっていくのだった。

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