バーサーカーのヒーローアカデミア   作:残月

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USJ襲撃①

 

本日の午後からのヒーロー基礎学はレスキュー訓練。

ヒーロー基礎学は相澤とオールマイトともう一人の三人体制で見ることになった。

 

 

 

「本日の授業は災害水難なんでもござれ『人命救助レスキュー』訓練だ」

 

 

相澤は『RESCUE』と書いてあるプレートを持って見せてくる。

 

 

「レスキュー……今回も大変そうだな」

「ねー」

「ヒーローの本命じゃねーか!腕がなるぜ!」

「水難なら私の独壇場ね、ケロケロ」

 

 

上鳴、芦戸、切島、蛙吹の順にコメントを溢す。それぞれの個性で向き不向きがハッキリ分かれてしまう為に、乗り気な者とそうでない者との差が出ていた。

 

 

「おい、まだ途中」

 

 

相澤の睨みに、先程まで騒いでいた教室内が静かになる。

 

 

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない、中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな、訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく以上準備開始」

 

 

相澤の指示に従いA組は移動開始。バスの所まで行くと飯田がホイッスルを吹きながら全員を誘導していた。

 

 

「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう!」

「飯田君、フルスロットル……」

「クソ真面目が空回りしてんな」

 

 

委員長に就任された飯田は責任感から仕切っている。その光景に緑谷と狂夜はタラリと汗を流した。

 

 

「こういうタイプだったか、くそう!」

「意味無かったねー」

 

 

結局、バスは二席ずつ並んでいるタイプのバスではなかったため、飯田は凹み、芦戸が慰めていた。

訓練所に向かう途中、時間が余る為にバスの中で談笑していた。

 

 

「私、思ったことはなんでも聞いちゃうの。緑谷ちゃん」

「あ、はい!なんでしょう蛙吹さん!?」

 

 

緑谷の隣に座っていた、蛙吹が緑谷に話しかける。

 

 

「梅雨ちゃんと呼んで。アナタの個性、オールマイトに似てる」

「そそそそ、そうかな!?いや、でも、僕はその!」

「まてよ梅雨ちゃん、オールマイトは怪我しねぇぞ、似て非なるアレだぜ。それに似てるってんなら間桐のも似てるしな」

 

 

蛙吹に指摘されて慌てて緑谷が妙に慌てていたが、切島の発言からオールマイトは反動で怪我をしないということから別物と納得されていた。そして似てると言う事で狂夜も話題に出されていた。

 

 

「しかし、増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多い!俺の『硬化』は対人じゃ強ぇけどいかんせん地味なんだよなー」

「僕はすごくかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ!」

「……それを言うなら俺の『狂化』はデメリットがデケえんだよ」

 

 

切島は緑谷や狂夜の増強型を羨ましそうに言ったが狂夜は少し言いづらそうに口を開いた。

 

 

「デメリット?俺みたいにダルくなるのか?」

「俺の『狂化』は使えば使うほど俺の理性を奪っていく。それに一気に力を引き出そうとしても同じでな……調整が難しいんだわ。下手すりゃ個性に飲まれて暴走しちまう」

 

 

砂藤の問いに狂夜は自身の手を見詰めながら呟いた。その姿に皆が口を閉じてしまう。

 

 

「派手で強ぇってつったら、やっぱ轟と爆豪だよな」

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気でなさそ」

 

 

話を振られた爆豪だが、蛙吹が即座にヒーロー人気は出なさそうと告げる。

 

 

「んだとコラ!出すわ!」

「ホラね」

「そして出そうとして出るもんでもないしな」

 

 

即座に噛み付いてきた爆豪だが、その態度を蛙吹は予想してたのかビビる事もなく、狂夜もツッコミを入れた。

 

 

「この短い付き合いで、そのクソを下水で煮込んだ性格と認識されてるのがスゲェよ」

「てめぇのボキャブラリーは何だコラ!殺すぞ!」

 

 

更に上鳴から性格の事を言われてキレる爆豪。

 

 

「かっちゃんがイジられてる……!信じられない光景だ、さすが雄英……!」

 

 

爆豪がクラスメイトに弄られる。そんな光景に緑谷は震えていた。

 

 

「もう着くぞ。いい加減にしとけよ……」

「「ハイ!」」

 

 

 

