ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜   作:萊轟@前サルン

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ウトウトしながら書いたので誤字・脱字等があると思います。あったら指摘してください!


83.近くなる、遠くなる

みらいが暴走した日の翌日、リコは自分の家ではなく、朝日奈家のみらいの部屋にいた。部屋のベッドには昨日から今に至るまで目を覚さないみらいが横になっている。

 

「はぁ……結局はーちゃんは見つからなかったみたいだし、みらいも目を覚さないまま…。私はどうしたらいいんだろう?」

 

 昨日の夜、万丈からことははいなかったとリコに連絡が入った。どこを探しても言葉の姿はないと。だが、万丈の言ったことの中である事がリコの脳内で引っかかる。

 

〈ことははどこにもいなかった。けど、あの場所から少し離れた場所に誰かの"赤い"血痕があった〉

 

「……でも、あの子(ララ)の腹部から流れていた血は赤色ではなく緑色。あの子(ララ)の血痕ではないはず」

 

 リコは一瞬だけその"赤い"血痕がララのものであるという可能性を考えるが、みらいとの戦いの場で見たララの姿を思い出し、それがララのものでないと思った。

 

「だとすると"赤い"血痕はやっぱり、はーちゃんのもの!?」

 

 よく考えた結果、リコは万丈の言っていた"赤い"血痕がことはのものであると断定する。そうと分かれば早速、ことはを探しに………と思ったが、自分と万丈は子の世話や家事が忙しくてあまり他の事に手がつけられない状態。そこでリコは消去法であの2人に捜索してもらうことにした。

 

 

「"消去法"ってなんだよ!?"消去法"って!!」

 

「えっ…いや、そんな事は言ってないんですが……」

 

「言ってなくても↑の文に書いてあんだよ!脇役みたいな扱いはやめてくれよ…ってかヒゲも何とか言えよ!」

 

 一海は自分達が消去法で最後まで残ったまるで脇役の様な扱いをされて不満に思い、幻徳からも何か言うように頼むが幻徳はそんな一海に対して"2枚目気取りの3枚目"というシャツを見せつける。

 

「……なんか"決まった!"みたいな顔してるけど、そのシャツは全然キマッてないからな。ってかお前、脇役超えてネタキャラのつもりかよ」

 

「脇役でもネタキャラでも何でもいいだろ。とにかく、今はことはちゃんを探してって頼まれてんだからことはちゃん探しに行くぞ」

 

 幻徳は脇役な扱いは気にしておらず、冷静にリコの頼みを受ける。一海は幻徳のその対応に何か言いたげな顔をしながらも言うのを我慢して幻徳と同様にリコの頼みを受ける。

 

「んじゃ、探しに行くか」

 

 一海はそう言ってみらいの部屋から出ていく。幻徳も少しの間を置いてから一海の後をついて行くのだった。

 

 

 

 同時刻、戦兎は目を覚ます。戦兎は病室のベッドの隣にある椅子に座って寝ているさんごの方を優しく揺らして起こそうとするが、中々起きない。まだあまり動く事が出来ない戦兎は寝ているさんごがいつ起きるかを見ていることにした。

 

「(こう見るとさんごの寝顔は可愛いな……って何考えてんだ俺!)」

 

 戦兎はさんごの優しい寝顔に惹かれてしまう。ハッと直ぐに我に返って自分にはみらいがいるというのを思い出すが、それでも何故かさんごの優しい寝顔に惹かれてしまう。

 

「(寝顔を見て可愛いって思うなんて変だよな…でも、何故だろう?もっと近くで見ていたい。さんごの寝顔を)」

 

 戦兎はベッドからゆっくり上体を起こし、両足をさんごの方に向けた後、少しだけ自分の顔をさんごの顔に近づける。

 

「(や、やべぇ…何か吸い込まれてく感じがする。これ以上顔を近づけたら…!)」

 

 戦兎とさんごの唇が密着しそうなくらいの時、寝ていたさんごが目を覚ます。

 

「えっ……うわぁ!?せ、せせせ戦兎さん!?」

 

「うぉ!すすす、すまん!!」

 

 目を覚ましたさんごは戦兎が自分に顔を近づけてきていたので頬を赤らめるのと同時に驚く。戦兎も顔を近づけている事がさんごにバレてしまい、ひたすら謝る。

 

「戦兎さん、今…私にキスしようとしてました?」

 

「いや、そんなつもりはなかったんだ!ただ…さんごの寝顔を近くで見たいなと思ってたら自然と顔を近づけてすぎていたというか…」

 

「まぁ寝ている時の顔が可愛いとは友達によく言われますのであまり気にしないでください!」

 

「そ、そうか。それよりそろそろ家に帰ったがいいんじゃないか?病院で1泊すると伝えたとはいえ、早めに帰って来ないと両親が心配するぞ?」

 

「あっ!そうですね…では、家に帰りますね!あっ、最後にこれだけさせてください」

 

 さんごは通学用鞄を持って病室を出る前に戦兎の左頬に軽くキスをする。顔を真っ赤にしながらこう言う。

 

「戦兎さん、昨日は助けていただき本当にありがとうございました!またお見舞いにきますね!!」

 

「えっ。あっ、うん……」

 