相澤の一言で一斉に静まる車内。そしてバス移動が終わり、到着したのは遊園地のような訓練所だった。

様々な災害を再現したアトラクションのような場所。

 

 

「すっげー!USJかよ!?」

 

 

その光景に切島が叫ぶ。切島のみならず他のクラスメイトもテンションが上がっていた。

 

 

「水難事故、土砂災害、火事等のあらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名もウソの災害や事故ルーム!略してUSJです」

「「USJだった!」」

 

 

USJみたいだと話していたら本当にUSJだった事に驚く狂夜達。説明の為に現れたのは宇宙服のようなコスチュームを着て、頭まで隠しているスペースヒーロー『13号』だった。

 

 

「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせの筈だが?」

「先輩、それが……通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで、今は仮眠室で休んでいます」

 

 

オールマイトの話をしている相澤と13号。話の内容はオールマイトがこの場に来れないという事らしい。

 

 

「不合理の極みだな、オイ」

 

 

溜め息を吐いた相澤。それに対して、授業を進める為に13号はA組生徒の前に一歩踏み出す。

 

 

「えー、始める前にお小言を一つ二つ、三つ、四つ……」

 

 

言おうとしている小言が増えていく13号。指折り数える度に狂夜達は『増えてる、増えてる』と心の中でツッコミを入れた。

 

 

「皆さん、ご存じだとは思いますが、僕の個性は『ブラックホール』 どんなものでも吸いこんでチリにしてしまいます」

「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」

 

 

緑谷の言葉に同調するように麗日が激しく頷いている。

 

 

「ええ……しかし、簡単に人を殺せる力です。君達の中にもそういう個性がいるでしょう」

 

 

 

13号の言葉に空気が重くなった。先程までの騒いでいたA組の面々も黙り、中でも狂夜は顔を俯かせていた。

 

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制する事で一見成り立っているように見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる『いきすぎた個性』を個々が持っている事を忘れないでください。相澤さんやオールマイトの授業で自身の力や危うさを知ったと思います。君達の力は人を傷つける為にあるのではない。助ける為にあるのだと心得て帰ってくださいな。以上、ご静聴ありがとうございました」

 

 

13号の話が終わると誰からか拍手が始まり、ほば全員が拍手をしていた。狂夜も拍手はしていたが、いつもと様子が違う狂夜に緑谷は不安そうに狂夜に話し掛けた。

 

 

「間桐君……大丈夫?」

「ああ……大丈夫だ」

 

 

緑谷の問いに狂夜は誤魔化す様にヒーローコスチュームの兜を被り、その表情を見られない様にした。

 

 

「そんじゃあ、まずは……ん?」

 

 

カリキュラムを進めようとした相澤が何かに気づいたように、USJの中央広場にある噴水付近に目を向ける。

そこから黒い霧状のモヤ突然出現し、少しずつ大きくなり広がっている。

そのモヤから人の手を顔に張り付けた人間が現れ、それに続き、脳が剝き出しの大男や大勢の人間が出てくる。

 

 

「一塊になって動くな!13号、生徒を守れ!!」

 

 

相澤の叫びに真っ先に反応したのは13号。それに続いて異常事態なのだと気付いたのは狂夜、轟の二名。

 

 

「なんだアリャ……これって入試ん時みたく、もう始まってるパターンか?」

「違うな……」

「ああ、アレは……」

 

 

呑気な切島の発言を否定したのは轟と狂夜だった。そしてA組生徒を守る様に相澤がゴーグルを装備して、前に出た。

 

 

「動くな!あれは……ヴィランだ!!」

 

 

黒い霧状のモヤと人の手を顔に張り付けたヴィランが狂夜達を眺めながら話し掛けて来る。

 

 

「13号にイレイザーヘッドですか。変ですね……先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがいると伺っていたのですが……」

「どこだよ、せっかくこんなに大勢引き連れてきたのにさ…オールマイト……平和の象徴いないなんて……」

 

 

顔に手を張り付けたヴィランは残念そうに呟きは空を仰いだ。そして狂夜達の方を睨む様に見据えると……

 

 

 

「そうだな……子供を殺せば来るのかな?」

 

 

 

顔に手を張り付けたヴィランから放たれた途方もない悪意。当てられたA組生徒はビクリと体を震わせ、動けなくなった。

 

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