 さんごは病室から出て行った。さんごが帰った後、戦兎はさんごにキスをされた左頬を触りながら頬を少し赤らめるのだった。

 

 

 

 ことはを探しを始めてから数時間、幻徳と一海はあちこちを探し回るがことはは中々見つからない。心身共に疲れてきていたり、他の用事があったりする関係で今日の捜索はここまでにしようかと考えていた時、2人の前に平均よりも背の高い黒いフード付きのローブを着た1人の女性が現れる。女性は杖を左手に、謎の書物を右手に持っていた。

 

「あなた達はこの人物を探しているのでしょう?」

 

 女性はそう言いながら、幻徳と一海の目の前にことはの姿を映す。ことはは見覚えのない真っ白な空間で倒れていた。

 

「まさか、お前がことはちゃんを!?」

 

「違うわ。私はただ導いただけ。シャドウビルド様が望む世界を創るために…!」

 

「話の意味が分からねぇがアイツ(シャドウビルド)の望む世界を創るとかいう下らない計画のために人をどこかに連れ去るとかやめた方がいいぜ?」

 

 一海は謎の女性にそう言う。すると、謎の女性は主人であるシャドウビルドを貶されて憤り、フードを脱いで鬼の形相で一海を睨む。

 

「へぇ…ご主人様を貶されただけで戦う気満々かよ。それなら俺らも付き合ってやんねぇとなぁ!ヒゲ!!」

 

 一海はそう言いながら幻徳と共にスクラッシュドライバーを腰に装着する。一海はロボットスクラッシュゼリーを、幻徳はクロコダイルクラックフルボトルをスクラッシュドライバーに装填し、ドライバーのレンチを下に倒して変身する。

 

潰れる!流れる!溢れ出る!

 

割れる!壊れる!砕け散る!

 

 音声と共にビーカーが2人を包み込んでいき、潰したゼリーの液体が2人の入っているビーカーに溜まっていく。そしてビーカーの液体が溜まりきった所でビーカーがなくなり、溜まっていた液体が装甲として2人の身体に纏われていく。

 

ロボット イン グリス!ブラァ!!

 

クロコダイル イン ローグ!オーラァ!!

 

 変身した2人はマクリーチェへ向かっていく。まず、マクリーチェに攻撃を仕掛けたのは幻徳。幻徳は脚の装甲に鋭い幾つもの歯を纏わせた状態でマクリーチェを何回も蹴り上げようとする。だが、マクリーチェは自分の前に防御壁を張り、幻徳の攻撃を防ぐ。

 

「シャドウビルド様は私の希望…!いや、全てだ!!」

 

「そこまでのヤツ(シャドウビルド)の事を崇めてるのか。気持ち悪いな」

 

「シャドウビルド様は私の"孤独"を埋めてくれた…皆が死んでしまい絶望していた私に手を差し伸べてくださったのだ!」

 

 幻徳は諸悪の根源とされるシャドウビルドの目的についてを探る為に戦いながらマクリーチェに質問をする。

 

「シャドウビルドの目的は何なんだ?」

 

「この世界線を破壊する事だ」

 

「何だと!?」

 

「……創り続けない限り破壊が続いていく。計画は既にその段階まできている…あとは桐生戦兎が持つオルテガの力を奪うだけ」

 

 このタイミングでマクリーチェは幻徳に槍状の追尾弾を放つ。幻徳はネビュラスチームガンで追尾弾を撃ち落とし、再びマクリーチェに近づく。

 

「オルテガだと?」

 

「オルテガは不死の力…いや、正確には不老不死やあらゆる物理法則を無視できるような力だ。オルテガの力を持っている証拠として今、オルテガの力を持つ桐生戦兎は歳をとっていない」

 

「…!?」

 

「エンドマテリアルは暴走や人格を改変する作用を持つ。アルテミストリガーに"微量にエンドマテリアルが含まれているから万丈はその影響を受けた"これは分かる。だが、ジェネシスマテリアルを発見した…いや、創った桐生戦兎はジェネシスマテリアルを創った時にエンドマテリアルの影響をもろに受けたはずなのに何事もなかったかのように今を生きている…オルテガの力とは脅威であり、我々の目的を果たす為に必須な物なのだ」

 

「………」

 

 何かしらの影響を受けなかったり物理法則を無視できるのも中々だが、1番は歳を取らない事だ。歳を取らないというのは羨ましい事かもしれないが瞬間瞬間を必死に生きる幻徳、一海や他の仮面ライダー達にとっては残酷な事である。マクリーチェの話を聞いた2人は何も言えずにその場に立ち尽くす。2人は残酷な状況に置かれた戦兎に今後、どう接してあげればいいかを考えていた。

 

「オルテガをこちらに渡せば桐生戦兎はその力から解放される…お前達も私の話で戦意喪失みたいだし、今回はこの私の広い器に免じて見逃してやる。次に会う時までにオルテガを渡すかどうかを考えておけ」

 

 マクリーチェはそう言ってどこかへと姿を消していく。2人はマクリーチェが去った後も全体が雲に包まれた黄昏時の空の下で立ち尽くしていた。マクリーチェから聞いた戦兎の話は幻徳と一海の2人がことはを助けるという目的を忘れるくらいに強烈なものだった……

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